平成567日目

1990/07/28

【アルベルト・フジモリ氏】第99代ペルー大統領就任

南米ペルーで移民二世のアルベルト・フジモリ氏が28日午前11時(日本時間29日午前1時)すぎ、首都リマの国会下院議場で、世界初の日系人大統領に就任した。

フジモリ氏は第99代大統領で任期は5年。ペルーはこの日が独立記念日で、フジモリ新大統領にとっても52歳の誕生日に当たる。

ガルシア前政権の5年間で物価は2万倍、年率約2800%という超インフレの中で、フジモリ新大統領にかかる国家再建の期待は大きい。しかし、経済政策をめぐる対立から側近が政権与党「カンビオ(変革)90」から相次いで離脱。挙国一致を目指す新政権に対して、左右各政党も非協力的な姿勢を見せ始め、極左テロも活発化するなど、“フジモリ丸”の行方は波高い。

最大の課題は、破産状態とも言える経済の再建。そのカギとなる新規借款を得るために、国民に多少の犠牲を強いようとも国際通貨基金(IMF)が求めるような厳しい調整政策をとるべきだ、とするフジモリ政権の方針が次第に鮮明になっている。

このためフジモリ新大統領は就任後間もなく、選挙前の公約を事実上取り消すような形で、政府専売のガンリン、公共料金の値上げ、賃金アップの制限など厳しい経済政策を発表するとみられている。これに対し貧困層を中心とした反発が予想され、ストライキなどで経済活動がさらにまひする恐れもある。《共同通信》



【ペルー・フジモリ大統領】就任演説

南米ペルーで28日午後(日本時間29日未明)、日系二世アルベルト・フジモリ大統領が就任、日系大統領の率いる世界初の政権が誕生した。新大統領は1時間20分にわたる就任演説で国民に団結を呼び掛けるとともに、経済再建、ゲリラ・麻薬対策など主要問題に対する施政方針の概要を明らかにした。

フジモリ大統領は就任式でアラン・ガルシア前大統領がかけていた、大統領の地位を象徴する懸章を付け「神に誓い誠実に職務を遂行する」と宣言。初の公務として閣僚を任命し、続いて元首として軍最高司令官に就任、各国首脳、政府代表らから祝福を受けた。

新大統領は宣誓後、約1時間20分演説。冒頭で、ペルー人の謙虚さを持ち“あなた(一般国民)のような大統領”という気さくな市民の感覚で職務に就く、と述べ、公務員の腐敗追放をまず強調した。国民が、ガルシア前政権下で汚職、堕落が進んだと非難したのを受けたもので、腐敗対策委員会の設置方針を明らかにした。

ペルーが抱える200億ドル近い対外債務返済問題では、国際通貨基金(IMF)をはじめ国際金融界への復帰の目標を改めて確認した。国内経済対策では、180日間の“非常大権”を大統領に与えるよう議会に要請。国営企業民営化は必要としながらも、国民生活とかかわりの深い石油や電力を扱う公社の民営化はしないと述べた。

極左ゲリラ対策では「対話」が必要とし、麻楽コカインの原料コカの葉の最大生産国ペルーの立場から麻薬取り締まりには麻薬消費国の協力が不可欠と支援を訴えた。《共同通信》

【高知県春野町】89歳女性が拳銃つきつけ「金返せ」

高知県吾川郡春野町に住む89歳のおばあさんが「貸してあった金を返せ」と自分のめいの夫に本物の短銃を突き付けて脅し、通報で駆け付けた土佐署員に銃刀法違反の容疑で取り調べを受けていたことが29日、分かった。短銃には実弾は入っていなかったが、老女の暴走に同署員らも驚いている。

調べによると、この老女は28日午後5時半ごろ、自宅の離れに住むめいの夫(67)に自動式短銃を突き付け「めいの治療費に貸した金を返せ」と要求。めいの夫が警察に通報したため、老女は母屋に戻ったが、駆け付けた同署員が母屋の布団の下に隠してあった短銃と納屋の2階にあった実弾94発を押収した。

短銃は米国製コルト32口径。老女は「北米に移住した実兄(故人)かが昭和37年ごろ帰国した際、持ち帰ったもので、形見としてもらった」と話している。

老女はこのめいを養女に迎えて一緒に暮らしているが、めいは6年前に脳内出血で入院。最近はめいの夫との折り合いが悪くなり、めいの治療費の一部を返せ、と短銃を持ちだしたらしい。同署は容疑者が高齢のため、任意でさらに詳しい動機などを聴く。《共同通信》

【海部俊樹首相】自民党セミナーで講演

海部首相は28日、長野県・軽井沢町のホテルで開かれた自民党軽井沢セミナーで約1時間講演し、当面の外交、内政全般に臨む基本姿勢を明らかにした。

この中で首相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が金丸元副総理を団長とする自民党訪朝団を受け入れる意向を示したことに関し「第18富士山丸問題の人道的解決の場緒になる。朝鮮半島が統一に向けて徐々に動きつつある」との認識を示すとともに「9月(に予定される自民党)の訪朝団には、(日朝問題)解決に向けてのイニシアチブを期待している」と強調。金丸氏の訪朝を契機に、日朝関係を前進させたいとの強い意欲をにじませた。一方、秋以降の内政の最大課題となるコメ市場開放問題には一切言及しなかった。

首相は日ソ関係で、ゴルバチョフ大統領らソ連首脳の北方領土をめぐる一連の発言について「一喜一憂しない」と、の対応を改めて示した上で「ゴルバチョフ大統領来日の時は双方が問題を解決できる共通の理解と認識が得られるよう、一日一日積み重ねの努力をしていきたい」と述べ、大統領来日をひとつのめどとして、日ソ関係改善に向け各レベルでの協議に全力を挙げる考えを強調した。

首相は「隣国として、ソ連への支援は惜しむものではない。ソ連の活性化に全力を挙げて協力する」とし、具体的には知的協力、経済調査団の受け入れなどを含む「拡大均衡」で関係強化を図る考えを重ねて明確にした。

一方、内政面では①選挙制度を中心にした政治改革②土地対策③物価の内外価格差是正④消費税問題の決着を「四つの柱」として真正面から取り組む、と述べた。

このうち選挙制度改革については「政策中心、政党中心の選挙にする」と重ねて小選挙区制と政党法の導入に意欲を見せたものの、改革案策定の具体的時期に関しては「一日も早く取りまとめて国会に出し、成案を得たい」と述べるにとどまった。

また、年末の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)決着と密接に絡むコメの市場開放問題については、自民党内で意見が分かれているほか、最近になって政局に結びつける思惑などが目立ってきたことなどに一配慮、慎重に発言を避けた。《共同通信》



7月28日のできごと