平成1238日目

平成4年5月29日(金)

1992/05/29

【東京地裁】小6に「98万円支払いなさい」

JR荻窪駅の階段で小学六年生の男の子にぶつかられ、転落してけがをした女性事務員(48)が小学生と両親に約255万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁民事12部(篠原勝美裁判官)は29日、「小学生には、多数の公衆が上り下りする狭い駅階段で、他人にぶっからないよう通行すべき注意義務があった」と述べ、子供本人だけに約98万円の支払いを命じた。

事故が起きたのは平成元年2月4日。同駅地下一階に通じる幅約1.1メートルの階段を駆け下りてきた小学生が後ろから事務員に衝突、事務員は下まで落ち、ロッ骨を折るなど約3か月半のけがをした。小学生は下校後、児童画の展覧会に一人で行く途中だった。

篠原裁判官は12歳3か月だった小学生について、「通常の成人と同じ基準で過失の有無を判断するべきだ」と述べ、小学生を、“一人前”と認定。そのうえで「小学生に過失があると言わざるを得ない」とした。

事務員側は「子供が無謀な行為に及ばないようにする責任が、両親にもある」と主張したが、同裁判官は「親権者として、監督義務を怠った過失があったとまではいえない」と退けた。

刑事責任の場合、責任を問われるのは14歳以上とされている。これに対し、民事上の責任は年齢とは関係ないが、実際には、具体的なケースに照らし、その年齢で責任が負えるかどうかを個々に判断することが多い。

裁判関係者によると、階段で人にぶつからないという社会生活上初歩的な注意義務については、小学校卒業が基準となり、小学校六年生は「ボーダーライン」の年齢という。《読売新聞》



【PKO法案】自公民、再修正に合意

自民、公明、民社3党は29日午後、国会内で、幹事長・書記長会談を開き、国連平和維持活動(PKO)協力法案を今国会で成立させることで一致、国連平和維持隊(PKF)本体参加の凍結、国会の事前承認、3年後の見直しを骨格とする再修正内容に最終的に合意した。来月1日、共同修正案として参院に提出、来週中の採決を目指す方針で、PKO法案審議は、新たな局面を迎えた。

社会党は、こうした動きに反発、廃案に追い込む姿勢を崩していないが、自公民3党の枠組みが固まったことから、今国会で成立する公算が大きくなっている。

自公民3党の幹事長・書記長会談は、法案への賛否を決めていない連合参院の古川太三郎・事務総長も急きょ出席して開かれた。綿貫自民党幹事長が、PKO法案を3党で成立させたいとの考えを表明したのに対し、市川・公明、米沢・民社両書記長は賛意を示し、直ちに修正案づくりの作業に入ることで合意。3党は、この会談結果を、法案の再修正内容、法案にかかわる政党間の了解を含めて6項目の合意事項としてまとめ、発表した。

また、3党側は、連合参院に対し、「3年後の見直しには、PKOの組織の見直しを含む」(綿貫氏)などとして、再修正に加わるよう要請した。連合参院は、30日昼までに回答することを明らかにした。

これに先立って、自社公民4党の幹事長・書記長会談が開かれ、自民党は、「すでに十分な審議が行われており、円満な採決をお願いしたい。法案は、多くの支持を得られるよう改善してきた」とし、社会党に対し、協力を要請。社会党の山花書記長は「国民の合意などの観点からみても、問題が残っている。修正というが、自衛隊の部隊参加は変わっていない」と主張、あくまで反対の姿勢を貫く考えを改めて強調した。《読売新聞》

【社会党】徹底抗戦の構え

国連平和維持活動(PK0)協力法案への対応が注目されている社会党は、29日、田辺委員長が衆院解散に備えるよう党内に指示するなど、衆参同日選挙も想定した徹底抗戦の構えを一段と鮮明に打ち出した。党内の結束強化と共に、自公民3党および連合参院へのけん制が狙いとみられるが、社会党内には内閣不信任案に言及、「自衛隊の海外派遣を争点とした同日選なら望むところ」との強気な発言も増えている。

田辺氏は同日午前の代議士懇談会で、PKO法案を廃案に追い込む決意を改めて表明したうえで、「(解散の詔書を包んだ)紫のふくさが出た時に絶句することがないように用意して欲しい」と指示したが山花書記長も同日昼過ぎ、国会内で行われた自社公民4党の幹事長・書記長会談で、同党首脳として初めて「内閣不信任案」に言及。「例えば不信任案や牛歩などの抗議の意思表示は議会制度の下での比較少数政党の権利であり、ベストの戦術をとる」と対決姿勢をむき出しにした。《読売新聞》

【高速増殖炉もんじゅ】安全協定を締結

動力炉・核燃料開発事業団が敦賀市で開発を進めている高速増殖原型炉「もんじゅ」(出力28万キロワット)に関し、福井県と敦賀市は29日、異常時の通報連絡義務などを盛り込んだ安全協定を動燃との間で締結した。これにより「もんじゅ」は建設段階から運転段階へと踏み出したことになり、来年3月の初臨界を目指す。《福井新聞》



5月29日のできごと