平成5802日目
2004/11/26
【この日の小泉総理】
平成16年11月26日、国会内で司法制度改革推進本部(第14回会合)が開催されました。
11月末で設置期限を迎える同本部では、司法制度改革推進法に基づく措置事項及び今後の取組について協議が行われました。主な措置事項としては、民事司法制度・刑事司法制度の改革、弁護士の国際化への対応強化など国民の期待に応える司法制度の構築、法曹人口拡大など司法制度を支える体制の充実強化、国民の司法参加など司法制度の国民的基盤の確立、などを内容としています。また、本部解散後の体制について、これまでの一連の改革の成果を国民が実感できるよう、制度の実施を図ることが重要であり、引き続き改革に取り組んでいく必要がある、としています。
小泉総理は、「この3年間、裁判の迅速化、総合法律支援のための制度の構築、新たな法曹養成制度の確立、裁判員制度の導入など、我が国の司法のあり方を半世紀ぶりに抜本的に改めた。国民に身近で、速くて頼りがいのある司法を実現するため、今後は改革の本旨に従った制度の実施を図ることが重要です。」と述べました。《首相官邸》
自衛隊イラク派遣を延長
小泉純一郎首相は26日午後の参院イラク復興支援特別委員会で、12月14日に期限が切れる自衛隊のイラク派遣延長問題について「イラク人が自衛隊の活動継続を要望している時に『引き揚げます』と言うことにプラスがあるとは思わない」と述べ、派遣を延長する考えを事実上表明した。《共同通信》
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【浅草短大生刺殺事件】地裁、レッサーパンダ男に無期判決
東京・浅草で01年4月、レッサーパンダの帽子をかぶった男に19歳の女子短大生が刺殺された事件で、殺人罪などに問われたA被告(32)に対し、東京地裁(服部悟裁判長)は26日、求刑通り無期懲役を言い渡した。服部裁判長は「軽度の精神遅滞があったが、完全な責任能力があった」と判断したうえ、「強固な確定的殺意に基づく冷酷かつ残忍な犯行というほかなく、何の落ち度もない19歳の女性を刺殺した悪質な通り魔殺人」と厳しく指摘した。
判決によると、A被告は01年4月、東京都台東区花川戸の路上で、わいせつ目的で女子短大生のBさん(当時19歳)の後をつけたところ、振り返ったBさんににらまれるような顔をされたため、ばかにされたと思い、腹などを包丁で刺して失血死させた。《毎日新聞》
【この日の民主党】
川端幹事長、定例会見で今国会の会期延長を強く求める考えを表明
川端達夫幹事長は26日、党本部で定例記者会見を開き、イラクへの自衛隊派遣延長問題、政治とカネの問題、年金改革問題への政府・与党の対応を厳しく批判した上で、今国会の会期延長を強く求める考えを示した。
川端幹事長はまず、イラクへの自衛隊派遣期間延長問題について、国会での議論を踏まえつつ「国民の立場から見て、総理・政府の答弁は到底納得できるものではない」と断じ、「国会で(自衛隊の派遣期間)延長に関して、未だに態度を明らかにしない」政府の姿勢を、「きわめて遺憾なこと」だと厳しく批判した。
また、政治とカネの問題についても、旧橋本派への1億円ヤミ献金事件で、「誰かが事実を述べていない」と指摘。非公開で短時間の政治倫理審査会の開催では、「政治とカネの問題が解明され、その反省に立って新しく出直すという対応がとれるはずもない」としつつ、政治資金規正法の改正問題についても、「自民党は野党との修正が進まないので時間切れと言ったようだが、働きかけは一切ない」として、与党側の逃げの姿勢を厳しく批判した。
年金改革問題についても、集中審議や民主党提出法案の審議に全く対応しようとしていない与党の姿勢を批判し、こうした課題に対応するためには、「国会が12月3日に閉じて許されるものではない」と指摘。「最低でも、10日まで国会を延長すべきであるとの基本認識で臨むことを、今日の臨時役員会で確認した」ことを明らかにした。
またいわゆる三位一体改革についても、「今日に至るまでの流れを聞く限りにおいては」と前置きした上で、「色々な課題は先送り」され、「地方と国の関係、将来の地方のあり方のビジョンを示さず」、「数字のつじつま合わせすることに奔走」した「中身のない玉虫色でわけの分からないものと言わざるを得ない」と厳しく指摘した。
また川端幹事長は、党分権改革推進本部の主催で、都内で30日に「偽りなき『三位一体改革』を目指す地方分権フォーラム」を開催することを明らかにした。本フォーラムは、民主党からは岡田克也代表、川端幹事長、仙谷由人政策調査会長、鉢呂吉雄国会対策委員長らが、地方自治体からは、増田寛也岩手県知事、浅野史郎宮城県知事、片山善博鳥取県知事、清水聖義太田市長、石田芳弘犬山市長、逢坂誠二ニセコ町長が、それぞれ出席する予定になっており、「三位一体改革を本物とするために、いま何が必要か」をテーマに議論を繰り広げる。
[参院イラク特]若林議員、自衛隊の派遣期間めぐり首相の見解質す
参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会で26日、民主党の若林秀樹議員が榛葉賀津也議員に続いて質問に立ち、靖国神社問題、自衛隊の派遣期間延長問題等について、小泉首相はじめ関係大臣の認識を質した。
若林議員は冒頭、小泉首相の靖国神社参拝は政教分離を定めた憲法に違反するとして、戦没者遺族らが小泉首相と国を相手に損害賠償を求めた訴訟で、「首相としての職務行為」と認定した千葉地裁判決を「私の勝訴ですから。何も申し上げることはない」などと語った首相の姿勢を問題視した。「日中関係に大きく横たわっているという認識が足りない」と指摘し、関係改善に向け、A級戦犯分祀の問題などを十分検討するよう提言した。
続いて若林議員は自衛隊の派遣期間延長問題をめぐり、イラク復興支援特別措置法における「非戦闘地域」の定義について小泉首相に改めて質問。首相は「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」とする逆さまの論理説明を繰り返し、「非戦闘地域でなければ自衛隊は活動しないということ。きちんと答弁している」として、開き直った。
派遣期間の基本認識をめぐっては、質疑が空転。「撤退を決定したとしても実際の撤収までには1カ月程度要するのではないか」との若林議員の指摘に、大野防衛庁長官は「すぐ帰ろうと思えばすぐ帰れる。しかし土地を元に戻したり、装備品を元に戻したりするのに相当期間を要する」などと支離滅裂な答弁に終始。若林議員が「自衛隊を派遣して日本に帰ってくるまでが派遣期間。今、(撤退を)閣議決定しても間に合わない」と言及したのに対し、小泉首相は、「撤収期間も活動期間に入るので、そのときには期間を延長するということ。仮に14日まで活動して、撤収に要する期間は活動に入らないということではない。撤収期間も活動期間に入る」と明言。しかし、大野防衛庁長官は念のためと前置きして「派遣期間は出国してから帰国するまでを定めたものではない」などと説明した。
若林議員が「今から撤退するという決定を下しても、最終的に活動を終えて帰ってくるまでには期間を延長せざるを得ないと総理が明言したと理解していいか」と確認を求めると、「撤収する期間も活動期間。帰ってくるまでとは言っていない」などと小泉首相は答弁して、大野防衛庁長官との認識の違いが浮き彫りになった。再開された質疑でも大野防衛庁長官は「後始末まで含めるのかどうか、いろんな問題に個別に個別に判断せざるを得ない状況が起こってくる」などと、苦しい答弁に終始した。
[参院イラク特]榛葉議員、不誠実な答弁を繰り返す首相を厳しく追及
参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会が26日開かれ、民主党からはまず、榛葉賀津也参議院議員が質問に立った。
冒頭、榛葉議員は米軍によるファルージャ制圧作戦について、政府がイスラエルのハマスに対する攻撃は非難し、米軍のザルカウィに対する攻撃は奨励している、という外交姿勢の矛盾を指摘。小泉首相は、「状況が全く違う」とし、「武力だけでテロが撲滅されるとは思っていない」などと答弁した。榛葉議員は、米国への憎悪が近隣アラブ諸国にまで拡がっていることなどを指摘。ファルージャ攻撃は「政治的には大失敗だ」と断じ、日本は米英と違う道をとっていくべきだとして、首相の認識を問い質した。首相は、「治安活動に参加していない」などとして「違った行動をとっている」と答えにならない答え。1月の国民議会選挙についても、榛葉議員は、選挙をボイコットする動きが多く出てきている現状を指摘。「これだけコンセンサスが得られない選挙を実施して安定した政治をつくれるか」を問い質したが、首相は「私たちがつくるのでなく、イラク人がつくる」などと、まるで他人事のような答弁。
さらに榛葉議員は、サマワで様々な事件・攻撃が発生している現状を踏まえ、「サマワが非戦闘地域である根拠を論理的に説明して欲しい」と首相に迫った。「イラクの他の地域に比べてサマワは比較的安定している」と正面から答えようとしない首相に対し、サマワでの一連の事件が、継続的・計画的・組織的でないことを「証明する責任が総理にはある」と榛葉議員は何度も質したが、首相は「そうじゃないと思います」などと答弁。
そして、「サドル師派、そしてザルカウィ容疑者のグループは、国または国に準ずる者か」と質問した榛葉議員に対し、首相は、「国とは違う。国に準ずる組織とも違う。準ずる組織とは何かということについては定かではないが、国ではない。国に準ずる組織とは何かという定義、これはなかなか難しい定義だ。いわゆる、国ではないということは事実だ」とまさに支離滅裂な発言。榛葉議員が再度尋ねても、代わって答弁に立った大野防衛庁長官が「国または国に準ずる者同士の武力紛争にはあたらない」などと答弁し、首相はその後、棒読みの答弁を繰り返した。
また、サマワでロケット弾を発射した者がフセイン政権の残党かどうか確認できないとする答弁に対して榛葉議員は、「未だに分からないということは、ずっとこの地域が戦闘地域か非戦闘地域か分からないということだ」と断じ、不誠実な答弁を批判。さらに、「唯一、現地がどういう状況にあるか知る手がかり」だとして、外務省のサマワ駐在事務所の報告書の公開を求めた。また、政治家自身の責任として現地の治安状況を自らの目で見ることが大切だと指摘するとともに、派遣延長か否かについて決めた際には、首相が国会でその理由、背景を明確に説明すべきだと指摘して、質問を締めくくった。
[参院本会議]谷議員、平成15年度決算の質疑で政府の見解質す
参議院本会議が26日開かれ、平成15年度決算について報告があり、民主党からは谷博之参議院議員が質疑に立った。
谷議員はまず、小泉首相に来年も靖国神社参拝を続けるつもりがあるかを質問。今年相次いだ自然災害を踏まえ、会期延長による補正予算の年内成立、新潟県中越地震対策の特別立法化への所見も質した。
谷議員は続いて、来年度予算編成前に提出された平成15年度決算に関し、早期提出を評価するとともに、15年度決算を17年度予算にいかに反映させるかを質しつつ、会計検査院がせめて参院本会議には出席できるようにすべきと主張。また、イラクへの自衛隊派遣問題についても、民主党などが提出したイラク特措法廃止法案を「審議するだけでなく、堂々と採決に付していただきたい」と主張した。いわゆる三位一体改革についても、「3兆円という数字だけを合わせた、改革とは似て非なるもの」と断じ、それぞれ首相の見解を質した。
また谷議員は、障害者支援費制度についても今年は「2百数十億円の不足が見込まれている」として厚生労働大臣に見解を質しつつ、平成15年度決算について会計検査院の検査報告で430億円もの無駄遣いが指摘されたこと、さらに、たなざらしになった事業への支出(背景金額)が2兆2432億円にも上ることを指摘し、平成16年度にはこれらの金額を減らすことを約束するよう首相に迫った。
さらに谷議員は、北海道警が会計検査院による検査妨害を行うという「きわめて悪質な」行為を厳しく批判し、これをなぜ摘発しないのか、国家公安委員長を厳しく質し、全国の警察での公費着服事件とその後の鈍い対応を指摘して、国家公安委員長の辞任を強く迫った。
政治とカネの問題にも言及した谷議員は、政治資金規正法改正案を審議する気もない、と与党側の逃げの姿勢を厳しく批判して首相の見解を質し、最後には「そろそろ賞味期限切れになってきた小泉総理には、一刻も早く退陣を願う」と断じて質問を締めくくった。
決算審議の先頭を切って熱心な質問を行った谷議員に対する小泉首相の答弁は、答弁書の棒読みに終始。靖国参拝は「適切に判断する」と明言を避け、補正予算については「急いでも通常国会の冒頭」とし、特別立法は「早急に対応を検討する」などと答弁。会計検査院の本会議出席や、イラク特措法廃止法案、政治資金規正法改正案などについてはいずれも、国会でよく協議を、などといつもの他人事のような答弁に終始した。
また、村田国家公安委員長は、警察に対する信頼回復が重要だとして自らの責任には触れず、検査妨害を刑事事件として取り上げるか否かについても、「北海道警察において個別具体の事実に即して判断されるべきものであると考えられる」と答弁書を棒読みし、全くリーダシップのない姿勢が明らかになった。《民主党ニュース》