平成1235日目

平成4年5月26日(火)

1992/05/26

【警視庁】「展示8点わいせつ」荒木経惟氏を書類送検

写真家・荒木経惟氏(61)の写真展をわいせつ図画公然陳列容疑で調べていた警視庁保安一家は26日、展示作品中の8点をわいせつと判断、荒木氏をはじめ、展示作業に従事した同僚のカメラマン2人、会場を貸したギャラリー経営者ら計5人を同容疑などで東京地検に書類送検した。

芸術を標榜する作品がわいせつ容疑で送検されたのは、昭和61年の「カメラ毎日別冊ヌード3」以来6年ぶり。写真展の展示作品そのものが、わいせつ容疑に問われて送検されるのは全国で初めて。

同課によると、荒木氏は今年4月1日から13日までの間、東京・渋谷のギャラリーで「写狂人日記・荒木経惟写真展」を開催。ボジフィルム1518点とパネル写真22点を展示したが、このうち露骨な性描写がある35ミリのポジフィルム8点をわいせつ図画に当たると判断した。さらに会場を提供したキャラリー経営者と従業員もほう助に当たるとした。

会場は入場無料で、期間中、不特定多数の若者が訪れており、同課では公然性も強いとしている。

同課は写真展開催中の4月10日、会場を同容疑で家宅捜索して問題の8点を押収したほか、パネル写真など約50点を「わいせつ性がある」として警告。主催者側は、指摘された作品を取り外した。また、同課はこの日、写真展示会場で荒木氏の写真集「写狂人日記」を販売していた出版社の社長らを「一部にヘアが写っておりわいせつの疑いがある」として警告したうえ、始末書を提出させた。

荒木経惟氏の話「(書類送検については)別に感想はないし話すこともない。(問題のフィルムは)それだけをみれば警視庁の指摘通りわいせつだと思う。細かいことは言いたくない」《読売新聞》



【宮沢喜一首相】中国・万里委員長と会談

宮沢首相は26日、首相官邸で、来日中の中国の万里・全国人民代表大会常務委員長と約1時間、会談した。宮沢首相と万里氏は、日中の友好関係が、「世界の平和と安定に寄与している」との認識で一致した。

万里氏が、中国の進める改革・開放政策について、「100年は変更しない」と述べるとともに、科学技術、企業管理などの面で日本の協力を要請。首相は、「(中国の近代化は健全な歩みで進行している、と評価している」と応じ、農村改革や、日本企業の対中投資促進のための環境作りに努力する意向を明らかにした。また、宮沢首相は、米中の関係改番に向けての中国の努力を求めた。

これに対して万里氏は、「良好な米中関係」の重要性を認めながら、「米国の内政干渉は受け入れられない」と、中国の人権、武器輸出問題などに関する米国の姿勢を暗に批判した。《読売新聞》

【自民党】「9増10減」調整に暗雲

宮沢首相が提示した「9増10減」をめぐる自民党の党内調整は、26日も綿貫幹事長が竹下、宮沢、渡辺の3派を訪ねたほか、各派の事務総長を集めて協力を要請するなど精力的に進められた。

しかし各派とも基本的には協力の姿勢を示しながらも、派内に減員対象区議員を抱えているため確答を避け、各派とも今月28日に派閥としての回答を執行部に伝えることになった。《共同通信》

【宮沢喜一首相】自民党・小沢一郎元幹事長と会談

宮沢首相は26日昼、都内の料理屋で自民党の小沢一郎・元幹事長(竹下派会長代行)と1時間余り会談し、当面の政局運営について意見交換した。首相は国連平和維持活動(PKO)協力法案の成立に強い意欲を示し、小沢氏も協力する意向を示した。

また、小沢氏は来月に予定されている金丸副総裁の訪米に同行する考えを明らかにし、「PKO法案を成立させてから、行きたい」と述べた。首相は「金丸氏の訪米がうまく行くよう、何でも協力する」と述べ、支援を約束した。

一方、首相は衆院定数是正「0増10減」案の党内取りまとめへの協力を要請。これに対し、小沢氏は「減員対象区の宮沢派3人に対する説得がカギを握る」との見方を示した。

首相と小沢氏の次は先週末、首相側から申し入れて実現したもので、加藤紘一官房長官と杉山恵夫衆院議員(竹下派)が同席した。

両氏の会談は、21日に首相が衆院定数是正の「9増10減」の首相見解について、小沢氏の理解を求めて以来。両氏の関係は、政権発足直後、首相が小沢氏を昼食に招いたが、このところ「電話もほとんどない」(小沢氏)状態だった。《読売新聞》

【自民党・小沢一郎元幹事長】「同日選ない」と強調

自民党の小沢一郎・元幹事長は26日夜、都内の料理屋で竹下派衆院当選3回議員と懇談し、衆参同日選の可能性について、「同日選はないだろう」との見方を強調した。また、衆院定数是正の「9増10減」案について、「論拠が明確でないから、党内取りまとめが大変だ」と指摘した。《読売新聞》

【民社党・大内委員長】「金丸発言」に反発

「思い上がった自民党と手を携えて大事な法案を処理することはできない」―民社党の大内委員長は26日夕、国会内で緊急記者会見を行い、国連平和維持活動(PKO)協力法案への自民党の対応に激しい不満を表明した。民社党が新たに主張しているPKO参加の国会事前承認の範囲拡大を、自民党に受け入れさせるための駆け引きという側面が強い。しかし、調整がこじれた場合、PKO法案を支える「自公民体制」に亀裂が生じる可能性も否定できず、自民党は民社党の要求の扱いに苦慮しそうだ。

発端は同日昼、国会内で行われた梶山静六・自民、神田厚・民社両党国対委員長の会談。民社党側によれば、この席で、梶山氏は「金丸(自民党副総裁)さんが『民社党が国会の事前承認の枠拡大を主張するなら衆院を解散するぞ』と言っている」と伝えた。神田氏から報告を受けた大内氏は激しく反発。午後3時から行われた石田公明党委員長との会談でこの話を披露し、「民社党は調整工作から一切手を引く。あとは自公両党で責任を持ってやってくれ」と怒りをぶちまけた。

これに驚いた梶山氏は、公民党首会談のあと、直ちに大内氏に面会を求め「言葉足らざる点があり、(神田氏に)誤解を与えた」と謝罪したが、怒りのおさまらない大内氏はさらに記者会見で「解散の脅しをかけるのは自民党のおごりを示すもの」と追い打ち。

もっとも、大内氏は記者会見の最後で、梶山氏の謝罪を評価し、「事前承認の枠を広げるかどうか、金丸氏が言及することが必要。それをみてから民社党の対応を決める」と絶縁宣言ではないことも強調。同党国対幹部も「これはさざ波。公民両党首が再修正で合意した方が重要」と述べ、自公民3党の枠組みから抜ける考えのないことを明らかにした。

このため、野党内には、「事前承認の枠拡大の確約を金丸氏からとりつけようと打った大内氏一流のパフォーマンス」(社会党幹部)との見方も多い。

梶山氏は、「解散発言」について「私は金丸氏の発言として述べたことはない」と否定した。しかし、PKO法案の再修正をめぐる一連の大内氏の発言に対し、「大内氏が与野党折衝の落とし所になりそうな点も含めてあまりベラベラしゃべり過ぎたため、かえって法案の成立が難しくなっている」といった批判的な見方が自民党内に多いのも事実。

金丸発言だったかどうかは別にして、梶山氏が自民党内のこうした空気を代弁する形で大内氏の口封じに出たのに対し、大内氏がそれに乗じて逆襲した―という構図のようだ。《読売新聞》

【独・ブランデンブルグ門】車にも開放

東西統一の象徴、ブランデンブルク門が26日、31年ぶりで車に開放された。ベルリン市当局の決定によるもので、バス、タクシー、自転車に限り、中央部分をくぐり抜けられる。同日は、環境保護政党、緑の党メンバーが、「車優先の交通政策」に反対し妨害したが、警察官に排除された。

この門は、東西ベルリンの境界線の東側にあり、61年に「壁」が建設されてからは、一般市民は近づけなかった。89年12月に、「壁」を撤去して、徒歩で通れるようになった。東西を貫く幹線道路に位置していることから、交通渋滞緩和のために車に開放するよう求める声が強まっていた。《読売新聞》



5月26日のできごと