平成2074日目
1994/09/12
この日のできごと(何の日)
【アジア・オリンピック評議会】「李総統招待せず」
アジア・オリンピック評議会(OCA)は12日、「政治的な人物は広島アジア大会に招待しない」とのアーマド会長の声明を発表。OCAが大会に招待したことで外交問題化していた台湾の李総統の招待を最り消した。OCAは中国が強く反発していた李総統の招待を取り消すことで、事態収拾を図った。台湾側の反発が予想される。
クウェートのOCA事務局から共同通信に入ったアーマド会長の声明によると、OCAは「アジアの五輪運動の団結と連帯の維持」と「広島アジア大会の成功」を目指す二つの目的から、今回の措置を取ったと説明。李総統の名前は特定していないものの、「広島アジア大会には政治的な人物は招待せず、また受け入れないことを決めた」と明記した。声明では「開催国は除外する」としており、日本からの出席者はこの特別措置の適用を受けない。
台湾は、OCAからの招待を受けた李総統が、広島アジア大会に出席することを決定。日本政府や広島アジア大会組織委員会に対して、李総統の入国を受け入れるよう要請していた。これに対して中国は、李総統の来日が実現すれば重大な政治的問題が起こると警告。中国オリンピック委員会幹部は、中国選手団の広島大会不参加も示唆していた。
日本政府、大会組織委は、OCA、中国、台湾の三者協議による「円満解決を望む」としながらも、直接、事態解決に乗り出せずに苦悩を深めていた。 OCAは、李総統招待が問題化して以来、関係国と協議して「ボイコットのない解決策」を模索してきた。結局は「二つの中国は認めない」とする中国の意向に沿って、台湾の李総統の招待取り消しとなった。
◇
台湾総統府によると、OCAが広島アジア大会に政治的な人物は招かないと決定したことについて、李登輝総統は12日、「われわれが直面している状況はかなり困難なものだ」とした上で「理性的な態度で問題に対処しなければならない」と語った。
◇
政府は12日、台湾オリンピック委員会から広島アジア大会組織委員会に提出されていた参加者名簿に記載されている徐立徳・行政院副院長(副首相に相当)、郭為藩・教育部長(文相に相当)、郭宗清・台湾体育運動総会会長の3人の入国を認める方針を決めた。 台湾の李登輝総統をいったん招待したOCAが「政治的な人物は招待しない」との声明を発表し李総統を事実上、招待しないことを受けた措置である。李総統の代わりに徐副院長の来日を認めることによって、事態の収拾を図りたいとの日本側の意向を示すものだ。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【与党3党】自衛隊ルワンダ派遣を了承
連立与党のルワンダ難民支援問題調査団の岩垂寿喜男団長(社会党衆院議員)らは12日午前、村山首相ら首相官邸で会い、ルワンダや難民キャンプのあるザイールの視察結果について報告書を提出した。この中で岩垂氏らは自衛隊派遣について「現地の二ーズからも、派遣は速やかに実施すべきだと考える」と閣議決定を急ぐよう進言。
首相は「報告をしっかりと受け止め、政府として検討したい」と述べた。調査団は焦点の機関銃携行について、政府の判断にゆだねる考えを示した。政府与党は同午後、調査団報告書に基づき、外務・内閣・防衛各調整会議の合同会議や政策調整会議で論議を詰め、13日の閣議で自衛隊派遣の実施計画を決定する運び。《共同通信》
◇
自民、社会、新党さきがけの与党3党は12日、防衛・外務・内閣合同調整会議、政策調整会議を開き、自衛隊をルワンダ難民支援に派遣する国際平和協力隊実施計画を了承した。
これを受け、村山首相と玉沢防衛庁長官、五十嵐官房長官らが協議、13日午前の安全保障会議、閣議で正式決定する方針を確認した。村山政権下で初めての自衛隊の海外派遣決定となる。《共同通信》
【国連・ガリ事務総長】「貢献形態は日本が決定」
ガリ国連事務総長は12日、都内のホテルで開かれた日本国連協会主催の昼食会であいさつし、日本の国連安保理常任理事国入りと国連平和維持活動(PKO)参加は無関係との見解を重ねて表明。「日本の責任拡大に伴い、国連の幅広い活動に参加するのは当然だが、貢献の形態は日本が決定することだ」と述べた。
今後の国際安全保障には開発、軍縮、民主政治、人権の4つの「柱」があると指摘し「いずれの柱も強化しながら、新しい安全保障機構をつくっていく」と国連改革の必要性を強調した。ガリ氏はルワンダ難民支援のため、日本政府が自衛隊を派遣することを高く評価した。
ガリ氏は同日、創価学会の池田大作名誉会長と東京都内のホテルで会談した。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は12日午前、首相官邸で鳥取県の農畜産物キャンペーンガール「わかとりメイツ」の表敬訪問を受けた。首相は鳥取名産の「20世紀ナシ」を4人の女性からそれぞれ受け取ると「あんまり食べると(体調を崩した)イタリアみたいになっちゃうから」と言って周囲を笑わせ、「どのくらい輸出しているの」と質問するなどにこやかな表情。ナシを手に取る際に「少し小さめですが」と説明されると、「大きければいいってもんじゃない」とポツリ。新・新党構想を掲げる野党に敗北した、前夜の参院愛知選挙区の結果が頭から離れないようだ。
○…中曽根元首相はこの日、都内のホテルで講演し、「なるだけ(村山)内閣が短命に終わらないようにしなければならない」と支援を表明した。中曽根氏は6月の首相指名選挙の決選投票で村山氏ではなく海部元首相に投票したばかり。「われわれはポリティカル(政治の)ハイウエーのセンターラインのやや右寄りを走っていたが、村山内閣はセンターラインのやや左を走っている。ハイウエーの中を走っていることには間違いない」と説明し、基本政策の転換に踏み切った村山首相を評価する熱弁ぶりは、元祖、風見鶏らしい変身ぶり?《共同通信》
【大相撲秋場所】2日目
大相撲秋場所2日目(12日・両国国技館)4大関は快調に2連勝。横綱昇進を狙う武蔵丸は、琴稲妻に手繰られて一瞬危なかったが、押し返して送り出し。もう一人の綱とり大関、若ノ花は旭道山を一方的に攻めて寄り倒した。
貴ノ花は栃乃和歌を万全の寄りで下し、貴ノ浪は春日富士を左上手出し投げで仕留めた。武双山、貴闘力の両大関も白星を重ねた。新小結の2人は、浜ノ島が初日を出したが、舞の海は2連敗。《共同通信》
【ホワイトハウス】庭に小型機墜落
米ホワイトハウスの南庭(サウスローン)に12日未明(日本時間同午後)、単発の小型セスナ機が墜落、操縦していた男性1人が死亡した。当時、大統領一家はホワイトハウスの改修工事のため、敷地北側の道路を隔てたブレアハウス(迎賓館)で寝泊まりしており、無事だった。
シークレット・サービス(大統領警護隊)などは死亡した操縦者の身元や動機などの捜査を開始した。一時はクリントン大統領を狙ったテロの可能性も指摘されたが、米CNNテレビは政府当局者の話として、操縦していた人物は過去に精神障害の病歴があり、政治的動機はなかったとの見方を伝えた。
また、これまでにテロ説を裏付ける情報はなく、政治的背景はないとの観測が強まりつつあり、当局は自殺の可能性を含め捜査している。
機体は南庭の木に激突した後、大統領の居住棟である本館の建物のすぐそばに落下。窓ガラスの一部が壊れるなどしたが、ホワイトハウス側に人的被害はなかった。
目撃者によると、小型機は同日午前2時(日本時間同日午後3時)すぎ、エンジンを停止したままホワイトハウス上空に南側のモールと呼ばれる公園方面から侵入してきた。小型機は炎上せず、爆発物は発見されなかった。
大統領一家は当初、11日にホワイトハウスの居住棟に戻る予定だったが、空調工事が遅れたため12日に戻ることになっていた。
米連邦航空局(FAA)などによると、ホワイトハウス上空一帯は飛行禁止空域で常時、上空は監視体制下にあったが、セスナ機は低空で侵入、近くのナショナル空港のレーダーでも墜落直前まで捕そくできなかった。
CNNテレビは、墜落機がワシントン北東約50キロのボルティモア近郊にある空港から盗まれたと伝えた。米国内の空港から有視界で飛行する小型機が未明の時間に離陸許可を得ることはあり得ない。
ニクソン政権時代の1974年、陸軍兵士がヘリコプターを奪って、やはりホワイトハウス南庭に強行着陸、シークレット・サービスに発砲されて負傷し、逮捕された事件があった。《共同通信》
【カナダ・ケベック州議会選挙】独立派が圧勝
カナダ連邦からのゲベック州分離・独立を事実上の争点として12日行われたケベック州議会選挙(定数125)は、地元CBSテレビが同日午後9時(日本時間13日午前10時)現在の推計として伝えたとろによると、分離・独立を掲げる野党第一党のケベック党が過半数の65議席を確保して大勝、分離・独立反対派の自由党から9年ぶりに政権を奪回した。
ケベックは2期、9年間続いた自由党政権の経済政策に対する批判や、同州の独自性の拡大要求の高まりを背景に大勝した。
フランス系住民が人口の約80%を占めるカナダ第2の州ケベックで、分離・独立を公然と掲げる政権が発足することは、今後のカナダの内政に大きな混乱を生みそうだ。《共同通信》