平成603日目
1990/09/02
この日のできごと(何の日)
【金丸信元副総理】中国・江沢民総書記と会談
中国訪問中の金丸元副総理は2日午前11時(日本時間同)すぎから、北京の中南海で江沢民・共産党総書記と約1時間会談した。
この中で江総書記は台湾との統一問題に関連して「金丸氏は台湾に多くの友人がいるので、(台湾側に)大陸との統一を促進するよう伝えてもらえたら大変に結構だ」と橋渡し役に期待を表明。同時に統一後の中国の基本姿勢として総書記は①一国家二制度の堅持②台湾の行政機構を維持し、大陸から政府要員を派遣しない③武力行使をしないと一いうことは承諾できないが、台湾人民に対するものではないーとの三原則を明らかにした。中国側が外国要人に対し、統一問題での基本方針を明確に説明したのは初めて。
総書記は、金丸氏と最高実力者の鄧小平氏との会談が取りやめになったことについて「鄧氏は今、外国人と会わないことを原則にしている」と、理解を求めた。中台問題に関しては、親台湾派の金丸氏が、統一に向け「時間がかかっても、双方が十分に話し合ったらいい。そのための“使い走り”ができれば光栄だ」と意欲を表明した。
総書記は、台湾の李登輝総統が掲げた「一つの中華民族、一つの中国」との基本姿勢を評価するとともに「中国は共産党と国民党(台湾)との話し合いを提案している」と説明した。《共同通信》
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【成田空港】日本人婦女子ら70人が帰国
イラクで人質としての軟禁生活から解放され、日本時間2日未明、ヨルダン・アンマン国際空港から政府チャーターの日航救援機で帰国の途に就いた日本人婦女子ら70人は同日午後8時1分、成田空港に無事到着した。
成田空港にはイラクのクウェート侵攻以来約1力月間、刻々と変わる状況の中でひたすら無事を祈り続けてきた家族や企業関係者のほか、大島理森官房副長官ら政府、外務省関係者も出迎えた。
成田空港で女性たちは「帰国の喜びを、まだ人質として残されている夫たちにも一日も早く味わってほしい。その時に皆で万歳と叫びたい」などと国際紛争にほんろうされ、突然家族が分断された不安をのぞかせ、夫らの早期帰国実現を訴えた。
一方、イラク側から出国をされていた在クウェート日本大使館員家族12人は2日午後出国を許可され、同3時50分、アンマンに到着した。フランクフルト経由で4日午後3時すぎ、成田空港帰着予定。《共同通信》
【コンコルド】旅博イベントで長崎空港に初飛来
長崎市で開催中の「長崎旅博覧会」のイベントとして、エールフランス航空の超音速旅客機「コンコルド」が2日午後、長崎空港に飛来。約1万人の見物客の前で、翼を広げた怪鳥を思わせる姿を披露した。《共同通信》
【ソ連・シェワルナゼ外相】北朝鮮訪問
タス通信によると、中国黒竜江省ハルビンでの中ソ外相会談を終えたソ連のシェワルナゼ外相は2日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌を訪問し、金永南副首相兼外相と会談した。
北朝鮮はことし6月初め、ゴルバチョフ・ソ連大統領と盧泰愚・韓国大統領が米サンフランシスコで会談、両国の国交正常化で原則合意したことに不快感を表明している。このため今回の訪問でソ連側は韓ソ首脳会談の経緯を説明、関係修復を図るとともに、北朝鮮の孤立脱却に向け外交的圧力をかけたのではないかと観測されている。シェワルナゼ外相の北朝鮮訪問は1988年12月以来。
会談の内容は明らかではないが、タス通信はイラク軍のクウェート侵攻や朝鮮半島情勢、二国間問題が議題になると伝えており、朝鮮半島情勢では韓国、北朝鮮が会談の議題などで大筋合意した南北首相級会談を中心に意見を交換したとみられる。《共同通信》
【国連・デクエヤル事務総長】イラク外相に失望
アンマンで二日間にわたるアジズ・イラク外相との会談を終えたデクエヤル国連事務総長は2日午前、アンマンの王宮で記者会見し、会談結果に強い失望の意を表明、イラク軍のクウェート撤退など国連安保理決議を拒否するイラク側の強硬姿勢の前に、会談が不調に終わったことを明らかにした。
事務総長は「国連安保理にアンマン会談で実質的進展があったと報告したかったが、正直にいって現在、それは不可能となった」と述べ、湾岸危機の打開策をめぐり、双方の歩み寄りが全くなかったことを認めた。
事務総長は「今後も平和解決への道を探る努力が続けられるよう希望する」と強調したが、イラクの拒絶反応は強く、事務総長本人による今後の対イラク交渉については、当面断念、新たな調停工作を模索する意向のようだ。
一方、アジズ外相は1日夕の第三回の最終会談を終えた後、記者団に声明を発表し、「湾岸情勢は極めて複雑であり、劇的な外交では解決できない。静かな外交、忍耐が必要だ」と述べ、計9時間に及んだ会談で、双方の主張が大きく対立したまま会談が不調に終わったことを示唆していた。
さらにイラクのクウェート即時無条件撤退、対イラク制裁などを決めた国連安保理決議は中立性を欠いた、一方的な措置と非難。この後直ちに特別機でバグダッドに戻った。《共同通信》