平成2105日目
1994/10/13
この日のできごと(何の日)
【大江健三郎さん】ノーベル文学賞受賞決定
スウェーデン・アカデミー(本部・ストックホルム)は13日、94年度ノーベル文学賞を日本の作家、大江健三郎氏(59)に授与すると発表した。賞金総額は700万スウェーデン・クローナ(約9800万円)。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。
アジアの作家でこの賞を受けるのは、1913年のインドの詩人タゴール、故川端康成以来3人目。
大江氏は、東京大学文学科在学中、学生作家としてデビューし、「飼育」で芥川賞を受けたのは23歳の時。「死者の奢り」「芽むしり 仔撃ち」などで、「閉ざされた壁の中」の生を鮮烈に描き、一躍、戦後民主主義世代の文学の旗手となった。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【北九州6人焼死放火事件】中3男子逮捕
北九州市戸畑区で小学生の兄弟ら6人が焼死した放火事件で福岡県警戸畑署の捜査本部は13日、現住建造物放火の疑いで同市内に住む市立中3年の男子生徒(15)を逮捕した。調べでは少年は5月8日午前0時50分ごろ、同区南鳥旗町の時計店の車庫付近の段ボールに火を付け、同店を含む木造の店舗兼住宅やアパートなど7棟を全半焼させ、同時計店経営Aさん=当時(54)=ら2家族計6人を焼死させた疑い。少年は容疑を認めており、捜査本部は動機を追及している。
この約20分後にも現場から約150メートル離れた新築中の店舗が全焼する火災があり、少年はこの火災についても放火を認めているという。2件の火事で計7世帯37人が被災。捜査本部は、現場検証の結果、普段火の気のないところが出火場所とみられることから放火と断定。
被災者が恨まれるようなことがないため、目撃情報や現場付近を深夜にうろついていた者など約80人を調べた結果、この少年が浮上した。少年に事情を聴いたところ数日前になって犯行の一部を認めたため、裏付けを進めていた。少年は事件前に火遊びで、事件前後には住居侵入で補導されたことがあるという。《共同通信》
【プロ野球・中日】高木監督が続投
中日の高木守道監督(53)が来季も指揮を執ることが13日決まった。これで約1ヵ月にわたって揺れ動いた中日の監督問題にピリオドが打たれた。
同日午前、名古屋市中区の中日新聞本社を訪れた高木監督は、留任を要請していた加藤巳一郎オーナーと2度目の会談を行った。席上、高木監督は「いろいろとご迷惑をおかけしましたが、来季もやらせていただくことにしました」と受諾した。
また、これまで一貫して辞任すると繰り返してきたことに関しては「自分の信念を覆した限り、問題は残る」と、翻意したことへの批判は甘んじて受ける姿勢を示した。高木監督の契約期間などは未定だが、来季で監督4年目を迎える。《共同通信》
【美浜原発2号機】営業運転再開
関西電力美浜原発2号機は13日、通産省から検査合格証が交付されたのを受け営業運転を再開した。平成3年2月に蒸気発生器の細管が破断し国内の原発で初めて緊急炉心冷却装置が作動した大事故から3年8ヶ月。原発の信頼性、老朽化など多くの問題を提起した「M2事故」は、運転再開で一つの区切りがついたことになる。《福井新聞》
【政界談話室】
○…村山首相は13日、閣僚に対する“疑惑”追及が目立った衆院予算委審議を振り返り、記者団に「いろいろ言うことは自由ですから。国民の皆さんに議論を聞いて判断していただきます」と余裕を見せた。野党時代の社会党が疑惑究明に熱心だったことを指摘されても「社会党だってスキャンダルばかり取り上げてやっていたわけじゃない。そりゃ、具体的な事実があればはっきりさせなければいけないけど」と、取るに足らない疑惑と言わんばかり。それでも自衛隊問題での「私は憲法学者じゃない」という前日の発言は「言わずもがなじゃな。余計だった」と反省。
○…社会党の久保書記長はこの日午後、都内で講演。連立パートナーの自民党を水にたとえ「自分の入る容器に従って姿、形を非常に柔軟に変化させることができる」と、長年の政権担当で培ってきた柔軟性を指摘した。一方社会党については「同じ成分でできていても氷のようなものだ。政権の器に形を変えて入るのが、なかなか難しい」と、依然野党体質を払しょくできていないことを告白。続けて「あらゆる政権の可能性に挑戦しなければならない」と本格与党への決意を表明したが、久保氏が掲げる「民主主義・リベラル政権」を形には示さずじまい。《共同通信》
【村山富市首相】政策転換で見解
村山首相は13日午前の衆院予算委員会で、自衛隊を合憲とした社会党の憲法解釈の転換について①冷戦構造が崩壊し、歯止めなき軍拡の危険性が消えた②必要最小限の自衛力容認の国民意識が形成された③連立政権の成立―の内外情勢の変化を要因に挙げ「現在の自衛隊は憲法の枠内にあるという新たな認識を出した」と強調した。
12日の同委員会でこの問題をめぐって審議が紛糾したためあらためて正式な見解を表明した。憲法9条の条文との関係については言及しなかった。
同時に、先月の党大会で決定した方針に基づき、政策転換を盛り込んだ95年宣言を作成する考えを強調した上で「情勢に応じて政党が(政策変更を)検討するのは当然だ」と述べた。
社会党がこれまで自衛隊を違憲としていたことについて「これだけの議席を(これまで)とってきたのは国民の支持があったからで、責任を感じることはない」として、過去の政策に誤りがなかったとの見解を示した。
首相は消費税について「国民に定着している。所得、資産、消費の面で公平な課税をしている。現行の消費税は是認している」と述べ、消費税に肯定的な評価をした。
また玉沢防衛庁長官は、米軍の駐留経費について「米国との約束の経緯もあり、関係省庁に理解を求めたい」と述べ、最大限確保する意向を強調した。
改革の山岡賢次氏(新生)は武村蔵相と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とのかかわりを取り上げ「北朝鮮幹部と特別な関係があるのではないか」などと追及。これに対し蔵相は、「事実と反する発言だ。取り消してほしい」と反論した。《共同通信》