平成271日目
1989/10/05
この日のできごと(何の日)
【ダライ・ラマ氏】ノーベル平和賞受賞決定
オスロからの報道によると、ノルウェー議会ノーベル賞委員会は5日、1989年のノーベル平和賞にチベット独立運動の指導者でチベット仏教の最高位聖職者であるダライ・ラマを選んだ。賞金は300万スウェーデン・クローナ(約6415万円)で、授賞式は12月にオスロで行われる。
選考委員会の発表によると、受賞の理由は「ダライ・ラマがチベット解放の闘争に際して、一貫して暴力の使用に反対してきた」ことを挙げている。しかし、チベット独立運動に反対している中国は、ダライ・ラマの受賞に反発するとみられる。
ダライ・ラマは1959年3月の民族解放闘争失敗と中国軍のチベット制圧でインドへ亡命。以後チベット独立運動の精神的最高指導者として世界各地で活動してきた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【西ドイツ】東独市民を乗せた列車が到着
西ドイツ行きを望む東ドイツ市民を乗せプラハを出発した特別列車の第一陣は、5日午前5時50分、西ドイツ・バイエルン州のホーフ駅に到着した。後続の7列車も5日午前中に西ドイツ入りした。これで7600人が移送された。
ホーフ駅8番線では赤十字職員やボランティアらが拍手と歓声で一番列車を出迎えた。若い女性は「列車は何も問題なかったわ。最高よ」と、西ドイツ到着の喜びを早口でまくしたてた。《共同通信》
【海部俊樹首相】自衛隊海外派遣に「前向き」
海部首相の所信表明に対する各党代表質問は2日目の5日、衆参両院本会議で続行された。午後の衆院で、民社党の永末委員長が平時における平和目的のための自衛隊海外派遣についてただしたのに対し、海部首相はわが国の国際協力、平和への貢献への観点から「国民の声、国会論議などを踏まえ、今後検討させて頂く」と述べ、前向きの姿勢を明らかにした。
午前中の参院で社会党の安恒参院議員副会長が消費税は「構造的にも欠陥がある」と追求した。これに対し、海部首相は(1)旧物品税は非現実的(2)法人税率据え置きは企業の税負担、外国企業の投資意欲に悪影響が出る(3)制度化されない自然増収に頼るのは適切でない−−と指摘、野党が主張する消費税廃止に伴う代替財源案の各論に踏み込んで批判し、消費税廃止要求には応じられないとの立場を鮮明にした。《共同通信》
【佐伯勇さん】死去
近畿日本鉄道を日本一の私鉄に育て上げて、プロ野球近鉄バファローズのオーナーでもある佐伯勇近鉄名誉会長が5日午後8時52分、肝不全のため大阪市福島区の大阪大学医学部附属病院で死去した。86歳だった。
佐伯氏は愛媛県出身で、昭和恐慌前夜の昭和2年、近鉄の前身の大阪電気鉄道に初任給70円の臨時雇いとして入社。改札係、運転士として現場を踏んだ。その後、22年3月に取締役となったが、当時吹き荒れた公職追放のあらしが逆に幸いし、わずか1カ月後には専務となった。26年に社長就任後、48年に会長に退くまでの22年間、社長の座にあったほか、現在まで代表取締役の肩書を持っていた。《共同通信》