平成1948日目

平成6年5月9日(月)

1994/05/09

【南アフリカ】次期大統領にネルソン・マンデラ氏

南アフリカ制憲議会下院は9日、ケープタウンで初めて招集され、第一党のアフリカ民族会議(ANC)のネルソン・マンデラ議長を全会一致で新大統領に選出した。黒人解放を目指して1912年にANCが結成されて以来、82年ぶりに南アの黒人は自らの代表を代表の座に就け、長年の夢を実現した。

人口の4分の3を占める黒人だけでなく、少数派の白人を含め全国民の支持を得た元首が誕生するのは南ア史上初めて。17世紀半ばにオランダ人が入植して以来続いてきた白人支配は完全に終わり、南アは新たな民主国家としての大きな一歩を踏み出した。

マンデラ氏は議会閉幕後、市役所前広場で10万人の市民を前に次期大統領として初めて演説。希望のない国から「威厳と自尊心、未来への自信に満ちた国へと変革する」と高らかに宣言した。また「祖国と国民のために新しい時代が到来した」と南ア新時代の到来を強調するとともに「特定の政党の勝利ではなく、全国民の勝利だ」と訴え、人種の違いを超えて国家再建に努める決意を示した。

演説終了後、マンデラ氏は首都プレトリアに移動。同日夜にはゴア米副大統領やカストロ・キューバ国家評議会議長と会談、新生南アフリカを代表して首脳外交に着手。また、デクラーク現大統領と会談、新内閣の人事を決定する。新内閣の陣容は11日にも発表される見通し。

4月末の全人種選挙で大勝したANCは国民党、インカタ自由党と連立政権を組む。大統領選出では、国民党を含む他の6政党は対立候補を立てず、満場一致での選出となった。これまでいがみ合ってきた各政治勢力が広範な支持を与えたことで、南アフリカは全国民を代表する大統領を持つことになった。《共同通信》



【柿沢弘治外相】羽田首相から事務引き継ぎ

総勢わずか7人だが自由党党首でもある柿沢外相は9日、羽田首相から外相の事務を正式に引き継いだ。外務省職員へのあいさつでは、自民党時代、外務政務次官を1年9カ月努めたことに触れ「(将来)外相になれるかなと思っていたが。政権交代でしばらくお預けと思っていた」と言いながらも、転がり込んだ念願のポストに満面。《共同通信》

【社会党、新党さきがけ】羽田政権と対決色

連立政権を離脱した社会党の村山医院町と新党さきがけの武村代表が10日午前中会談し、国会運営を中心に両党の連携強化に向けた協議を始めることが9日決まった。また、さきがけは9日午前、日本新党離党組のグループ青雲と新統一会派「新党さきがけ・青雲」を結成した。

社会党は「社民リベラル」勢力の結集を掲げ、将来的にはさきがけとの統一会派結成も視野に入れている一方、さきがけ側も自民党改革派も含めて新会派を政界再編の核としたい考えで、第二次政界再編に向けたうねりを一層加速することになりそうだ。

社会党は9日、さきがけ、自民両党とそれぞれ国対委員長レベルの会談を開き、国会運営での協力を確認することで羽田新政権との対決姿勢を鮮明にした。《共同通信》

【羽田孜首相】戦争の反省を後世に

羽田首相は9日午前の閣議後の閣僚懇談会で、永野前法相が南京大虐殺などをめぐる発言で辞任したことに関連し、「私は新生党党首として昨年の総選挙の際にも、日本軍の侵略行為や植民地支配に対する深刻な反省を信念として(遊説などを)やってきた。来年の終戦50周年に向け、いろいろなイベントも考えており、(反省を)後世に伝え、ていかねばならない」と述べた。

首相は、永野氏を法相に起用した責任について「永野氏からは、戦争は二度とあってはならないという戦争観を聞いていた」と述べ、起用の際に太平洋戦争に対する考え方も確認したことを強調した。辞任の経緯について「こういう(南京大虐殺をでっち上げとずるなどの)発言があり、これ以上国に迷惑をかけられないという永野氏の辞表提出に対し特に慰留せず受理した」と説明した。

閣僚懇で中井新法相は「よろしくお願いしたい」というあいさつをしたにとまり、戦争観などにはあらためて触れなかった。いずれも、熊谷官房長官が9日午前の記者会見で明らかにした。《共同通信》

【羽田孜首相】歴代首相を訪問

羽田首相は9日午後、竹下、海部、福田、中曽根、鈴木、宮沢の自民党歴代首相を訪ね、首相就任の報告とともに、政局運営への協力を求めた。宇野元首相は10日に訪問する。

中曽根氏は羽田内閣が政権基盤の弱い少数政権であることを念頭に「首相には憲法上の解散権がある。選挙法がどうなっているかに捕らわれず、国のために必要なときには勇敢に使うべき権利だ。拘束を受けてはならない」と、現行中選挙区での選挙もちゅうちょしないよう求めた。首相も「小選挙区を実現したい気持ちはあるが、首相としての立場はおっしゃる通りだ」と答えた。

その一方で、首相は海部氏に対して「(小選挙区の)区割りはやらなければいけない」と述べ、区割り法案の成立に力点を置いた。

宮沢氏は臨済録を引用し「『明頭来 明頭打、暗頭来 暗頭打』でお願いしたい」と、相手の出方に応じて堂々と対応するよう激励した。

首相は宮沢氏に対し、少数政権に転落の原因となった院内会派「改新」の結成に触れ、「(首相指名選挙で)私に票を入れてくれたのに、あれでは私でも怒る」と、社会党の連立離脱に一定の理解も示した。《共同通信》

【橋本聖子さん】プロの自転車選手に

夏冬の五輪に計6度出場し、このほどスピードスケートの第一線を退いた橋本聖子(29)が9日、東京都内のホテルで記者会見し、今後はプロの自転車選手として活動し、1996年のアトランタ五輪を目指すことを明らかにした。

昭和30年代い廃止された女子競輪選手を除くと、日本の女子では初のプロ。既に所属していた富士急を代謝しており、より自転車練習に専念できる環境をつくると同時に、プロの資格を得て、商業行為を可能とすることで経済的な裏付けを得ることが狙い。《共同通信》

【大相撲夏場所】2日目

大相撲夏場所2日目(9日・両国国技館)初日に続いて横綱、大関に波乱はなく順当勝ち。横綱曙は大善に一瞬ひやりとさせられたが、落ち着いて攻め返して送り出した。大関陣は、貴ノ浪が肥後ノ海を右小手投げで破り、貴ノ花は先場所敗れた小城錦をもろ差しで寄り切って快勝。武蔵丸は小結寺尾を豪快に突き出した。関脇武双山は小錦を寄り切って2連勝したが、もう一人の関脇琴錦は三杉里に屈して2連敗。新小結の魁皇は安芸ノ島を下して1勝1敗。《共同通信》



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