平成2438日目

平成7年9月11日(月)

1995/09/11

【自民党総裁選】公開討論

自民党は11日夜、小泉純一郎元郵政相と橋本龍太郎通産相の総裁選候補者人による公開テレビ討論会を都内のホテルで開いた。ホテルの主会場と全国8会場をケーブルテレビで結び各会場から質問を受けるとともに、CS衛星放送の朝日ニューススターで生中継する総裁選としては初の試み。

小泉氏は消費税率引き上げ問題について「これ以上、上げるのは余程の覚悟がないとできない」と述べ、平成9年4月からの5%引き上げが限度になるとの認識を表明した。橋本氏は高齢化社会に向けた国民負担率を税制、社会保険料の組み合わせによって、どのように賄うか検討すべきだとの見解を強調した。

小泉氏は過去の戦争認識について「国策を誤ったのは事実だが、それを踏まえ前向きに(アジア近隣諸国との関係を)考えるべきだ」と述べ、過去の植民地支配や侵略行為への反省を明らかにした。橋本氏も「心の痛みを持ちながら前向きに考えたい」と述べた。

総裁選管理委員会の関係者は「マルチメディア時代に対応し、新しい自民党をアピールできた」と自賛していたが、党本部の会場では各会場の質問が陳情型に終わったとの指摘や、「候補者同士の直接討論を増やした方がよかった」などの感想も聞かれた。《共同通信》

自民党総裁選に出馬した小泉純一郎氏の陣営は11日午後、党本部の選対事務所で小泉氏の激励会、選対本部会合を相次いで開いた。

激励会には旧宮沢派の粕谷茂、中馬弘毅、森英介の3氏、旧三塚派の塩川正十一郎氏ら計23人が出席。小泉氏は「総裁公選になってよかったという反応が多く寄せられている。戦いはこれからだ」とあいさつ。粕谷氏は「小泉氏の演説はめりはりが利き好感度100%だ。出遅れて少数だが、党内民主化の一助になりたい」とエールを送った。

選対会合では、政策論争のテーマについて「もっと幅を広げるべきだ」という意見などが出たほか、投票態度が未決定の議員に対し、手分けして小泉氏の支持を働き掛けることを確認した。

一方、橋本龍太郎通産相は同日午後、国会内で参院自民党の遠藤要議員会長、村上正邦幹事長とそれぞれ会い、出馬のあいさつをした。

村上氏は19日に小泉、橋本両氏を招き、参院改革や憲法、外交・安保問題などについての見解を聴く考えを明らかにした。この後、橋本氏は参院議員会館で党所属議員全員を対象に支援要請のあいさつ回りをした。《共同通信》



【野坂浩賢官房長官】小泉発言に反発

野坂浩賢官房長官は11日午前の記者会見で、自民党総裁選に立候補した小泉純一郎元郵政相が政策不一致の場合、政権離脱もあり得ると述べたことについて「3党が合意の上で村山内閣を組織しており、小泉氏の発言はあたらない。果たして自民党全体の声なのか。(発言は)極めて不用意であり、不快に思っている」と強く反発した。

村山富市首相も官邸で記者団の質問に答え「政策が合わなくなればそう(政権離脱)なるが、とことん話し合えばいい。それが連立政権のいいところだ」と述べ、連立維持を最優先にすべきだとの認識を表明した。また首相は、総裁選が橋本龍太郎通産相と小泉氏の一騎打ちとなったことについて「いいのではないか。党の活性化にもつながる」と指摘した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は11日、中東訪問を控え記者団から心境を聞かれ「まあまあ準備している」と気の乗らない様子。体調や訪問先での食事についても「まあ普通だよ」「まあ気を付けるようにしますけど」とそっけない答えを繰り返した。「首相は花咲かじいさんと言われていますが、砂漠にどんな花を咲かせますか」と水を向けられたが、「あんまり中東とは縁がなかったけれど、和平問題や経済協力でできることがあれば積極的にやっていきたいと思います」と公式答弁。複雑な中東を舞台に村山色を打ち出すのは容易ではなさそう。

○・・・自民党総裁選に出馬した小泉純一郎元郵政相はこの日、記者団を前に「気分そう快だ。なんのわだかまりもなく議論ができるような気がする」と意気軒高。さらに「政策論争をしなければ。自民党の政策を述べるのが私の責任と考えている。私も真剣にやる方だから」とやる気十分をアピールした。郵政事業民営化の持論が響き、推薦人集めでは苦労したが「圧力というより、私の出馬で困ったという感じじゃないか。社会党の支持者からも激励の電話があった。筋を通しているということだろう」と舌の回転も滑らかで、一泡吹かせようとの意欲がありあり。《共同通信》

【田沢智治法相】2億円報告せず

田沢智治法相が、法相自身が会長をしているとされる実態のない教育関係団体の運営などに充てるという名目で、平成3年に、宗教団体「立正佼成会」(本部東京都杉並区、内田昌孝理事長)から2億円の融資を受けながら、この借入金を平成5年に行われた国会議員の資産公開の際に、報告していなかったことが11日、明らかになった。

これまでに2000万円が返済され、残金は1億8000万円という。法相の秘書は、この借り入れについて「佼成会と教育団体の問題なので分からない」と説明しているが、佼成会は「確かに田沢氏本人に貸した」としている。

現職大臣が過去に宗教団体から巨額の融資を受け、報告しなかったことは、今月末から開かれる臨時国会でも問題化しそうだ。

佼成会や法相が所有する不動産の登記簿などによると、融資が行われたのは平成3年8月22日。佼成会によると、田沢氏側から同会に対し、田沢氏が関係する教育団体「現代社会教育問題協議会」の運営資金として2億円の借り入れを申し入れ、田沢氏が所有する東京都千代田区のマンション(約34平方メートル)と横浜市の土地(約220平方メートル)を担保に融資したという。

融資申し入れの際に田沢氏側は「協議会」の事業内容を「教育問題の調査研究」「講演会活動」などと説明したという。しかし、協議会のただ、1人の職員で副会長(69)は、「田沢さんが会長だが、協議会は何も事業をしていない。運営資金として借りたが、私は金を見ておらず、田沢さんが管理している」と話している。田沢氏の秘書によると、同協議会の事務所は融資の担保にもされた法相のマンションにあるという。

立正佼成会は日蓮宗系の新宗教団体。公称信者数は約670万人で、国内の新宗教団体としては、創価学会に次ぐ巨大教団とされている。《共同通信》

【大相撲秋場所】2日目

大相撲秋場所2日目(11日・両国国技館)貴ノ浪と武蔵丸が敗れ、初日に続いて2大関が不覚を取った。貴ノ浪は左四つがっぷりとなった小錦の寄りに屈し2連敗。武蔵丸は小結琴錦の右すくい投げに初黒星を喫した。琴錦は大関戦2連勝。

横綱貴乃花は肥後ノ海を落ち着いてはたき込み、曙は小結琴の若にもろ差しを許したが、右上手投げで下した。大関若乃花は小城錦に快勝して連敗を免れた。関脇武双山、魁皇はともに勝ち、小結剣晃は2連敗。《共同通信》

【スナックママ連続殺人事件】39歳被告に死刑判決

平成3年12月から4年1月にかけ、兵庫県姫路市と松江市、京都市で相次いで女性スナック経営者4人を殺害、大阪市で女性落語家を殺そうとし、いずれも現金などを奪ったとされる警察庁指定119号事件で、強盗殺人罪などに問われた鳥取市生まれ、住所不定、無職N被告(39)の判決公判が11日、大阪地裁であった。

松本芳希裁判長は「1カ月間に4人を殺害するなど犯罪史上まれにみる凶悪な犯行。過去にも殺人などを犯し、矯正の効果は期待できない」と、求刑通り死刑を言い渡した。被告弁護側は控訴した。

N被告は捜査段階で犯行を認めたが、公判では大阪の事件を除き、「犯行時間帯に現場にいなかった。物証も不足している」などと、全面否認していた。《共同通信》

【坂本弁護士一家殺害事件】大町市の捜索終了

坂本弁護士一家事件で警視庁と神奈川県警の合同捜査本部は11日、坂本堤弁護士=当時(33)=の長男竜彦ちゃん=同(1つ)=とみられる遺体が見つかった長野県大町市郊外の湿地帯で現場検証を実施した。掘った土を埋め戻し、同日午後、6日間にわたった捜索をすべて終えた。

午後2時すぎ、泥にまみれ、作業を続けてきた捜査員ら約200人が現場に接する林道に整列。「竜彦ちゃんの霊に供えてほしい」と市民から届けられた花束や線香、菓子などが遺体が埋められていた場所の近くにそっと置かれた。《共同通信》

【国連・ガリ事務総長】3つの危機で国連窮地に

ガリ国連事務総長は11日、第50回国連総会(19日開会)に向けた年次報告を発表、国連平和維持活動(PKO)要員の危険、財政危機、開発支援の資金不足の3つの危機を挙げて、創設から半世紀を迎えた国連は「これらが改善されなければ、修復不能な打撃を受ける」と警告した。

報告は、事務総長が過去1年間の国際情勢の変遷と国連活動を総括して今後の展望をまとめたものだが、創設50周年の節目に当たる報告にもかかわらず内容に高揚感は乏しく、「この1年間は失望させられる展開の連続だった」と指摘、「国連の将来にかつてない厳しい見方を示している。

報告は、国連要員が直面する身の危険を危機の一番目に挙げ、PKOが始まった第一次中東戦争時の1948年から90年までの43年間でPKO要員の死亡者は398人だったが、その後のわずか5年間にソマリアやボスニア・ヘルツェゴビナなどで456人が死亡した、と指摘。

「軽武装のPKO要員や非武装の人道援助要員が脅迫され、人質に取られ、負傷し、殺害されては、国際社会は紛争地での支援活動をやめてしまう」と警告し、安全確保徹底を求めた。

財政危機では、8月10日現在で加盟国が滞納している分担金は過去最高の総額39億ドル(3900億円)に達しており、「窮乏する国連にこれまでにない充実した活動を求めるのは無意味だ」と決め付けた。《共同通信》



9月11日のできごと