平成1989日目
1994/06/19
この日のできごと(何の日)
【米・カーター元大統領】米政権に訪朝報告
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問、金日成主席と会談して帰国したカーター元米大統領は19日、ホワイトハウスでレーク大統領補佐官(国家「安全保障問題担当)らに訪朝結果について報告した。 クリントン政権は、北朝鮮側が伝えてきた意向をカーター氏から詳しく聞いた上で分析し、週明けにもニューヨークで開く米朝非公式折衝でさらに北朝鮮側の真意を確認、米朝高官協議第三ラウンド開催に踏み切るかどうかを決定することになる。
マイヤーズ大統領報道官は18日に出した声明で、カーター氏の訪朝の結果、北朝鮮には高官協議再開の条件となる核開発凍結を履行する「可能性がある」と表明。北朝鮮側の意向が、非公式折衝など外交ルートを通じて「明確に確認されれば、米政府は高官協議第三ラウンドに入る用意があるし、そうなることを望む」と表明した。
また北朝鮮側がカーター氏に示した①国際原子力機関(IAEA)査察官の残留と監視施設の現状維持の保証②黒鉛炉から軽水炉へ転換する希望③核拡散防止条約(NPT)への完全復帰と特別査察を含むIAEAの査察受け入れ用意ーなどに留意すると、あらためて述べた。 しかし、国連安保理での対北朝鮮制裁決議の協議について声明は、協議を続けるという米政府の方針に「変わりははない」と強調している。
声明は、北朝鮮が拒否してきた寧辺の未申告の2施設に対する「特別査察」受け入れも表明しているという米政府の認識も示したが、金主席が提案したという南北首脳会談開催については全く触れていない。
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朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌放送や朝鮮中央通信は19日夜現在、カーター元米大統領が仲介する形で浮上した韓国と北朝鮮の南北首脳会談問題について、何の報道もしていない。 北朝鮮のマスコミはカーター元大統領の北朝鮮滞在中、16日の金永南外相主催の夕食会でのあいさつを速報するなどした。しかし、カーター氏が韓国側に戻る直前に板門店の北朝鮮側地域で行った記者会見を最後に、元大統領の訪朝関連ニュースは報じていない。《共同通信》
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【柿沢弘治外相】日朝交渉再開なら支援も
柿沢外相は19日午前のNHK討論番組で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金日成主席が核開発を凍結する前提の一つとして軽水炉への転換支援を挙げていることについて「日朝国交正常化のプロセスの中で議論されるなら、建設的な役割を果たしたい」と述べ、中断している日朝国交正常化交渉を再開する中で資金協力などを検討する考えを表明した。
同時に外相は「過去の問題を含め核開発疑惑が国際原子力機関(IAEA)の保障措置の中できちっと検証される仕組みができるのが話し合いの大前提と思う」と北朝鮮の特別査察受け入れが不可欠との考えを強調。「米朝が話し合いをして、最後には日本にも協力してほしいと一方的に言われるのでは国民を説得できない」と述べ、過去の原子炉運転歴を不問に付さないよう米政府に求めた。
日朝交渉再開の可能性については「常に窓口は開いている。再開のための非公式会談にも応じる」と北朝鮮側の柔軟姿勢への転換を促した。《共同通信》
【社会党・野坂浩賢国対委員長】総辞職後の首相は交代
社会党の野坂国対委員長は19日のフジテレビの番組で、政権復帰構想に関し「社会党としては、羽田内閣に自主的総辞職を求めている。国民に分かりやすい政治からすると、首相が代わるのが常識的だ。(総辞職後の首相も)羽田氏でいいという人もいるが、それでは内閣大改造になる」と述べ、総辞職後の新たな連立政権での羽田氏の続投に反対する考えをあらためて示した。《共同通信》
【福岡県警】覚せい剤152キロ押収、末端価格260億円
福岡県警は海上保安庁などと共同で19日、鹿児島県大島郡大和村(奄美大島)の岸壁に停泊中の漁船から覚せい剤約152キロ(末端価格約260億円相当)を押収した。覚せい剤取締法違反(営利目的所持)の現行犯で、船に乗っていた指定暴力団幹部A(41)ら5容疑者を逮捕、組事務所など関係十数カ所を捜索した。警察庁によると、覚せい剤の一度の押収量としては昭和62年の福岡県警の253キロに次いで史上2番目。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】ロッキーの自然を満喫
米国訪問中の天皇、皇后両陛下は19日午前(日本時間20日未明)、ロングモント市の宿泊先から車でロッキーマウンテン国立公園に出掛け、雄大な自然を満喫された。
陛下は緑のジャケット、皇后さまは白いブラウス、グレーのスラックスに白いスニーカー姿。途中、何度も車を降り、皇后さまは登みきった空気を深呼吸。公一園職員のジーン・マンチラスさんから高山植物について説明を受けた。
羊がよく見掛けられるというシープレークで陛下は、双眼鏡とカメラを取りに車に引き返し、池の野鳥を観察したり、花を見る皇后さまを撮影したり。お二人ともすっかりリラックスした様子を見せていた。
約2500メートルの高度まで車で上られたが、高くなるにつれ雷が鳴り、小豆大のひょうが降る荒天に。公園内のホテルでの昼食会で、ホーマー・ラウス管理局長が「先ほどの雷で、山火事が発生しています」と説明すると、陛下は「災害が起きなければいいですが」と心配されていたという。
この日は休養を兼ねてゆっくりと過ごし、20日午後(日本時間21日早朝)、次の訪問地ロサンゼルスに向かわれる。《共同通信》