平成2439日目
1995/09/12
この日のできごと(何の日)
【三菱地所】ロックフェラーセンターから撤退
三菱地所の福沢武社長は12日夜、都内で記者会見し、経営危機に陥ったニューヨークの高級オフィスビル群ロックフェラーセンター12棟の所有権を放棄し、経営から事実上撤退することを明らかにした。
同ビル群のオーナーで三菱地所が80%株を所有するロックフェラー・グループ(RGI)が、13億ドル(現レートで約1300億円)の債務と引き換えに、所有権を債権者である不動産投資信託会社ロックフェラーセンター・プロパティーズ・インク(RCPI)に譲渡することでRCPIと原則合意した。
ニューヨークの破産裁判所に12日午前、関係書類を提出、RCPIと細部の交渉に入る。バブル最盛期の1989年に総額14億ドル(当時のレートで約2300億円)もの巨費を投じて米国のシンボル的不動産を手に入れた三菱の投資戦略は、市況見通しの甘さがたたって約6年で破たんした。三菱は運転資金などを除いた単純計算でも1000億円近い売却損を負う見込み。
RGIは同ビル群の創設一族であるロックフェラー家が残り20%株を持つが、所有権が譲渡されればロックフェラーセンターは、同家とも縁が切れることになる。
ロックフェラーセンターは90年代に入って不動産市況の悪化でテナント収入が低迷し、RCPIからの借入金利払いが困難となった。
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【創価学会】「週刊現代」を告訴
今月1日に自宅近くで転落死した東京都東村山市の朝木明代市議=当時(50)=の死亡の背景をめぐり、週刊誌などが創価学会関係者が関与したと報道したことについて、創価学会は12日、「事実無根の記事で名誉を傷つけられた」などとして「週刊現代」(講談社発行)の編集長と朝木市議の長女(28)と夫(57)の3人に対する名誉毀損罪の告訴状を警視庁に提出した。
警視庁は告訴状の内容を検討し、正式に受理するか決める。告訴状によると、長女と夫はインタビューで「創価学会はオウムと同じ」「妻は学会に殺された」などと主張。11日発売の週刊現代(9月23日号)は、この話を基に学会関係者が朝木市議を殺したような印象を持たせる記事を掲載した。《共同通信》
【大相撲秋場所】3日目
大相撲秋場所3日目(12日・両国国技館)今場所初めて、2横綱、3大関がそろって勝った。横綱貴乃花は朝乃若を難なく押し出し、曙は肥後ノ海を押し出してともに初日から3連勝。大関陣は、武蔵丸が浜ノ島に食い下がられたが、左から起こして寄り切り連敗を免れた。若乃花は小結剣晃を押し出し、貴ノ浪は霧島を寄り切って今場所初白星を挙げた。両関脇は快調に3連勝。武双山は小結琴の若を寄り切った。琴の若は初日から3連敗。魁皇は琴稲妻を押し出した。小結琴錦も土かず。業師同士の一番は、智ノ花が舞の海を下して3連勝と元気いっぱい。《共同通信》
【Jリーグ】来季は1シーズン制
サッカーのJリーグは12日の実行委員会で、来季のリーグ戦日程を検討し、3月中旬に開幕して11月に終了する1シリーズ2回戦総当たり制の採用と、1、2回戦の間の中断期間にリーグカップを実施することで合意した。
これに伴い、Jリーグ発足時の2年前から今季まで実施されているサントリー、ニコスの2シリーズ制は取りやめとなる。サントリー、ニコスとのシリーズスポンサー契約が今年で切れるのに加え、チーム数が増えることがほぼ確実で、2シリーズ2回戦総当たり制を維持した場合は今年以上の過密日程となってしまうことなどが理由。正式には来月19日の理事会で承認される。
リーグはチーム数を現在の「14」から最大「16」に増やす方針だが、JFLからの来季昇格チーム数が未確定のため、最終的にこれが確定するまで試合数は未定である。
また、来年は7−8月にアトランタ五輪、12月は日本代表が出場するアジアカップ(開催国・アラブ首長国連邦)があるため、日本代表の強化期間計約90日がリーグ戦、リーグカップとバッティングしない形で組み込まれる予定になっている。
Jリーグの佐々木事務局次長は「リーグとカップ戦を合わせ、各クラブの主催ゲームを3試合前後にする方向で細部を詰める」と語った。《共同通信》
【奈良地裁】純金カツオ窃盗男「溶かして800万で売った」
高知市浦戸の県立坂本龍馬記念館の純金カツオ像を盗んだとして、窃盗罪に問われた大阪府堺市、無職A被告(48)の公判が12日、奈良地裁であり、共犯とされる和歌山県有田市、無職B被告(60)=同罪で分離裁判=が「カツオ像は、持ち込み先の神戸市の元貿易商が溶かし、800万円で売った」と証言した。
B被告の証言によると、元貿易商には10年前から盗品を売るなどしており、カツオ像については200万円を謝礼として渡し、残り600万円をA被告と等分したという。《共同通信》
【村山富市首相】内需拡大を指示
村山富市首相は12日の閣議後の閣僚懇談会で、政府が20日をめどにとりまとめる予定の経済政策について(1)公共投資の思い切った追加や配分見直しによる内需拡大(2)新しいビジネス育成などを目指した経済構造改革の推進と具体的で実効のある規制緩和策(3)雇用面での中小企業対策、土地、不良債権問題対策−を関係閣僚に指示した。
これに対し宮崎勇経企庁長官は「思い切った内需拡大に焦点を絞って現在まとめている。公定歩合の引き下げの延長線のひとつとして(経済対策を)位置付けている」と、とりまとめに積極的な姿勢を示した。
武村正義蔵相は「財政出動に全力を尽くす。公定歩合、財政出動、減税などに全力げることも大事だが、経済構造改革も重要で、有効な規制緩和策に政府全体で取り組んで行くことが大切だ」と二次補正での赤字国債発行と所得・住民税減税の継続を示唆するとともに、具体的な規制緩和策に意欲を示した。
橋本龍太郎通産相は「研究開発投資や情報化の推進などに全力を挙げるとともに、円高で経営が困難になった中小企業の安定にも取り組む。中小企業の採算点は1ドル=108円ということで深刻に受け止めている」と述べた。深谷隆司自治相は地方単独事業の積極的な推進を強調した。《共同通信》
◇
村山富市首相は12日午前9時すぎ、羽田発の政府専用機で中東歴訪に出発した。サウジアラビア、エジプト、シリア、イスラエル、ヨルダンの5カ国を訪問、パレスチナ暫定自治が始まっているガザ地区も訪れる。
各国首脳やパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長との会談では、中東和平プロセスや二国間問題について意見交換する。帰国は19日。
【政界談話室】
○・・・村山富市首相は中東に向け出発した12日朝、記者団に田沢智治法相の宗教団体からの2億円融資問題を質問されたが、「けさ新聞を読んだだけじゃから」と一言。法相から事情を聴くかどうかについても「(本人から)話が出ればね」とかわした。しかしその後も記者団の質問は「本人から事情を聴いたのか」「中東から連絡をとるのか」と法相問題に集中。首相は「何も言えない」と繰り返したが、クリーンを信条とする首相が最も嫌う金銭問題だけにさすがにうんざりした様子。
○・・・新進党「明日の内閣」の西岡武夫総合調整担当は12日午後の記者会見で、次期臨時国会での扱いが注目されている宗教法人法改正について「法律と税制の問題が混然一体となって議論されている。オウム真理教問題などは法改正で解決する問題ではない」と反対の考えを強調した。「国民に税の不公平感があるのでは」と質問されると「それは承知している。他の公益法人と一緒に税体系全体の中で積極的に議論すべきだ」と理解する姿勢を示したが、最後には「政府与党の意図している法改正の流れは問題だ」。宗教団体を有力支持団体に持つ苦しさがありあり。《共同通信》
【新進党・羽田孜副党首】党首公選に意欲
新進党の羽田孜副党首は12日夜、都内のホテルで開かれた後援会の総会とパーティーで、同党の次期党首選について「国民に見える形で実現すべきだ。私ももう何も遠慮する必要はないと思っている。どんなことも勇気を持って発言し、この国を真っ当にするため全力を尽くしたい」と述べた。
これは、党員投票を含む幅広い「公選」を実施すべきだとの考えを示す一方、自らも党首選挙に出馬する可能性をにじませたものだ。執行部内では「党員や地方組織の未整備」を理由に公選見送り論が強まっている。《共同通信》
【村山富市首相】サウジアラビア・ファハド国王と会談
中東歴訪中の村山富市首相は12日深夜(日本時間13日早朝)、ジッダのサラーム宮殿でサウジアラビアのファハド国王と会談し、「中東、湾岸地域の平和と安定に向けて積極的、建設的な役割を果たすつもりだ」と述べ、中東和平達成に向けて日本も一層の貢献をする考えを表明した。
ファハド国王は和平の枠組みは構築されているとの認識を示しながら「アラブもイスラエルも戦争は望んでない。やがてイスラエルをすべてのアラブ諸国が承認することになるだろう」との見通しを示し、中東の包括和平達成に強い期待を表明した。現在、アラブ連盟諸国の中でイスラエルを承認しているのはエジプト、ヨルダン、コモロの3カ国にとどまっている。
ただ国王は1990年のイラクのクウェート侵攻の例を挙げるとともに「イランが軍事的に拡大しつつあることを憂慮している」と指摘し、イラン、イラク両国の動向に強い懸念を表明した。
首相は、日本とサウジアラビアの合弁企業であるアラビア石油の採掘権が2000年に契約期限を迎えることから「継続して両国で協力し合うことをお願いしたい」と要請。国王は「今後もすべての面で便宜を図りたい。心配しないでほしい」と明言、契約延長に理解を示した。
国王は「日本とサウジアラビアの友好関係を一層深めるためには、経済関係の強化が必要だ」と強調し、合弁の石油精製企業の設立を強く求め、首相も検討を約束した。
首相はファハド国王とアブドラ皇太子の来日を招請。また今後5年間に中東地域から1000人以上の研修・留学生を受け入れる方針を明らかにした。《共同通信》
【ドジャース・野茂英雄投手】11勝目
米大リーグ、ドジャースの野茂英雄投手は12日(日本時間13日)、シカゴのリグリー・フィールドでのカブス戦に先発し、8回6安打1失点で降板。ドジャースは7点を奪って援護し、野茂は8月15日以来の11勝目をマークした。
つめを割り、大事を取って中6日で登板した野茂は、その影響を感じさせないピッチングを展開。八回、下位打者の連打と暴投の一死二、三塁から中犠飛で1点を失い、九回は救援投手と交代したが、8奪三振で無四球だった。
ドジャース打線は一回に3安打を集めて2点を先制。二回にもウォラックの本塁打などで3点を奪い、序盤でリードを広げた。
ナ・リーグ西地区の優勝争いは、この日、首位ロッキーズも勝ったため、2位ドジャースとの1ゲーム差は変わらなかった。《共同通信》