平成2475日目
1995/10/18
この日のできごと(何の日)
【オウム裁判】青山吉伸被告、初公判
「毒ガスを噴霧された」と記者会見でうそを言ったなどとして、4つの事件で起訴されているオウム真理教の元顧問弁護士青山吉伸被告被告(35)の初公判が18日、東京地裁(大野市太郎裁判長)で開かれ、まず名誉毀損と犯人隠匿・隠避の2事件の審理が行われた。同被告は大筋で起訴事実を認め、「被害者に申し訳ない」とわびた。
検察側は冒頭陳述で、麻原彰晃被告(40)=殺人罪などで起訴=がA被告に記者会見を指示したと指摘、教団が平成5年10月に既にサリン生成に成功していたことを明らかにした。
罪状認否で青山被告は名誉毀損について「その通り間違いありません」と全面的に認め、犯人隠匿・隠避については「犯罪の成立は認めるが、顔の整形を共謀したとまでは言えないと思う」と述べた。
この後の意見陳述で青山被告は「(名誉棄損という)うかつなことをしてしまった自分が恥ずかしい。松本被告の隠匿・隠避は当然止めるべきであり、深く反省している」と話した。
また教団を既に脱会したことを明らかにし「これからは社会に復帰し、心の安らぎを多くの人に与えるような生活をしたい」と決意を語った。
検察側の冒頭陳述によると、青山被告は1月、新聞報道で教団にサリン生成の疑いがかかっていることを知り、麻原被告に電話で相談。「山梨県上九一色村の教団施設近くの肥料会社社長を告訴しろ」と指示されたため、教団の医師らに信者らが毒ガス中毒症であるという診断書を作らせた。
そして同4日、社長を殺人未遂罪で甲府地検に告訴。同日、教団東京総本部にて記者会見を開き「社長は、信者を殺害する目的で平成6年3月ごろから12月にかけ、サリンなどの毒ガスを噴霧した」とうそを述べて社長の名誉を棄損した。
また教団「治療省大臣」林郁夫被告(48)=殺人罪などで起訴=らと共謀し、3月25日、手配中で石川県内にいたM被告(29)=逮捕監禁罪などで起訴=の整形手術の可否を相談に来た信者に「現場に一任する」と答え、手術道具を届ける方法などを指示。さらに同29日ごろ逃走資金として500万円を準備するなどした。
青山被告はこのほか、昨年12月に教団信者の交通事故に絡んで保険金をだまし取ろうとしたとされる詐欺未遂と、信者らを営利誘拐罪で告訴していた宮崎県の旅館経営者らを同年9月、逆に告訴した虚偽告訴の2事件でも起訴されている。
今月7日には熊本地裁の国土利用計画法違反事件の公判で教団公認会計士にうその証言をさせたとして、偽証容疑で再逮捕された。《共同通信》
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【オウム真理教】サリン70トン量産計画
オウム真理教の教祖麻原彰晃被告(40)らが進めていたサリン量産計画の全容が28日、捜査当局に対する教団幹部被告らの供述で明らかになった。大量生産は無差別殺人が目的で、麻原被告は「使えば大都市が壊滅する」と発言。ヘリコプターによる空中散布の準備をしていたほか、1日2トン、計70トンの製造を目標に、山梨県上九一色村の教団施設「第7サティアン」の量産プラントでサリン直前の中間物質まで合成していた。
これらの供述内容の一部は、一連のサリン関連事件の公判で検察側から明らかにされるとみられる。
これまでの幹部被告らの供述によると、麻原被告にサリン生産を具申したのは教団「化学班」責任者土谷正実被告(30)。平成5年初め「サリンというものがありますが、研究してはどうでしょうか」と進言、麻原被告は「やってみろ」と指示した。
当時から「ハルマゲドン(最終戦争)」について言及していた麻原被告は、こうした「予言」を実際に起こすのに役立つと考え、「科学技術省大臣」だった故村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=と相談しながらサリンによる無差別殺人を計画。ヘリコプターでばらまくため「防衛庁長官」K被告(40)に米国でヘリ免許を取らせた上、「建設省大臣」早川紀代秀被告(46)に旧ソ連製大型ヘリを購入させるなど準備を進めた。
麻原被告の指示で研究を続けた土谷被告は同年夏までにサリン製法を開発、10月には自分の実験棟「クシティガルバ棟」で試験的に生成に成功した。これを受けて村井元幹部は1日2トン、計70トンのサリン量産を計画。同年秋から「科学技術省」幹部T被告(26)らのチームに、量産可能なプラントの基本設計を担当させた。
年明けの6年2月には、麻原被告が都内のホテルで村井元幹部や早川、T両被告ら幹部十数人と会議を開き、建設作業の担当分けを決め、さらに「第7サティアン」の製造プラント建設が進んだ同年7月には、最終作業に携わる信者ら15人を教団施設に集め「危険だが、独房修行だと思ってやってほしい」「これを使えば大都市が壊滅する」などと指示していた。
6年末までにサリン直前の中間物質の生成が確認され、70トンのサリンが完成した場合、プラスチックのタンクなどに入れて保管する計画も決まっていたが、今年初め「サリン残留物が検出された」と報道されたためプラントは解体された。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の加藤紘一幹事長は18日の講演で、宗教法人法改正に関連して「特に(議員の)名前を挙げないが、反対しているのは本心じゃないのが論争をしながら分かる」と新進党の内情を皮肉った。さらに「昔、学生運動をしていて憲法問題を必死に考えているような人が公明党の流れみたいな議論をしているのを見ると、青春時代の気持ちを忘れたのかと言いたくなる」と続け、以前は反対していた破防法の適用を主張する新進党幹部もバッサリ。最後には「自民党みたいに「何でもしゃべっていい良さを、守っていかないといけない」と言いたい放題。
○・・・新進党の渡部恒三政務会長はこの日の記者会見で「景気対策国会ということで、景気に役立つためにはできる限り(政府与党に)協力している」と、宗教法人法をめぐり与野党が対立しているにもかかわらず審議に協力していることをアピール。「55年体制の野党であれば、野党の承知しない法律が出されたら、委員会も国会も審議がストップする」と強調した。その上「(審議拒否は)あしき慣習だった。(今は)かつてない国会で国会改革だ。(新進党は)責任ある野党だ」と締めくくるなどこちらも自画自賛。《共同通信》
【防衛施設庁・宝珠山昇長官】「首相の頭が悪い」
防衛施設庁の宝珠山昇長官は18日午後、首相官邸で古川貞二郎官房副長官と沖縄県知事の米軍用地の更新手続き拒否問題について協議、知事側の軟化はあり得ないとして村山富市首相が知事に対する職務執行命令など法的手続きを進めるよう求めた。宝珠山氏はこの際、「首相の頭が悪い」などと発言。19日未明、自民党などから同氏の辞任を求める動きが表面化した。政府は、衛藤征士郎防衛庁長官の沖縄訪問を前にさらに苦境に追い込まれた。
防衛施設庁首脳が18日タ、記者団に明らかにしたところによると、宝珠山氏は古川氏に対し「首相の頭が悪いからこんなことになった。法に基づいて行動してほしい。ちゃんとやるように言ってください。そうでなければ民主国家、法治国家としての品格に疑問を持たれる」と話したという。宝珠山氏は19日未明には、「頭が悪いと言った覚えはない」と弁明した。《共同通信》
【プロ野球・阪神】新監督に藤田平氏
阪神の藤田監督代行は18日、三好球団社長とともに大阪市福島区の阪神電鉄本社に久万オーナーを訪れて今季の報告を行い、席上、同オーナーからの要請を受けて26代目の監督に就任した。契約期間は1年。
阪神は今春、球団創立60周年だったが4年ぶりの最下位に終わり、同オーナーは「来年こそファンの期待にこたえてほしい」とコメント。藤田監督は「監督は大変だと思うが、シーズン後半から監督代行をさせていただき、チームの戦力を把握できた。(新スタッフは)日本シリーズ終了後に発表できると思う」と話した。《共同通信》
【Jリーグ・ニコスシリーズ】第17節
Jリーグ・ニコスシリーズ第17節(18日・長良川競技場ほか=7試合)首位のヴェルディ川崎は、アルシンドの決勝点で名古屋グランパスを1−0と下して9連勝。勝ち点を46(15勝2敗)に伸ばし、2位の清水エスパルスに勝ち点7の差をつけた。
清水は、ジュビロ磐田に延長で2−3と敗れた。ジェフ市原は横浜フリューゲルスを6−3、ガンバ大阪は鹿島アントラーズを3−1で破り、ともに連敗を5で止めた。横浜マリノスはPK戦でセレッソ大阪を下し、柏レイソルはベルマーレ平塚に1−0、浦和レッズはサンフレッチェ広島に2−1で勝った。《共同通信》
【中国・江沢民国家主席】軍事演習観閲
18日の新華社電によると、中国海軍はこのほど、江沢民国家主席(党中央軍事委員会主席)ら軍指導部が観閲するなか、上陸作戦を含む海上軍事演習を大々的に実施した。江主席が大規模な軍事演習を観閲したのは異例。
中国海軍が7月と8月に台湾近海で実施した軍事演習に続く第3弾で、独立傾向を強める台湾をけん制すると同時に、江主席の軍への指導力を内外に誇示する狙いとみられる。また24日の米中首脳会談を前に「一つの中国」の原則は決して譲らないとの強硬姿勢を米国に見せつけたといえよう。
演習の日時や場所は明らかにされていないが、北京の西側軍事筋は今月中旬から黄海沿岸で実施中とみている。同筋は「過去2回の演習の総仕上げで、台湾への上陸能力を誇示する狙いなのは明らか」と指摘している。
観閲には劉華清、張震、張万年の3氏と遅浩田国防相の軍事委副主席4人全員と、傅全有総参謀長、于永波総政治部主任、王克総後勤部長ら、先月末の共産党第14期第5回中央委員会総会(五中総会)以後の人事異動による新たな軍指導部メンバーが顔をそろえた。
江主席は観閲後の演説で「海軍近代化のステップを速め、海の国防と安全を確保し、祖国統一の大業の完成を促進しなければならない」と述べ、台湾をにらんでの演習であることを強く示唆した。《共同通信》
【鹿児島県・喜界島】震度5
18日午後7時37分ごろ、鹿児島県の奄美地方を中心に九州南部で強い地震があり、喜界島で震度5(強震)、名瀬(奄美大島)で震度4(中震)を記録した。福岡管区気象台によると、震源地は奄美大島近海、震源の深さは約20キロ、地震の規模はマグニチュード(M)6.5。
また同8時にも喜界島で震度4、M5.0の地震があった。同島では8時26分ごろと8時45分ごろにも震度3を観測するなど、19日午前0時までに有感地震62回を含む148回の余震があった。
同県警名瀬署によると、同県喜界町、小学4年A子さん(9つ)が食器棚から落ちてきたコップの破片が足首に当たり4針縫うけがをした。また町内約20カ所でブロック塀などが倒れたほか、がけ崩れで町道の一部が通行止めになった。
気象庁は、当初津波の心配はないと発表したが、宮崎県の油津と高知県の土佐清水、東京の八丈島、大島、父島などで最高24センチの津波を観測した。
また同町の喜界港で潮位が下がったとの情報があったため、喜界町が防災無線で避難を呼び掛け、町民約9500人のうち約2500人が公民館などの避難所約40カ所に一時避難。鹿児島県は災害警戒本部を設置した。《共同通信》
【米政府】カストロ議長にビザ
バーンズ米国務省報道官は18日、米政府が国連創設50周年記念総会に出席する予定のカストロ・キューバ国家評議会議長に対する入国査証(ビザ)発給を正式に決定したことを明らかにした。米国に議長が入国するのは、1979年の国連総会出席以来で、16年ぶり。議長は22日に総会で各国首脳とともに演説する。
米国が議長の入国を認めたのは、国連加盟国であるキューバの指導者の総会出席を拒否できないとの判断からで、米政府関係者は議長と接触しない。議長の訪米は、キューバに対する経済封鎖制作を続ける米国の対カストロ政権敵視政策に影響は与えないとみられる。
議長は国連のあるニューヨーク市内中心部から半径40キロ外に出られないなどの行動制限を受ける。
一方、米上院はこの日、キューバ制裁強化を目指す法案を採択した。しかし、資産を没収された在米亡命キューバ人が資産を不当占有しているキューバ市民を相手に米国で損害賠償訴訟を起こせる、との条項は民主党の反対で削除された。《共同通信》