平成1231日目

平成4年5月22日(金)

1992/05/22

【伊丹十三監督襲撃事件】

「お葬式」「マルサの女」で知られる映画監督の伊丹十三さん(59)が22日午後8時40分ごろ、東京都世田谷区の自宅マンション前駐車場で4人組の男に襲われた。伊丹さんは顔や首などを刃物で切られ重傷。暴力団対策法の施行に伴い広域暴力団への指定作業が進む中、伊丹さんは、暴力団の民事介入暴力をテーマにした「ミンボーの女」を製作、現在、公開中。「一般市民でも正しく対応すれは暴力団を撃退できることを示したかった」と、暴力団を徹底取材して製作した映画で、警視庁北沢署では事件と映画の関連について調べている。

調べによると伊丹さんは車で帰宅。自宅前駐車場で車からおりたところを、突然4人組の男に襲われた。男は刃物で伊丹さんの顔や首、左手など5か所を切りつけた。男たちのうち3人は、現場から約40メートル離れたところに止まっていた黒っぽい乗用車で京王線桜上水駅方面へ逃走。もう1人は小田急線経堂駅方向へ走って逃げた。目撃者によると乗用車は川崎ナンバーだったという。

伊丹さんは、意識はしっかりしており、一度は犯人グループの乗用車を追いかけたという。その後、自宅に駆け戻り、妻の女優宮本信子さんに助けを求め、宮本さんが119番した。伊丹さんは、東京・新宿の東京女子医大病院に収容され、手術を受けたが、重傷。警視庁北沢署で傷害事件として捜査している。

犯人はいずれも身長1メートル80前後で、1人は野球帽、残りの3人は黒っぽいジャケット姿だったが、現場が暗かったため、はっきりわかっていない。また伊丹さんは、事件発生直後、信子さんに「相手は見知らぬ男だった」と話していたという。

「ミンボーの女」は今月16日に封切られたが、同署では、万一の事態に備え、10日から伊丹さんの自宅周辺を一時間おきにパトロールしていた。同病院に運ばれた伊丹さんは手術室へ行く途中、血まみれになった顔の傷口を片手で押さえながらも、別の手でVサインを作り、報道陣に大丈夫というしぐさを見せていたが、顔は青白く、唇をふるわせていた。《読売新聞》



【北の国から’92巣立ち〈前編〉】放送

10年を超すシリーズとなり、子供だった純(吉岡秀隆)も蛍(中島朋子)も恋をし、生き方を考える年ごろを迎えた。その分、父の五郎(田中邦衛)には老いが忍び合っている。時の流れがそのまま刻まれた映像を見ていると、自分の10年間も重ね合わせてしまう。そこが、このドラマの最大の力だろう。

スペシャル編の5作目には、2夜連続で5時間半の大作。北海道・富良野で一人寂しく暮らす五郎には、旭川にいる蛍が看護学校を卒業し、地元に戻る日を待っていた。しかし、蛍は父を思いながらも、帯広の学生(緒形直人)に引かれる。そんな父と娘の心情と、避けられないすれ違いをきめ細かく描く。

一方、東京のガソリンスタン「ドで働く純は、新しい女友達(裕木奈江)と初体験をする。この描写は繊細で、ユーモラスでもあるが、純は大人の入り口で試練に立たされる。

離れ離れに暮らす家族3人の生活ぶりや思いを、リレー方式でつづる語り口が巧みだ。自立していく子供たちを黙って見守る父親には、作者の倉本聡の心境が投影されているのか、その寛容さが切ない。

夏の北海道の色鮮やかな自然を含めて、杉田成道の演出は一つひとつの映像を実に丁寧に積み重ねている。泣かせたり、笑わせたりするツボを押さえているところが、心憎い。《読売新聞》

【滋賀県大津市】「幽霊ビル」6秒で消える

大津市で22日午後、高さ36メートルの地上11階、地下1階のビルがダイナマイト2809本(計280.9キロ)を使って、爆破、解体され、わずか6秒間で約2.5万トンのがれきの山と化した。わが国の市街地のビルで、爆破解体が行われたのは初めて。費用は約3億円といわれる。

このビルは琵琶湖畔にある木の岡レイクサイドビル(京都市中京区、総合開発会社ユーイック所有)。昭和45年の大阪万国博覧会を当て込み、鹿児島県の会社が43年から観光ホテルとして建築を始めた。しかし、資金難などから中断、以後、所有者が転々とし、放置されたまま地元民から「幽霊ビル」と呼ばれていた。

ユーイックが滋賀県の許可を得、英国の解体専門業者レッカーズ社と技術提携して爆発解体に踏み切った。

ビル周辺には、徹夜組を含めた約4万3000人の見物人が詰めかけ、カメラやビデオを構えた。湖上にも船がズラリと並んだ。午後0時半には、ビルのすぐ西を通る国道161号が通行止めになり、半径100メートル以内の19世帯43人が避難した。《読売新聞》

【ゴルフ・丸山茂樹選手】プロテスト合格

ゴルフ・男子春季プロテスト最終選考会最終日(22日・静岡伊豆下田CC=パー72)快晴、微風の中、67選手が出場して行われ、通算8オーバーまでの40選手が実技合格した。

トップ合格はデビッド・イワサキ・スミス(豪)で通算7アンダー。今春、日大を卒業し初テストの丸山茂樹は、2アンダーの2位タイで合格した。合格者は25日からの研修会を経てプロとしてデビューする。《読売新聞》

【大相撲初場所13日目】曙、2敗守る

大相撲初場所13日目(22日・両国国技館)曙が苦手の琴錦を豪快に押し出し、2敗を守った。1差の若花田も旭道山に完勝。きょう14日目、若花田が敗れ、曙が勝つと初優勝が決まる。

給金相撲で小結安芸ノ島は勝ち越したが、大関小錦は豊ノ海に逆転負け。幕下では昨年の学生横綱坂本山(日大出)が全勝優勝して、来場所の十両入りを決めた。《読売新聞》

【リクルート】ダイエー傘下入りを発表

ダイエーの中内功社長は22日午前、都内のホテルでリクルートの位田尚隆社長、同社創業者で前会長の江副浩正氏とともに記者会見し、(1)中内氏が6月にリ社会長に就任(2)江副氏のリ社保有株約950万枚を7月に譲り受ける(3)リ社グループのリクルートコスモス、ファーストファイナンスへも役員を派遣する、と発表した。

既にサンテレビジョン(神戸市)などに資本参加しているダイエーはリ社を傘下に収めることで「生活情報産業」(中内社長)として情報化戦略を本格的に進めるのが狙い。《共同通信》

【日本新党】旗揚げ

新党結成を宣言していた細川護熙・前熊本県知事(元自民党参院議員)は22日、都内で記者会見し、新党の正式名称を「日本(にほん)新党」(代表・細川氏)とし、同日、東京都選管に届け出たことを明らかにした。また、夏の参院選に向け、立候補者3–5人を一般から公募、比例選の名簿に載せる考えを示した。

党名は、一般から募集した約600の案を参考に、内部組織であるメディア委員会(中博委員長)で検討、①普遍性のある名称②新しい日本を創造する決意をアピール③国際的にも通用する―などの条件を考慮して決めたとしている。

また、候補者の公募については、地方分権を進める立場から、「地域社会で信頼を得ている人」を参院に送り出すとし、論文、面接、討論で選考すると説明。細川氏は、現在人選を進めている参院比例選の候補者について、一般公募とは別に、最終的に10人を超えるとの見通しを示した。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】衆院定数「9増10減」閣僚に協力要請

宮沢首相は22日の閣議で、自民党執行部に党内調整を指示した「9増10減」の衆院定数是正案について今国会中の実現に改めて強い意欲を表明するとともに、「今回の是正案は平成7年の国勢調査を見通し、耐え得るものにしたいということでお願いした。11月には抜本改革を行っていく。その当面の是正なので、ご理解と協力を願いたい」と各閣僚の協力を要請した。《共同通信》

【自民党】「9増10減」批判相次ぐ

自民党は22日、宮沢首相が衆院定数是正問題で「9増10減」案を示したことを受け、役員会、総務会で執行部側が経過を説明、党内調整をスタートさせた。しかし、総務会で、「『9増10減』案は小手先の措置であり、説得力がない」などの批判が相次いだ。また、佐藤総務会長も、総務会後の記者会見で、「『9増10減』案は、時流に流され、先走っている印象がある」と批判、28日の与野党党首会談で野党側に伝えるまでには、党内合意が得られそうにないことを首相に伝える考えを明らかにした。

総務会では、「『9増10減』には同意できない。若い人が獲得した議席を奪うのはおかしい」(浜田幸一・広報委員長)、「『9増10減』で、政治改革をやったということになるのか。首相の発言は、次元が低すぎる」(小沢辰男氏)などの意見が続出した。《読売新聞》

【埼玉県知事選】土屋氏、自民党四役と和解

自民党最高顧問の福田元首相は22日、都内の事務所に、埼玉県知事選に出馬を表明している土屋義彦前参院議長と、綿貫幹事長ら党四役を招き、土屋氏の出馬問題をめぐり不協和音を生じていた両者の和解を要請。執行部、土屋氏とも、これを受け入れた。また土屋氏は党最高顧問の辞任を申し出たほか、議員辞職に伴う参院埼玉補選の候補者選びを県連とともに早急に行うことを明らかにした。

これにより、党側の土屋氏に対する出馬引き止め工作などによる両者のわだかまりは一応解消された形となり、土屋氏は自民党推薦候補として同知事選に出馬することが正式に決まった。

席上、福田氏は、夏の参院選の重要性を強調し、「埼玉県知事選、土屋氏の知事選出馬に伴う参院補選はその前哨戦的意味がある。いろいろいきさつはあったが、万事前向きに取り組もう」と両者に和解を要講。土屋氏も「総裁、副総裁、党四役、参院の皆さんにご迷惑をおかけした」と謝罪した。《読売新聞》

【北朝鮮、韓国】非武装地帯で銃撃戦

韓国国防省は22日夕、韓国・江原道の鉄原の北方の非武装地帯(軍事境界線の南方1キロ)で同日午前11時30分ごろ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の武装兵士と韓国陸軍パトロール隊との間で銃撃戦が起き、北朝鮮兵士3人が死亡、韓国軍兵士1人が負傷した、と発表した。

同省の発表によると、銃撃戦は北朝鮮軍兵士が軍事境界線を越えてきたため発生したもので、国連軍の合同調査団が現場へ急行、銃撃戦に至った経緯や現場状況などを調査しているとしている。北朝鮮側で軍事境界線を越えてきたのは3人だけとみられるが、3人ともライフルや手りゅう弾などで完全武装していた。北朝鮮軍兵士が何の目的で南下したかなど詳細は不明。

韓国筋によると、韓国側は前日の21日夜9時前、北朝鮮軍の兵士3人が軍事境界線を越えてきたのを発見、さらに同夜10時半すぎ、北朝鮮側の警察隊員6人が3人に合流したのを確認した。韓国側はこのため、パトロール隊を出し捜索活動を展開。22日午前11時すぎ、兵士3人を発見、銃撃戦の末、2人を射殺し、1人は逃げたが、この兵士も同日夕に射殺した。北朝鮮側の警察隊員6人は夜の段階で北に戻ったという。22日昼の銃撃戦は北の兵士3人と韓国側十数人の間で行われたという。

今回の事件について韓国側では現段階では偵察行動による偶発的事件とする見方が強いが、南北対話へ影響する可能性もあり、南北の対応が注目される。

南北間の非武装地帯は緩衝地帯として軍事境界線を境に南北それぞれ2キロずつ設けられ、朝鮮戦争の休戦協定により軍人、民間人は同地帯に入れず、警備は双方とも休戦協定で立ち入りが認められている民政警察隊が担当している。

北側兵士3人は境界線から南へ約800メートルの南側警察隊哨所を一越えており、国連軍司令部では明白な休戦協定違反と受けとめ、北朝鮮側に軍事停戦委員会本会議の招集を要求、厳重抗議するものとみられる。《読売新聞》



5月22日のできごと