平成4315日目
2000/10/31
この日のできごと(何の日)
【シンガポール航空006便墜落事故】
台湾のテレビ報道によると、31日午後11時18分ごろ、台北国際空港で米国ロサンゼルス行きシンガポール航空機が離陸直後に墜落、炎上した。
同機は乗客159人、乗員20人の計179人が乗っていた。乗客に日本人がいたかどうかは不明。多数の死傷者が出ているもよう。同機は強い横風にあおられバランスを失って墜落したらしい。
事故当時、台湾には台風が接近中で、空港では多くの国内線が欠航するなど天候状態が悪かった。《共同通信》
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台北国際空港で31日深夜、離陸に失敗し炎上したシンガポール航空のジャンボ機(ボーイング747−400、乗客乗員179人)の救出活動が夜を徹して行われた。ロサンゼルス行きの同機には、乗客159人と乗員20人が搭乗しており、台湾民航局は1日、死者数を77人と発表した。負傷者102人のうち16人は自力で脱出し軽傷、入院している負傷者は58人となった。
同機の機長ら操縦室にいた3人は生存しており、飛行安全委員会が事情を聴いている。同航空は「機長は滑走路で物体を見つけ、これを避けながら離陸しようとしたが衝突した」と発表した。《共同通信》
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【中部地方】震度5弱
31日午前1時43分ごろ、中部地方を中心に震度5弱の強い地震があり、岐阜、愛知、三重、奈良の4県で7人がけがをした。気象庁は地震の規模を当初マグニチュード(M)5.7と推定していたが、5.5と修正した。
気象庁地震津波監視課の三上直也補佐官は記者会見し「フィリピン海プレートの沈み込みに伴う地震。震源が比較的深いため、余震活動は低調ではないか」と述べた。
岐阜県警などによると、同県大垣市のホテルで宿泊客の男性(68)が地震に驚き、避難する際、転倒し左足の骨を折る1カ月の重傷を負った。津市では寝ていた男性(30)の頭にアイロンが落ちるなど4人が軽傷。名古屋市西区の女性(30)が地震に驚き、家族とぶつかり鼻の骨を折るけがをした。奈良県では男性(46)が地震にびっくりし、ベッドから落ち額を切るけがをした。
日本道路公団は地震直後から通行止めにしていた東名阪自動車道の蟹江(愛知)−四日市(三重)インター間などの通行を31日未明に再開。東名高速などの速度規制も解かれた。JR東海は三重県内の在来線を点検し、一部でダイヤが乱れた。東海道新幹線は始発から通常運転した。《共同通信》
【正力松太郎賞】巨人・松井秀喜外野手
プロ野球の発展に貢献した選手や監督をたたえる、ことしの「正力松太郎賞」に31日、巨人の松井秀喜外野手が初めて選ばれた。四番打者として本塁打、打点の二冠を獲得し、リーグ制覇と6年ぶりの日本一に導いた動きが評価された。《共同通信》
【プロ野球】センチュリーベストナイン表彰式
日本野球機構などの主催で、ファン投票によって今世紀の野球のベストナインを選んだ「センチュリーベストナイン」の表彰式が31日、東京都内のホテルで開かれ、日本シリーズを戦ったばかりの巨人の長嶋茂雄、ダイエーの王貞治両関東が顔を合わせた。
受賞のあいさつで王監督が「小さいときから野球が好きで、今もユニホームを着ている。白球を力いっぱいたたくことだけを考えてきた結果がこの賞」と感慨深げだったのに対し、長嶋監督は「入団した昭和33年当時、まだプロ野球はマイナーだった」と球界の隆盛を強調していた。
「ON対決」を終えたばかりの両雄は、この日は別の表彰式でも同席し「一日中一緒だったからね。ゆっくりと」(長嶋監督)と勝負を離れて久しぶりに会話を楽しんだようだ。
ベストナインに選ばれたのは投手が江夏豊、捕手がヤクルトの古田敦也、一塁手が王、二塁手が落合博満、三塁手が長嶋、遊撃手が西武の松井稼頭央、外野手が張本勲に巨人の松井秀喜とオリックスのイチローだった。《共同通信》
【ロシア・ソユーズ宇宙船】打ち上げ
日本と米国、ロシア、欧州など16カ国が参加する国際宇宙ステーションの長期滞在第一陣となるロシア人2人、米国人1人の計3人の宇宙飛行士を乗せたロシアのソユーズ宇宙船が31日午前10時52分(日本時間31日午後4時52分)、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げられた。
11月2日にはロシアの居住棟「ズベズダ(星)」とドッキングする予定で、宇宙ステーションでは初めて常時有人で建設が進む。2006年春の完成を目指す国際巨大プロジェクトは実現に向け新たな段階に入る。《共同通信》
【イラン・ハタミ大統領】来日
イランのハタミ大統領は31日午前、特別機で来日した。同国の元首級としては42年ぶり。1978年から79年にかけてのイラン革命後は初の大統領来日となる。
大統領は羽田空港に出迎えた河野洋平外相と直ちに会談。外相は中東和平について「イランへの期待は大きい」と和平実現に努力を求めたのに対し、大統領は「パレスチナの権利が認められることが重要だ。努力したい」と応じ、日本側の協力を求めた。《共同通信》
【日本、北朝鮮】第11回国交正常化交渉
日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の第11回国交正常化交渉の本会談は31日午後、北京市内の北朝鮮大使館で2日目の協議を終え、すべての日程を終了した。
両国は、日本の植民地支配に対する「過去の精算」問題を中心に接点を探ったが、主張の隔たりは埋まらず、具体的な合意には至らなかった。過去2回の交渉ではまとめられた「共同文書」も発表されなかった。ただ、日本代表団筋は「相手の立場への理解がより深まり、(正常化への)長いプロセスの出発点に立って進み始めた」との認識を示した。
次回交渉は双方が準備を整えた上であらためて調整することで一致。日本側は年内にも北京で開催したい意向だ。《共同通信》
【この日の民主党】
少年法改正案が衆院で可決~党対応:問題点多いが「一歩前進」として賛成に
自民・公明・保守の与党三党が提案していた少年法改正案が31日午後、衆院法務委員会で採決され、民主党などの賛成多数で可決した。法案はただちにこの後の衆院本会議に緊急上程されて可決され、参議院に送られた。
与党案は、16才以上の一定の重罪事件について裁判官の裁量の範囲に制限を加えたり、裁判官の予断排除原則や適正証拠の原則に配慮しないまま、現行の審判制度において検察官の関与を認めるなど、運用によっては少年法の「保護主義」の理念を台無しにする重大な内容を含むものがある。
そのため、民主党は、(1)16才未満の少年に刑事処分を課す場合については、重罪で少年の更生の可能性が著しく乏しい場合に限り、かつ付添人を付することを条件とする(2)16才以上の少年の重大事件における原則検察官逆送致については、その範囲を限定するとともに、裁判官の裁量を確保すること(3)少年が、非行事実を争うなどその認定に必要なときは、別の裁判官による、適正証拠の原則を採用した方式による手続を新たに設けて行うこと—-などを内容とした修正案を提出し、与党側と協議を続けてきたが、不調に終わった。
しかし、民主党ネクストキャビネットでは、世論の大勢が少年犯罪への厳しい対処を求めていることや、与党案には問題点が多いものの、一方で、被害者に対する配慮の制度や非行事実がないことが後に判明した少年に対する救済措置の新設など、早急に積極的に採用すべき点が盛り込まれていることを考慮し、「一歩前進」として最終的に与党案に賛成する方針を決めた。
一方、法案について検討を続け修正案づくりを担った党法務部会では、「家裁の少年審判に検察官の立ち会いを認めると、少年審判の場が少年を矯正する場から少年を糾弾する場へと変質する」などの懸念から、与党案への反対論が強く、本会議の起立採決では着席・退席・欠席して反対の立場を示す民主党議員が10数人出た。
このことについて、岡田克也政調会長は同日夕の記者会見で、「NCでの議論と法務部会での議論に温度差があった。お互いの意見のくい違いがないように、注意して運んでいかなければいけなかった」と意見の集約に不手際があったことを率直に認めた。《民主党ニュース》