平成502日目

1990/05/24

この日のできごと(何の日)

【韓国・盧泰愚大統領】来日

韓国の盧泰愚大統領夫妻は24日午前、大韓航空の特別機で羽田空港に到着した。韓国の国家元首が国賓として来日したのは昭和59年9月の全斗煥前大統領以来、5年8カ月ぶり2回目。特別機から姿を現した大統領夫妻は、にこやかな表情でタラップを降りた。中山外相らとあいさつを交わした後、東京・元赤坂の迎賓館に向かい、歓迎行事に臨んだ。

この後、皇居で天皇、皇后両陸下と会見。夜には宮殿「豊明殿」で宮中晩さん会が開かれ、天皇陛下が過去の植民地支配について「貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、私は痛惜の念を禁じ得ません」とのお言葉を述べらた。

晩さん会には両陛下、大統領夫妻をはじめ皇太子殿下ら日韓両国の約150人が出席。宮内庁楽部が演奏するソウル五輪のテーマソング「ハンド・イン・ハンド」が流れる中、出席者が入場。大統領夫妻の好みの「マイウエー」などのメロディーが演奏され、フランス料理を楽しみながら歓談した。

宴の終わり近く、天皇陛下が立ち、全斗煥前大統領来日の際、昭和天皇が過去の植民地支配に触れて「誠に遺憾」と述べた「お言葉」をそのまま引用した後「わが国によってもたらされたこの不幸な時期に、貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、私は痛借の一念を禁じ得ません」と一層踏み込んで謝罪への思いを込められた。

お言葉の内容をめぐっては、韓国側から、昭和天皇のお言葉では謝罪が不十分との息も上がっていたが、今回のお言葉では「わが国によって」と述べて加害主体を明らかにしたほか、「私は」と主語をはっきりさせ、さらに踏み込んだ表現になった。その上で陛下は「今後、両国民がますます相互運解を深め、両国関係の一層の成熟を図り、力を合わせて」いくことを希望、大統領の訪日について「21世紀に通する新しい日韓関係の礎となる」として両国の友好の進展に期待を表現された。

このお言葉を受けて盧大統領は「わが国民は近世に入り、苦痛を受ける一時期を経験しなければなりませんでした」と指摘しながらも「歴史の真実は消されたり、忘れられたりすることはありませんが、韓国国民はいつまでも過去に束縛されていることはできません」として「友好協力の新たな時代」を開くことを強調する答辞を述べた。

この後、出席者一同は「春秋の間」に移り、雅楽の「延喜楽」や「長慶子」など4曲を鑑賞、深夜まで交歓が続いた。

この日は午後1時20分から迎賓館で歓迎行事。車で到着された両陛下が、玄関ホールで大統領夫妻とごあいさつ。続いて大統領が陸上自衛隊儀じょう隊の栄誉礼を受け、庭内を巡関した。《共同通信》

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【松下優也さん】誕生日

【大相撲夏場所】12日目

大相撲夏場所12日目(24日両国国技館)横綱千代の富士と大関旭富士が1敗を堅持。2敗で追っていた横編北勝海ら3力士がいずれも敗れたため、優勝争いは2人に絞られてきた。

千代の富士は左四つから大関北天佑を右外掛けで倒した。旭富士は2敗大関小錦の突進を封して左下手投げで快勝。小錦の今場所での視とりは絶望となった。北勝海は平幕の元気者、琴錦の右四つからの寄りの速攻に完敗した。琴錦は初の金星獲得。また2敗だった新大関霧島も水戸泉に寄り切られた。《共同通信》

【海部俊樹首相】韓国・盧泰愚大統領と会談

海部首相と盧泰愚大統領による第1回日韓首脳会談が24日午後6時すぎから約1時間、東京・元赤坂の迎賓館で行われた。

首相は日本の植民地支配など「過去の歴史」について「私は大統領を迎えた機会に、過去の一時期、朝鮮半島の方々が日本の行為により耐え難い苦しみと悲しみを体験されたことを謙虚に反省し、率直におわびの気持ちを申し述べたい」と謝罪した。これに対し大統領は「日本が日本と韓国の不幸な歴史を認識し反省したことに敬意を表する」と述べ、高く評価した。

海部首相は「過去」の具体的問題で在韓被爆者への援護策として、40億円の基金を創設する方針を伝えた。両首脳は東欧、ソ連を中心とする世界的な民主化の流れをアジア・太平洋地域にも及ぼすため、日本と韓国が21世紀に向かって世界的視野に立った新たな協力関係を築いていくことで合意した。

会談は冒頭の約15分間、2人だけで行われ、首相が「反対の声がある中、来日されたことを大きく重く受け止めている」と歓迎の意を表明。大統領も「この訪日を成功させたい」との決意を述べた。

引き続き中山、崔両国外相らを含めた全体会議に移り、朝鮮半島情勢について意見交換。二国間の問題に移ったところで、首相が「新たな協力関係を築くためにも、日韓間の不幸な過去を厳粛に明記しなければならない」と前置きして、過去について謝罪した。

過去の歴史に起因する問題で首相は①被爆者については医療面で基金創設に40億円程度の支援を行いたい②在日韓国人三世問題では一、二世の(指紋押なつ義務廃止など)法的地位について韓国の関心を念頭に置きつつ検討を進める③サハリン残留韓国人については今後も人道的見地から一時帰国に対する協力の充実を図る―との方針を表明した。

大統領は「被爆者に対する温かい配慮はうれしい。法的地位問題では一、二世にもこれまでの合意が及び、サハリン問題では自由な往来ができるよう願っている」と述べた。

国際情勢で首相がソ連や東欧の変化はアジア・太平洋にも及ぶとの認識を表明、世界の新秩序形成に日韓両国の緊密な協力を求めた。《共同通信》



5月24日 その日のできごと(何の日)