平成6003日目
2005/06/15
この日のできごと(何の日)
【日本ハム・ダルビッシュ有投手】プロ初登板、初白星
広島2−8日本ハム◇15日◇札幌ドーム
プロ野球新時代を担うニューヒーローが誕生した。日本ハムのダルビッシュ有投手(18)が、連続被弾し惜しくも9回途中に降板したが、広島相手に9安打2失点で初登板初勝利を飾った。高卒ルーキーとしては、99年の西武松坂以来12人目となる快挙だ。故障で出遅れ、喫煙問題で謹慎処分を受け、華やかな甲子園時代とは一変した厳しい道のりだったが、「尊敬されるプロ野球選手に」の誓いを込めて、116球を投げ抜いた。改革元年の目玉であるセ・パ交流戦の最終カードで、堂々のデビューを果たした。《日刊スポーツ》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【デビルレイズ・野茂英雄投手】日米通算200勝
大リーグ、デビルレイズの野茂英雄投手(36)が15日(日本時間16日)、米フロリダ州セントピーターズバーグで行われたブルワーズ戦に先発登板し、7回を投げて4安打2四球、2奪三振で2失点と好投。今季4勝目(6敗)を挙げ、日米通算200勝を達成した。
野茂は日本のプロ野球パシフィック・リーグの近鉄に90年から94年まで在籍して78勝をマーク。95年から大リーグに移って通算122勝をマークした。大台まであと4勝で今季スタートした野茂は、5月26日のアスレチックス戦で3勝目を挙げ、200勝に王手をかけたものの、その後、3試合連続して白星を逃していた。《朝日新聞》
【小泉純一郎首相】「任期が来れば辞める」
小泉純一郎首相は15日の衆院郵政民営化特別委員会で、自らの進退に関し「来年9月の(自民党)総裁任期が来れば、即座に首相を辞める」と明言した。
後継首相の郵政民営化に対する姿勢については「私の後の政権が『国営がいい』ということで国民の支持が得られると思っていない。抵抗勢力が政権の座に就くとは思えない」と述べ、民営化反対派をけん制した。《共同通信》
【この日の民主党】
竹中担当相不信任決議案提出を見極めたい 鉢呂委員長が会見で
鉢呂吉雄国会対策委員長は15日午前、国会内での共産・社民両党との国対委員長会談終了後に記者会見し、会談の経過や、郵政民営化関連法案の審議について報告した。
会談の冒頭、衆院郵政民営化に関する特別委員会の質疑時間の割り当てについて、共産党より指摘があって意見を交換したが物別れに終わり、共産党は退席。鉢呂国対委員長は、今後の国会対応のあり方に関して民主党と社民党で協議し、郵政民営化関連法案が「重要なところで答弁が二転三転」し、「法案自体の問題点も明らかになっている」ため、「当初どおり、法案については反対し、廃案にすべきであると強く主張する」こと、会期延長問題については、「19日をもって閉じるべきで、採決には反対する」との共通の考えに立ったと語った。
鉢呂国対委員長は、本日の郵政民営化特別委員会では、郵政民営化問題に関する折込みチラシの随意契約発注と竹中郵政民営化担当相の関与について、厳しく迫っていきたいと述べた。また、記者の質問に答えて、自民党内の郵政民営化反対派への会期延長反対の働きかけ、竹中担当相の不信任決議案提出に関しては、特別委員会の経過や推移を見極めて対処したいとの認識を示した。
[衆院郵政特]海江田議員、民営化後の姿、秘書官口利き疑惑等質す
衆議院郵政民営化に関する特別委員会で15日、郵政民営化関連法案に関する質疑が行われ、民主党・無所属クラブの海江田万里議員がまず質問に立ち、民営化後の郵便料金や金融サービスの実態、郵政民営化をPRする1億5000万円の政府広報をめぐる問題等について、小泉首相はじめ竹中平蔵郵政民営化担当相に質した。
海江田議員は冒頭、世論調査をもとに、「郵政民営化法案に納得できない」「今国会での成立を目指すのではなく、慎重に審議すべき」と国民意見が大多数を占めている実態を提示。年金や対北朝鮮問題など、優先すべき課題がある中、郵政民営化関連法案に血道を上げる小泉内閣の政治姿勢に苦言を呈した。その上で海江田議員は、年金改革両院合同会議の開催回数や議論内容を質したが、首相は「国会の運営についてとやかく言う立場にない。中身までは聞いていない、概要だけは分かっている」などと答弁。政府が強行採決する形で年金制度改革関連法が成立したが、年金納付率も改善されず、将来の年金不安が払拭できない状況にあっては、抜本改革が不可欠であることを海江田議員は改めて指摘した。
郵政問題をめぐってはまず、民営化後の郵便料金について質問。3日の同委員会で小泉首相は、「競争があるから値上げは難しい」と述べたのに対し、竹中担当相は、「生産性を上げないと値段に跳ね返る」と答弁し、認識の不一致が見られた点を質した。首相は予測の断定はできないなどと前置きした上で、「競争によってどういう価格を国民が欲しているか、どのような安い料金にしてより多くのサービスを展開できるか、収益を確保できるかいうのはまさに経営者の判断」などと答弁し、明確な方向性の提示を避けた。
海江田議員はまた、ATM手数料や振込み手数料等が無料である郵便局の現行の金融サービスは低所得者等にとって拠り所だとの認識を示し、「預貯金額が低い人に対し、金利は低い、手数料もいただく民間の金融機関と同じになることを総理はよしとするのか」と追及。首相は「民主主義、自由の時代ですから国民は多様性を重んじる。多様性を展開できる制度をつくることが政治として重要」と述べ、弱者切捨てとも言われかねない姿勢を露呈した。
続いて海江田万里議員は、同委員会審議を通じてこの間きわめて問題視されている、郵政民営化をPRする1億5000万円の政府広報をめぐり、竹中担当相の秘書官の友人の会社が随意契約で受注した問題を提示。背景に秘書官の口利きがあったのではないかと追及した。海江田議員は、高額な広報であるにもかかわらず、随意契約だったことは極めて不自然であることを挙げ、「入札するのは当然だ」と批判。その関係性を質した。竹中担当相は「秘書官に確認したところ、(受注業者と)面識はあるが、何も利害関係はない」と強調。重ねての質問にも同様の答弁を繰り返すだけだった。
そうした答弁を受けて海江田議員は、事実解明に向け、昨年12月27日時点での竹中担当相と秘書官との打ち合わせを経て、同日中に秘書官が友人である受注業者に連絡。翌28日早朝、内閣官房参事官に送られたとされる同受注業者からの連絡メールの有無を確認した。林大臣官房政府広報室長は「承知していない」とする答弁を繰り返し、審議は中断。海江田議員は調査した上で明示するよう、委員長に要請した。
[衆院郵政特]安住議員、首相の大雑把な現状認識を白日の下に晒す
15日午後、衆議院郵政民営化に関する特別委員会において、安住淳衆院議員が質問に立ち、小泉首相が大雑把な現状認識で郵政民営化を判断している現状を明らかにし、郵政民営化の危うさを明確にした。
冒頭に安住議員は、自らが総務委員会の筆頭理事として体験した郵政事業の公社化の経緯を踏まえて、民営化法案は「スジの悪い法案」だと指摘し、これに対して首相は、「与党の中からも反対があり、野党も反対しているが、良い法案だ」と強弁したが、与党席からも拍手はほとんどなかった。
安住議員は、中央省庁改革基本法第33条1項6号において、「民営化等の見直しは行わない」としている点を改正せずに民営化を行うことは、法律の継続性から見て理屈が通らないと指摘したが、首相は、「法律解釈は専門家に聞くべきで、政治家同士では政治論をすべきだ」と述べ、最後は答弁を読み上げる紋切り型の答弁に終始した。また安住議員は、首相は任期内の民営化を果たすため、システム統合等が無理であるにもかかわらず拙速に法案を提出していること、後任首相が郵政事業を再び公社化する法案が提出される可能性を否定できないことを指摘したが、首相は開き直った答弁で応じた。
続いて安住議員は、民営化後の収益試算を取り上げ、国際物流、貸付、生保、コンビニなどの各事業の予想収益が現実の企業と比べて非現実的であると鋭く指摘したが、竹中民営化担当相は、専門家からのヒアリングを踏まえた試算であり問題ないと強弁した。
ここで安住議員は、わが国の郵便事業の開祖である前島密が民営化を美化するキャラクターとなっている、「あすなろ村の郵便局」と題する自民党の武部幹事長の指示でつくられたとされる紙芝居を取り上げ、その出鱈目さをつぶさに指摘した。そして逆に、「あすなろ村の惨劇」と題する紙芝居を用いて、民営化のもたらす暗黒の未来を提示した。これに対して首相は、「悲観論からは未来への挑戦はない」とうそぶく答弁を行った。
安住議員は最後に、窓口会社が銀行の代理店ともなれることから見ても郵政事業の一体的運営は失われると指摘し、国民の声を聞いた政治をすべきだと訴えて、質問を終了した。
[衆院郵政特]原口議員、独禁法抵触問題、特別送達問題など質す
15日に開かれた衆議院郵政民営化に関する特別委員会の質疑で、安住淳衆院議員に続いて、原口一博衆院議員が質問に立った。
原口議員は冒頭、「郵政事業は国民の大切なインフラだ」と前置きした上で、会計検査院の報告書で5000億円もの無駄遣いなどが指摘されていることを取り上げ、こうした問題を放置したまま、「優等生の郵政を民営化するその理屈が分からない」と厳しい口調で指摘。続いて、郵政民営化法案提出の翌日に、公正取引委員会から独占禁止法第9条に抵触している恐れがあると指摘されていることを挙げて、「本当にこんな法律のつくり方でいいのか」などと質した。この、「25%条項に引っかかる」問題に対して小泉首相は、「民間と同一条件だから金融庁の監督下に入る」などと答弁し、竹島公取委員長も、「都市銀行と同等の影響力を持っているか、その時点で判断することになる」などとしたため、原口議員は、「こんな無責任な話があるか」と厳しく批判した。
更に、35兆円と言われる民営化後の貸し出し額一つをとっても、「後で確認させます、あれは違いました」と繰り返す政府側の不誠実な答弁姿勢についても原口議員は批判した。原口議員は、特別送達についても言及し、「民でできないことまで民にさせようとしているのではないか」と疑義を呈した上で、「特別送達を本当に民ができるのか」、みなし公務員の問題も含めて質した。特別送達が「裁判手続き上、重要な意味を有している」と南野法相は答弁する一方、竹中郵政民営化担当相は、単純な質問にも延々と原稿を棒読み。その上、小泉首相は、「民間でできないものに対しては公務員並みの資格を与えようということで事足りる」「ほとんど民間人になってもらう」などとしたため、原口議員は、「配達した人もみなし公務員だ」と指摘。「私の答弁をよく調べて欲しい。矛盾していない」などと総理が強弁を続けたため、審議は中断した。
再開後、配達する人はみなし公務員でごく少数だなどと首相は繰り返し、原口議員は、特別送達を「特別送達を運ぶ人たち、みなし公務員がストを起こした時、誰が配るのか」と逆に尋ね、「司法の根幹に関わることだ」とした。小泉首相はこれに対し、「法律的にどうしても必要なもの、民間でできないものに対してはそれなりの措置を考える。しかし、民間にできるものはほとんど民間人になってもらう。きわめて分かりやすい答弁だと思う」と、早口で、分かりにくい答弁をまくし立てた。続いて竹中担当相が答弁し、「突然混乱が生じる恐れはない」「事前の準備が可能だ」と具体性のない答えに終始。特別送達が1日あたり1万通前後に上ることを原口議員は指摘し、「誰がどうやって配るのか」を再度尋ねたが、「協力してしっかりした体制をとる」というその中身は全く明らかにされないまま。
4200万ステップのうち1700万ステップしか暫定的にでも準備が整わないことを生田総裁が明らかにしたシステム開発の問題や、「結局何のことだか分からない、これが答えだ」と断じた株の連続的保有の問題、財投債の問題などについても、原口議員は鋭く首相をはじめ関係閣僚を追及。最後に、小泉首相に対して、「一刻も早い退陣を」、そうでなければ「解散して国民に信を問う」べきだとして、質問を締めくくった。
[衆院郵政特]辻議員、郵政民営化広報の随意契約の不透明さを追及
衆議院郵政民営化に関する特別委員会は15日も質疑を続行し、民主党・無所属クラブからは午前中の海江田万里衆院議員に続いて、午後の一番手として辻惠衆院議員が質問を行った。郵政民営化に関する政府広報の随意契約の不透明さを追及し続けている辻議員の質疑はこれで3日連続となる。
辻議員は、1500万部の折り込みチラシとして全国に配布された「郵政民営化ってそうだったんだ通信」などと題する政府広報の問題に絞って厳しく議論を展開した。「嘘偽りのない姿勢で審議が行われるか確認する意味でも重要」だとした辻議員は、「公正な競争をしていくことが色々な意味で重要」と言う竹中郵政民営化担当相に対し、「問題は、このチラシについて随意契約が行われたこと」だと指摘。従業員2名、設立されたばかりの有限会社、スリード社に、緊急性を要するとして1億5千万円もの随意契約を行った、その理由を尋ねた。
竹中担当相は、「大臣としてつぶさに承知しているわけではない」などとしたため、辻議員は、会計法において、政府が支出をして色々な契約を結ぶ場合、160万円以上のものについては一般競争入札が原則とされていることを指摘し、竹中担当相が事務方から「どういう説明を受け、どういう認識を持っているか」を質した。竹中担当相は、「決裁権者ではない」「(説明が)全くなかったかどうか記憶にない」などとした。
辻議員は、契約の責任者だという林大臣官房政府広報室長に対し、「随意契約をする必然性があったのか」と問題点を明示し、この随意契約に関し今日出された政府の回答文書と林室長の昨日までの郵政特での答弁が、全く異なっていることを厳しく指摘した。つまり、見積もりの提出日は2004年12月28日から2005年1月12日に、契約の締結日は12月28日から1月12日またはそれ以降に、などと議論の前提が完全に崩れている。ここで政府側は答弁を求められてもいない西川内閣府副大臣が突然答弁を始め、「事務手続きに日数を要したため」「やむを得ないこと」などとしたため、質疑は中断した。
その後、改めて答弁に立った林室長も、同様の答弁にならない「答弁」を繰り返したため、辻議員は、「議事の混乱を生ずるような妨害行為を止めるよう」厳しく求め、虚偽答弁を行った理由を再び質した。林室長は、(2004年12月)28日に「実質的な契約合意ができた」などと繰り返し、「見積書を28日に受け取って検討したと、昨日答弁している」ことを辻議員は指摘。見積もりの提出が翌年の1月とする回答と完全に食い違っており、質疑は中断。その後、林室長が、事実を指摘している辻議員に対し、「誤解があったとしたらお詫びする」などと不誠実な答弁をしたため、「誤解などではない」と辻議員は断じ、質疑は再々中断した。
1月6日までに紙の手配をしなければならないので28日に緊急に随意契約をした、とされる問題や、この問題に関して、「随意契約でやれと(竹中)大臣の意向」が働いたとされる問題についても、辻議員は厳しく関係者を追及。竹中担当相は、「そういう細かいことについて私が指示をした覚えはない」などとし、小泉首相も、「適正にやっていただければいい」などとまるで他人事のような答え。
辻議員は、これらの「不誠実な」「木で鼻をくくったような答弁」を「きわめて遺憾」だと厳しく断じ、「国民の皆さんに、しっかり説明する意欲と見識を持っているか、きわめて疑わしい」として、これを「強く弾劾する」と宣言し、質問を締めくくった。
郵政民営化法案廃案改めて誓う 仙谷由人政調会長が都内の集会で
郵便局で働く労働者の組合でつくる「郵政事業に関する労組政策協議会」が開いた「郵政民営化法案の廃案・否決をめざす6・15緊急集会」が15日夕、都内で開かれ、民主党を代表して仙谷由人政策調査会長が、廃案に向けて熱い連帯の決意を表明した。
仙谷政調会長は、「質問に対してまともな答えは、小泉首相、竹中担当大臣からはない。彼らが言うビジネスモデルは机上の空論、空論の漫画でしかない。本日の質疑でも、小泉さんは独占禁止法9条を全く理解していなかった。こんな質疑で国民の汗と涙で築かれた350兆円の財産を危険さらすわけにはいかない。そのことを思うと夜も眠れない。民営化がうまくいくとは思わないが、もしうまくいけば地域は、ぺんぺん草も生えない山野になる。天を恐れぬ所業だと思う。皆さんと連携をとりながら、廃案にするようがんばる」などと、改めて廃案への決意を表明した。
続いて中井洽副代表(衆議院郵政民営化に関する特別委員会筆頭理事)と、伊藤忠治衆院議員(日本郵政公社を発展させる民主党議員の会会長)が、国会の審議状況について報告した。中井副代表は、「徹底的に審議し、この法案はだめだということを明らかにして、廃案にしたい。法案を出してから、各省庁すり合わせをしている。こんなことは初めて。公正取引委員会から注意を受け、独占禁止法9条に関して、解釈を変えている。加藤寛委員会が、郵政のシステム開発が間に合わないと報告したことが、原口議員の質問で明らかになった」などと、法案の欠陥を指摘。伊藤議員も、「竹中担当大臣の疑惑を追及している。1500万枚の新聞折込チラシ、金額は1億5000万円。会計法には競争入札に、とある。これをなぜか随意契約とした」と昨日来の質疑の一部を紹介。口々に廃案への決意を表明した。
また、来賓として挨拶した笹森清連合会長は、この法案が憲法違反、公社法違反であるとして、自ら訴訟の原告団の一員となることを明らかにし、廃案への決意を示した。
この日の集会には、仙谷政調会長・中井副代表・伊藤議員以外にも民主党の議員約60人が参加したほか、約550人が結集し、法案の廃案を誓い合った。
JR福知山線運転再開に向け、事故対策本部第3回会議開く
民主党JR福知山線事故対策本部は15日、国会内で第3回会議を開催。列車脱線事故に関する調査結果および運転再開へ向けた進捗状況等について、航空・鉄道事故調査委員会および国土交通省にヒアリングを行い、意見交換した。
冒頭、対策本部長の菅直人『次の内閣』ネクスト国土交通相は「事故から49日も過ぎたので改めてご冥福を祈りたい」と述べ、犠牲者の冥福を祈って一同で黙祷を捧げてから挨拶した。菅本部長は運転再開が目前に迫る中、ヒアリングで事故調査結果等を確認するとともに安全対策にむけた今後の取り組みを検証したいと語った。
航空・鉄道事故調査委員会からは13日から16日までの間、事故列車の車両モニター及びATS-P記録部(破損していて使用不可能なものを除く)を搭載した試験列車を尼崎~宝塚駅間走らせ、残された記録を補正し、事故列車の位置、速度等を正確に把握するため、必要データを採取しているとの報告があった。
また、国土交通省からは「第1回公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会」が14日に開催されたことや、運転再開後の最高速度に関して従来の時速120キロだったものを95キロとし、現地曲線制度速度も60キロとしたこと等が報告された。安定した列車運行を確保するため、所要時間・停車時間等の見直しも行われ、宝塚~尼崎駅間で朝通勤時間帯の平均所要時分を1分44秒長めに設定するなど、「弾力性のあるダイヤ設定とした」との資料も示された。
そうした報告後の質疑では事故列車のATS-P記録部等に残されたデータ開示の有無を確認。航空・鉄道事故調査委員会側は「(ATS-P記録部に)誤動作も入っている可能性があるので、走行試験を経て得た情報と照らし合わせる必要がある」と述べたが、中間取りまとめとして公表する可能性もあると語った。
また、運転手に与えた精神的プレッシャーは計り知れないとの意見も出され、運転再開に当たっては運転手一人ひとりの精神状況をチェックする必要性を指摘。新型ATS-P導入に当たって運転手全員が運転席で新型になれるまで訓練を積む必要性、乗客や運転手などを含めた関係者に対する心のケア体制整備の必要性、なども指摘された。
更に、明確な原因究明がなされていない現段階にあって、19日からの運転再開を許可した国土交通省に対し、その判断基準を確認。国土交通省は許可条件として示した(1)新型ATS-Pの設置(2)ダイヤの緩和の2条件をJR西日本側がクリアしたことによると回答。運転再開してから1週間後、1カ月後に行う監査で安全状況を確認していくことも明らかにした。
こうした回答を受けて民主党JR福知山線事故対策本部は、安全確保に向け、事故調査分析と安全指導を引き続き行うよう強く要請した。《民主党ニュース》