平成3948日目
1999/10/30
この日のできごと(何の日)
【警視庁】「日栄」を強制捜査
中小企業向け融資をしている商工ローン最大手の「日栄」(京都市)東京支店の社員(当時)が「腎臓を売れ」などと脅して取り立てたとして、警視庁生活経済課は30日、恐喝未遂容疑で元同社社員A容疑者(25)を逮捕、品川区の東京支店など関係先3カ所を家宅捜索した。
商工ローンをめぐっては利息の取りすぎがあったとする民事訴訟や強引な取り立てをめぐるトラブルが起きているが、強制捜査は初めて。生活経済課は、同社の債権回収方法が悪質な取り立てにつながった可能性もあるとみて、同社の刑事責任追及を視野に入れて捜査を進める。
金融監督庁は同社の業務停止も含めた行政分の検討に入る方針で、臨時国会でも新たな法整備が焦点となるのは確実。各地で起きている民事訴訟などにも影響を与えそうだ。
調べでは、A容疑者は、同社の融資先の連帯保証人だった千葉市の無職男性(62)から約570万円を取り立てる際、平成10年4月から6月にかけ、男性方に十数回にわたり電話し「腎臓300万円、目玉100万円ぐらいで売れる。それで金ができなかったら見逃してやる」などど金を脅し取ろうとした疑い。男性は要求に応じなかった。
被害者の男性は30日、貸金業法(取り立て行為規制)遠反と恐喝未遂容疑で、法人としての同社とA容疑者を警視庁に全国で初めて告訴。男性は悪質な取り立てで精神的苦痛を受けたとして21日、慰謝料など約380万円の支払いを求める訴訟を千葉地裁に起こしていた。
男性は、知人の浄水器販売会社経営者が7年、日栄千葉支店から事業資金の融資を受ける際、連帯保証人の二人のうちの一人になっており限度額は1000万円だった。会社経営者は計約1150万円を借り入れたが、9年12月に事実上破産。債権は日栄の関連会社で当時はほとんど実態のない「日本信用保証」(京都市)に移ったが、A容疑者が債権回収に当たっていた。a 保証人の一人が約580万円を肩代わり、男性が残る約570万円の債務の返済を迫られていた。日栄千葉支店は営業部門だけで、債権回収は東京支店の管理部が担当していた。
A容疑者は9年に入社、東京支店管理部で債権回収を担当し10年8月に退社。「被害者には申し訳なかった」などと容疑を認めているという。《共同通信》
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【プロ野球MVP】(セ)中日・野口茂樹投手(パ)ダイエー・工藤公康投手
今季のプロ野球最優秀選手(MVP)が30日決まった。パ・リーグはダイエーをリーグ優勝と日本一に導いた工藤公康投手が西武時代以来6年ぶり2度目の受賞で、セ・リーグは11年ぶりのリーグ優勝に貢献した中日の野口茂樹投手が巨人の上原浩治投手を抑え、初めて選出された。
新人王はパが西武の松坂大輔投手、セは最多勝、防御率、奪三振のタイトルを独占した上原が輝いた。両投手はMVPの工藤、野口を抑えてベストナインにも選ばれた。《共同通信》
【巨人、ロッテ】トレード発表
巨人の石井浩郎内野手(35)とロッテの河本育之投手(32)の交換トレードがまとまり、30日両球団から発表された。
3年ぶりの優勝を逃す大きな原因となった不安定な投手陣の立て直しを狙う巨人は、ロッテで通算93セーブを挙げた河本の左腕に注目。勝負強さと長打力が魅力の石井の獲得で打線強化を狙うロッテとの間で思惑が一致した。
巨人の長嶋茂雄監督は秋季キャンプ中の宮崎で「攻撃が薄くなるのは仕方ないが、投手の整備が急務。先発か救援かはまだ考えていないが、河本のスタミナは問題ないだろう」と話した。《共同通信》
【J1】第11節第1日
Jリーグ1部(J1)第11節第1日(30日・国立競技場ほか=8試合)首位の清水エスパルスは沢登、アレックスの得点で京都サンガを2−0で破り、5連勝。勝ち点を26とし、ステージ初制覇へ前進した。
清水を追う柏レイソルと横浜F・マリノスの2、3位対決は延長の末、1−1で引き分けた。
2部降格の危機にある下位3チームは黒星。ジェフ市原は1−2で名古屋グランパスに、浦和レッズは0−2でヴィッセル神戸に敗れ、ベルマーレ平塚は1−6でセレッソ大阪に大敗。《共同通信》
【小渕恵三首相】古書店めぐり
小渕恵三首相は30日午前、東京都千代田区の神田古本まつりに立ち寄るなど古書店街を散策、「学生時代に戻ったつもり」(首相)で、国会での論戦が本格化するのを前につかの間の秋の休日を楽しんだ。
首相は「久しぶりで本当に楽しいねえ」と言いながら「ドイツの何か面白いものはあるか」とリクエスト。1690年(元禄3年)に来日したドイツの外科医ケンペルが日本の歴史、政治、宗教、地理を概説した「日本誌」のドイツ語復刻版を購入し、31日から来日するドイツのシュレーダー首相に「いい土産ができた」とまんざらでもない様子。
首相は「自宅は本でいっぱい。(忙しくて)本は巻頭とあとがきしか読んでいない」とぼやきながら、3軒目で英語版のジョージ・オーウェル全集を購入した。《共同通信》
【小泉純一郎元厚相】「小渕内閣退陣を」
自民党の小泉純一郎元厚相は30日夕、横浜市で開かれた公開討論会で、自自公3党が合意した介護保険制度見直しについて「このまま自由、公明の言いなりになるのなら、自自公内閣なんてない方がいい。早く小渕内閣が退陣した方がいい」と述べ、制度見直し反対を重ねて表明した。
討論会には鳩山由紀夫民主党代表、坂口力公明党政審会長も出席しており、坂口氏は「(今回の連立を機に)自民党と初めて付き合った。それぞれがいろいろなことを言うのは結構だが、党としては意見をまとめてもらわないと困る」と不快感を示した。
鳩山氏は「選挙目当てとしか思えない合意だ。こういう政策変更を行うべきではない。本当に邪道だ」と痛烈に批判した。《共同通信》
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民主党の鳩山由紀夫代表は30日夕、横浜市で開かれた公開討論会で、介護保険制度見直しを批判する自民党の小泉純一郎元厚相と盛んにエールを交わした。
鳩山氏は自分の離党経験を踏まえて「小泉さんの意見は正しいが、党内ではいつも少数派だ。飛び出してはどうか」と誘い水。さすがに小泉氏も思わぬ離党勧告に「党内にいて反対するから効果がある」ときっぱり拒否したが、鳩山氏は討論会終了後も「小泉さんとは将来、活動を共にしたいと本気で思った」と漏らし、最後まであきらめきれない様子だった。《共同通信》
【韓国・仁川市】雑居ビル火災、54人死亡
韓国仁川市の中心部にある中区の繁華街で30日午後6時半ごろ、カラオケ店やビアホールなどが入居している四階建て雑居ビルの地下から出火、消防当局によると、ビアホールの客ら54人が死亡、少なくとも約70人が負傷した。
犠牲者の多くは高校生で、中学生や大学生も含まれていた。消防当局によると、死者は同ビル二階のビアホールと三階のビリヤード場の客に集中しており、死者の多くがビアホール出入り口に折り重なるように倒れていたという。警察当局は漏電が原因ではないかとみて調べている。
目撃者によると、地下にある改装中のカラオケ店の電気工事が終わり、同店従業員が掃除中に、火の手が上がり、ビル全体が瞬く間に包まれた。ビアホールは多数の客で込み合っていた上、客が少ない出入り口に一度に殺到したため逃げ遅れ、被害が大きくなったらしい。
ビルは焼き肉屋や商店なども入居、週末の土曜の夜で多数の客でにぎわっていた。
同市中区は区長を本部長とする火災対策本部を設置。死亡者の身元の確認や被害者遺族への連絡などに当たっている。
仁川市は人口約240万人の韓国有数の大都市で、ソウル西方の黄海に面した港着都市。朝鮮戦争(1950−53年)の際にマッカーサー元帥率いる米軍が上陸作戦を敢行した場所として知られる。《共同通信》