平成1442日目
1992/12/19
この日のできごと(何の日)
【韓国】次期大統領に金泳三氏
18日に投票が行われた韓国の第14代大統領選挙は、19日朝までの開票で、与党・民自党の金泳三候補が民主党の金大中候補に約190万票差をつけて圧勝、「安定の中の改革を望む国民すべての勝利だ。今名実ともに文民政治を創造した」と勝利宣言した。敗れた金大中候補は同日朝、国会議員を辞任し政界から引退することを明らかにした。長年の「両金」対決に決着がつき、金泳三時代が開幕、野党を主導してきた金大中時代が終わる。
金泳三氏の勝利は、国民が「安定」を求めた結果といえる。しかし、野党リーダーから与党・民自党総裁に変身して権力の頂点を極めたものの、同氏の行政手腕そのものは未知数だ。議会で安定過半数を占めている民自党内での権力基盤も決して盤石とはいえず、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との南北対話や国内経済再建などに試行錯誤で取り組んで行くことになろう。
また、金泳三氏が地元の釜山と慶尚道で、金大中氏が地元の光州と全羅道で相手を寄せ付けない強さを示したように、地域の対立感情は依然根強く、それをどう克服するか新政権にとって大きな課題となる。 就任式は来年2月25日。32年ぶりに軍歴のない文民大統領が誕生する。任期は一期五年のみ。
KBSテレビの開票速報によると、開票率98.5%の段階で、金泳三氏は983万20票(得票率41.4%)を獲得し、ライバルの金大中氏の792万1817票(同33.4%)に190万票以上の大差をつけた。国民党の鄭周永候補は380万1124票(同16.0%)にとどまった。 一方、金大中氏の引退によって、野党勢力は再編に拍車がかかりそうだ。民主党は今後、李基沢共同代表が主導していくことになるが、釜山出身の李氏率いる少数派の民主党系と、全羅道勢が多い新民党系が、後継体制をめぐって対立する可能性が高い。
カリスマ的な存在だった金大中氏が去った後の野党勢力をまとめるだけの指導者も不在だ。また鄭周永代表のワンマン政党だった国民党も、駆け込みで合流した李鍾賛議員や朴哲彦議員など民自党離党グループから鄭氏引退を求める声が強まりそうだ。《読売新聞》
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韓国大統領選で、金大中・民主党候補は19日午前8時半、ソウルの党本部で記者会見し、「私はまた、国民の信任を受けるのに失敗した。敗北を謙虚な心情で認定する」と敗北宣言するとともに、「本日をもって国会議員を辞職し、平凡な一市民となり、40年の波乱の政治生活に幕を引く」と政界引退を表明した。
金氏は7、80年代を通じて韓国民主化を先導してきた一方のリーダー。金氏の引退は、87年選挙で勝利した盧泰愚政権後も尾を引きずってきた「軍事独裁対民主化」という時代が名実ともに終わったことを意味し、韓国が新時代に転換することを象徴する。 金氏は敗北宣言した後、「金泳三候補の当選を心からお祝いする。大統領として政治、経済、社会すべての分野での成功と、国民の民主的発展と祖国の統一に寄与することを望む」と同じく民主化を担ってきた金泳三氏にエールを送った。
金氏は今後については、「一党員として私の力の限り、党と同志の発展に微力ながら献身協力する」と述べつつ、「私に対する評価は歴史に任せ、静かな市民生活に入る。敗北した以上、勝敗についても語りたくない」と述べた。《読売新聞》
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【宮澤喜一首相】韓国・金泳三次期大統領に祝意
宮澤首相は19日午前、韓国大統領選の結果についてコメントを発表し、新たに次期大統領に選出された金泳三氏に対し「心から祝意を表したい」と述べた。
首相は「日韓両国は自由と民主主義という価値観を共有するアジア太平洋地域の重要なパートナー」と位置付け「新大統領と力を合わせ日韓関係の一層の発展に努めていきたい」との考えを示した。《共同通信》
【自民党・小渕恵三元幹事長】総裁選「宮澤氏再選を支持」
自民党小渕派会長の小渕恵三・元幹事長は19日、福岡市内のホテルで開かれた「毎日・世論フォーラム」(毎日新聞社主催)で講演し、来年の課題として、5年度予算案の早期成立と先進国首脳会議(東京サミット)を挙げたうえ、来年9月の自民党総裁選について、「宮澤首相がそういうことを乗り越えるならば、我々はぜひ力添えを申し上げ、引き続き政権を担当することもよしということではないか」と述べ、首相の総裁再選を全面的に支持する考えを明らかにした。
三塚政調会長が先に政治改革断行を条件に首相の再選支持を表明したが、特に条件を付けずに支持を明言したのは党内派閥会長で小渕氏が初めて。さらに、小渕氏は宮澤政権の今後について、「誕生時に厳しい批判をされた方が(結果的に)長期政権になる。佐藤、中曽根両内閣はそうだった。宮澤政権も厳しい中で出発しているから、長く続くという気がする。ぜひ我々も協力する派閥の一つとしてお手伝いしたい」と述べ、梶山幹事長を送り込んでいる主流派閥として、政権を支える考えを強調した。
また、小渕氏は次期衆院選の時期について、「予算案を早期に成立させ、7月の東京サミットを越えてからだと思う」と指摘、9月の総裁選前に首相が衆院解散に踏み切るのではないかとの見通しを示した。さらに、小渕氏は政治改革について、次期通常国会に単純小選挙区制を柱とした自民党案を提出すべきだと強調して「一度、国民の信任を得て、新しい制度に取り組むのが望ましいのではないか。来年の衆院選で、信を問うのは時間的に難しい」と述べ、選挙制度をめぐる本格論議は次期衆院選以降にすべきだとの見解を示した。《読売新聞》
【本田技研、いすゞ】提携発表
本田技研工業といすゞ自動車は19日、日米市場での自動車販売強化を図るため、小型乗用車とレクリエーショナル・ビーグル(RV)を相互に供給し、自社ブランドに変えて販売する計画で基本合意した、と発表した。
不足する車種を供給しあって販売台数を確保、深刻な自動車不況下での業績落ち込みを食い止めるため業務提携を決断した。具体的には本田は小型自動車ドマーニをベースとした姉妹車をいすゞに供給、いすゞは来年秋から年間1万台を目標に販売する。《共同通信》