平成515日目

平成2年6月6日(水)

1990/06/06

【海部俊樹首相】カンボジア・セン首相と会談

海部首相は6日午前、国会内で、カンボジア和平に関する東京会議出席で来日しているヘン・サムリン政機のフン・セン首相と会談した。会談では、セン首相が和平達成に向け、日本の協力を要請したのに対し、海部首相は全面的支援を約束した。

この日の会談は東京会議を主催した日本へのお礼のためフン・セン首相が表敬する形で行われたが、わずか10分程度の会談とはいえ、海部首相が未承認の政府指導者(日本政府はシアヌーク殿下の国民政府を承認)と会うのは極めて異例。

昨年11月に、欧州共同体(EC)の議会である欧州議会がヘン・サムリン政権の承認を求める決議案を採択するなど、西側諸国の間にヘン・サムリン政権承認の動きが広がっているが、政府は「今回の会談は承認とは別問題」(外務省筋)としている。

会談では、海部首相が「今回の会議には、タイのチャチャイ首相から協力が寄せられ、インドネシアのスハルト大統領からも激励を受けた」と述べるとともに「今回の合意が国連安保理事会、パリ国際会議につながり、包括的政治解決に向けて前進することを期待している。一層の努力を望む」と、和平達成への努力を要請した。

これに対し、フン・セン首相は「日本がカンボジア問題に心を砕いてくれていることに感謝する。共同声明の署名にこぎつけたのも、日本とタイの協力と努力があったからだということを十分認識している」と表明。さらに「今回、クメール・ルージュが参加を拒否したが、引き続き日本がタイとかしてクメール・ルージュを導いてほしい」と、協力を求めた。海部首相も「できる限りの側面協力を惜しまない」と支援を約束した。《共同通信》




【米韓首脳会談】在韓米軍さらに削減も

盧泰愚韓国大統領はブッシュ米大統領と6日午前10時(日本時間同日午後11時)からホワイトハウスで約1時間にわたって会談した。

盧泰愚大統領は会談終了後、記者団に対し、韓ソ首脳会談、米韓首脳会談を機に南北の緊張緩和が進めば、在韓米軍の一段の調整が可能だろうと語り、朝鮮半島情勢の展開次第では在韓米軍がさらに削減される可能性があるとの見解を示した。さらに、大統領は会談について「満足」一の意を表明した。

今回の米韓首脳会談は、4日に開かれた韓ソ首脳会談、その直前の米ソ首脳会談を踏まえ、二国間の懸案問題のほか、北東アジアを中心とする国際情勢について幅広く意見交換したもので、米国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係改善についても話し合われたとみられる。

盧大統領が米大統領と会談するのは就任以来3回目で、ブッシュ大統領とは昨年10月以来、2回目。ブッシュ大統領は盧泰愚大統領との会談の冒頭、記者団に対し、サンフランシスコで実現した初の韓ソ首脳会談は「重要な会談だった」と語った。

会談で盧大統領は、韓ソ首脳会談の実現を含め、この間米国政府が韓国の北方政策を支援してきたことに謝意を表明し、韓国政府の対北朝鮮政策、特に南北の緊張緩和と関係改善、米国、日本と北朝鮮との関係改善、さらには在韓米軍の段階的撤収に対する韓国側の立場などを説明し、改めて米政府の協力を要請した。

韓国政府は韓ソ首脳会談の成果を踏まえ、対話を通じた南北関係改善と、周辺諸国を加えた北東アジアの平和定着のための常設協議機構づくりの努力に一層拍車を掛ける構えだ。《共同通信》

【海部俊樹首相】シアヌーク殿下と会談

カンボジア国民政府大統領のシアヌーク殿下は6日昼、国会内に海部首相を訪ね、約20分会談した。首相は「東京会議での合意が国連安保理、パリ国際会議に向け一歩でも進むことを期待する。日本も協力するが、殿下の指導力が重要だ」と、和平達成へ一層の努力を求めた。

シアヌーク殿下はこれに対し「共同声明に署名できたのも首相はじめ日本の努力のおかげだ」とするとともに「カンボジアはベトナムと混じってはいけない。民族自決が重要だ」との考えを示した。《共同通信》

【大阪市営地下鉄・鶴見緑地線】開業後初の故障

6日午前5時20分ごろ、大阪市都島区東野田町の市営地下鉄鶴見緑地線京橋駅で、同駅発鶴見緑地行きの下り始発電車(4両編成)のブレーキか解除できない状態になり、運転不能になった。

このため、故障した電車を別の電車で推進して検車場に移すとともに、この間上り線を使って2往復を折り返し運転した。上下線計10本が運休、約600人に影響が出たが、ダイヤは午前6時半すぎ正常に戻り、混乱はなかった。《共同通信》

【自民党・渡辺美智雄元政調会長】海部首相をけん制

自民党の渡辺元政調会長は6日夕、遊説のため訪れた福岡市内のホテルで講演し、天安門事件以来凍結されている第三次対中円借款について7月の先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)を機に解除すべきだとの考えを明らかにし、海部首相の決断を強く要請した。

渡辺氏は講演で、円借款の凍結が解除されない場合は日中関係が悪化しかねないとの認識から「日本の運命を決するような話なので、海部首相には言うべきことは言ってもらわなければならない」と強調。サミット直前に予定されている日米首脳会談やサミットの場で、対中経済制裁強硬派の米国などを説得すべきだと語った。

これに関連し渡辺氏は、海部政権に対し「自民党の政権なのでわれわれの意を酌んで働いてもらう以上、任期中は命を懸けて全面的に支援していく」とする一方で、「基本的な考えが違ったり、国のためにならない場合は話は全く別だ」と述べ、首相が今回サミットで対中経済制裁の解除に動かないような場合は、海部政権に非協力の立場に転換することもあり得ると強くけん制した。《共同通信》

【韓国・盧泰愚大統領】中国との交流強化へ

韓国の盧泰愚大統領は6日、ホワイトハウスで行われた米韓首脳会談の後、韓国人記者団を昼食会に招いて会見し「中国との交流がわれわれの避けられない課題だ。中国も韓ソ首脳会談に衝撃を受けるだろうが、世界の流れには逆行できないだろう」と述べ、韓国政府が韓ソ、米韓両首脳会談の成果を踏まえ、中国とも関係改善に向け全力を挙げる意向を表明した。

また大統領は、米朝関係についてブッシュ大統領が米韓首脳会談の中で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係改善への意欲を強調したことを明らかにした。

韓国政府は中国とは、ことし9月の北京アジア大会を契機に関係発展を図るよう既に各界を通して努力を続けている。ソ連との関係が首脳会談の成功で軌道に乗ったとの判断から、南北関係改善、平和定着のためにも次は中国に対し強力な外交攻勢を推進するとみられる。

これに関連して韓国政府高官は6日、盧大統領が近い将来中国を訪問するとの説を「推測にすぎない」と否定した上で、「中国に行く道を探さなければならない」と語った。

盧大統領は2日の韓ソ首脳会談に触れ、北朝鮮との関係改善について「問題は北が態度を変えるかどうかにかかっている。初めは北は韓ソ首脳会談に大きな衝撃を受けるだろう。しかし、韓ソが対話をしている以上、最終的に自分たちが生きるべき道は分かるだろう、と話したところ、ゴルバチョフ大統領は共感を示してくれた」と述ベた。

盧大統領によると、米ソ首脳会談でも朝鮮問題が取り上げられ、ブッシュ大統領がソ連に対し、北朝鮮の核開発をやめさせるよう圧力をかけることと、南北対話に応じるよう影響力行使を要請したのに対し、ゴルバチョフ大統領は「その方向で努力する」と約束した。

一方、ゴルバチョフ大統領は米大統領に対して米朝関係改善を要請したという。フィッツウォーター大統領報道官によると、米朝関係についてブッシュ大統領は、米韓首脳会談の中で北朝鮮との関係改善への意欲を強調した。しかし、北には特に動きは見られないと述べ、北側が関係改善の障害を除去するため具体的な措置をとることが必要だと指摘した。《共同通信》




6月6日のできごと