平成3153日目
1997/08/26
この日のできごと(何の日)
【オウム裁判】遠藤被告に1億円賠償命令
松本サリン事件で死亡した被害者の遺族が事件の実行犯とされるオウム真理教元幹部遠藤誠一被告(37)に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は26日、松本智津夫被告(42)=教祖名麻原彰晃=が犯行を指示、遠藤被告らが実行したと認定し、請求通り遠藤被告に総額1億円の賠償を命じる判決を言い渡した。
塚原朋一裁判長は判決理由で「原告は強い悲しみと憤りから訴訟での真相究明を望んでおり、裁判所は遠藤被告に何度も出頭を求めたが、遠藤被告は自己の関与を否認しながら出頭を拒否し続けた。不服あれば、控訴して争うべきである」と指摘した。控訴を促すような指摘が付記されるのは異例。
訴えていたのは、死亡した信州大二年Aさん=当時(19)=ら被害者4人の両親計8人。Aさんらは平成6年6 月の事件当時、サリンが発散された長野県松本市の駐車場近くのアパートなどに住んでいた。遺族側は7年8月、松本被告に5億4000万円の賠償を求めて提訴(現在係争中)。昨年6月には遠藤被告と元幹部中川智正被告(34)ら計9人に1億円の賠償請求訴訟を起こした。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【動燃・東海事業所】放射性物質が漏えい
茨城県東海村にある動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所ウラン廃棄物貯蔵施設で、廃棄物入りのドラム缶が雨水などの浸水で腐食し、放射性物質が施設内に大量に漏れ出していることが26日、分かった。科学技術庁は同日夕から、原子炉等規制法に基づき立ち入り検査をした。
科技庁は15年前の調査で浸水の実態を把握しながら、その後点検をしていなかった。一連の不祥事で動燃を新法人に改革する動きが始まっているが、動燃の管理のずさんさとともに、科技庁の規制の在り方も問われそうだ。《共同通信》
【梶山静六官房長官】留任断る
自民党の加藤紘一幹事長は26日夕、首相官邸に橋本龍太郎首相(総裁)を訪ね、総務会で了承された総裁選日程を報告、党人事、内閣改造をめぐり約1時間会談した。首相は「(立候補の)推薦人はお任せする」と述べ、再選へ出馬の意思を示した。正式には28日の臨時役員会で表明する。
加藤氏は党役員人事について「総裁に一任したい」と伝えた。人事をめぐる自社さ派と保保派による党内抗争の一方で、沈静化を求める動きも出てきた。
幹事長再任に対し、保保派から反対論が表面化しているが、橋本再選への動きが加藤氏中心になっていることから続投との見方が強い。一方、梶山静六官房長官は25日夜、加藤氏の留任要請を断った。
梶山氏との会談で、加藤氏は引き続き官房長官にとどまるよう求めた。梶山氏は「1年半、官邸にいて疲れた」と、あらためて退任の意向を表明。さらに党内の人事をめぐる争いに関連づけられるのは不本意なので、早めに辞意を明らかにした」と述べ、執行部人事に絡んだ党内抗争とは無関係であることを強調した。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】ヒラリー卿と対面
橋本龍太郎首相は26日午後、首相官邸でエベレスト登頂に世界で初めて成功したニュージーランドのエドモンド・ヒラリー卿(78)の表敬訪問を受けた。ヒラリー卿とは二度目の対面だが、首相も登山を趣味としているだけに「あこがれの存在。神様のような人」と興奮気味で、約40分間にわたって山の話に花を咲かせた。
首相が昭和48年にエベレストへ行った際、「(前に登った)イタリア隊が残していった酸素ボンベやイワシの缶詰が役に立った」と思い出を披露すると、ヒラリー卿もエベレスト初登頂や南極点到達の体験を語り、最近力を入れている環境保全活動についても紹介した。《共同通信》
【米政府】北朝鮮外交官の亡命受け入れ
ルービン米国務省報道官は26日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の張承吉駐エジプト大使(49)夫妻と、大使の実兄で駐フランス総代表部参事官の張承浩貿易代表部代表会(51)が米国に亡命を申請、米政府はこれを受け入れたと発表した。また、3人が既に米国入りしていることを確認した。
一方、北朝鮮外務省スポークスマンは、張大使らについて「国家資金横領などの疑いで7月末に罷免され、法的追及におびえて逃走した」と発表した。大使の亡命は、北朝鮮から亡命した外交官の中ではこれまでで最高位となる。
米朝関係への影響を懸念する声も出ているが、報道官は亡命が「北朝鮮とのミサイル協議や四者会談に影響があるとは考えていない」と強調。さらに「亡命は北朝鮮の体制危機を示すようなものではない」として、亡命による悪影響を最小限に食い止めたい米政府の意向を表明した。
米政府当局者によると、北朝鮮のミサイル関連技術の主な輸出先はイランやエジプト、シリア、イエメンなどの中東諸国。張大使は中東の専門家でもあり、米国防・情報当局は今後、北朝鮮によるミサイル輸出の実態などを詳しく聴く方針とみられる。
報道官は、米政府が発表に先立って北朝鮮と実務レベルで接触、27日からニューヨークで始まる米朝ミサイル協議が予定通り開催されるよう求めたと明らかにした。現段階では、ミサイル協議も9月中旬の朝鮮半島和平のための四者会談予備協議第2ラウンドも予定通り開くという。《共同通信》