平成2620日目

平成8年3月11日(月)

1996/03/11

【代理署名訴訟】結審

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米軍用地強制使用に必要な代理署名手続きを拒否した大田昌秀沖縄県知事に対し、国(首相)が署名を求めた職務執行命令訴訟の第4回口頭弁論が11日午後、福岡高裁那覇支部(大塚一郎裁判長)であり、出廷した被告の大田知事は本人尋問で「基地問題を解決するため代理署名を拒否した」などと証言。尋問後、大塚裁判長は県側が申請していた証人23人うち那覇市長ら3人に絞って求めた証人調べを退け結審を宣言、判決期日を25日午前10時に指定した。

県側証人を退けての早期結審により、「裁判所の審理は土地・物件調書作成などの手続きが適正かどうかに限定される」などとした国側主張に沿った線で判決が出る可能性が出てきた。基地の違憲性にまで踏み込んだ実質審理を求めた県側は「訴訟指揮が結審を急ぐ国側寄りだ」と裁判所の姿勢に反発を強めている。《共同通信》

強制使用対象地のうち米軍楚辺通信所(同県読谷村)の一部が3月末で契約切れとなるが、国側が今回の判決で勝訴しても、県収用委員会の協議などその後の手続きに時間がかかるため、3月末までに使用権原を得るのは極めて困難とみられ、国の「不法占拠」状態となる可能性が濃厚になった。

尋問で知事は「米国は世界戦略の一環で日米安保を使おうとしており沖縄基地の固定化が懸念される」と日米両政府が進める「安保再定義」が署名拒否の大きな理由になったと証言。沖縄での基地提供を「公益」とする国側主張に対し、知事は「沖縄の基地問題の解決が日米の友好につながる。日米安保体制を平和、友好的なものに変えて行くのが望ましい。私の取った措置が国益にかなう」と持論を展開した。

日米安保体制の在り方については「安保条約が国民の生命、財産を守るものなら、国民の一部である県民が日常生活の場で人権侵害を受け、住民が恐怖感を持っているのは矛盾だ」と疑問を示した。《共同通信》



【新進党・小沢一郎党首】解散・総選挙態勢急げ

新進党は11日午前、住宅金融専門会社(住専)処理をめぐる国会情勢の緊迫を受け、議員懇談会や、臨時選対本部会議を相次いで開いた。小沢一郎党首は選対会議で「こういう情勢の中で、いかなる事態にも対応できるよう残る(衆院小選挙区の)空白区を埋めるためスピードを上げて態勢を整えてほしい」と、衆院解散・総選挙の態勢固めを急ぐよう指示した。

小沢氏は「今の政権も前の村山政権も国民への公約に違反しており、選挙の洗礼を受けていない」と早期解散を求める考えをあらためて強調。「いつなんどき、どのようになっても即座に対応できるよう努力しなければならない」と要請した。

また24日投票の参院岐阜選挙区補欠選挙についても「自民党の牙城と呼ばれ、難しいことは覚悟の上だが、今日の状況の中で、われわれの考え方を一人でも多くの人に訴えかけることができれば勝利が可能だ」と自信を示した。「

れに先立つ同日朝の新進党・平成会の衆参議員想談会でも、小沢氏は「総選挙で国民の最終判断にゆだねるのが憲政の常道で、最も分かりやすい方法だ」と表明。米沢隆新進党幹事長も「今週は長期戦になるか、一気に勝利するかの正念場だ。負けるわけにはいかない」と述べた。《共同通信》

【梶山静六官房長官】事態打開へ自民と協議

梶山静六官房長官は11日午前、国会内で自民党の加藤紘一幹事長、村岡兼造国対委員長らと会談し、空転が続く国会情勢について協議した。

梶山長官は「橋本龍太郎首相はピケという不正常な中での与野党党首会談は考えていない」と述べ、党首会談は新進党のピケ解除が前提との考えを示した。事態打開への対応について「首相は与党に任せている。内閣は与党の対応を見守っており、政府部内に不協和音は一切ない」と説明、与党側の一体の取り組みを要請した。

この後、梶山長官は首相に会談の結果を報告、首相は「与野党協議の推移を見守りたい」と述べた。

梶山長官は記者会見で、新進党が衆院解散・総選挙に追い込む構えを示していることに対し「それが真実の狙いなら邪道だ。解散を誘発するためのピケは国民不在で、党利党略そのものだ」と厳しく批判した。《共同通信》

【土井たか子衆院議長】ピケ強制排除も示唆

住宅金融専門会社(住専)処理問題をめぐり空転している国会は11日夜、土井たか子衆院議長が与党3党と新進党の各国会対策責任者を呼び、事態打開のため①新進党は違法な封鎖状態を解除する②予算委の審議日程を白紙に戻して再協議する–との正常化に向けた要請文を提示し、協力を求めた。与党は議長の要請を受け入れたが、新進党の西岡武夫国対委員長は拒否し、議長調整は3度不調に終わった。

新進党の拒否に対し、新たな対応を迫られた土井議長は、要請後の記者会見で「なお努力するが(新進党が)自らピケを解かない時は、議長の職務を行うこともあり得る」と述べ、ピケの強制排除の可能性を強く示唆した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・新進党の森本晃司国対委員長代理は11日、衆院の谷福丸事務総長を訪ね、先週末にピケ周辺の照明と暖房が切られたことに「議員活動や人道上の問題に配慮すべきだ。他の廊下や参院側はついている」と抗議。国会議事堂のライトアップまで引き合いに出し「電気代の問題ならほかに切るところがあるだろう」とクレームをつけた。さらに、衆院事務局による“退去勧告”を「何の法的根拠でやっているのか。与党から圧力がかかっていることは想像できるが、その行動自体が事務局の中立性を欠いている」とやり玉に挙げ、与党だけでなく事務局とも全面対決の様相。

○・・・自民党の村岡兼造国対委員長はこの日、ピケ退去を勧告した衆院事務局に新進党幹部が抗議したことに触れ「不法占拠していて抗議するのだから相当な心境だ」ときつい皮肉。さらに先週の与野党国対委員長会談で、新進党の議員秘書が衆院分館のエレベーターに乗り込んでいることに抗議した際の一幕を記者団に紹介。新進側からは「経費節減でエレベーターガールがいなくなったので、自主的にサービスしているつもりだ」と言われたというが「三人ずつ乗せて誰何させているのに、こじつけも甚だしい」と憤まんやるかたない様子だった。《共同通信》

【粛軍クーデター、光州事件】初公判

韓国のソウル地裁(金栄一裁判長)で11日、1979年の粛軍クーデターと80年の光州事件で軍刑法の反乱首謀罪などに問われた全斗煥元大統領や盧泰愚前大統領ら16被告に対する初公判が開かれた。

検察側が粛軍クーデターと光州事件の違法性を主張したのに対し、被告弁護側は全斗煥政権誕生の正統性を主張、公判は双方の激しい論戦となった。

韓国現代史の悲劇といわれ、死者193人(韓国政府発表)を出した光州事件が司法の場で裁かれるのは初めてで、全斗煥、盧泰愚両政権の誕生や存続の正統性を正面から問う歴史的な意味を持つ。また裁判の進展は4月11日の総選挙はもちろん、金泳三政権の「歴史の正しい立て直し」政策への評価にも影響を与えることは必至だ。

被告・弁護側は冒頭陳述で①全政権は合憲的政権であり、これを否定すれば大韓民国の正統性まで否定することになる②公訴時効が完成、再捜査はあり得ず、特別法の制定は違憲③粛軍クーデターは朴正煕大統領暗殺に関連、鄭昇和参謀総長への合同捜査本部の正当な捜査過程で起きた事件で、当時の崔圭夏大統領の事前許可はなかったが反対はなかった④光州事件での戒厳軍の出動は軍の正当な作戦業務であり暴動行為ではない⑤検察は全元大統領を名目的な発砲命令責任者としたが、公訴事実があいまい−などと主張し、検察側と全面的に対決する姿勢を示した。

検察側は起訴状要旨朗読で粛軍クーデターと光州事件の違法性を主張した上で「韓国現代史の流れを変える事件であり、歴史的裁判を国民の前に公開し、後世の人々が同じ道を歩まないことを望む」と裁判の意義を強調した。

2人の大統領経験者が被告席にそろって立つのは韓国現代史で初めて。2人は軽くあいさつを交わしただけで、ややぎこちない雰囲気。特に前大統領は人定質問で住所をはっきり語れないなど緊張した様子だった。《共同通信》

【目黒公証役場事務長監禁致死事件】初公判

目黒公証役場事務長Kさん=当時(68)=監禁致死事件の逮捕監禁致死罪に問われたオウム真理教元信者HS被告(30)の初公判が11日、東京地裁(仙波厚裁判長)で開かれ、罪状認否でHS被告は「間違いありません、事実です」と全面的に起訴事実を認めた。

さらに「私はKさんを拉致し死亡させてしまった。麻原彰晃こと松本智津夫(被告)から指示された井上(嘉浩被告)の指示で私たちが実行した。二つとないかけがえのない命を奪ってしまい弁解の言葉もない。ごめい福を心から祈ります」と謝罪した。

また同被告は「私たちが行った事件で多くの人に不安と憤りを与え、迷惑を掛けたことを心からおわびしたい」と述べた。

検察側冒頭陳述によると、HS被告は昨年2月28日、元幹部中川智正(33)、同井上嘉浩(26)両被告らとともに拉致グループに参加、ワゴン車の中に待機し、東京都品川区の目黒公証役場から出てきたKさんを車内に引き込んだ。

HS被告は大阪市淀川区の会社員Aさん=当時(28)=殺人など一連のVX事件で起訴されたほか、Kさん事件で指名手配中の昨年7月、JR新宿駅と地下鉄茅場町駅に青酸ガス発生装置を仕掛けたことも認めているが、同事件は立件されない見通し。《共同通信》

【大相撲春場所】2日目

大相撲春場所2日目(11日・大阪府立体育会館)横綱貴乃花はくせ者舞の海を落ち着いて右上手投げで下し2連勝。横綱昇進を目指す大関貴ノ浪も新鋭玉春日の攻めをしのいで押し出し、2連勝した。

しかしかど番の大関若乃花は琴の若に寄り倒されて1勝1敗となった。初日に不覚を取った大関武蔵丸は三杉里を押し出して初白星を挙げた。関脇同士の対戦は武双山が貴闘力を押し出して連勝。関脇琴錦は小結安芸乃島を右下手投げで破って2勝としたが、魁皇は剣晃にいいところなく寄り切られて1勝1敗。小結土佐ノ海は浪之花を突き落として初日をだした。《共同通信》



3月11日のできごと