平成1047日目
1991/11/20
この日のできごと(何の日)
【京都景観紛争】高層ホテル見直し
京都市中心部で最高の60メートルビル化(16階建て)を進めている京都ホテル(高橋正士社長、京都市中京区)と、景観破壊だとしてこれに反対する京都仏教会(東伏見慈洽会長、約1000寺院)は20日、同市内で共同記者会見し、ホテル側が22日に予定していた起工式を延期し、60メートル化を再検討するのと引き換えに、仏教会も金閣寺など有名観光8寺院が12月1日から同ホテルグループの宿泊客を対象に実施予定だった拝観拒否を中止する、と発表した。同市内ではJR京都駅ビル高層化計画などが進んでおり、今回のホテル側の譲歩は、古都の景観論争に大きな影響を与えそうだ。
会見では、まず、ホテル側が、仏教会の意向を踏まえて22日の起工式を延期し、60メートル高層化の再検討に入ることを表明。これを受けて、仏教会側はホテル側の姿勢を評価。拝観拒否を宣言していた8寺院前の立て看板をこの日から撤去するとともに、今月下旬に全国の旅行会社代理店など2万か所以上に送る予定だった文書の発送準備をストップすると説明。
ホテル側は、これまでは終始、仏教会側の再検討の申し出を拒否してきた。しかし、高橋社長が大株主と相談したうえ、「一部拝観制限によって国内外の観光客と観光関連業者らに迷惑をかけるのは避けたい」として、この日、“社長判断”で起工式延期を決めたことを明らかにした。
何メートル低くするかなどについては未定で、ホテル側は「検討に時間がかかるため、着工は来年以降にずれ込みそうだ」と話している。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【プロ野球・大洋】ラリー・シーツ外野手の獲得を発表
大洋は20日、新外国人選手として、ラリー・シーツ外野手(31)の獲得を発表した。渡米中の牛込渉外担当がロサンゼルスで本人と会い、契約が成立した。契約は1年で、年俸は推定80万ドル(約1億400万円)。背番号は26。
大洋の来季の外国人選手は、シーツとレイノルズの2人、来日以来、4年連続打率3割をマークしたパチョレックは、日本の他球団とのトレード交渉を進める。《共同通信》
【大相撲九州場所】11日目
大相撲九州場所11日目(20日・福岡国際センター)1敗の小錦は若瀬川を落ち着いてさばき、2敗で追う琴錦も、栃乃和歌をタイミングのいい突き落としで崩して送り出した。
新入幕の貴ノ浪は、霧島にうっちゃられて3敗となり、優勝争いから後退した。霧島は勝ち越し、年間最多勝も決めた。ハワイ出身の新入幕、武蔵丸も勝ち越した。《読売新聞》
【渡辺美智雄外相】渡辺派総会であいさつ
自民党渡辺派を離脱したはずの渡辺美智雄外相が20日朝の同派総会に姿を見せ、早くも閣僚の派閥離脱申し合わせの有名無実化を懸念する声が上がっている。
渡辺氏はこの日、「就任あいさつとお別れを兼ねて出席した」(同氏周辺)といい、あいさつでは「みなさんから突出発言を注意されているので気をつけている。わが派もしだいに(党内で)中心勢力になりうる可能性を持っている」と、一致結束を訴えた。また「派閥離脱ということになっているのでちょくちょく来るわけにはいかないが、皆さんの方から遊びに来てほしい」などと、自らの“派閥離脱中”を強調、約5分間程度で退出した。
もともと同氏は、閣僚の派閥離脱については反対の立場だったが、宮澤首相の強い要請もあり、「会長職はしばらく凍結。開店休業だ」と、会長として名前は残しながらも事実上、派閥離脱する考えを示していた。
同派内には「そもそも形式的な派閥離脱がおかしい」(幹部)との声も根強く、閣僚の派閥離脱のあいまいさを改めて浮き彫りにした形ともなった。《読売新聞》
【社会党委員長選挙】田辺誠委員長が無投票で再選
社会党委員長選挙は20日夕、立候補受け付けを締め切り、現職の田辺委員長が無投票で再選された。12月19日からの党大会で正式承認を受け、今後2年間「政権党」に向けた党改革を本格化させる。
田辺氏は会見で宮澤内閣への対応について「堂々たる競合関係で臨む。(首相が)間違った道を進めば、力による競合も必要だ」と述べ、野党第一党としての責任を認識しながら政策で対応していく姿勢を強調した。《共同通信》
【宮澤喜一首相】PKO「5原則・報告で文民統制」
宮澤首相は20日の衆院国際平和協力特別委員会で、「文民統制の立場から国会が関心を持つことは当然で、国連平和維持活動(PKO)協力法案には5原則のほかに、実施計画について国会に説明し、訂正する機会を設けている」と述べ、紛争当事者間で停戦合意が成立していることなどを柱とする「平和維持隊(PKF)参加5原則」と国会報告で文民統制が保てるとの認識を強調した。
さらに首相は、5原則の中に参加部隊の撤収や武器使用の制限を盛り込んだことに言及し「法案がPKOに関する国連の標準行動規範(SOP)に合致しないと批判があったが、憲法の下で、わが国としては譲ることが出来ないものとして織り込んだ」と説明、機動性と派遣の安定性の面からも国会承認が不要であるとの認識を改めて示した。山口那津男氏(公明)の賞問に答えた。《読売新聞》
【ソ連】赤字2000億ルーブル(45兆円)
ゴルバチョフ・ソ連大統領は20日の連邦最高会議で、連邦の財政赤字が年末までに2040億ルーブル(従来の公式レートで45兆円)に達するとの見通しを明らかにするとともに、第四・四半期の臨時予算編成のため、国立銀行から630億ルーブルを政府が新規に借り入れることを承認するよう要請した。
また、「新連邦が国家連合にとどまらず、共同体に移行するなら、大統領から退く」と述べ、ロシア共和国をはじめとする連邦機構解体や独自経済政策推進を強く批判した。
一方、タス通信によると、最高会議に先だち臨時予算編成問題を話し合った「経済共同体代表者会議」では、出席12共和国のうちロシア共和国1国(モルドワは棄権)が連邦の提案に反対した。「インフレ高進」が拒否の理由だが、エリツィン大統領はさる17日、ルーブル発行の共和国管理を定めた政令を布告しており、ロシアの同意なしに予算編成が行えないのは明らか。連邦の「統一政策」をロシアがブロックする形で両者の対立が再燃した形だ。
ゴルバチョフ大統領は報告で、共和国単位を含め約3000億ルーブルにのぼる見込みの大幅財政赤字の原因について、「過去9か月間、一部の共和国が予算拠出に応じていないからだ」と指摘。そのうえで、今年第三・四半期までの通貨発行量が、計画された70億ルーブルを大幅に上回る830億ルーブルに達したとして、過剰流通の事実を認めながらも、予算執行のため新規借り入れが必要だと強調、最高会議の支持を求めた。《読売新聞》
【フィリピン】日本への「出稼ぎ」事実上の禁止
フィリピン政府は20日、同国の女性の日本への出稼ぎを実質的に禁止することを正式決定した。「エンターティナー」のビサを取得して渡航しながら、実際は興行でなく接客業や売春に関与するケースをすべて禁じるもの。今週中にも労相名の公示を国内紙に掲載し、その15日後から実施される。
比政府は、渡航できる職種を厳密な意味での「ミュージシャン」「歌手」「舞踏団」に限定するとともに、申請・審査手続きを徹底して名目と違う職に就くケースを峻別する方針で、この日の決定には、①最低年齢を従来の18歳から23歳に引き上げる②訪日前の一年以上の興行経験を条件とする③日本の雇用者・プロモーターに警察と出入国管理局の許可書、および2万ドル(約260円)の保証金を義務付けるなどの具体的な措置も含まれている。
これまで歌を3曲歌うだけのオーディションをパスすれは海外雇用庁からエンターテイナーと認定され、プロモーターが所定の書類を準備すれはビザが発給。
トーレス労相は「年間約6万人の出稼ぎ者のうち、90%が日本に行けなくなるだろう」との見通しを示した上で、比経済に与える影響を「控え目に見積もって年間6000万ドル(約78億円)」の外貨収入減になるとしている。
労働省は、偽の申請で入国を図ろうとする業者にはブラックリスト作成など監視強化で対応するとしているが、実効がどこまで上がるかは未知数。逆に、不法就業者の増加につながることを懸念する声も上がっている。《読売新聞》