平成1983日目
1994/06/13
この日のできごと(何の日)
【天皇陛下】ホワイトハウスでお言葉
クリントン政権初の国賓として米国訪問中の天皇、皇后両陛下は13日午前(日本時間同日午後)、ワシントンのホワイトハウス南庭で開かれた歓迎式典に臨まれた。スピーチに立った天皇陛下は「両国は戦争による悲しむべき断絶を乗り越え」と太平洋戦争の歴史に触れた上で「平和な交流が長く保たれ、大平洋が真に『平和の海』となることを切に希望します」と、アジア・太平洋地域の未来に向けた両国の関係強化を訴えられた。
また陛下は「半世紀にわたり、わが国の安全と世界の平和を確保するためにかけがえのない多割を果たしてきたことを忘れません」と米国の安全保障面での役割も評価された。
ホワイトハウスではクリントン大統領夫妻が出迎えた。両陛下と大統領は昨年7月の先進国首脳会議(東京サミット)以来、11カ月ぶりの再会。南庭には過去の式典で最高クラスの約3500人の招待者が詰め掛けた。
天皇陛下が大統領と共にお立ち台に上がると、21発の礼砲が鳴り、君が代、米国国家が吹奏された。続いて陸海空軍などの儀じょう兵の栄誉礼を受けられた。
まずクリントン大統領が歓迎のあいさつ。日系米人や日本文化の米国社会への貢献を指摘しながら「両国の共通の理想に対する決意は揺るぎない。力を合わせて努力していく決心は強固です」と共同歩調の必要性を強調した。続いて陛下がお言葉を述べられると、英語訳で随時紹介された。
陛下、大統領ともに戦後の日米の懸け橋となった功労者として元駐日大使のライシャワー氏に言及した。
両陛下がこの後、ホワイトハウス内のグリーンルームで大統領夫妻と会見。午後にはアーリントン墓地で献花した後、ホワイトハウスのローズガーデンで大統領夫妻主催の歓迎晩さん会に臨まれる。《共同通信》
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【北朝鮮】IAEAを脱退を宣言
朝鮮中央通信によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外務省スポークスマンは13日声明を発表し、北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)から即時脱退すると宣言した。 この声明はIAEAが10日の定例理事会で、北朝鮮に対する技術協力の中止などIAEA独自の制裁措置を決議したことに対する態度表明で、北朝鮮がこうした強硬路線を決定したことで、北朝鮮の核問題はさらに新しい局面に入った。
声明は①IAEAから即時脱退する②北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)脱退を留保している「特殊な地位」の下で受けてきた保障措置の継続性保証のための査察をこれ以上できなくなったことを宣言する③「制裁」はすなわち北朝鮮に対する宣戦布告と見なすという立場を再確認する―としている。
カーター元米大統領が15日に平壌入りする直前の時点で、北朝鮮が強硬姿勢を示したことは、問題解決をさらに困難にすることになった。 北朝鮮のこうした強硬姿勢は国連制裁問題などにも一影響を与えるとみられ、国連安全保障理事会が制裁を決めた場合には、北朝鮮がNPTも即時脱退する可能一性を内外に示す警告的な意味があると言える。
声明は、北朝鮮がこうした措置を取った理由としてIAEAがわれわれに対する不当な制裁を加え、さらにわが方の軍事対象物までも侵入しようと策動しているのに対処した」として、IAEAの独自制裁や特別査察要求に激しく反発している。《共同通信》
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国際原子力機関(IAEA)報道官によると、13日タ(日本時間同日深夜)現在、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からIAEA脱退の通知は届いていない。報道官によると、寧辺の実験用原子炉の燃料棒交換作業に立ち会っている2人のIAEA査察官から13日、通常通り立ち会いを続けているとの報告が入った。一方、北朝鮮の在オーストリア大使館当局者は同日、本国からIAEAからの脱退の方針は聞いていないと述べた。《共同通信》
【羽田孜首相】多国籍軍後方支援は非軍事に限定
参院予算委員会は13日、1994年度予算案に対する総括質疑を続行。羽田首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発疑惑も念頭に、国連軍や多国籍軍などに対する日本の後方支援に関連して「医療や戦争終結後の掃海作業などはできるが、軍事的行動と一体となったものは非常に難しい」と述べ、参加可能な支援は非軍事的な行動に限定されるとの考えを示した。《共同通信》
【日銀・三重野康総裁】景気回復基調に入る
三重野日銀総裁は13日午後の参院予算委員会で、景気の現状と見通しについて「下げ止まりから一歩進んで回復に向け歩き出した可能性が高い」と述べ、景気は後退局面を脱し回復基調に入ったとの見解を初めて公式に明らかにした。
これまで総裁は「回復への何がしかの変化が見られる」などと慎重な発言に終始してきたが、先の日銀の企業短期経済観測調査(日銀短観)で企業の景況感が5年ぶりに改善したことを踏まえて、一歩踏み込んだ発言に至ったとみられる。
総裁は同時に「本物になるには設備投資の盛り返し一が必要」とも述べ、景気を回復の本格軌道に乗せるには低調な設備投資の盛り上がりが重要であることも強調した。牛島正議員(公明党)の質問に答えた。《共同通信》
【政界談話室】
○…羽田首相は13日の参院予算委員会で、23日の沖縄全戦没者追悼式について、地元選出で二院クラブの喜屋武真栄氏から「23日は沖縄だけの休日だが、平和と民主主義の徹底に努力すべきだ。首相も出席しては」と促され「私も閣僚の時は参加してきた」と、出席の気持ちをにじませつつも「23日は予算委員会が最盛期で…」とちゅうちょ。だが、すかさず野党自民党理事から「予算は22日までに上げましょう」との声が掛かり、喜屋武氏もタイミングよく「では、沖縄でまた会いましょう」と、一方的に首相の出席を確認?
○…この日、自民党の政策集団「グループ・新世紀」代表の加藤元官房長官が日本記者クラブで会見し、自民党が政権を手放したことについて「金丸(前自民党副総裁)家の金の延べ棒のたたりから生じたもので、下野という報いを受けるのは仕方がなかった」と金権体質を反省。「お年寄りが支配している自民党の世代交代を進めるというのが、新世紀のやらねばならない課題だ」と強調。河野自民党総裁を支える宮澤派に所属しながら新たな政策集団形成に対する派内の批判を意識してか、新世紀発足が金権体質脱皮と自民党再生のためと言いたげだった。《共同通信》