平成2157日目

1994/12/04

【WBCバンタム級王座統一戦】薬師寺選手が辰吉選手に判定勝ち

12月4日のできごと(何の日)

日本人王者同士の対戦として注目された、世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級統一タイトルマッチ12回戦は4日、名古屋市総合体育館で行われ、チャンピオンの薬師寺保栄(松田)が暫定王者の辰吉丈一郎(大阪帝拳)に2−0の判定勝ちして、3度目の防衛に成功した。薬師寺の戦績は26戦23勝(16KO)2敗1分け。

辰吉は、目の網膜剥離を克服して再起したが、日本ボクシングコミッション(JBC)から負ければ引退という条件付きで国内復帰を認められた経緯があり、この試合で敗れたことで、現役引退が確実になった。辰吉の戦績は13戦10勝(8KO)2敗1分け。

試合は辰吉が前に出て、薬師寺がそれを迎え撃つ展開。薬師寺は下がりながらも左右のパンチを的確に当てポイントを稼いだ。辰吉は6回にはれた左まぶたから出血、その後はパンチに正確さを欠き、得意の強打を当てることができなかった。

終盤に入り、両者が力のすべてを出す激しい攻防となったが、薬師寺が接戦をものにした。薬師寺の次期防衛戦は、同級1位のウェイン・マッカーラー(アイルランド)との指名試合となる。《共同通信》

回を重ねることに辰吉の顔は、はれがひどくなっていった。薬師寺の左が、それだけ的中していた。相手の突入を徹底的に阻むジャブはチャンピオンの作戦。「中に入れないよう、それだけだった」。技術、スピード、パンチ力のどれをとっても及ばないといわれ戦いを、頭に描いた通りに忠実に実践し、薬師寺は世評を覆して3度目の防衛にたどりついた。

序盤から動きを良く見た。辰吉のパンチは何度も空を切り、逆に薬師寺のグンと伸びた左は、おもしろいように相手の顔面を捕らえる。中盤からのポイントの連取は、機を見て繰り出す連打のたまものだった。

3年前、辰吉が世界挑戦を前にしたスパーリングでは子供扱いされた男が「その時とは(辰吉は)別人だと思ったてやった。最後までぼくのボクシングだった」と胸を張り、2−0の文句のつけようのない結果で、因縁の対決に終止符を打ったのだ。

このタイトルは昨年、辰吉が網膜剥離の判明で暫定王座を返上、試合中止となってめぐってきたチャンスをものにしたもの。この試合が決まってから、盛んに自分を挑発するような発言をする辰吉に対し、終始「ボクシングは口じゃなく、体でするもの」と取り合わず対照的な態度を貫いてきた。答えは、リング上ではっきりと示してみせた。

試合後もはしゃぐことなく「辰吉の引退?それは(自分には)関係ない。それも彼の人生。次は防衛戦に勝つのが目標です」。冷静にインタビューに応じる姿に王者の風格を漂わせた。名実ともに真のチャンピオンの証明である。《共同通信》

無残に、敗者の姿をさらした。判定は同点から薬師寺の4ポイント勝ちまで割れた。しかし、左まぶたを大きく紫色にはらし、「完敗や。完敗や」とつぶやきながら引き揚げてくる辰吉に、強気で鳴らした面影は全くなかった。

「薬師寺は強かった。「侮辱したことにわびを入れたい」。時折、すすり上げながら話した。気丈に、質問にしっかり答えることで、自らのプライドを保とうとしていた。

戦前、陣営は絶好調をうたっていた。しかし、試合はうまく運ばなかった。薬師寺のしつこいほどのジャブに、中に入れない。ロープに追い込んで連打を出そうとしても、体を入れ替えられた。攻勢に立つと、止まらないコンビネーションは、最後まで不完全燃焼に終わった。

ボクサーには致命的ともいえる目の網膜剥離を克服して、リングに上がった。しかし、世界レベルの試合をこなしたのは、昨年の7月が最後。ブランクという敵には、日本人最短の8戦目で世界の頂点に立った素質をもってしても、かなわなかった。《共同通信》

「やってみな分からんがな」。網膜剥離で入院中の辰吉丈一郎選手を励ましたるみ夫人(28)。4日、名古屋で引退をかけて臨んだ世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級統一タイトルマッチ。無念の判定負けにも、波乱のポクシング人生を共に歩んだ夫人の目に、涙はなかった。

一年前の病室。「おれのボクシング人生は終わりかもしれんけど、もう一回だけチャンピオンになりたい」。師から再起を許可された辰吉は電話で恐る恐る切り出した。るみ夫人は「わがままや」と一喝。「ボクシングやりたいねん」と言う辰吉に「あんたの人生やからあんたが決めてや。思ってきた道歩いて来たやないの」。妻の思いやりに辰吉は涙が止まらなかった。

試合前から興奮状態の場内。長男の寿希也ちゃんは、リングに父親が現れると、両手の指を一本上げて「ナンバーワン」のポーズ。るみ夫人も攻勢のときはこぶしを突き上げた。

試合後は進退については、「ボクシングのことは分からへんから」。知人に「私は泣いてへんで」と手を振り、「いいガッツもらいました」とあいさつする薬師寺選手にも笑顔でこたえた。《共同通信》




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【スピードスケートW杯帯広大会】最終日

スピードスケートのワールドカップ(W杯)帯広大会第1戦最終日は4日、帯広市の帯広の森スピードスケート場で男女計4種目を行い、男子500メートルは堀井学(新王子製紙)が37秒19で優勝した。37秒39で清水宏保(日大)が2位に入り日本勢が上位を占め、清水が勝った前日に続き日本選手が連勝した。

前日の500メートルは3位だった堀井は、清水と18組で同走。スタートで飛び出した清水を後半に逆転し、W杯通算3勝目を挙げた。

男子1000メートルは世界記録保持者の宮部保範(新王子製紙)が1分16秒28で優勝。日本選手として最多のW杯通算7勝目をマークした。

女子は短距離の女王、ボニー・ブレア(米国)が500メートルは41秒03、1000メートルは1分22秒78で他を寄せつけず、2種目とも完勝した。前日の500メートルと合わせ第1戦の女子4種目で3勝をさらった。日本勢では、500メートルで島崎京子(三協精機)が2位になったのが最高。《共同通信》

【サッカー・三浦知良選手】セリエA初ゴール

イタリア・サッカー1部リーグ(セリエA)、ジェノアの三浦知良は4日、ジェノバで行われたサンプドリア戦で待望のリーグ戦初ゴールを奪った。

先発出場した三浦は前半8分、素早い動きで相手マークをかわしゴール前に攻め込み、前進してきたGKの頭を越す巧みなシュートを放ち先制ゴールを決めた。しかし、試合は1分後にジェノアが追いつかれた後は競り合いになり、後半37分にFKを確実に決めたサンプドリアが3−2で逆転勝ちした。

試合終了後、三浦は「この初得点は、妻りさ子とわたしとサポーターのためにささげたい。しかし、そう強いとも思えないサンプドリアに敗れたのは残念だ」と話した。《共同通信》

【村山富市首相】ラグビー早明戦を観戦

村山首相は4日、河野外相、武村蔵相、森自民党幹事長と一緒に東京都新宿区の国立競技場でラグビーの早明戦を観戦した。早大卒で元ラグビー選手の森幹事長が呼び掛け、明大卒の首相、早大卒の外相に東大卒の蔵相が飛び入り参加して3党首そろっての観戦が実現。

首相は当初、前半40分だけ見て帰る予定だったが、明大が早大を圧倒する試合展開にに「明治は馬力があるねえ」と大喜び。結局、明大が勝った試合終了まで旗を振りながら歓声を挙げた。「3党首のスクラムの方は?」と記者団が水を向けると「そりゃ、もうがっちりだ」と終始、上機嫌だった。《共同通信》

【新進党党首選】羽田氏「出馬は白紙」

羽田孜新生党党首は4日午後、長野市内で記者会見し、新進党党首選への出馬問題について「全く白紙だ。まだ新生党の党首であり、勝手にどうこうできない。党の同志と話し合い、それを踏まえて行動していきたい」と述べーた。

また会見に先立って開かれた党県連主催のパーティーであいさつし、「基本的には(党首選出経過が)国民に見えるものであった方がいいだろうと思っているので、月曜(5日)あたりから本格的にどうするのか話し合っていきたい」と述べ、週明けから党内調整を進め、最終判断する考えを示した。

ただ羽田氏は「どういう政党をつくるかが大事だ。そういうことに私はどんな立場でも徹底して協力してやっていくつもりだ。そのために捨て石になってもいい」とも述べた。

新進党の党首選びでは「海部党首ー小沢幹事長」体制支持が大勢になっている。新生党内でも、羽田氏擁立派の奥田敬和顧問ら反小沢氏グループと親小沢氏グループの全面対決を回避するため羽田氏擁立に消極的な空気が広がっており、羽田氏は最終的に出馬を見送る方向とみられている。

この日の羽田氏の発言は出馬を見送った場合、奥田氏らが独自行動に出る可能性もあるため、党内の結束に配慮した側面もありそうだ。

海部氏は意欲

自由改革連合代表の海部俊樹元首相は4日午前、テレビ朝日の番組で「新進党」の党首への立候補表明に関し「そのときが来たら総合的に考えて決める。(党首選告示日の)7日にきちんと申し上げる」と述べ、票日に正式に党首に立候補する意欲を示した。同時に海部氏は「最初は競い合わないほうがいい。そんなのどかな状況ではない」と述べ、投票決着を避けて話し合いによる選出が望ましいとの考えを強調した。《共同通信》



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