平成2156日目

1994/12/03

この日のできごと(何の日)

【台北市長選挙】陳水扁氏が当選

3日投果の初の台湾省長、台北・高雄両直轄市長選は即日開票の結果、与党国民党が台湾省長、高雄市長は確保したものの、首都に当たる台北で独立を掲げる最大野党民主進歩党に大差で敗れた。

選挙戦は国民党、民進党、国民党から分かれた統一促進派の新党の3党を中心に展開。民進党は他党から「独立主張の危険な政党で、当選すれば(中国)大陸から侵攻される危険性がある」と批判にさらされたにもかかわらず、市長の座を国民党から奪った。

このため独立運動に弾みがついて中国が反発、中台関係が緊張化に向かう可能性がある。外交舞台の中台駆け引きも一層強まり、日本が巻き込まれる場面も出てこよう。

台北市長は行政院会(閣議に相当)に出席することが認められており、中央行政的にも国民党は支配体制の一角を崩された。

李登輝総統は選挙結果を受けた声明を発表し「当選者たちが社会の調和と安定に努力するよう求める」と訴えた。国民党は敗因をめぐって内紛が起きる可能性もあり、結束が図れるかどうかが注目される。

台北市長に決まった陳水扁候補は弁護士から政治家に転身、1989年から立法委員(国会議員に相当)を務め、法律家らしい鋭い弁舌で人気が高く、選挙戦では福祉政策の充実を強して共感を得た。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【羽田孜前首相】新進党党首選出馬見送りを表明

新生党党首の羽田孜前首相は3日正午すぎ、遊説先の福岡市内で記者会見し、野党が12月10日に結成する「新進党」初代党首選挙への出馬を見送る考えを表明した。これにより、新進党の首脳人事をめぐり、党首に海部俊樹元首相、幹事長に小沢一郎新生党代表幹事との「新党準備会」内の流れは一層確実なものとなった。

羽田氏は「ただ何になりたいというわけではない。ただ(新進党が)目指すものをやりたいだけだ。それは党首でなくてもできるし、だれかを支えることででもできる」と述べた。さらに羽田氏は「一人しか立候補しなければどうにもならない。それも選挙の(手続きの)結果だ」と指摘、投票前の候補者の事前調整もやむを得ないとの考えを示した。

また「選挙をやってもしこりが残らないようにしなければならない。だれがなろうと腹の中が悔しくても、結果を見極め、新しい党が機能できるようにしないといけない」と新進党の党内融和を優先させるべきだとの考えを強調した。《共同通信》

【別府大付高・城島健司捕手】ダイエー入りを表明

ダイエーがドラフト1位指名した大分・別府大付高の城島健司捕手(18)=182センチ、85キロ、右投げ右打ち=が3日、プロ入りを表明した。

別府市の同校をこの日、王監督、根本球団専務、大谷編成部長が訪れ、初めて本人を交えた入団交渉を行った。約1時間の話し合いの中で、城島は「ホークスさんにお世話になりたい」とダイエー入りの意思を伝えた。条件提示は後日、両親を交えて行われる予定で、その場ですんなりと仮契約を結ぶもよう。

大学が内定していた城島をダイエーが逆指名したことで、コミッショナーが調査に乗り出すなど、ドラフト制度に一石を投じる形になった。しかし、本人のプロ入りの気持ちが強く、駒大側が引き下がって収拾した。

王監督は「チームとしても絶対に欲しい選手。われわれの望んだ形になって大変喜んでいる。スーパースターを目指して頑張ってほしい」と期待を寄せていた。

あこがれの人、王監督との初交渉で緊張は隠せなかった。進学かプロ入りかで揺れ動いた城島捕手に、プ口入りを決めた心境を聞いた。

―入団要請への答えは。

「気持ちはホークスさんにお世話になります、という自分の気持ちを伝えた」

―今の率直な気持ちは。

「駒大の太田監督をはじめ糸永監督、木許校長先生に自分のわがままで大変ご迷惑をお掛けした。一つ一つ努力を重ねていい選手になることが最高の恩返し。一日も早く恩返しがしたい。

―王監督との初交渉は。

「あこがれの人だった王監督に会い、その人の口から高い評価をいただいたことがうれしかった」

―プロ入り決断したポイントは。

「監督から、ダイエーだけでなく野球界を負っていく選手という評価をいただいて、野球をやっている者として感動した。それが最終的にプロ入り決めることになった」

―プロ入り後の目標は。

「ダイエーといったら、真っ先に名前が出てくるよう球団を代表する選手になりたい」《共同通信》

【スピードスケート・W杯】開幕戦

スピードスケートのワールドカップ(W杯)スプリント種目の開幕戦、帯広大会第1戦は3日、帯広市の帯広の森スピードスケート場に14カ国から71選手が参加して開幕。

第1日は男子500メートルがで清水宏保(日大)、同1000メートルで宮部行範(三協精機)、女子1000メートルでは楠瀬志保(佐田建設)が優勝するなど、日本勢が好スタートを切った。清水、楠瀬はともにW杯通算3勝目、宮部行は初勝利。

清水は37秒60で500メートルを快勝。リレハンメル五輪銅メダルの堀井学(新王子製紙)は37秒64秒で3位。五輪金メダルのアレクサンドル・ゴルベフ(ロシア)は12位だった。

男子1000メートルは宮部行の1分16秒24に続き、堀井も2位と健闘した。楠瀬は得意の1000メートルを1分24秒49で制したほか、500メートルでも3位に入る活躍だった。

女子500メートルでは、リレハンメル五輪で500、1000メートルを制し、五輪2大会連続の短距離二冠を達成したボニー・ブレア(米国)が41秒20で圧勝。女王の貫録を示した。《共同通信》

【アジア・オリンピック評議会】11選手のメダルはく奪

アジア・オリンピック評議会(OCA)は3日、広島アジア大会に出場した中国の11選手がドーピング(薬物使用)に陽性反応を示したことを正式に公表し、水泳の金メダリストら11人全員のメダルはく奪処分を発表した。OCAのアーマド会長が同日、クウェート市のOCA本部で黒田善雄医事委員長からの報告を受け、処分を決めた。

OCAが発表した11人の違反選手は金メダル各4個を獲得した男子の熊国鳴、女子の呂彬らの競泳選手7人のほか、陸上女子1人、カヌー男子2人、自転車女子1人。《共同通信》



12月3日 その日のできごと(何の日)