平成3176日目
1997/09/18
この日のできごと(何の日)
【ヤオハン】会社更生法適用申請
積極的な海外展開で知られるヤオハングループの中核会社、ヤオハンジャパン(本社静岡県沼津市、和田光正社長)は18日、静岡地裁へ会社更生法を申請、事実上倒産した。負債総額は約1613億円で、流通業界では過去最大。東京証券取引所で同日夕に記者会見した和田社長は、内外への過大な投資が経営を圧迫し、資金繰りが悪化して信用不安を招いたため法的手続きに追い込まれた、と説明した。
国内42店舗のスーパーは引き続き営業を続けるとしているが、準社員1300人を含めた約3500人の従業員の整理などリストラ策は避けられないもよう。中国や香港などの現地法人に関しては、和田社長は「直接影響はないだろう」と述べたが、日本法人の破たんは内外で同グループへの信用不安を招く恐れもあり、海外法人へも影響を与えそうだ。
ヤオハンは、バブル崩壊後の消費低迷や大手スーパーとの競争激化で売上高が伸び悩み、昨年末から資金繰りが急速に悪化。金融機関への借入金の返済猶予や、取引企業への仕入れ代金の一部棚上げなどを要請する一方で、店舗などの資産売却や従業員の削減といった経営再建策を進めていた。
しかし、最近になって仕入れ先が商品の納入を渋るようになったり、夏の賞与支給を3回延期して労使関係が対立するなど、窮状が目立ってきた。資金調達を転換社債発行など資本市場に頼り、主力銀行をつくらなかったため、取引銀行の東海銀行、日本長期信用銀行、住友信託銀行の3行から十分な再建支援を引き出せなかったことも響いた。
和田社長は「財産保全管理人の指示に従い、私財をなげうってでも再建に努力する」と述べ、和田一夫グループ代表のグループ代表辞任も「当然ありうること」と述べるなど、経営責任を認めた。
ヤオハンは昭和5年、静岡県熱海市で青果店として出発、グループ企業は国内外で積極的な出店を続けた。中核企業のヤオハンジャパンは食品スーパーや百貨店を静岡県、愛知県などに展開している。平成9年3月期の売上高は1619億円。
和田会長の母、故・カツさんは、アジア諸国でも放映された人気テレビドラマ「おしん」のモデルとなったことで知られる。和田会長も2年に香港に移住し、香港経済界や中国政府要人と太いパイプをつくって上海に巨大百貨店を開業するなど、アジアでも有名人だった。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【大相撲秋場所】12日目
大相撲秋場所12日目(18日・両国国技館)横綱貴乃花、大関武蔵丸はともに1敗を堅持した。貴乃花は関脇栃東に攻め込まれながらも送り出し、大関武蔵丸は安芸乃島を力強い相撲で押し出した。大関若乃花は横綱曙に突き出しで敗れ3敗に後退、2敗力士が消えた。曙は9勝3敗。貴ノ浪も水戸泉を引き落としで下し9勝3敗とした。新鋭の出島が小結玉春日を破り、8勝4敗で勝ち越しを決め、来場所の新三役が確実になった。栃乃洋は琴の若を破り7勝目。優勝争いは、1敗に貴乃花、武蔵丸が並び、3敗で曙、若乃花、貴ノ浪の三人が続く展開。十両は大和が10勝2敗で単独トップを守った。《共同通信》
【プロ野球・巨人】来季も長嶋監督
開幕から一度も優勝争いに絡むことなく、下位に低迷したことで去就が注目されていた巨人の長嶋茂雄監督(61)が、来季も引き続いて指揮を執ることが18日、正式に決まった。これを受けて同日、ここ2年間不在だったヘッドコーチに堀内恒夫投手コーチの就任と、不振の一因といわれて一いるフロントの刷新人事が発表された。
長嶋監督はこの日、巨人のオーナーを務める渡辺恒雄読売新聞社社長と最高経営会議のメンバーである水上健也同会長と東京都内で会談。続投要請を受け、了承した。1993年に復帰し、11.5ゲーム差を逆転した昨年の優勝など2度のリーグ制覇を果たした長嶋監督は、来季で6年目を迎えることになった。
またシーズン中に異例の堀内コーチのヘッドコーチ就任が発表されたのは「早く来季の体制で臨んで、チームの再建に乗り出したい」という長嶋監督の意向が反映されたもようでフロントについては代表補佐兼編成部長に山室寛之読売新聞西部本社編集局長が起用された。外国人選手の獲得など戦力補強に失敗した編成部門を担当していた鯉渕昇代表補佐は読売新聞社へ戻り、石山建一編成部長は、球団総務部長へ異動となり河田弘道編成本部付アドバイザーは退任が決まった。
長嶋監督留任決定に際して発表された渡辺オーナーの談話は次の通り(要約)
今年の巨人軍は歴史的な敗北をした。主力の故障などの不運もあったが、外国人スカウトの失敗、フロント、コーチ間のある種の不協和音の存在も一因である。これらの敗因につき、最高経営会議ですべての情報を分析し、本日長嶋監督と率直に話し合った。監督、フロント、コーチ、選手が新体制のもと一丸となり、火の玉となって燃えて来季の優勝に向かって突き進むことを期待する。《共同通信》
【オウム真理教・松本智津夫被告】第49回公判
オウム真理教松本智津夫被告(42)=教祖名麻原彰晃=の第49回公判が18日、東京地裁で開かれ、元信者端本悟被告(30)が坂本堤弁護士の殺害を指示された際の心境について「嫌だったが、救済と思い込んだ。(教団では)自分の意思が入る余地はないというテーゼ(綱領)になっていた。しかし、率先してやった人はいない」と証言した。
実行犯とされる被告に犯行後も「迷い」があった例として元幹部早川紀代秀被告(48)が平成2年、熊本県波野村での国土利用計画法違反事件で逮捕された際、坂本弁護士一家殺害を自白しそうになったと聞いたことを明らかにした。この時は松本被告が警察署近くでスピーカーで説法したため、思いとどまったという。《共同通信》
【調布駅前傷害事件】「起訴は違法、無効」
少年審判でいったん少年院送りの保護処分とされた会社員の男性(22)=事件当時少年=が、無罪を主張して抗告した後、同じ事件で起訴された手続きは違憲、違法として争われた「調布駅前傷害事件」で、最高裁第一小法廷(高橋久子裁判長)は18日、起訴を適法とした東京高裁判決を破棄、検察側の控訴を棄却した。「起訴は違法、無効」として公訴棄却を言い渡した一審判決が確定する。
この問題についての最高裁判断は初めてで、判決は5人の裁判官のうち4人の多数意見。判決理由で高橋裁判長は「少年にとって刑罰を科される刑事処分は、教育的な手段である保護処分より不利益。少年法の趣旨や構造に照らすと、保護処分決定が取り消された後に、検察官送致とすることはできない」と述べた。
神戸の連続児童殺傷事件などがあり、少年にも今以上に刑事責任を追及する方向で少年法を改正すべきだとの論調が高まる中「少年は刑事手続きより保護処分など少年法の枠内で処遇すべきだ」とした判決は、論議に影響を与えそうだ。
判決理由で高橋裁判長は、少年法が少年の権利を保護する立場から、検察官には認めていない抗告権を少年側だけに認めている点を挙げて、少年にも「前の判決より重い刑を言い渡されない」とする刑事訴訟法の不利益変更禁止原則に沿った考え方が取り入れられていることを指摘した。その上で「保護処分決定取り消し後の差し戻し審で、刑事処分を相当とする検察官送致をすることは許されず、これを受けた起訴も違法、無効」とした。検察官出身の井嶋一友裁判官は「不利益変更禁止原則は少年には適用されず、起訴に違法はない。上告を棄却すべきだ」と述べた。
男性はこれで逮捕以来4年4カ月余りにわたった少年審判や刑事裁判の手続きから解放された。起訴が無効とされたことで男性は法的には検察官送致の状態に戻るが、今後再び起訴されることはありえず「事件にはかかわっていない」とする主張は審理されないままとなった。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は18日、首相官邸で佐藤孝行総務庁長官、武藤嘉文自民党行政改革推進本部長らと昼食を共にしながら懇談した。相手が更迭問題の渦中にある佐藤氏だけに、首相番記者からやり取りをしつこく質問された首相は「普通に話をしたさ」と素っ気ない返事。さらに記者団から「励ますような言葉は佐藤氏に掛けたのか」と変化球気味の質問をされ「そんな君たちねえ…」と一瞬絶句。「皆さんに聞いてごらん。そういう趣旨の話じゃないよ」とようやく答えたが、この問題で貝になった首相と、あの手この手で口を開かせようとする番記者とのせめぎ合いは、決着まで続きそう。
○・・・加藤紘一自民党幹事長はこの日、自民党本部で開かれた原田昇左右衆院議員の後援会会合であいさつ。冒頭「今緊迫した仕事をしているので、私の顔はこわばっているでしょう」と、佐藤孝行総務庁長官の更迭問題を自ら引き合いに出し会場の笑いを誘った。最後も「(佐藤氏の)入閣問題で厳しい局面に立たされているが、なんとか全党員で話し合って解決したい」と無難な締めくくり。党執行部にも責任の矛先が向けられ心穏やかでないはずだが、支持者サービスだけは忘れられないのが幹事長のつらいところ?《共同通信》
【民主党】菅直人代表、鳩山由紀夫幹事長体制スタート
民主党は18日、党本部で衆参両院議員総会を開き、1人代表制への移行に伴う新しい執行部人事を了承、「菅直人代表、鳩山由紀夫幹事長」の新体制がスタートした。
菅氏はあいさつで「自民党は理念、政策を官僚に任せ、政権にいることを自己目的とした政治集団だ。自民党と官僚機構がつながった官僚主義が国民主権の空洞化を再生している」と述べ、自民党との対決姿勢を強調した。《共同通信》
【佐藤孝行総務庁長官】「絶対辞めない」
ロッキード事件での有罪判決が確定した佐藤孝行総務庁長官の更迭を社民、さきがけ両党はじめ野党各党が要求している問題で、自民党は18日、佐藤氏の自発的辞任を求める方針を固めた。
しかし佐藤氏は所属する旧渡辺派の中曽根康弘元首相に同日、電話で「自発的に辞めろという声があるが絶対に辞めません。辞めろということは政治的に死ねということだ。今回は信念を貫かせてもらう」と辞任の意思がないことを強調した。
政府与党は臨時国会召集の日程調整に影響させないためにも、19日中の決着を目指して同氏の自発的辞任に向け説得に全力を挙げる方針だが、あくまで応じない場合は世論や自民党内の声を背景に、橋本龍太郎首相による更迭が避けられない見通しだ。《共同通信》
【新進党、民主党、太陽党】佐藤長官不信任で結束
新進、民主、太陽3党は18日、国対委員長会談と幹事長会談を相次いで開き、佐藤孝行総務庁長官の更迭問題を協議、臨時国会で不信任決議案を提出する方針を決めた。
国会召集までは罷免を求めていく構え。佐藤長官が国会前に辞めた場合でも、任命権者の橋本龍太郎首相や自民党執行部の責任を追及していく方針も確認した。来週も国対委員長会談などを随時開き、調整。社民、さきがけ両党にも不信任決議案への同調を呼び掛ける。
共産党の寺前巌国対委員長は同日午後、新進、民主、太陽各党国対委員長らと個別に連絡を取り、佐藤長官の罷免要求と不信任案提出で足並みをそろえる考えを伝えた。
新進、民主、太陽3党の一連の会談では「政治腐敗の原因であるロッキード事件で有罪判決を受けた人が、行政改革を担当する閣僚になるのは問題だ」(中野寛成新進党国対委員長)との認識を確認。新進党は佐藤長官起用について「登用した橋本首相の責任は重い」と内閣不信任案の提出を提案したが、民主、太陽両党は「焦点がぼける」と指摘。当面は佐藤長官の不信任決議案提出に絞り同一歩調を取ることになった。《共同通信》