平成514日目
1990/06/05
この日のできごと(何の日)
【JR西日本・金沢駅】高架開業
石川県やJR西日本などが進めていたJR金沢駅の高架化が完了、5日から新駅舎での営業を始めた。高架化は金沢駅周辺の立体交差事業の一環として昭和53年に認可。約470億円を投じ石川国体(平成3年開催)を前に進められてきたもので、金沢駅を中心に2.75キロが高架化される。
5日午前2時すぎには、一番列車の大阪発新潟行きの寝台特急「つるぎ」が到着。午前5時から新駅舎での改札業務が始まった。《共同通信》
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JR金沢駅付近連続立体交差事業は5日、開通式を迎えた。線路で分かれていた東西の金沢市街地が平面でつながり、高架上に新装なった金沢駅が開業した。
構想から36年、昭和53年の事業着手から12年ぶりの待望久しい鉄道高架化の実現であり、新駅舎は国際都市を志向する金沢の新たな顔となり、周辺の再開発事業にも一段と弾みがつくとみられる。
同事業は石川国体前の来年3月に予定される残る上り貨物線の高架化に向けて最後の仕上げの段階に入る。
午前9時40分からJR金沢駅コンコースで行われた修ばつ式には中西知事や江川金沢市長、JR西日本金沢支社幹部ら約80人が出席して行われ、関係機関の代表者がそれぞれ玉ぐしをささげた。
続く一番ホームでの発車式では草木陽一JR西日本常務・鉄道本部長が「金沢駅付近は長年の宿願であった道路と鉄道が一体化され、安全な鉄道に生まれ変わった。今後も県都・金沢の顔としてより多くの人に親しんでいただける一駅に育てていきたい」とあいさつした。
中西知事が「都市交通体系の整備が見事に出来上がり、将来に向けて大きな発展の核として感慨に堪えない」と述べた。《北國新聞》
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【カンボジア東京会議】武力抑制で一致
カンボジア和平に関する東京会議は5日午後7時12分から、東京・元赤坂の迎賓館で、カンボジア国民政府のシアヌーク殿下とヘン・サムリン政権のフン・セン首相の間で正式会談を再開、「武力行使の自発的抑制を緊急に実施する必要」をうたった共同声明内容で合意し、東京会議共同声明に調印、閉幕した。
調印式に立ち会った中山外相は「日本とタイの協力で具体的成果のある声明を得られた」と共同声明を高く評価するとともに、紛争各派の自発的意思で停戦に結びつく合意がなされたことは「画期的」と述べた。《共同通信》
【政府】ソ連の出方探る
政府は5日、ゴルバチョフ・ソ連大統領の米スタンフォード大での演説について「特に論評する具体的内容は含まれていない」(外務省筋)としているが①アジア・太平洋地域での軍縮に言及している②日本、韓国を学ぶべき手本として名指ししているなど今後アジア・太平洋地域で緊張緩和に向けた政策を打ち出してくる布石との見方を示している。
ゴルバチョフ大統領が米ソ首脳会談で北方領土問題をめぐり論議、盧泰愚韓国大統領との韓ソ首脳会談で朝鮮半島の安定化で意見交換するなど新たな動きが出ていることから、政府は「ソ連が本気でアジアにも欧州の変化を及ぼそうとしているか見極めたい」(外務省)と情報収集に努めている。
「ソ連の対日政策に変化の兆し」との期待がある一方で、「ソ連は北方領土問題でどのようなカードを切ってくるか依然として不透明だ」(外務省筋)と警戒心も捨てていない。《共同通信》
【政界メモ】早慶戦・閣議編の勝負は
◯…5日の閣議前、話題は15シーズンぶりに早大が優勝した東京六大学野球で持ち切り。早大出身の海部首相が「(西原)総長から“帽子をかぶって(ちょうちん行列で)行進した”と電話があったよ」と口火を切り、隣に座る慶応OB、橋本蔵相の肩をひとたたき。
「きのうは(慶応の劣勢で)予算委の答弁もめちゃくちゃに:なった」と漏らしていた蔵相、「きょうは、早稲田の顔は見たくない」と、母校意識丸出しの“早慶戦閣議編”。首相は「慶応の心中も思いやってあげてるんだ」と気配りも見せたが、いつにないはしゃぎぶりだった。
○…消費税の廃止か見直しかをめぐって、いよいよ来週から衆院税制特別委で与野党が激突する。5日、記者会見した社会党の大出国対委員長は「廃止法案と見直し法案の両方ごちゃまぜはどう考えても無理がある。分けてやらねばしようがない」などと審議方法で注文。
さらに「自民党もやる気だ。相当のバッターを出してきそう。とことんまで審議するつもりのようだ」「まさに徹底審議になる。先行きは分からない」と専ら自民党の戦略分析に終始。肝心の社会党の攻め方は触れずじまいで自民党“脅威論”だけが先走り。《共同通信》
【天皇陛下】恒例のお田植え
天皇陛下は5日午後、皇居・生物学御研究所わきの水田で田植えをされた。昭和天皇を引き継いだ恒例行事だが、ことしからは陛下ご自身が昨年秋に収穫した稲の種をまき、育った苗で田植えをするなど。“平成流”、の新スタイルを打ち出された。午後2時55分、水田に到着された陛下はひじまでまくり上げたグレーの開襟シャツ、グレーのズボンに長靴姿。曇り空の下、4カ所に計20株植えられた。秋には収穫され伊勢神宮の神嘗祭(かんなめさい)に供えられる。
例年、皇居の新嘗祭(にいなめさい)に供えられていた新米は、ことしは新嘗祭に代わって天皇陛下の即位に伴う大嘗祭(だいじょうさい)が行われるため使われず、来年1月7日の昭和天皇の命日などにもちに混ぜて供えられるという。《共同通信》