平成969日目
1991/09/03
この日のできごと(何の日)
【参院証券・金融特別委員会】
参院証券・金融特別委員会は3日午後、午前に続いて一連の証券・金融不祥事に対する海部首相ら政府側の対応をただした。この中で、海部首相は、大口顧客が証券会社から受けた損失補てんの扱いについて、企業が損失補てんを自主判断で社会還元することに強い期待感を表明するとともに、政府・自民党として企業に社会還元を促す方策を検討する意向を明らかにした。
証券不祥事問題は、事実関係の解明、今後の再発防止策と並んで、社会還元を具体的にどう実現するかが新たな焦点になってきた。
これに関連して、橋本龍太郎蔵相は「政府としては、法律の枠内でしか行動できない」と述べ、社会還元するかどうかは各企業の判断との考えを強調。今国会に提出する証券取引法改正案に悪質な顧客の損失補てんを没収、追徴する規定を盛り込む方針を改めて示した。
首相は、安恒良一氏(社会)が「もらい得を放置してしまうのか」として、損失補てんの社会還元のための特別立法の制定などを求めたにに対し、「企業が社会的な責任を自覚して社会に還元する方法はいろいろあり、それを期待する」と述べると同時に、「自民党ともよく相談して(今後の対応を)進めたい」と答えた。《読売新聞》
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【橋本龍太郎蔵相】辞任を示唆
橋本蔵相は3日の参院証券金融問題特別委員会で、一連の証券・金融不祥事の監督責任を問われ「今後私と同じ職に就く方が同じ思いでこの場に立つことがないよう全力をつくしたい」と述べ、近く辞任する意向を強く示唆した。9月下旬に見込まれる証券取引法成立直後に正式に辞表を提出するものとみられ、今後の政局にも微妙な影響を及ぼしそうだ。
蔵相は本岡昭次氏(社会党)が「証券スキャンダルについての大蔵省の責任をどう考えるか」と問いただしたのに対し、自らの進退に触れた。
橋本蔵相は、証券会社の多額の損失補てん行為を大蔵省の責任者として事前に防げなかったことに加え、8月初めに私設秘書(事件後辞任)が富士銀行を舞台にした不正融資事件にかかわっていたことが発覚したことで、蔵相を辞任して責任をとる意向を固めていた。《共同通信》
【中国・李鵬首相】人権批判に反発
メージャー英首相と李鵬中国首相は3日北京で行われた会談で、人権問題に言及。メージャー首相が、投獄されている民主活動家などに言及し、改善を要求、これに対し、李鵬首相は「中国のような発展途上国にとって、人権とはまず生存権であり、発展権である」と述べ、強く反発した。
会談後、記者会見した呉健民外務省スポークスマンによると、メージャー首相は、野党政治家が人権問題をこの会談で取り上げるよう要請した手紙を同首相に寄せていることを紹介。これに対し、李鵬首相は「私も中国の歴史学者から手紙を受け取った。『百数十年前以来、中国が外国列強から階げられた歴史を忘れてはならない。外国列強は中国の人権などかえりみなかった』というものだった」と切り返した、という。
中国側は、英国の植民地政策を持ち出すことで、英国側からの批判を封じ込めようとしたものとみられるが、会談後、記者会見したメージャー首相は「世界は89年6月の出来事(天安門事件)を忘れておらず、人権問題に引き続き強い関心を抱いている。英中両国はこの問題に関する協議を継続していくことで合意した」と強調した。《読売新聞》
【広島・北別府学投手】3年ぶりの完封勝利
阪神0−5広島◇3日◇広島
北別府にとってはこの完封も10勝ラインへの到達も3年ぶり。内、外角へ粘り強く投げ分け、その存在をアピールした勝ち星に感慨深いものがあるだろう。
先頭打者の出塁を許した一、六回はいずれも併殺で切り抜け、散発6安打でかわし切った。スライダーが生きている強みがあった。
上り調子の葛西も広島の左打者は荷が重かった。一回に前田、野村に連続本塁打され、二回も二死までこぎつけながら正田に適時打を浴び、前田を歩かせて降板。その直後に山田の捕逸が出て、仲田も野村に2点タイムリーを喫するなど、阪神の守りが序盤で崩れた。《共同通信》
【三宅島】震度4
3日午後5時45分ごろ、関東、伊豆諸島から関西地方までの広い範囲で地震があり、三宅島で震度4(中震)を記録した。気象庁の観測によると、震源地は伊豆半島石廊崎の南約150キロで、震源の深さは40キロ。マグニチュードは6.3と推定される。一時、関東から中部地方の太平洋沿岸と伊豆諸島に津波注意報が発令された。
国内の地震で津波注意報が発令されたのは、昨年9月24日に起きた東海道沖を震源地とする地震以来。同庁では「群発地震などの可能性は今のところみられない」としている。《読売新聞》
【フランク・キャプラさん】死去
アメリカンドリームを描き、30年代にアカデミー監督賞を3回にわたって受賞するなどアメリカ映画界を代表する巨匠、フランク・キャプラ氏が3日朝、老衰のため、米カリフォルニア州ラキンタの自宅で死去した。94歳だった。
1897年、イタリアのシチリア島生まれ。6歳の時に一家と共に米ロサンゼルスに渡った。1921年に映画界入り。脚本家のロバート・リスキン氏との名コンビで「一日だけの淑女」(33年)など軽快な風刺喜劇や、アメリカの楽天主義を反映した明るく健康的な作品を次々に発表。
「或る夜の出来事」(34年)で、アカデミー賞の作品、監督、脚色、男優、女優の主要5部門を独占。さらに「オペラ・ハット」(36年)で監督賞、「我が家の楽園」(38年)で、作品賞とともに3回目の監督賞を獲得した。また35年度から38年度の4期にわたって映画芸術科学アカデミーの会長も務め、人望も厚かった。
30年代のニューディール時代を代表した名匠で、二流といわれたコロンビア映画をメジャーに押し上げた。また戦後の「素晴らしき哉、人生!」(47年)は「映画の原点」(スティーブン・スピルバーグ監督)など若い世代の映画監督に強い影響を与えた。「一日だけの淑女」の再映画化「ポケット一杯の幸福」(61年)を最後に引退した。《読売新聞》