平成478日目
1990/04/30
この日のできごと(何の日)
【海部俊樹首相】インド・シン首相と会談
海部首相とインドのシン首相による二回目の首脳会談が30日午前(日本時間同日午後)ニューデリー市内の首相府で、約50分間行われた。
この中でシン首相は、海部首相が南西アジア7カ国の地域協力機構である南アジア地域協力連合(SAARC)に対し協力検討を表明したのに対し、歓迎の意を示した。海部首相はインドに対する1990年度の円借款について両国間で過去最高の1000億円程度供与する考えを明らかにした。
SAARCについてインドはこれまで主導権を維持するため域外国からの協力に対して消極的で、日本の協力検討に評価をしたのは初めて。首相同行筋は今回のインド側の姿勢についてインド、南西アジア地域の国際経済への開放化に向け「かなり変化の兆しを見せた」としている。
会談で海部首相は「SAARCが域外国との協力を進めるなら、日本としては適切な協力の検討にやぶさかではない」と表明、シン首相は「日本の積極的な姿勢を歓迎する」と述べ、特に技術面での日本の協力に期待を示した。これに関連してシン首相はインドを含む南西アジア地域の経済発展について農業部門の発展の重要性を指摘し、国際経済への参加に向けて外貨準備の焦点となる輸出産業振興のため「日本の技術などの援助、役割が重要だ」と述べた。《共同通信》
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【在日韓国人】3世の指紋押なつ免除
中山外相と韓国の崔浩中外相による第5回日韓外相定期協議が30日、ソウルの韓国外務省で開かれ、最大の懸案となっていた在日韓国人3世の法的地位・待遇向上問題について①3世以降に自動的に永住を認める②3世以降への指紋押なつは行わないこととし、代替手段を早期に議する③外国人登録証の常時携帯は3世以降の立場に配慮した適切な解決策を見いだすーなど6項目で合意、大筋で決着した。
これにより、5月20日からの盧泰愚大統領訪日が確定、政府は本格的な受け入れ準備に入る。訪日日程は連休明けの8日にも日韓両国政府から公式発表される。
午前10時から始まった会談で両外相は、日韓関係について「過去の問題を処理して、新しい未来志向的関係に入る」との基本認識で合意、それに基づき3世問題、在韓被爆者援護問題、サハリン残留韓国人支援問題、経済、技術、文化交流などについて話し合った。
3世問題では、永住権付与、再入国許可期間の延長などでは進展したものの、指紋押なつ義務、外国人登録証の常時携帯義務の取り扱いをめぐって、韓国側はあくまで免除の明文化を主張。日本側は指紋押なつに代わる人物特定手段の開発を待って免除するとして、明文化に難色を示した。このため、休憩後の再開を午後2時から午後5時半に遅らせ、この間、中山外相はインド滞在中の海部首相に電話して判断を仰ぐ一方、谷野外務省アジア局長と金正琪韓国外務省亜州局長との事務レベルで折衝を続けた。海部首相と中山外相の電話会談の結果、3世問題の決着が遅れれば盧大統領の訪日日程にも悪影響を及ぼすと判断。指紋押なつについては韓国側の主張を受け入れ、押なつ義務の免除と、指紋に代わる本人特定手段を早期開発するとの譲歩案を示すことで一致した。
このほかの合意事項も韓国側の要求に沿って①永住権を認める②退去・強制は内乱・外患の罪、外交上の利益にかかわる罪に限定③再入国許可期間を最長5年とする④外国人登録証の携帯制度は適切な解決策を見いだす⑤教育問題、地方自治体公務員、教師の採用問題、地方自治体選挙権問題について今後協議する―などを、午後5時半に再開した外相会談で確認した。《共同通信》
【プロ野球・ヤクルト】今季巨人戦初勝利
巨人1−2ヤクルト◇30日◇神宮
選手にとっても野村監督にとっても、小さな1勝ではない。開幕戦では”疑惑”の本塁打に泣き、昨年から数えて巨人戦の連敗が「6」でようやくストップ。待ちに待った1勝だった。
意外にも新人古田(トヨタ自動車)のバットが火を付けた。二回一死一、二塁。それまで8打席無安打のルーキーは、カウント1−3から木田の145キロの速球を狙い打ち。「ストレートしかないと思い、一、二、三でバットを振った。自分でもびっくりするような打球が飛びましたねえ」出会い頭の一撃だった。
野村監督が期待をかけたのがリード。「バニスターは確かによく投げたけど、古田の洞察力と判断力は買える。考えた配球をしたねえ」。16試合目で始めて聞いた捕手への褒め言葉だ。
語気を荒げたのは八回の内藤の守備だ。無死一、三塁から岡崎の投ゴロで三塁走者吉村が飛び出したのを見て刺そうとして野選に。「投ー遊ー1」の併殺が常識。それに投手がなぜ、本塁でなく三塁のカバーにいくんだ」
「考える野球」に到達しない選手たちにボヤキも出る。野村監督は自チームを「Bクラスの体質」と表現する。それでも4月を7勝9敗で終わったことを「上出来」とも話した。なかなか結果に結びつかないが、体質改善が進んでいることも事実だ。そんな手ごたえを感じ取っているのかもしれない。《共同通信》