平成3964日目
1999/11/15
この日のできごと(何の日)
【H2ロケット8号機】打ち上げ失敗
気象衛星ひまわり5号の後継で航空管制機能も持つ運輸多目的衛星(MTSAT)を積んだH2ロケット8号機が15日午後4時29分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられたが、1段目の主エンジンLE7が突然停止し、地上から追尾できなくなった。宇宙開発事業団は打ち上げ7分41秒後にロケットを衛星ごと爆破する司令を送信、打ち上げは失敗した。
衛星、ロケット合わせた損失額は約343億円。爆破は未確認だが、ロケット機体は小笠原諸島の北西約150キロの海上に落下した。国内でのロケット爆破司令は初めて。H2は今回7回目の打ち上げで最悪の事態を招いた。《共同通信》
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H2ロケット8号機の打ち上げ失敗で、中曽根弘文科学技術庁長官と二階俊博運輸相は15日夕、種子島宇宙センターで記者会見。茨城県東海村の臨界事故に続く日本の科学技術の質を問われかねない事態に、中曽根長官は「国民の信頼を大きく失ったことは、科学技術にとって大きな痛手でもある」と硬い表情。「原子力や宇宙開発は、わが国の発展に欠かせない。原因の徹底究明を図り、第一歩から出直すことが必要だ」と述べた。
二階運輸相は「衛星を失ったことは非常に残念」と話し、代替機を調達して再打ち上げする意向を明らかにした。再打ち上げを宇宙開発事業団以外に託すかどうかについては「今日直ちに申し上げる気持ちは全くない」と、事業団をかばった。しかし、わずか2時間前に、飛び去るH2・8号機を拍手で見送った時とはうって代わって、ぶ然とした表情だった。
一方、会見に同席した同事業団の内田勇夫理事長は「ロケット打ち上げは、どこの国でも一100%成功するものではない」と述べ、事故原因を徹底究明すれば、国際的な宇宙開発競争に参加できる、と強気の姿勢。来年に予定されているH2・7号機とH2A・1号機の打ち上げについては「原因究明のめどがつくまで実施できない」との見方を示した。《共同通信》
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【大相撲九州場所】
大相撲九州場所9日日(15日・福岡国際センター)2横綱1大関が敗れる波乱となった。武蔵丸が寺尾に寄り切られ、貴乃花は関脇魁皇に押し倒されて、両横綱とも3敗目を喫した。寺尾は7個目の金星。大関出島は小結安芸乃島を、小結土佐ノ海は玉春日をそれぞれ寄り切り、関脇栃東は大関貴ノ浪を押し出して、この3人が勝ち越し一番乗りとなった。かど番の貴ノ浪は4勝5敗で黒星先行。1敗のトップ3人を2敗で平幕の闘牙、栃乃洋が追っている。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・共産党の志位和夫書記局長は15日の記者会見で、最近の自自公連立政権について「潮の流れがはっきり変わり、政権全体が坂道を転げ落ち始めた」と指摘。介護保険制度見直し問題などをめぐっても「政権の中身のなさがこんなに早く、劇的に明らかになりつつあるとは…。政治も面白い展開をするものだなと思う。(連立で)巨大な数の力を手に入れた途端、遠心分離機に掛かったみたいに政権基盤が不安定になった」と解説した。自自合流問題という難問も加わったことから、新たな「敵失」を待望しているのはありあり。《共同通信》
【自民党・森喜朗幹事長】党首会談「やらなければならない」
自民党の森喜朗幹事長は15日午後の記者会見で、介護制度見直し対策費の1999年度第二次補正予算案への計上問題をめぐり、「必要があれば(党首会談を)やらなければならない」と述べ、小渕恵三首相と小沢一郎自由党党首との会談で打開を目指す考えを示した。
青木幹雄官房長官も、首相が小沢氏に「協力要請するのは当然」との考え方を示し、最終的には来週に党首会談を開いて決着を図る意向を表明した。《共同通信》
【河野洋平外相】インドネシア・ワヒド大統領と会談
インドネシアのワヒド大統領は15日夜、河野洋平外相と外務省飯倉公館で会談し、分離独立運動が再燃しているアチェ特別区に関して「1カ月以内に住民投票を実施することを宣言したい」と表明した。
大統領は「問題は何について投票するかだ」と指摘した上で「インドネシアに残る前提で、どういう統治形態になるのか」と述べ、独立の是非ではなく、イスラム統治の是非を問う形の投票を検討していることを明らかにした。
ただ、大統領はこれに先立つ自民党の山崎拓元政調会長との会談で、独立の是非も選択肢に挙げるとともに、インドネシア政府がアチェの住民代表と接触を重ねていることを説明した上で「円満な解決に導きたい」と強調した。
ワヒド大統領は就任後、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国を歴訪、クリントン大統領との会談や目の治療のため米国を訪問し、その帰途に15日来日した。《共同通信》
【米国、中国】中国のWTO加盟で合意
米中両国政は15日午後、中国の世界貿易機関(WTO)加盟で全面合意し、石広生・中国対外貿易経済力相とバーシェフスキ米通商代表が北京の対外貿易経済協力省で加盟合意文書に調印した。
米国は中国にとって加盟問題の二国間協議の最大相手国のため、欧州連合(EU)など他のWTO加盟国・地域も追随するのは確実。中国は今月末のシアトル閣僚会議で最終的な承認を得た上で、来年から次期多角的貿易交渉(新ラウンド)に参加する道を開いた。
国内総生産(GDP)世界7位、人口12億の社会主義の大国・中国は、申請から13年越しの異例の長期交渉の末、国際的な市場経済の枠組みに組み込まれることになり、国際経済での存在感を一気に強めるのは必至。国内的には改革・開放路線の一層の推進が急務となった。
世界でもまれな社会主義市場経済の道を歩む中国は21世紀に向け、深刻な失業問題などで難航する国有企業改革の推進を迫られ、中国指導部の経済運営は正念場を迎える。《共同通信》
【民主党ニュース】
科学技術庁に猛省促す~H2ロケット打ち上げ失敗で談話
民主党ネクストキャビネットの松沢成文教育・科学技術担当大臣は16日、宇宙開発事業団のH2ロケットの打ち上げ失敗について、「原子力行政に続き、『科学技術立国』を目指すわが国の技術水準の信頼を、国際的に失墜させてしまった責任は極めて重く、監督官庁である科学技術庁には猛省を促す」との談話を発表した。さらに、「宇宙衛星・ロケット開発技術の遅延を招き、21世紀わが国の産業活動に大きな痛手となる」と指摘、科学技術庁に対し、事故の原因究明を求めた。
東ティモール支援を首相に申し入れ/羽田幹事長
民主党の羽田幹事長は15日午前、首相官邸に小渕首相を訪ね、インドネシア、東ティモール訪問をふまえ、今後の日本の支援、協力のあり方について要請した。江田五月参議院議員が同行した。
羽田幹事長は小渕首相に「東ティモールは、通信、交通、食糧、住居といった国民生活の基礎部分が深刻な状態で、これに対する支援が緊急を要する課題だ」と伝えるとともに、物資輸送機の東ティモールに直接乗り入れを検討するよう申し入れた。首相は「PKO5原則にどう抵触するか、検討してみたい」と応じた。