平成8389日目
2011/12/27
【政府】普天間移設評価書、 提出できず
政府は27日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の評価書を配送業者に車で那覇市の県庁へ運ばせた。しかし車は提出を阻止しようと詰め掛けた市民団体の人たちに囲まれて引き返し、提出できなかった。米政府の強い意向を受けた年内提出の動きに、県外移設を訴える沖縄県側の反発は激化。一川保夫防衛相は28日も提出を模索する考えを記者団に表明した。
一方、仲井眞弘多知事はアセス完了後に政府が辺野古埋め立てを申請しても、承認しない意向を示していた。
市民団体は28日も県庁に詰め掛ける予定で、提出実現のハードルは高くなっている。県側は午前8時半から午後5時15分までの開庁時間外には受理しないとしている。
評価書を積んだ配送業者の車は27日午前と昼の2回、県庁に到着。だがいずれも提出を阻止しようと集まった市民らに取り囲まれて動けなくなり、事故を懸念した県側の要請を受けて沖縄防衛局が引揚げを指示した。
一川氏は防衛省職員に直接持参させなかったことについて「混乱を生じさせたくないとの思いで配送をお願いした」と説明。提出を阻止した市民の動きに関しては「残念だ。車が県庁内に入るのを阻止するのはちょっと過剰だ」と指摘した。
配送業者による配達が失敗したため、沖縄防衛局幹部が持参することも含めて調整している。
評価書はアセス手続きの最終段階。政府は来年6月ごろまでにアセスを完了させて、移設に必要な辺野古沿岸の埋め立てを知事に申し立てたい考えだ。
しかし仲井眞氏は27日、報道陣とのインタビューで、政府が埋め立てを申請した場合の対応について「県外移設という私の考えと違う結論は出ないだろう」と述べた。
評価書は約7000ページで、飛行場建設が自然環境や住民生活に及ぼす影響と対策を記述。米軍が2012年中に沖縄に導入予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイに関しては、住宅地での騒音が「防音対策が必要な基準を下回り、特段の支障はない」と結論付けている。《共同通信》
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【JR金沢駅】「世界で最も美しい駅」の一つに
JR金沢駅が27日までに、米の旅行雑誌「トラベル・レジャー」のウェブ版で、「世界で最も美しい駅」の一つに選ばれた。鼓門の写真とともに掲載された記事では「未来観を醸し出したデザインの玄関をじっくりと堪能してほしい」などとおすすめの見学方法を紹介しており、関係者は「世界に金沢をPRするチャンス」と期待を寄せている。
トラベル・レジャーはアメリカン・エクスプレスの関連会社が発行する米国を代表する旅行雑誌。「世界で最も美しい駅」と題されたウェブ版記事では世界の14駅が掲載され、ロンドンのセント・パンクラス駅やトルコ・イスタンブールのシルケジ駅などのほか、日本からは唯一、金沢駅が取り上げられている。
金沢駅は、ガラスの「もてなしドーム」と鼓門が完成当初は地元住民の間で議論を呼んだと指摘。「第2次世界大戦後に空襲を受けずに保存された伝統的な城下町の建築様式がモダンさと激しく衝突したため」とし、一方で、観光客や写真愛好家の間で人気が高まったことから「今ではしゃれたモダンなデザインにおさめられた美を追究するかのごとく人々が足を運ぶ」としている。金沢市観光協会では「世界の金沢の魅力を発信できる記事」と歓迎しており、2014年度末の北陸新幹線金沢開業も控え、外国人旅行者の集客に期待を寄せる。《共同通信》
【ホンダ】新車1055台のスクラップ開始
タイの洪水で大きな被害を受けたホンダの現地法人は27日、中部アユタヤ県にある工場で、出荷前に水につかった新車の廃棄作業を始めた。乗用車「シビック」など計1055台(約16億6000万円)を約1か月半かけて廃棄するという。工場は10月上旬に浸水したが、11月下旬に排水作業が完了。車体を潰すプレス機などを工場に搬入しており、車の解体からスクラップまで全ての工程を行う。
水没した車が洗浄され市場に出回るとのデマが広がったこともあり、同社は消費者の不安を払拭するため水につかった全ての車の廃棄を決めた。ピタック副社長は「品質の良い製品だけを提供していく」と語った。タイに進出している日系自動車メーカー7社のうちホンダは唯一、工場が浸水する被害を受け、生産再開の見通しは立っていない。《読売新聞》
【韓国・中央日報】「日本沈没」取り消します
27日付の韓国紙、中央日報は、東日本大震災発生当日の状況を報じた3月12日付の1面で「日本沈没」という見出しを付けたことが「災害に苦しむ日本人を傷つけた」として、当時の紙面を取り消すとする「反省文」を掲載した。
反省文は、今年の同紙の報道全般について不適切だった点を振り返るコーナーに、1ページの3分の1程度を割いて掲載。新たに「力を出せ、日本」との見出しを付けて編集し直した紙面を並べた。《共同通信》
【福島県議会】政府に事故収束宣言の撤回要求
福島県議会は27日の本会議で、政府による東京電力福島第1原発事故の収束宣言について「県の実態を理解しているとは言い難い。宣言を撤回し、真の収束へ全力を挙げ、避難住民が帰還できる環境の実現を強く要望する」との意見書を全会一致で可決した。
意見書は、野田佳彦首相や衆参議長ら宛てに提出する予定。
県議会は意見書で「溶け落ちた核燃料の正確な位置も分からず、原子炉の冷却システムでは処理水の漏えいが相次いでいる」などとして、現段階での収束宣言は避難住民の不安を増幅させていると批判している。
佐藤雄平知事も18日、細野豪志原発事故担当相ら3閣僚と会談した際に不快感を表明していた。《共同通信》
【大阪府、大阪市】「府市統合本部」発足
大阪府と大阪市は27日、松井一郎知事と橋下徹市長を正副本部長とする「府市統合本部」を立ち上げ、初会合を開いた。同市を解体、再編する「大阪都」構想が実現するまでの間、広域行政の一元化で二重行政解消を図り、共通の成長戦略を描く司令塔と位置付ける。
府の第2庁舎「咲洲庁舎」(大阪市住之江区)に事務局を設置。この日は府市併任の職員25人に辞令を交付し、今後の作業工程や組織体制について確認する。《共同通信》
【中国】レアアース輸出枠維持
中国商務省は27日、2012年のレアアース(希土類)輸出枠について、今年の水準を基本的に維持すると発表した。
今回から軽希土類と中重希土類に分けて許可量を決める制度を開始。ハイブリッド車生産などに使われ、世界埋蔵量の多くが中国にあるジスプロシウムなどの中重希土類の管理を強化するためとみられ、日本企業の調達が困難になる恐れがある。
レアアースの価格高騰や需給悪化を招いた中国の輸出規制策に批判が集中。米国などは世界貿易機関(WTO)への提訴も視野に入れており、輸出枠の維持で国際的な批判をかわす狙い。オーストラリアなど世界各地でレアアース開発が進む中、「脱中国」の流れも警戒しているとみられる。《共同通信》
【政府・民主三役委員会】
野田佳彦首相は27日午前の政府・民主三役会議で、消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革大綱素案について「年内に党の意見集約を行ってほしい」と指示する一方、政府、与党での素案正式決定に関しては越年もやむを得ないとの認識を示した。民主党議員が離党表明をするなど党内の反発が強まっていることを考慮した格好。反対派が勢いづくことも予想され、今後の一体改革論議にも影響を与えそうだ。
首相は会議後、記者団に消費税率10%への段階的引き上げいついて「具体的な税率と時期を含め年内に党の意見を集約する」と強調。同時に「(一体改革は)政権のためでも党のためでもなく、国の現状を考えると先送りできない課題だ」と述べ、増税実施への決意を再表明した。
首相は三役会議で、増税への国民理解を得ることを念頭に、来年1月召集の通常国会で、国家公務員給与削減の臨時特例法案や、郵政改革法案、国会議員定数減の関連法案の提出に向け「全力で取り組む強い決意で臨んでほしい」と指示した。
首相の指示を受け、民主党の税制、一体改革両調査会合同会議は税率引き上げの具体案を盛り込んだ「素案税制改革案」の協議を本格化する。まとまり次第政府に提示する考えだが、政府、与党の「社会保障改革本部」での大綱素案決定は年明け以降になるとの見方が大勢だ。《共同通信》《共同通信》
【首相動静】
インド訪問
野田佳彦首相は27日午前、政府専用機で羽田空港からインドのニューデリーに向けて出発した。出発に先立ち首相は「インドにおけるインフラ整備などの協力についてシン首相と意見交換したい」と述べた。《日経新聞》
野田佳彦首相は27日夕(日本時間同日夜)、インドの首都ニューデリーに政府専用機で到着した。28日にはシン首相と会談し、2国間の安全保障や経済の連携だけでなく地球規模の課題で協力する「戦略的グローバル・パートナーシップ」の強化を盛り込んだ共同声明に署名する。
首相は27日の地元関係者らとの会合で「インドとはアジアの二大民主主義国家として政治、経済、幅広く協力を強化していく決意だ」と語った。《日経新聞》