平成5304日目
2003/07/17
この日のできごと(何の日)
【警視庁】不明の女児4人を保護
17日午後0時15分ごろ、東京都港区赤坂2丁目の路上で「小学生ぐらいの女の子が助けてと言っている」と通行人から110番があり、警視庁は女児4人を保護した。4人は付近のマンションの一室に監禁されていた疑いが強く、この室内で男1人が死亡しているのが見つかった。女児のうち3人は手錠をかけられていた。
4人は、13日から行方不明になっている東京都稲城市の小学六年生の児童4人の名前を名乗っているという。1人は衰弱しているという。
遺体で見つかった男はポリ袋をかぶっており、自殺の可能性が高いという。4人は13日に「渋谷に行く」などと話して家を出たまま行方が分からず、警視庁捜査一課などが約70人態勢で渋谷区の繁華街などを捜していた。
4人が通っていた小学校では、保護の連絡を受け、情報確認のために職員が対応に追われた。同校の教頭は「皆、無事なんですか。早く保護者の方にも伝えないと」と話していた。《共同通信》
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東京都稲城市の小学六年の女児4人が港区赤坂のマンションに監禁された事件で、マンションで自殺した男は「掃除のアルバイトがある」と女児らを呼び出し、13日にJR渋谷駅前で落ち合って監禁していたことが17日、分かった。
7月上旬、4人のうち、1人と最初に知り合った際にも「いいバイトがある」と声を掛けて現金を渡しており、警視庁は当初から監禁目的で女児を誘い出したとみている。
男は横浜市港北区、職業不詳A容疑者(29)=沖縄県出身。警視庁は被疑者死亡の未成年者誘拐、逮捕監禁容疑で書類送検する方針。
同容疑者には、中学校二年の少女(14)と昨年3月、6万円でわいせつな行為をしたとする児童買春違反事件で16日に逮捕状が出ていた。遺書は見つかっていない。18日に司法解剖する。
調べでは、女児の1人は7月上旬、渋谷へ遊びに行きA容疑者と知り合った。同容疑者の携帯電話番号が記載されたアルバイト募集のチラシも受け取り、チラシが女児自宅で見つかった。
女児は携帯電話で連絡を取り、A容疑者を「社長」と呼んでいた。同級生も誘い、3人が応じたため、4人が事件に巻き込まれた。
13日は別々に来るように指示され、2人がJR渋谷駅のモヤイ像前でA容疑者と落ち合いタクシーでマンションに行き、約1時間遅れで残る2人が別の若い男とタクシーで合流。男はマンションに入らず立ち去った。部屋はこの男の名義で11日から契約されていた。警視庁が事情を聴いたが、事件を知らなかった可能性が高く、共犯ではないとしている。
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17日正午すぎ。東京・赤坂の花店に「助けてください。警察を呼んでください」と、少女がはだしで走り込んできた。「どうしたの」。女性店員(31)が聞くと「渋谷で…」。震える声が続かない。店員は朝のテレビニュースで「稲城市の女児4人不明」を知っていた。「もしかして稲城の子?」「そうです。友達がまだ部屋に」。少女は隣のマンションを指さした。
店の電話から110番。駆けつけた警察官に、少女は説明をした。遊びに行った渋谷で「バイトしない?」と誘われ、ついて行ったこと。そこで「社長」と呼ばれる男と知り合い、携帯電話で連絡を取り合うようになったこと。
話は監禁時の状況に進む。「部屋の掃除をしない?」と13日、その男から再びバイトの誘い。電車を乗り継ぎ4人でJR渋谷駅へ行くと、タクシーに分乗して連れて来られ、いきなり手錠をかけられた。高圧電流銃で脅され、アイマスクで目隠しされた。
少女の言う11階の部屋に警察官が踏み込むと、水の入ったポリタンクや鉄亜鈴に手足を手錠でつながれ、3人が泣きじゃくっていた。別々の洋間に1人ずつ。もう2人は、逃げ出した少女と一緒の浴室脱衣所に。
別室のリビングで、A容疑者が息絶えていた。ビニールテントのようなものの中に横たわり足元には練炭があった。
4人は救出から約4時間後に渋谷署でようやく両親と対面、抱き合って号泣した。《共同通信》
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【第129回芥川・直木賞】選考会
第129回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は吉村萬壱さん(42)の「ハリガネムシ」(文学界5月号)に、直木賞は石田衣良さん(43)の「4TEEN(フォーティーン)」(新潮社)と村山由佳さん(39)の「星々の舟」(文芸春秋)に決まった。
人間の暴力性が色濃く表現された受賞作について吉村さんは「暴力を描こうとあまり意識したつもりはないが、大きなテーマ。現代は暴力が遍在しており、(私自身も)人間への恐怖を持っている」と語った。
芥川賞選考委員の山田詠美さんは「言葉によって象徴的なものを描写している。圧倒的に高い評価を得た」と述べた。
石田さんの受賞作の舞台は東京・月島。石田さんは「かつて暮らしていた町。今の都市再開発のはしりのような所で、現代を描くにはいい場所を選べた」と話した。
村山さんは「家族、戦争のことを書いたが、私の父はシベリア抑留経験があり、子守歌のように戦争の話を聞いた。若い読者に、戦争の痛みに感情移入してもらいたかった」と話した。
贈呈式は8月21日、東京・丸の内の東京会館で。賞金100万円が贈られる。《共同通信》
【大相撲】
大相撲名古屋場所12日目(17日・愛知県体育館)2敗で単独トップに立っていた平幕時津海が大関武双山に押し出され、武双山ら6人が3敗で並ぶ混戦となった。12日目を終えて3敗力士が優勝争いをリードするのは1998年夏場所以来。大関千代大海は平幕闘牙を一気に押し出し、大関同士の対戦で栃東を押し倒した魁皇とともに3敗を堅持。平幕雅山は北勝力を押し出し、土佐ノ海は春日錦を押し倒してともに3敗を守った。関脇は若の里が勝ち越しを決めたが、旭天鵬は人気者の高見盛にうっちゃられて負け越しが決まった。高見盛は勝ち越し決定。小結栃乃洋は7敗目を喫した。《共同通信》
【野球】
野球の日本代表編成委員会は17日、今秋に札幌で開催される2004年アテネ五輪の予選を兼ねたアジア選手権の日本代表候補33選手を発表した。
投手陣は10球団から16人が候補入りした。先発では上原浩治(巨人)井川慶(阪神)松坂大輔(西武)ら各球団のエースが名を連ね、新人でも木佐貫洋(巨人)和田毅(ダイエー)が選ばれた。ストッパーとしては豊田清(西武)小林雅英(ロッテ)が入っている。
野手陣では目下、両リーグで打率トップの今岡誠(阪神)小笠原道大(日本ハム)をはじめ、高橋由伸(巨人)中村紀洋(近鉄)松井稼頭央(西武)らが選出された。ヤンキースの松井秀喜ら日本人大リーガーは大リーグ機構が予選を含めた五輪出場を認めておらず、候補から外れた。正式代表の22選手は9月29日に発表される。
アジア選手権は10月31日に開幕し、シードされている日本は11月5日に始まる4チームでの決勝リーグから出場する。アテネ五輪の出場権は上位2チームが獲得する。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の中曽根康弘元首相は17日、東京都内で講演し、自民党総裁選の公約を国政選挙の党公約にする姿勢を見せている小泉純一郎首相に対し「ルイ14世は『朕は国家なり』と言ったが、それに似ている」と批判。同時に「いろいろ釈明しているけど、直れば結構なこと。外交、安保は非常に成功している」と持ち上げながら、党側の声に耳を傾けるよう促した。しかし「絶対君主」が相手では、「元老」中曽根氏の助言といえども効果のほどは期待薄か。《共同通信》
【自民党・古賀誠前幹事長】「反小泉」一本化は困難
自民党の古賀誠前幹事長は17日昼、都内のホテルで開かれた民主党議員の会合で講演し、9月の党総裁選では、小泉純一郎首相に対抗する複数の候補が出馬し、決選投票で「反小泉」勢力を一本化して臨む可能性が強いとの見方を示した。
当初から対立候補を一本化することについては「非常に難しい情勢である」と表明。自身が推す候補者名については「はしゃいでいると思われたくないので(今国会が)閉会しなければ名前は出せない」として、明言しなかった。《共同通信》
【アルジャジーラ】「フセイン氏の声」放送
カタールの衛星テレビ、アルジャジーラなどは17日、イラクのフセイン元大統領とされる人物がイラクの暫定統治機関「統治評議会」について「外国人に雇われたしもべだ」と批判し、米英軍への聖戦を呼び掛ける音声テープを放送した。
この呼び掛けにより、今後、イラクに駐留する米英軍への襲撃が激化する可能性もある。ことし秋から復興支援のため、イラク入りが予想される自衛隊の活動への影響も懸念される。
アラブ首長国連邦でテープを聞いたドウリ・イラク前国連大使は「フセイン大統領の声だ」と断言した。イラクの暫定統治にあたるイラク人代表による統治評議会は13日に発足したばかり。音声は14日に録音したとされ、元大統領の生存説が現実味を帯びてきた。
テープの人物は「(米英軍による)占領に抵抗する唯一の方法はジハード(聖戦)だ。侵略者を打ち負かし、イラクから追い出そう」と呼び掛け、最近、米兵への襲撃事件が頻発しているバグダッドや製法のラマディやファルージャを「聖戦の鑑だ」とたたえた。
また「占領者である外国人らに任命された連中に、国民と祖国のために何ができるだろうか」などと統治評議会を批判。「彼らは外国人の意思によって雇われたしもべであり、イラク国民のしもべではない」と語った。
米英両国が対イラク攻撃の理由に挙げたイラクの大量破壊兵器開発疑惑については「うそだと明らかになった」と断言。ブッシュ米大統領とブレア英首相を「うそつきだ」と名指しで批判した。
大統領が政権崩壊で行方不明になって以降、アルジャジーラが元大統領とされる音声テープを放送したのは、今月4日と8日に次いで3回目。《共同通信》
【米英首脳会談】
ブッシュ米大統領は17日、ブレア英首相とホワイトハウスで会談した後、共同記者会見し、イラクの大量破壊兵器情報について、米英両国が「明確で説得力のある論拠を持っていた」と述べ、戦争が正当だったと強調した。
これに先立ち、ブレア首相は米議会の上下両院合同会議で演説し、大量破壊兵器が発見できずに終わる可能性に初めて言及し、情報が間違いだったとしても、残虐行為を重ねたフセイン政権の打倒により「歴史はわれわれを許すと信じる」と述べた。
イラク戦争の大義となった大量破壊兵器疑惑をめぐり、英米の議会で政権批判が強まる一方で、両首脳は会見を通じ批判に直接反論した形だ。
会見でブッシュ大統領は、フセイン政権が「生物・化学兵器を生産、所持し核兵器計画を再構築しようとしていた」と指摘。「私が大統領の間は、危険な敵の善意に頼ることはしない」と述べ、開戦の判断について「責任を取る」と明言した。
ブレア首相も焦点となっているイラクのニジェールからのウラン購入問題について「英情報機関の情報は正しいと信じる」と強調。脅威を目前に何もしないことを「歴史は許さなかっただろう」と述べた。
両首脳はイラク民主化について「約東を果たす」(首相)として、民主政権樹立までイラクに軍を駐留させる姿勢を明確にした。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ヤンキースの松井外野手は17日、ニューヨークでインディアンス戦に「5番・左翼」で先発し、九回に日本人選手初のサヨナラ本塁打となる10号ソロを放った。
4−4の九回、先頭打者で右中間へ運んだ。この日は4打数1安打で打率は2割9分9厘。松井は第3打席までいずれも先頭で打席に立ち、二回は一ゴロ、五回は遊ゴロ、七回は二ゴロだった。
ドジャースの野茂投手はカージナルス戦に先発し、6回を2安打1失点で、3年連続2けた勝利(10勝8敗)をマークした。野茂は打っても今季1号の2点本塁打など2安打3打点。試合は6−3だった。
マリナーズのイチロー外野手はロイヤルズ戦に「1番・右翼」で先発し、4打数2安打1盗塁。打率を3割5分4厘に上げ、リーグ2位のモーラ外野手(オリオールズ)とは6厘差で首位を守った。マリナーズは1−7で敗れた。
エクスポズの大家投手はフィリーズ戦に先発し、6回を8安打2失点で、勝敗には関係なかった。延長十一回、フィリーズが5−2でサヨナラ勝ちした。《共同通信》
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米大リーグ、メッツは17日、新庄剛志外野手(31)を大リーグの40人登録枠から外すための手続きを取った。一種の戦力外通告であり、
新庄には今後10日間で(1)トレード(2)自由契約(3)マイナー契約に切り替えての残留−の選択肢がある。自由契約になった場合は来季以降、日本球界復帰の可能性もあり得る状況になった。
メジャー3年目の新庄は今季、ジャイアンツから1年目にプレーしたメッツに復帰。オープン戦では打率4割を超える成績を残したが、公式戦に入ると左投手が先発した場合にだけ起用される格好になり、成績も次第に下降。6月28日にはメッツ傘下のマイナー3Aノーフォークへの降格を通告された。
新庄はメジャーで今季62試合に出場し、打率1割9分3厘、1本塁打、7打点だった。《共同通信》
【この日の民主党】
「募集・採用における年齢差別禁止法案」を国会に提出
民主党は17日、「募集・採用における年齢差別禁止法案」(労働者の募集及び採用における年齢に係る均等な機会の確保に関する法律案)を衆議院に提出した。
厳しい雇用経済情勢を反映し、特に中高年を対象に人員削減の波はとどまることを知らないが、求職者が転職に際して「○○歳まで」と入口で画一的に締め出され、就業機会を奪われることも少なくない。法案は、求職者の年齢を理由とする募集・採用における差別的な取り扱いを禁止、厚生労働大臣が勧告に従わない事業主を公表することができるとしている。また、公務員の募集・採用についても、年齢を理由とする差別を禁止している点も特徴的だ。法案提出者の加藤公一衆院議員は提出後の会見で、「高齢者も若者も、働く意欲のある人が、年齢に関係なく、その能力を発揮できるエイジフリーな社会を目指したい」と語った。
「仕事と家庭の両立支援法案」を国会に提出
民主党は17日、「仕事と家庭の両立支援法案」(労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための育児休業、介護休業等に関する法律案)を衆院に提出した。
民主党は01年に同法案を政府の育児介護休業法案の対案として提出したが、今国会の労基法改正に伴い、有期雇用期間の上限が1年から3年(専門職の場合3年から5年)に延長されたため、契約社員など有期雇用の労働者も育児・介護休業を取得できるよう変更、再提出したもの。具体的には原則、契約開始6カ月後、契約終了まで6カ月を残して職場復帰できることを前提に、有期雇用労働者も育児休業等を取得できることとしている。法案提出者の水島広子衆院議員は提出後の会見で、「民主党案は子の看護休暇の制度化、男性の育児休業取得促進のためのパパ・クォータ制度など、働く親の多様なニーズに応える内容となっている」と強調した。
イラク治安情勢悪化踏まえ陸自派遣中止決断迫る
イラク特措法案を審議している参議院外交防衛委員会で17日、民主党・新緑風会から齋藤勁、榛葉賀津也の両議員が質問した。
齋藤議員は、米軍の開戦以来の戦死者数が湾岸戦争と並び、米軍司令官も組織的なゲリラ戦の存在を認めるなど、現地の治安情勢が著しく悪化していることから、「千歩譲って、この法案が多数決で成立したとしても、政府の判断で陸上自衛隊の派遣を見送ることを明言すべきだ」と提言。福田官房長官も、治安情勢悪化を認めた。
続いて榛葉議員は、政府の戦闘行為の定義中の「国又は国に準ずる者」の認定をめぐり石破防衛庁長官に質問。長官は断定的な答弁を回避しながら、最終判断は防衛庁長官が行うとした。榛葉議員は、見極めが情報によって左右される危うさを指摘し、「脆い組み立てのわかりにくい法案は、原点に返って見直すべき」と断じた。《民主党ニュース》