平成500日目

1990/05/22

この日のできごと(何の日)

【イエメン共和国】誕生

イエメン人民民主共和国(南イエメン)とイエメン・アラブ共和国(北イエメニン)が22日正午(日本時間同午後6時)、統一イエメンの樹立を宣言、新大統領に選ばれたサレハ北イエメン大統領が南イエメンの首都アデンで行われた式典で、新しく「生まれた「イエメン共和国」の国旗を掲げた。

南イエメンはアラブ唯一のマルクス主義国家としてパレスチナ・ゲリラの拠点にもなり、米国から「テロ支援国家」に指定されてきた。紅海とインド洋を結ぶ戦略的要衝だけに、地域の不安定要因と考えられてきた。しかしソ連のペレストロイカ(改革)にも影響されて、近年西側への歩み寄りを強め、今月初め米国とも21年ぶりに国交を回復していた。

昨年11月30日、両国が統一憲法草案に調印、1年後の実現で合意して通貨統合などの準備を進めてきたが、内外の一部に抵抗の動きもあったため、予定を大幅に操り上げてのスピード統一となった。両国国会が21日同時に開かれ、統一憲法が批准され、この日の宣言にこぎつけた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【韓国】広がる対日批判

盧泰愚大統領の訪日を控え、韓国の植民地時代の独立運動家の団体や市民運動団体が22日、日本大使館前で集会を開いたり、声明を発表するなど日本の植民地支配への謝罪と補償を求める対日批判の声が広がっている。日本大使館は万一の場合に備え23日から3日間、査証発給などの領事業務の中止を決めた。

独立運動家やその遺族らでつくる光復会(李康勲会長)の会員約150人は午後2時からソウル市鍾路区のパゴダ公園で集会を開き、天皇の明確な謝罪などを要求。一部は日本大使館に向けデモをしようとして警察に阻止された。

光復会、大韓独立有功者遺族中央会、太平洋戦争犠牲者遺族会の会員ら約150人は午後3時から日本大使館前で日本を糾弾する合同集会を開き、一時は機動隊と激しくもみ合った。

また反政府色の強い公害追放運動連合、反核平和委員会、教会女性連合会など在野六団体は共同で声明を発表し、①太平洋戦争犠牲者や遺族への補償②補償のない状況での大統領訪日取り消し③日本の公開謝罪④徴用犠牲者の名簿公開―などを要求した。

全国大学生代表者協議会(全大協)は盧大統領の出発する24日、全国の各大学で訪日反対の集会を開く方針で、反米一色だった学生運動の中にも反日の動きが出始めている。日本大使館は査証発給業務のため大使館に人の出入りがあると、万一の事態も予想されるとして23日から3日間領事業務を中止することにした。《共同通信》

【瀬島龍三氏】訪韓

盧泰愚・韓国大統領の訪日を直前に控えた22日、海部首相の個人特使として瀬島龍三・伊藤忠商事顧問がソウルを訪れ、青瓦台で盧大統領と1時間半にわたり会談した。瀬島氏は中曽根元首相のブレーンとして韓国にも幅広い人脈を持っており、この日の訪韓も盧大統領の訪日で問題となっている天皇陛下の「お言葉」をめぐり協議したものとみられている。

青瓦台スポークスマンは、瀬島氏が海部首相の個人的依頼を受け、青瓦台を訪れたと明らかにしたが、お言葉問題が協議されたかどうかについては「知らない」と答えた。

同スポークスマンによると、瀬島氏は、大統領が国内問題で多忙なのにもかかわらず予定通り訪日することに感謝し、訪日が成功するよう日本政府が全力を挙げているとの海部首相の言葉を伝え、大統領は頼島氏から首相の考えや日本内の情勢などで説明を受けた。瀬島氏はまた「海部首相は今回の大統領訪日が両国間の協力増進と懸案解決への契機となるよう希望している」と伝えた。《共同通信》

【日教組】新委員長に大場昭寿氏

日教組(福田忠義委員長)は22日の代表者会議で、新執行部の委員長に大場昭寿・現書記長、書記長に畑広・現副委員長をそれぞれ充てることを内定した。新執行部は6月に予定されている定期大会で正式に選出され、任期は2年。一方、副委員長人事では田中周子副委員長の留任が固まっているが、他の副委員長については流動的。

日教組は昭和61年以来の「400日抗争」で労戦統一問題などをめぐって、当時の主流派(社会党系)内部の左右両派が対立、現在の福田ー大場執行部は断定的な色彩を帯びたものとなっていた。さらに日教組は昨年末の連合加盟をめぐる反主流派(当時)の脱退に伴う組織分裂や組織率の低下傾向など、内外に難題を抱える極めて厳しい状況下に置かれていることから、大場一畑新執行部が組織の立て直しにどのように手腕を振るうか注目される。

大場氏は札幌市教組出身で、日教組左派に属し、右派の畑氏とバランスを取った新執行部体制となる。《共同通信》

【選挙制度審議会】参院の抜本改革で一致

選挙制度審議会(首相の諮問機関、小林与三次会長)は22日、自治省で第一委員会(堀江湛委員長)を開き、参院選挙制度の改革についての本格的な検討に着手した。

4月の第一次答申で、衆院選挙制度として現行の参院制度と似た小選挙区比例代表並立制を打ち出したことから、参院の特色を出した抜本改革が必要との認識で基本的に一致。定数に関しては、現行の252から減らす方向で検討を進めることになった。

しかし、具体的な新制度については①都道府県代表のような制度②ブロック単位の選挙③候補者選定委員会による候補者推薦制度④かつての全国区制度―などさまざまな見解が出されただけで、方向性を示す論議に至らなかった。

定数に関しては、「200人」「都道府県代表94人に足りなければ全国区的なもの50人」との指摘があった。《共同通信》

【政界メモ】日本の政治に秘密なし

〇…自民党の小沢幹事長は22日、ソ連共産党機関紙「プラウダ」のフロロフ編集長の表敬訪問を受けた。ジャーナリストらしく、日本政治の決定プロセスを根掘り葉掘り質問するフロロフ氏に対し、小沢氏は「党議決定を守らないと党紀違反になるが、賛成したくない場合は欠席という日本的知恵を働かせている」などと、本音で説明。

マスコミとの関係についても「話してはいけないことまでしゃべるし、(記者が)ドアに耳をつけて聞いている。日本にほとんど秘密はない」と、小沢流解釈で日本のグラスノスチ(公開性)をPR。

〇…民社党の大内委員長はこの日、日本記者クラブで講演。「吹けば飛ぶよな民社党に、かけた命を笑わば笑え」といきなり切り出すと「ある意味で開き直りだ」などと言いながら約1時間、党再建と中道勢力結集に向け熱弁を振るった。

会場から「委員長の言うように社会党が左派と決別すると、民社党の存在理由がなくなるのでは」との質問を受けたが、大内氏は「その時は社会党との統一を話し合う。今までの社会党が必要ではなくなり、すべてが民社党になるわけで、わが党の勝利だ」と強調。「窮鼠(きゅうそ)猫をかむ」で終始、意気軒高。《共同通信》

【近鉄・野茂英雄投手】4試合連続二けた奪三振

近鉄の野茂英雄投手は22日のダイエー4回戦(平和台)で10三振を奪い、4試合連続二けた奪三振のプロ野球タイ記録をマークした。

1971年の江夏(阪神)以来、19年ぶり2人目の快記録。スタートは4月29日のオリックス戦(西宮)。17三振の1試合最多奪三振のプロ野球タイ記録を作り、以後ダイエー14、オリックス12と続き、この日見事達成した。4試合合計は53三振で、1試合予均13.2の抜群の数字だった。《共同通信》

【大相撲夏場所】10日目

大相撲夏場所10日目(22日・両国国技館)1敗は北勝海、千代の富士の両横綱と、小錦、旭富士の2大関の4人となった。北勝海は平幕琴富士をてこずりながらも寄り切り、千代の富士は関脇栃乃和歌を右外掛けで倒した。小錦は連日の殊勲を狙った小城ノ花を突き、押しから左四つで寄り切り、旭富士は1敗同士の対戦で新大関霧島を寄り切った。もう1人の大関北天佑は安芸ノ島と大熱戦の末に敗れて3敗目を喫した。安芸ノ島も7勝3敗。

新入幕の貴花田は隆三杉を土俵際で引き落として4勝目を挙げた。十両は2敗同士の対戦で大翔山が曙を破り、単独トップに立った。若花田は7勝目。《共同通信》



5月22日 その日のできごと(何の日)