平成1735日目
1993/10/08
この日のできごと(何の日)
【国連】南ア制裁を解除
国連総会は8日、アフリカ民族会議(ANC)のネルソン・マンデラ議長の要請を受け、南アフリカに対する経済制裁を31年ぶりに解除する決議を採択した。9月24日にマンデラ議長が国連総会で経済制裁の解除を呼び掛けて以来、各国は自主的に解除措置を取ってきたが、この日の国連総会の解除決議は南アの国際社会への復帰を象徴するものとなる。また、制裁解除により、南ア経済の再建が進めば民主化推進にも弾みがつこう。
決議は、南アとの貿易、投資、金融、輸送などでの経済関係を禁じたり、制限する従来の国連決議の効力を停止し、各国政府による関連措置の解除を求めている。しかし、マンデラ議長の要請に基づいて、解除の対象から兵器や核関連物資を除外。戦略的に重要な石油と石油関連物資についても、初の全人種参加による事実上の暫定政権「暫定執行評議会」が11月に設立されるのを待って、禁輸を解除するとしている。
決議は国連の反アパルトヘイト委員会の議長国、ナイジェリアが上程した。総会は来年4月に予定される全人種参加選挙と新政権の成立を受けて、1974年から南アが失っている。総会議席の回復など、外交制裁も解除することにしている。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【サッカー】
サッカーの1994年ワールドカップ(W杯)米国大会出場を目指しアジア最終予選(15−28日)に臨むサッカー日本代表は8日午前、成田発の日航特別機で開催国のカタールに向けて出発した。
悲願のW杯初出場にかける選手の負担を軽くするため、今回はサッカー界として初めて専用チャーター便が用意された。機首部分には日本協会のエンブレムが付けられ、チームの士気を高めるに十分。
出発に先立って行われた壮行セレモニーでは、長沼健・日本協会副会長が「最終予選を勝ち抜くと願っているのではなく、そうなると確信している」と整列した選手たちを激励した。《共同通信》
【メルセデス・ベンツ】Sクラスを大幅値下げ
メルセデス・ベンツ日本は、最上級Sクラスの94年モデル価格を50万—390万円(平均12%)引き下げるとともに「S280」など2タイプを新たに、追加して8日発売した。Sクラスの大幅値下げは初めてという。
長引く不況で国内の高級乗用車販売が低迷していることと、円高水準が定着したことから思い切った価格政策をとることにしたという。下げ幅が最大の「S600L」は2100万円が1710万円になった。各タイプとも装備を追加した上で値下げした。「S280」は右ハンドルのみで850万円。《共同通信》
【JR大阪駅】4番線に到着した雷鳥44号4号車4番C席で男性が死亡
8日午後10時25分ごろ、大阪市北区梅田のJR大阪駅に到着した新潟発大阪行き雷鳥44号の4号車内で、男性が席に座ったまま死亡しているのを乗務員が発見、曽根崎署に届け出た。調べでは、死亡していたのは新潟市内の男性(73)で、遺体に外傷はなく、同署は病死とみている。
家族の話などによると、この男性は末期がんを患い、医者から外出を禁止されていた。「死ぬ前に島根県の実家に帰って墓参りをしたい」と同日午後3時17分新潟発の「雷鳥」に乗車。見送った妻が車掌にも事情を話しており、同3時50分ごろに車掌が様子を見た時には元気そうだったという。
男性が座っていたのは雷鳥44号4号車の指定席で番号が4番C。さらに、列車が着いたのは大阪駅の4番ホームだった。この座席に座ったのが偶然だったのかどうかは分かっていない。署員の話では、男性は、ほかの乗客が異変に全く気付かないほど安らかな表情で息を引き取っていたという。《共同通信》
【参院予算委員会】
参院予算委員会は8日午前、理事会での協議が紛糾し同11時20分すぎから2日目の審議に入った。冒頭、武村官房長官は社会党閣僚の「自衛隊違憲」発言と憲法66条の内閣の連帯責任規定との関係について「政治家、党員の立場で違憲発言をしても、国務大臣(閣僚)の立場で内閣の方針に従うという場合、閣内不統一の問題は生じない」との政府統一見解を明らかにした。
日本新党・民主改革連合の磯村修氏が企業団体献金廃止の明確化を求めたのに対し、山花政治改革担当相は「連立与党内の廃止の意見も考慮して見直すことになっている」と述べ、政治改革法案成立5年後の企業献金問題見直しの際には廃止を含め検討する考えを示した。
藤井蔵相は、ゼネコン汚職事件などの根源とされる企業の使途不明金の解明について「機密費、交際費、旅費などに隠れて、どうしても解明しきれないものもあるが、税務当局に機密費などの裏付け調査をしっかりやるよう指示している」と述べた。また蔵相は「全部とは思わないが、一部が裏金に回っている」と、使途不明金が政治腐敗の温床となっていることを認めた。
この日は、予算委理事会で太平洋戦争の犠牲者を約2000万人とした山花政治改革担当相の国会答弁に対する回答の取り扱いをめぐり、与野党が対立して紛糾。午前10時予定の委員会の開会が大きくずれ込んだ。《共同通信》
【連立与党】整備新幹線見直しに着手
連立与党は8日午後、衆院議員会館で、整備新幹線建設計画の見直しのため各党の政策担当責任者による初会合を開き、3線5区間の線路規格の変更や北海道新幹線など新規着工路線の扱いなどについて平成6年度予算編成前の11月中に結論を出すことを決めた。
当面、各党の代表者5人の間で協議を進め、11月中旬までに中間の作業報告を取りまとめることも確認した。今後の協議では、厳しい財政事情を反映して、見直しを可能とする財源確保が大きな焦点となる。
整備新幹線の建設は昭和63年、東北(盛岡ー青森)北陸(高崎ー軽井沢など)九州鹿児島ルート(八代ー西鹿児島)の3線5区間についてはそれまでの凍結を解除、着工することにしたが、一部区間では在来線を活用したミニ新幹線などに規模を縮小した。
また、残る北海道(青森ー札幌)北陸(金沢ー大阪)九州長崎ルート(博多ー長崎)などは着工見送りとされており、これらの扱いについて63年に政府、自民党間で「5年後に見直す」との申し合わせをしており、今年がその見直し時期に当たっている。《共同通信》
【政界談話室】
○…細川首相は8日、参院予算委員会の開会が1時間半近く遅れたのを幸いとばかり、11日からのエリツィン・ロシア大統領来日の勉強に大わらわ。委員会室で待機する間、一心に分厚い資料を読みあさった。午前中の審議を終えた首相に記者団が「エリツィン関係の資料か」と水を向けると、首相はニコリともせず「ええ(その資料は)ありましたね」。さらに「委員会が始まると資料が山積みになりまして」と、何やら国会審議が勉強の邪魔になっているとでも言いたげ。ポーカーフェースの首相も実は、大統領来日が大変な心理的圧力になっている様子。
○…この日の自民党役員会で、連立与党に敵意むき出しの橋本政調会長がまたもその面目躍如。自民党は先ごろ、自衛隊法改正案を議員提出し連立側にクサビを打ち込んだばかり。橋本氏はその快感が忘れられないらしく「単独の議員立法をどんどん出していくべきだ」と盛んにハッパ。さらに「街頭宣伝も積極的にやろう」と、さらなる反連立キャンペーンに意欲を示した。だが、党内には「あまりやりすぎても国民の反発を招くのでは」という空気も根強く、橋本流がどこまで実現するかは微妙。《共同通信》