平成3949日目

1999/10/31

この日のできごと(何の日)

【小渕恵三首相】航空観閲式で訓示

小渕恵三首相は31日午前、茨城県小川町の航空自衛隊百里基地で開かれた航空観閲式で訓示し、「わが国への武力攻撃が発生した場合に必要な枠組みを、整備しておくことが肝要だ」と述べ、日本が直接攻撃を受けた際の自衛隊活動を円滑にする有事法制が必要との認識を表明した。首相は自民、自由、公明3党による9月の有事法制整備の合意を受けて「政府としては3党合意を踏まえ、国会における議論や国民世論の動向を注視しながら適切に対処していく」とも強調、早期の立法化に意欲をにじませた。


https://www.kantei.go.jp/

これまで有事法制で政府は「立法化を前提としない研究」を進めていたが、3党合意後は次期通常国会で立法化を目指す動きが強まり、今後、政府は与党内の議論など慎重に量りながら、安保会議を開いて立法化作業に着手する見通しだ。

観閲式で首相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるミサイル発射や工作船事件にも触れて「さまざまな事態に対応できる態勢を、平素から構築しておくことが喫緊の課題だ」と指摘。工作船事件での初の海上警備行動について「わが国としての断固たる決意を示した。同種事案に対する大きな抑止力になる」と述べた。

防衛庁調達実施本部の背任・汚職事件やジェット燃料納入をめぐる談合事件に対しては「極めて残念だ。不祥事の発生が自衛隊にいかに害あるものか今一度思いを新たにしてほしい」と綱紀粛正を求めた。《共同通信》

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【F1・日本GP】決勝

自動車のF1シリーズ最終第16戦日本グランプリ(GP)は31日、三重県鈴鹿サーキット(1周5.864キロ)で決勝(53周)を行い、ミカ・ハッキネン(フィンランド、マクラーレン・メルセデス)が1時間31分18秒785(平均時速204.086キロ)で今季5勝目を挙げ、総合2年連続2度目の優勝を達成した。年間総合優勝争いでハッキネンは10点を獲得し、76点。エディー・アーバイン(英国、フェラーリ)が、このレース3位で74点となったため、逆転でハッキネンのチャンピオンが決まった。

このレースの2位には、5秒015差でミヒャエル・シューマッハー(ドイツ、フェラーリ)が入った。製造者部門争いは、2、3位に入ったフェラーリが128点とし、マクラーレン・メルセデスに4点差をつけて、1983年以来16年ぶり9度目のタイトルを獲得した。

今季限りでF1から引退するデーモン・ヒル(英国、ジョーダン無限)は21周で、高木虎之介(アロウズ)は43周でそれぞれリタイアした。

予選二番手のハッキネンは好スタートから、ポールポジション(PP)のM・シューマッハーを抜き去り、先頭を奪取。タイヤ交換のタイミングでM・シューマッハーに一度は首位を譲ったが、23周にトップに復帰。後半は2位を一時10秒以上引き離す、独走状態で逃げ切った。《共同通信》

【エジプト航空990便墜落事故】

米連邦航空局(FAA)によると、31日未明、ニューヨーク発カイロ行きのエジプト航空990便のボーイング767旅客機がマサチューセッツ州沖のナンタケット島南東約100キロの大西洋上で墜落した。カイロのエジプト航空によると、乗客199人、乗員15人の計214人が搭乗していた。

同機は31日午前1時19分にニューヨークのケネディ国際空港を離陸、約40分後の同2時ごろ、高度1万メートル付近で音声交信を絶ち、レーダーから機影が消えた。行方不明になる直前に緊急信号を発信していた。《共同通信》

【競馬・第120回天皇賞】

第120回天皇賞・秋(31日・東京2000メートル芝17頭、GI)春の天皇賞馬スペシャルウィーク(武豊騎乗)が1分58秒0のレコードで勝ち、賞金1億3200万円を獲得した。

同じ年の天皇賞を連覇したのは1988年のタマモクロス以来、史上2頭目。武豊騎手は天皇賞通算8勝目を挙げ、白井寿昭調教師は今春に続き2勝目。

一番人気のセイウンスカイがゲート入りを嫌い、約7分遅れてレースがスタート。アンブラスモアがまず逃げ、スペシャルウィークは中団にできた馬群の後方で待機した。

直線に入って後続がアンブラスモアをとらえ、一気に混戦に。スパートしたエアジハードをステイゴールドがかわしたが、さらにその外からスペシャルウィークが鋭く追い込み、最後はステイゴールドを首差でかわした。セイウンスカイは5着だった。《共同通信》

【金沢三越】9年の歴史に幕

金沢三越(金沢市)の最終営業日の31日、来店客数は9月に始まった閉店セール初日の倍近くの1万3000人に上り、一日の売り上げは約5000万円になった。2カ月間のセール全体では来店客約15万人、売上高は前年同期比3倍の約9億円に達した。

最終日の31日は、20日からの最終売り尽くしセールの価格をさらに1−3割引きにし、女性客がまとめ買いする光景が続いた。午後6時半の閉店間際には、出入り口に従業員が並び、「9年間ありがとうごさいました」と涙ぐみながら客に花を渡して見送った。

佐藤裕夫支配人は「金沢は競争が十分でない。仕掛けがあればいくらでも、消費を刺激することができる」と話した。《北國新聞》

【独・シュレーダー首相】来日

ドイツのシュレーダー首相は31日、公賓として初来日した。愛知県豊橋市を訪問、同市にあるダイムラー・クライスラー日本の新車整備センターやBMWグループの整備士研修センターなど自動車関連施設を視察した。

シュレーダー首相は「日本とドイツは貿易を進展させるなどこれからもっと協力する意識を強めたい」とあいさつ。「こちらに進出しているドイツ企業、住んでいるドイツ人日本の社会に溶け込めるよう願う」と述べた。

小渕恵三首相は31日夜、ドイツのシュレーダー首相と東京・元赤坂の迎賓館和風別館で会食した。

小渕首相は乾杯のあいさつで「6月のケルン・サミット(主要国首脳会義)では大変お世話になり、あらためてお礼を申し上げる」と感謝の意を表明した。両首相は11月1日午後、首脳会談を行う。《共同通信》

【中国】「法輪功」4幹部を逮捕

中国国営通信、新華社は31日、中国当局が気功集団「法輪功」幹部4人を「邪教組織による違法活動」容疑で19日に正式逮捕したと伝えた。「邪教活動」容疑による法輪功メンバーの正式逮捕が発表されたのは初めてで、組織壊滅へ向けた刑事手続き本格化の第一歩とみられる。

中国指導部は法輪功を7月下旬に非合法化し、このほど「邪教」と断定して、10月30日の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会で、「邪教組織」の行為を「政権転覆罪」(最高刑は死刑)にも問えることを定めた「決定」を採択、壊滅に乗り出している。

法輪功側は全人代の審議中も北京の天安門広場で非暴力の抗議行動を続け、多数が拘束された。「会員は今でも1000万人以上」(法輪功メンバー)という。

逮捕された4人は法輪功の上部組織「法輪大法研究会」の幹部で、容疑内容は「邪教団体」を組織して利用し、法律の執行を妨害したこと。

一方、法輪功ホームページによると、海外の法輪功メンバーが30日、ニューヨークの国連本部前で「新たな弾圧が始まろうとしている。中国政府は、信仰と思想の自由という基本的人権に反する措置を取っている」との声明を発表、国際社会に支援を求めた。《共同通信》

【ジェシー・マーティンさん】18歳の豪高校生、ヨットで世界一周

18歳のオーストラリア人高校生ジェシー・マーティン君が、ヨットによる単独、無寄港、無支援としては最年少記録となる世界一周航海を終え、31日午後、同国ビクトリア州メルボルンのヨットハーバーに無事戻った。単独での世界一周航海としては、同じオーストラリア人の少年が1996年に18歳と41日で達成した記録があるが、この航海では、途中で破損したマストの修理に英国海軍の助けを借りており、無寄港、無支援にはならなかった。

31日に18歳と65日となったマーティン君は、同記録には24日及ばなかったものの、330日間、全航程約5万キロに及んだ航海中、大きな事故にも遭わず、無寄港、無支援の記録を樹立した。

マーティン君は昨年12月6日にメルボルンを出港、南太平洋を東に向かい、南米大陸最南端のホーン岬を今年3月9日に通過。大西洋に入っていったん北上日し、メルボルンとは地球のほぼ裏側に当たるイベリア半島沖で折り返した。その後、大西洋を南下し、8月16日にアフリカ大陸の最南端喜望峰の沖を回った後、インド洋に入って東へ進んだ。《共同通信》

【日栄】元社員「社長が取り立て指示」

商工ローン最大手「日栄」の元社員による恐喝未遂事件で、逮捕された元東京支店社員A容疑者(25)が、31日までの警視庁生活経済課の調べに対し「ノルマを達成できないと、社長から電話で厳しい取り立てを指示された。たびたび電話があり、恐怖を感じた」などと供述していることが分かった。

同課は、同社の松田一男社長が幹部らを通じてA容疑者に、取り立て方法を具体的に指示していた可能性もあるとみて、松田社長を含め会社幹部からの事情聴取を検討している。

松田社長は同日放送された民放番組で、自らの指示や会社ぐるみで強引な取り立てをしていたことを全面的に否定した。

日栄は債権回収を進める上でのマニュアルをつくっており、同課は家宅捜索で押収した資料を分析し、強引な取り立てが組織的に行われていたか調べている。

調べでは、A容疑者は平成9年12月から退社する10年8月まで、日栄東京支店の管理部に所属、首都圏の各支店の債権回収を担当していた。その際、担当者ごとの債権回収ノルマが決められていた。

今回の事件の代理人となった弁護士が「日栄は債権回収が進まない社員に対して松田社長が直接電話をしたり呼び出したりして取り立てを早急に進めるよう指示していた」と説明していることから、同課で裏付けを急いでいる。同容疑者は調べに対し「ああいう(強引な)取り立てをしないとノルマを達成できず、やらざるを得なかった。被害者には申し訳なかった」など、と供述しているという。

「脅迫なんてあり得ない」「お客さんも納得して借りている」。元社員が恐喝未遂容疑で逮捕された商エローン最大手「日果」の松田社長が31日、テレビ朝日の報道番組「サンデープロジェクト」に出演、強引な取り立てについて「考えられない」と否定、適正な貸し付けと債権回収をしていると強調した。

30日に警視庁に逮捕された元社員A容疑者については「(債権回収担当の)管理部門経験が短く未熟な社員」とした上で、容疑について「暴力団まがいの言葉で脅かすなんて信じられず、あり得ない」と話した。

社長が同容疑者に悪質な債権回収を指示したのではないか、と問われると「多くの社員がいるのに、上場会社の社長が末端の社員に直接ノルマを達成しろなんて言えるわけがなく、あり得ない」と語気を強めた。

番組では、強引な取り立てを受けた連帯保証人の証言や、社員の取り立ての電話の録音テープが紹介された。《共同通信》



10月31日 その日のできごと(何の日)