平成5086日目
2002/12/11
この日のできごと(何の日)
【和歌山毒物カレー事件】林真須美被告に死刑判決
和歌山市で4人が死亡、63人がヒ素中毒になった1998年7月の毒物カレー事件で、殺人罪などに問われた林真須美被告(41)の判決公判が11日、和歌山地裁で開かれた。小川育央裁判長は、被告の殺意とヒ素混入の実行行為を認めた上で「犯行は極めて悪質で冷酷。前代未聞の事件で被告の犯罪性向は根深い」として、求刑通り死刑を言い渡した。
焦点の動機について「他の主婦に対する激高」とした検察側主張を退けたが、ヒ素(亜ヒ酸)の混入量などから被告に未必の殺意があったと認定。状況証拠を基に「異常な事件を起こす具体的動機は解明されず、殺意は未必的なものにとどまるが、被告が犯人であることに合理的な疑いを入れる余地はない」と結論付けた。弁護団は同日、判決を不服として控訴した。
判決は、カレーの調理場だったガレージでは被告を疎外する居づらい雰囲気があったが、被告の様子や行動からは「激高」は認められないと判断。「動機は解明できないが、被告の犯人性の判断に影響しない」と述べた。
その上で殺意について検討し、混入されたヒ素の量を少なくとも約135グラムで450−1350人分の致死量と指摘。ヒ素の毒性を十分に認識していた被告に殺意があったと認めたが、「食べた人がほぼ確実に死亡するとの認識で犯行を敢行したとは考えられない」と述べ、未必的な殺意だったと判断した。
別に起訴された殺人未遂四件のうち、夫のA受刑者(57)=服役中=と無職男性(40)に対する3件は真須美被告の犯行と認め、シロアリ駆除会社元従業員(40)に対する1件について無罪とした。
さらに、検察側が証拠提出した、起訴されなかった9件の『類似事実』のうち、無職男性を97年10月にヒ素入りのマーボー豆腐で殺害しようとした件も被告の犯行と断定。「カレー事件前の1年半以内に、4回も殺害の手段として猛毒のヒ素を使用したことは、被告以外の関係者には認められない特徴で、カレー事件の犯人性を肯定する重要な間接事実」と述べた。
また判決は、カレー鍋には被告周辺で見つかったヒ素が青色紙コップで運ばれて混入された可能性が極めて高いと指摘。「このヒ素を現実に入手でき、混入の具体的な機会があったのは被告のみ」と結論付けた。《共同通信》
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【自民党・亀井静香前政調会長】中国共産党・曽慶紅氏と会談
自民党の亀井静香前政調会長は11日夜、北京で中国共産党の曽慶紅・政治局常務委員と会談した。亀井氏は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核兵器・ミサイル開発が安全保障上の脅威になっていると指摘し「北朝鮮に強い影響力を持つ中国に(開発阻止に向け)努力していただきたい」と要請、曽氏も努力を約束した。
亀井氏は与党3党でつくる「日中緑化推進議員連盟」の会長として訪中した。曽氏は先の党大会を経て序列5位の常務委員に昇格後、日本の有力政治家に会ったのは初めて。曽氏は北朝鮮の核開発計画について「全く知らず、
びっくりした」と述べた。《日経新聞》
【小泉純一郎首相】投資家優遇税制に意欲
小泉純一郎首相は11日夜、都内で成田豊電通会長らと会食し、証券税制見直しについて「(来年の)通常国会では貯蓄から投資へ誘導する税制を考えてみたい」と述べ、投資家を優遇する税制の実現に意欲を示した。《日経新聞》
【皇太子同妃両殿下】豪州などへ出発
皇太子ご夫妻は11日夜、ニュージーランドとオーストラリアへの公式訪問に向け、政府専用機で羽田空港を出発された。12日朝、ニュージーランドのオークランドを経由し、最初の訪問地となる同国の首都ウェリントンに到着する。
2人そろっての外国訪問は1995年1月の中東以来、約8年ぶり。皇太子さまは14歳だった1974年、初めての海外旅行でオーストラリアに行き、約2週間、現地の家庭にホームステイしたことがある。雅子さまは結婚前の外交官時代も含め、初めての両国訪問。
ニュージーランドで博物館や国際南極センターなどを視察するほか、クライストチャーチ市長主催などの歓迎式典に出席。16日からはオーストラリアに移動し、無名戦士の墓への献花や、在留邦人との面談などが予定されている。19日午後に帰国する。《共同通信》
【米国】カタールと基地使用協定
カタールを訪問中のラムズフェルド米国防長官は11日、ハマド外相との間で、カタール・アルウデイド空軍基地の整備に伴う米軍の新たな基地使用協定に署名した。
同基地には中東で最長となる約4500メートルの滑走路が完成。米軍は国内の基地使用に消極的なサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地の機能もアルウデイド基地に移転しており、同基地が対イラク攻撃の際、最大の地上出撃拠点になるのは確実。米国は新協定締結で名実ともにカタールとの協力関係を構築、イラクへの圧力をさらに強めている。
新たな協定の具体的な内容は機密扱いで公表されていないが、アルウデイド基地の滑走路拡張に伴う財政や米、カタール両軍の使用分担などを取り決めたもようだ。米軍の駐留期間も明らかにされていない。イラク攻撃後も中東地域の抑止、即応態勢の維持を目的に米軍は同基地に長期駐留するとみられる。
米軍はカタールのアッサイリヤハ基地に、対イラク攻撃の際に前線司令部となる「戦術作戦センター」を設置し、中東周辺の米各軍の指揮命令系統の統合演習を現在行っている。アルウデイド基地を含め現在約4000人近くの米兵をカタール国内に投入。同基地の滑走路はあらゆる米軍機の離着陸が可能で、100機以上の軍用機を収容できる格納庫も備えている。《共同通信》
【この日の民主党】
野党結集準備委員会が選挙協力のあり方など議論
民主党の野党結集準備委員会(委員長・石井一副代表)が11日、第2回の会合を開いた。この日の会合では、野党結集の進捗について国民も関心を寄せていることから、臨時国会閉会(13日)後も同委員会の協議を継続し、野党間協力の方向性について集中的に議論を行うことなどを確認した。
石井委員長は会合後、この日の議論では野党間の選挙協力のあり方が中心テーマになったことを明らかにし、1)民主党と自由党の候補が競合関係にある60~70の選挙区のうち、両者の票を足せば自民党候補を上回るところなどを中心に候補者調整を行う必要がある、2)候補者の一本化に際しては、実績主義で勝てる候補を立て、小選挙区では民主党、比例では自由党を優遇するといった考え方はとらない──などの点が指摘されたと述べた。
また石井委員長は、委員会での議論の状況ついて、「まだ序の口。委員の間にもいろんな考え方があるが、少なくとも与党が結束して戦っている時に民主、自由、社民がバラバラでは不利だということ、野党が協力するメリットはあるということは共通認識になっている」と語った。《民主党ニュース》