平成5378日目
2003/09/29
この日のできごと(何の日)
【第3回アフリカ開発会議】開幕
アフリカの開発と支援について約90カ国と約50の国際機関代表が討議する「第3回アフリカ開発会議」(TICADⅢ)が29日午前、東京都内のホテルで開幕した。
小泉純一郎首相は基調演説で、エイズなど感染症対策や教育、食料支援として今後5年間で総額10億ドルの無償資金協力を実施する方針を表明。アフリカ重債務貧困国に対する総額30億ドルの債権放棄も確約した。
同会議は日本と国連などの共催で五年に一度、東京で開催しており、今回はアフリカから23カ国の元首が出席。3日間の日程で「経済成長を通じた貧困削減」「平和の定着」「アジア・アフリカ協力」などについて議論する。
議長の森喜朗前首相は「日本の外交上例をみない最大規模の国際会議であり、使命の重さを強く感じている」と開会宣言。モザンビークのシサノ大統領は「日本、アジア諸国のアフリカ大陸への連帯、貢献に感謝している」とあいさつした。
小泉首相は演説で、アフリカ諸国が自助努力を打ち出した開発構想「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)への支持を強調。無償資金協力や債権放棄のほか、総額3億ドルの投資金融を通じた日本企業の対アフリカ投資の促進も確約した。
来年秋に世界銀行とともに「アジア・アフリカ投資会議」を開催することを表明、アジアの開発の経験をアフリカ開発に活用する考えを示した。
◇
アフリカの開発と支援について約30の国・機関の代表が討議する「第3回アフリカ開発会議」(TICADⅢ)は29日午後、「経済成長を通じた貧困削減」をテーマに全体会合を開き、アフリカ14カ国の首脳が貧困に苦しむ自国の状況や貧困から脱却するための政策、先進国からの支援の在り方などを報告した。
ウガンダのムセベニ大統領は「アフリカが物を作っても国際的な市場が開放されていなければ意味がない」と述べ先進国側に一層の市場開放を要求、ルワンダのマクザ首相は「紛争で長い間、TICADによる支後の恩恵を受けられなかった」として、平和定着の重要性を強調した。
各国とも日本の経済的支援に対する謝意表明とTICADの継続が貧困削減のために重要との点で一致した。《共同通信》
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【NHK連続テレビ小説・てるてる家族】放送開始
【トヨタ・シエンタ】発売
【天皇陛下】稲刈り
「随分ことしは苦労が多かったと思います」。29日午後、皇居で恒例の稲刈りがあり、作業を終えた天皇陛下は10年ぶりの「不作」に苦しむ稲作農家を気遣われた。
さわやかな秋空が広がる皇居・生物学御研究所脇の水田。イネ100株を刈り終えてかまを置いた陛下は、コメの不作に関する記者の問い掛けに「稲作をしている人たちにとっては、とても残念なことだと思います」と話し、皇居のイネについても「少し何か実っていないところがいつもより多くあるような感じがします」と感想を述べた。
宮内庁によると、収穫したイネは三重県の伊勢神宮や皇居内で行われる神事などに使われるという。《共同通信》
【野球】
野球の日本代表編成委員会は29日、東京都内のホテルで、10月末から札幌ドームで開幕する2004年アテネ五輪の予選を兼ねたアジア選手権の日本代表22選手を発表した。長嶋茂雄監督(前巨人監督)が指揮を執る今回のチームは全員がプロの主力選手で構成されている。
投手は9人が選ばれ、先発は上原浩治(巨人)松坂大輔(西武)和田毅(ダイエー)ら5人、抑えを含めた救援陣は小林英(ロッテ)岩瀬仁紀(中日)らが入った。
捕手はパ・リーグ打点トップの城島健司(ダイエー)と谷繁元信(中日)の2人。内野手は、2年連続首位打者が濃厚な小笠原道大(日本ハム)や松井稼頭央(西武)ら5人を選出。外野手は、高橋由伸(巨人)福留孝介(中日)ら6人に決まった。
セ・リーグ優勝の阪神からは安藤優也投手と赤星憲広外野手の2人で、候補だった井川慶投手、矢野輝弘捕手、今岡内野手は出場を辞退した。
アジア選手権は10月31日に開幕。シードされている日本は10月末の合宿(福岡ドーム)を経て、11月5日に始まる4チームでの決勝リーグから出場し、上位2チームに与えられる五輪の出場権を目指す。《共同通信》
【三菱東京FG】利益2000億円超
三菱東京フィナンシャル・グループの2003年9月中間決算は29日、最終利益が今年5月に予想した700億円の約3倍に当たる2000億円超に膨らむ見通しとなった。今週中にも業績の情報修正を発表する。
経営不振企業の事業再生や最終処理が進み、不良債権処理に伴う損失が大幅に圧縮され、最近の株高によって有価証券損益も大きく改善した。この結果、貸出総額に占める不良債権比率は大手銀行グループの先陣を切って、9月末の3%台後半に下がる。
大手銀行グループで中間業績の上方修正に踏み切るのは初めて。他のグループの中間決算にも、株高や企業業績の改善などが反映されるとみられ、景気動向にも心理的な好影響を与えそうだ。《共同通信》
【池袋通り魔殺人事件】二審も死刑判決
東京・池袋の通り魔事件で2人を殺害、6人にけがをさせたとして、殺人・殺人未遂などの罪に問われた元新聞配達員A被告(27)の控訴審判決で、東京高裁は29日、一審東京地裁の死刑判決を支持、被告側の控訴を棄却した。
原田国男裁判長は争点だったA被告の責任能力を認めた上で「目についた人を殺害しようとしたまさに通り魔的犯行で、反省もない。性格形成に恵まれない生活環境が影響していることなどを考慮しても、極刑を選択するほかはない」と指摘した。
判決理由で原田裁判長は「被告は無差別殺人という目的に従って包丁を入手したほか、犯行直前には被告なりにためらっていた。病的な行動とはいえない」と責任能力を認め「統合失調症で心神喪失か耗弱状態だった」とする弁護側の主張を退けた。《共同通信》
【長崎男児誘拐殺人事件】12歳を自立施設に送致
長崎市のAちゃん=当時(4つ)=誘拐殺人事件で補導された中学一年の少年(12)の少年審判で、長崎家裁(伊東浩子裁判長)は29日、「防犯カメラを発見して動転し突き落とした」と認定し、少年を児童自立支援施設に送致することを決定した。行動の自由を制限する「強制的措置」を1年間取れるとしており、少年は同日夜、さいたま市の国立武蔵野学院に入所した。
犯行に至る要因として決定は、幼時からの障害に加え両親の厳しい養育態度や不仲、環境の変化で精神的負荷がかかり、他人の痛みに無関心な資質が増強されたとした。
審判には少年と付添人、少年の両親が出席した。付添人は「妥当な決定」とし抗告しない方針。
決定理由で伊東裁判長は、少年の資質について、幼稚園のころから注意に過剰に反応し、予想できない行動をしていたと指摘。他人とのつながりを求める志向が希薄で、強いこだわりを示すことから「広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群」と判断した。しかし「障害そのものが直接非行に結びつくものではない」とした。
両親の養育態度に触れ「ほかの児童にばかにされないように付ききりで、勉強を教えたり、厳しく叱責し、少年のコミュニケーションのつたなさに拍車を掛けた」と述べた。
こうした問題に適切な措置が講じられないまま、中学に入学して思春期を迎え、環境が変化。家庭では両親のいさかいが続いており、通常では考えられない着想や行動に結び付いたと分析した。《共同通信》
【東京地裁】毒ガス弾放置は違法
旧日本軍が中国に残した毒ガス弾などで戦後被害を受け、死亡したり健康を損なったりしたとして、被害者の中国人や遺族計13人が国に総額2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、ほぼ請求通り約1億9000万円の支払いを命じた。
片山良広裁判長は「主権が及ばない中国であっても中国政府に回収を申し出るか、遺棄状況などの情報を提供して被害を防ぐ義務があった」と認定。「日中国交回復後も、回収を怠り、放置した行為にはわずかの正当性もない」と国の不作為を違法とした。
遺棄兵器による戦後の被害に、国の賠償責任を認めた判決は初めて。中国の被害者は2000人以上ともいわれ、今年8月にも黒竜江省で毒ガスによる死者が出たばかり。一貫して補償を拒んできた国は、新たな対応を迫られそうだ。
片山裁判長は判決理由で、毒ガス兵器の遺棄について「国際的非難を避けるため、組織的に隠ぺいした」と日本軍の違法行為を認定した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の亀井静香元政調会長は29日の大分市内での講演で、先の自民党総裁選を振り返り「『500%小泉純一郎首相の再選はない』とたんかを切ったのに、小泉さんが大勝した」と予想が外れたことを弁明。読み違えたのは「大魔術師青木(幹雄)さんの手品があったからだ。私のような凡人にはつくづく理解を越える存在だ」と皮肉った。青木氏の動向が総裁選の流れを決定付けただけに「大魔術師が自分についてくれたら勝てたのに」と恨み節も聞こえそう。《共同通信》
【衆院本会議】
衆院は29日午後の本会議で、小泉純一郎首相の所信表明演説に対する各党の代表質問を行い、首相と民主党の菅直人代表が郵政事業民営化をめぐり論争、総選挙をにらんだ激しい論戦がスタートした。安倍晋三幹事長は初陣の質問で首相を援護した。
首相は自民党総裁選で自らの公約とした2007年からの郵政民営化について「自民党が真の改革推進政党となるかの試金石だ。必ず(総裁選の)党の公約にする」と明言した。
今国会の主要法案であるテロ対策特別措置法を2年間延長するための改正案については「わが国がテロとの戦いに参加するのをやめたら、日米同盟、国際協調をどうやって保てるのか」と述べ、成立に万全を期す考えを強調した。
首相は道路関係4公団民営化問題に関連し、日本道路公団などの債務償還について「(高速道路の)現行料金を前提とする償還期間は50年間を上限に、コスト引き下げ効果などを反映させ短縮を目指す」と表明。菅氏が「首相提案では民営化後(高速料金が)未来永劫有料となる」と指摘したのに対し、「永久に有料にすると決定しているわけではない。無料化の民主党案ではつじつまが合わない」と反論した。
自民党に検討を指示した憲法改正に関し首相は「私の(総裁)任期の3年間で現実的な政治課題として取り上げるのは非常に難しい」と述べた。
消費税率についても「引き上げないで徹底的な行政改革をやるのが小泉内閣の使命だ」と重ねて強調。教育基本法改正については「国民的議論を踏まえ、与党と協議しながら今後も精力的に取り組む」とした。
菅氏は郵政民営化などで再質問し追及姿勢をアピールしたが、議論は深まらなかった。《共同通信》
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自民党の安倍晋三幹事長は29日、衆院本会議の代表質問に立ち、論戦デビューを果たした。ただ緊張のためか、質問は原稿をふだんより一層早口で読み上げ、時間も割り当てながらわずか10分間。小泉純一郎首相と菅直人民主党代表の激突直後だっただけに、幹事長への大抜てきで永田町を驚かせた割には、比較的印象の薄い初陣となった。
登壇した安倍氏は「当選3回の私が幹事長職に当たるという、この一点をもってしても自民党は大きく変わった。新しい自民党をつくっていきたい」と、衆院解散・総選挙をにらみ、自民党のフレッシュさを前面に打ち出した。
つい一週間前まで官房副長官だったこともあり「小泉内閣の構造改革はすさまじいスピードで進んでいる」と自画自賛調が目につき、切れ味はいまひとつの感も。
自身が国民的人気を得るきっかけとなった北朝鮮による日本人拉致問題をめぐっても「被害者の家族8人を一日も早く戻すことが政府の責任」と手短に触れるにとどまった。《共同通信》
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受託収賄やあっせん収賄など4つの罪に問われ公判中の衆院議員鈴木宗男被告が29日の衆院本会議に出席した。本会議出席は昨年6月19日に逮捕されて以来、初めて。
この日の本会議は各党の代表質問。鈴木被告は終盤を迎えた午後4時過ぎに姿を現し、神妙な面持ちで論戦に聞き入った。散会時には立ち上がって一礼、周囲の議員に握手を求められて笑顔を見せた。《共同通信》
【韓国・盧武鉉大統領】民主党離党
韓国の盧武鉉大統領は29日午後、新千年民主党(民主党)に離党届を出し、正式に離党した。開会中の国会が終わる12月9日まではどの政党にも所属しないとしている。
盧大統領は、党籍を離脱することで「超党派政治」を掲げて政局を乗り切り、その後に政党所属を判断。来年4月の総選挙に臨むとみられる。
民主党は大統領の離党を「国民への背信行為。国政混乱を呼ぶ最悪の選択だ」と激しく批判。これまでも少数与党で困難な政局運営を強いられてきた盧政権の前途は厳しさを増しそうだ。
韓国では新党結成を目指す議員らが民主党を離党し、院内交渉団体の国民参与統合新党(統合新党)を結成。統合新党を支持する盧大統領が民主党に残留していることに批判が出ていた。《共同通信》
【この日の民主党】
北海道十勝沖地震災害対策本部を設置
民主党は、26日に震度6の地震が2回にわたって発生し、その後も余震が続くなどして北海道東部・南部を中心に広範な被害をもたらしている北海道十勝沖地震について、被害状況を把握し被害者救援・対策を進めるため対策本部を設置、30日に鳩山由紀夫常任幹事を団長とする現地調査団を派遣することを決めた。
菅代表「小泉首相では日本沈没を防げない」
民主党の菅直人代表は29日、衆議院本会議で小泉首相の所信表明演説に対し代表質問を行った。原稿なしで質問に臨んだ菅代表は、「構造改革の種をまき、ようやく芽が出てきた」と自画自賛する首相に、「総理の公約に真正面から反対してきた青木参院幹事長を味方に引き入れて再選したが、これで公約が実行できるのか。2年半もかけてまだ芽が出た段階というようなスピードでは、日本が沈没することを防ぐことはできない」と断じ、小泉首相に一刻も早い退陣を求めた。
菅代表は、民主党の政権公約(マニフェスト)をもとに、事務次官会議廃止など官僚政治の打破、雇用・景気重視の経済運営、郵貯・簡保資金の中小企業向け金融への活用、高速道路無料化、衆議院比例定数の80削減や選挙権年齢の18歳への引き下げなどを具体的に提案。同時に小泉首相に対して、道路公団の民営化により通行料金は未来永劫無料にならないのではないか、郵政民営化の際に郵貯・簡保をどう取り扱うのか、イラクへの自衛隊派遣や財政支援を具体的にどうするのか、などと質した。
答弁に立った小泉首相は、郵政民営化問題について「これからの構造改革の本丸。党内に今まで反対の声があったが、必ず党の公約にする」などと手振りを交えて雄弁に答えた以外は官僚答弁の棒読みに終始し、郵貯・簡保問題、道路公団民営化後の料金無料化の有無、イラクへの財政支援などの具体的質問には答えなかった。
再質問に立った菅代表が「まさに官僚主導政治の実態を示す答弁」と批判し、再答弁を求めたが、小泉首相は「これから案をまとめる。先送りでも何でもない」と開き直り答弁を連発。イラクへの財政支援の再答弁漏れを指摘され、異例の再々答弁を行ったが、「国際社会の一員としての責任を果たす」と無内容な抽象論に終始した。
「代表質問で脱官僚国家のあり方示した」菅代表
民主党の菅直人代表は29日の定例記者会見で、同日行った衆議院本会議での代表質問について「首相との公開討論会のつもりで、原稿なしで質問した。脱官僚国家のあり方について国民の皆さんに伝えることができたのではないか」と述べた。
また、小泉首相が郵政民営化、特に郵貯・簡保の350兆円に上る資金について方向性を明確にしなかったことを「11年以上も前から郵政民営化を唱えている政治家が、答弁できなかったのは残念」と批判した。
さらに、小泉首相が答弁で絶叫したことについて記者から感想を求められ、「野党の党首にふさわしいと思う」と述べた。
山岡議員、農業政策の不在を質す
衆議院本会議で29日、新たに民主党に参画した山岡賢次議員が代表質問に立ち、農業政策を中心に小泉改造内閣の施政方針を質した。
山岡議員はまず、26日の首相の所信表明について「農政に対する知識も関心もない」と批判。今年の米不作への対応や食料自給率向上のための施策などを質すとともに、現行の減反政策を廃止し、公共事業の削減や個別補助金の洗い直しを財源に生産者への所得保障制度を導入する民主党の農業政策を訴えた。
小泉首相は、米不足に対して「備蓄米は十分ある。支障はない」などと答弁。自給率問題についても「需要に応じた米作り」を対置するにすぎず、生産者を守り農業を再生する展望を持っていないことを暴露した。
山岡議員はまた、教育、治安、雇用政策についても、首相を鋭く追及した。《民主党ニュース》