平成4119日目
2000/04/18
この日のできごと(何の日)
【ダライ・ラマ14世】「地方政府は民衆を抑圧」
来日中のダライ・ラマ14世は18日、都内で内外の記者団と懇談し「チベットで地方政府は民衆を抑圧している」と中国を批判、中国政府が現地に調査団を派遣して実態調査するよう訴えた。
ダライ・ラマは「中国内にも一部でチベット政策への誤りに気付く学者などが出てきた」と評価しつつも「現地だけを見れば絶望的だ」と指摘。地方政府はチベット仏教や民衆を抑圧しているとして、現地調査を求めた。
中国はダライ・ラマを「祖国分裂活動をしている」と批判しているが、「われわれは、独立ではなく高度な自治を求めている。国家の安定にも貢献できると考えている」と反論した。
これに対し、中国人記者が「中国はチベットの自治を認めているが」と質問すると、「憲法上は自治が明記されているが、実際には実行されていない。情報公開も制限されている」などと中国を批判。「もし私の発言が中国で放映されるなら最大の喜び」と会場を沸かせた。
ダライ・ラマは「政治的活動をしないことを条件に日本政府から入国を許可された」(チベット亡命政府関係者)ため、公式な記者会見ではなく「懇談」の形となった。だが100人近く集まった記者団から政治的な質問が相次ぐと、ダライ・ラマは積極的に答えた。《共同通信》
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【紀宮清子内親王殿下】31歳の誕生日
紀宮さまは18日、31歳の誕生日を迎えられた。誕生日に先立ち、宮内記者会の質問に文書で回答、この一年間の印象深い出来事として、北海道・有珠山の噴火を挙げ「避難所に残る一人ひとりがどんな思いを抱え日々を過ごしているかと案じられます」と感想を述べた。
独身のまま仕事を続けたり結婚せずに子供を育てたり、女性の生き方の多様化が進んでいる風潮について「多様化は時代の流れの中でも自然な動きと思いますが、女性の生き方というよりむしろ、家庭の根本的な在り方や意義が壊れかけているという最近の状況を深く案じております」と指摘した。
日焼けサロンやメーキャップで顔を黒くする「顔グロ」や茶髪、厚底ブーツなどの若者の流行には「他人事ながら、お肌や、転んだときの心配をしてしまいます。一人ひとりの個性を埋もれさせてしまうのはもったいないという気もしています」と述べた。《共同通信》
【水泳】第76回日本選手権
水泳の第76回日本選手権兼シドニー五輪代表選手選考会は18日、東京辰巳国際水泳場で開幕した。第1日の決勝は女子400メートル個人メドレーの1種目で、1998年の世界選手権銅メダリスト、田島寧子(南光SS)が、自身の記録を0秒32更新する4分39秒13の日本新で4連勝した。
男子200メートル自由形準決勝では、原英晃(ミキハウス)が1分50秒41の日本新記録をマークした。従来の記録は、1994年に前田泰平(当時近大)が出した1分30秒51。細川大輔(グンゼST、兵庫・報徳学園高)が1分51秒08の高校新で決勝に進んだ。女子200メートル自由形の千葉すず(イトマンSS)は、準決勝トップの成績で19日の決勝に進出した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・熊本県選出の園田博之、松岡利勝両自民党衆院議員は18日、熊本県知事選での自公推薦候補の勝利を受けて、国会内で開かれた公明党代議士会に飛び入り参加。園田氏が「公明党の推薦が選挙戦のすべてを決めた」と同党の集票パワーを持ち上げると、松岡氏も負けじと「皆さんのおかげで勝たせてもらった。中央も地方も(自公が)がっちり組んでいけば、日本の政治は必ずよくなる」。衆院解散・総選挙を間近に控え、自分たちの選挙でも強力な支援を受けたいとの思惑がありあり。《共同通信》
【森喜朗首相】初の党首討論を前に秘策練る
森喜朗首相は18日、初の党首討論を前に青木幹雄官房長官ら正副官房長官と、「知恵袋」の中川秀直幹事長代理、町村信孝首相補佐官の側近2氏を執務室に集め、デビュー戦対策を練った。
演説、討論は首相の最も得意とするところ。就任後も、衆院代表質問で野中広務自民党幹事長の「しらじらしい」発言への見解を求められ、「小渕(恵三前首相)さんのご家族の気持ちをおもんばかって発言されたこと。(鳩山由紀夫民主党代表は)政党を代表してお話される中では、人を傷つけないことを特に申し上げておきたい」と切り返した。
初戦への意欲を記者団から問われた首相は「まだ次のことを考える余裕がない」と緊張感を隠せない様子。自民党内では「森さんはこわい。アドリブが長いし適切でない表現がある」(参院国対幹部)と得意分野でのつまずきを心配する声も上がっている。《共同通信》
【仙台地裁】日栄相手に集団提訴
中小企業向け商工ローン最大手の日栄(京都市)が暴力的な取り立てで利息制限法の上限を超える高利の返済をさせられたなどとして、岩手、宮城、福島の3県の自営業者ら10人が18日、同社に総額3800万円の慰謝料や過払い金返還と、約800万円の債務不存在確認を求める訴訟を仙台地裁に起こした。
日栄への融資をめぐる集団訴訟は5件目で、原告はこれで計31人となった。日栄は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
訴えによると、岩手県内の男性(66)は1993年、同社から400万円を借り入れたが98年に手形の不渡りが発生。以後電話で「高校生の孫を働かさせろ」などと連日、取り立てを受け精神的な苦痛を受けたとしている。《共同通信》
【ロシア、ウクライナ】首脳会談
ウクライナ訪問中のロシアのプーチン次期大統領は18日、首都キエフでクチマ・ウクライナ大統領と会談した。会談後、次期大統領は、両国の軍事専門家による協議を近く行うと述べ、軍事技術協力の強化で合意したことを明らかにした。クチマ大統領も「建設的な会談だった」と述べ、両国の戦略的関係を強調した。
両首脳は黒海艦隊分割に関する合意の履行状況などについても意見を交換したとみられる。次期大統領はまた、ウクライナからロシアへの巨額のガス料金未払い問題で進展があったことを示唆した。
ガス供給をめぐるウクライナのロシアへの債務は総額約14億ルーブルとされ、両国間最大の懸案の一つ。次期大統領はウクライナ側から「建設的な提案」があったと指摘したが、詳細については言及しなかった。
インタファクス通信によると、ウクライナが債務返済の一部として、同国内を通るロシアのガス・パイプラインの通行料を無料にすることを提案したという。
両首脳は会談後、ウクライナ領セバストボリのロシア黒海艦隊司令部やウクライナ海軍基地を訪問した。ロシア大統領が黒海艦隊基地を訪問するのは初めて。《共同通信》
【この日の民主党】
有珠山噴火被害で義援金活動を開始
民主党は18日の常任幹事会で、有珠山周辺での様々な支援活動を援助するため、「有珠山周辺災害対策義援金」募集を開始することを決めた。
民主党は3月29日に鳩山代表を本部長とする「民主党有珠山周辺災害対策本部」を設置、4月2日には伊達市内に党本部・党北海道連・第9区総支部合同の「合同対策本部」をおき、支援体制の整備をはかってきた。合同対策本部では自治体や支援ボランティアと連携し、情報発信や物資調達、被災者ケアの活動を進めている。事態の長期化が予想されるなか、今後は仮設住宅や被災企業対策など、長期的な視野にたった支援活動が求められる。
「観光客激減に対策を」有珠山対策本部副本部長ら運輸相に申し入れ
民主党有珠山周辺対策本部の佐々木秀典衆議院議員(副本部長)と小川勝也参議院議員(事務局次長)は、18日、運輸省に二階運輸相・北海道開発庁長官を尋ね、北海道全体への対策などを講じるよう申し入れた。
申し入れ内容は、函館・登別を含めた道南地域へ被害が生じていることに対し、運輸省として(1)北海道への観光旅行客が激減していることを踏まえ、回復に向けた弾力的措置を講じる(2)危険地区を除く道内の観光地に「安全宣言」をする(3)JR室蘭線の復旧に必要な措置を講じる――の3点。また北海道開発庁としては、仮設住宅建設について近隣の宿泊施設の代替使用を考慮に入れることなどを申し入れた。
小川事務局次長らは「登別温泉などは安全なのに、ツアーのキャンセルなど、風評被害が生じている。まず安全宣言をだしてほしい」など地元住民の切実な声を伝え、運輸相は「党派をこえた問題として取り組みたい」と答えた。
「有珠に始まり、有珠に終わる」池端代議士会長が噴火対策で最後の質問
「今国会で政治から身を引くが(私の議員生活は)噴火に始まり、噴火に終わろうとしている。23年前も『これで復興できるのか』という惨状だったが、地元住民や関係省庁などの努力で一大観光地として再興した。今回も党派をこえ真剣に取り組みたい」――代議士会長を務める池端清一衆院議員が18日の災害対策特別委員会で質問に立った。
池端議員が初当選したのは1976年12月。翌年8月7日に有珠山が大噴火した。そして勇退を決めた今年3月31日、23年ぶりに有珠山が噴火した。まさに「奇しき因縁」だが、池端議員は「これが最後の質問になると思う。『災害は忘れた頃にやってくる』ではなく、『災害は忘れず必ずやってくる』という気持ちで、安全で安心な国土づくりにがんばってください」と述べ、質問をしめくくった。
池端議員は避難世帯に対する支援対策や雇用対策など全般にわたってただし、4月14日から6カ月間適用される「雇用調整助成金」について「噴火が長期化する場合は支給期間の延長を当然考える」(労働省職業安定局長)、また、避難住民を受け入れている近隣の市町村に対する地方交付税の繰り上げ交付について「豊浦町では避難民の食事代を立て替え払いしているという状況も聞いている。地元の要望などを調査し対処したい」(自治省財政局長)などの答弁を引き出した。
「利用者保護の観点が不十分」桜井参院議員が金融3法で厳しく追及
民主党・新緑風会の桜井充参院議員は14日の参議院本会議で質問にたち、政府提出の「金融商品の販売等に関する法律案」など金融3法案について、「政府案は利用者保護という観点が不十分で、重大な欠点がある」と追及した。
桜井議員は、「さまざまな金融商品が開発・販売される一方、消費者とのトラブルが後を絶たない」と指摘。しかし政府案では、(1)商品先物取引きが除外されている(2)金融審議会が提言した裁判外紛争処理制度についての結論が先送りされた(3)トラブルになった場合、重要事項の説明を業者が怠った立証を顧客に課し、業者に立証責任を負わせていないなどの点で疑問があるとただした。
さらに桜井議員は、「金融システムが不安な状態にあるのに、宮沢蔵相は他人事で評論家風だ」と批判し、安定化に向けたビジョンの提示を求めた。これに対し蔵相は、立証責任は「民法の規定では(トラブルの場合)訴える側の顧客に立証責任がある」と答弁。ビジョンについても、「金融危機は平静に向かっている」と述べるだけだった。
「廃棄物などの問題に応えていない政府案」小林衆院議員が本会議で指摘
民主党の小林守衆院議員は18日、本会議で質問に立ち、政府提案の「環境型社会形成推進基本法案」について、「廃棄物やリサイクルを取り巻くさまざまな問題に正面からこたえていない。訓辞的・精神的意味しかもっていない」と批判した。
小林議員は、民主党が廃棄物処理法とリサイクル促進法を統合した法案を作成し、現在パブリックコメントを募っていることを明らかにし、政府もこの問題に正面から取り組むよう要請した。
小林議員は、(1)廃棄物とリサイクルを別々の官庁が担当しているのは先進国では日本だけではないか(2)環境庁は、有償で引き取れば廃棄物でなくなるという新解釈を打ちだして混乱を招いているが、法案ではどう規定するのか(3)生産者が製品について廃棄物となった後まで一定の責任を負う「拡大生産者責任」原則を定めているが、どういう製品が対象となるのか不明だといった点について質問。
清水環境庁長官は縦割り行政について「来年の省庁再編で環境庁が(廃棄物とリサイクルを)一体化して取り組めるようになる」と説明。廃棄物規定は「有償・無償を問わないない規定を導入する」、拡大生産者責任原則の対象製品については「基本法という性格から個々の判断は今後検討する」と答えた。
在日米軍の有害廃棄物問題を追及=上原康助衆院議員が安全保障委で
民主党の上原康助衆院議員は18日の安全保障委員会で、パナマ船籍の貨物船が在日米陸軍のPCBなどを含む有害廃棄物の荷揚げをカナダや米国で拒否されて横浜港に戻ってきた問題を取り上げ、「母国にもちこめないような有害廃棄物を、日本に置いておくのはおかしい」と政府の姿勢を追及した。
上原議員は、「いつまで日本に廃棄物を置き、次はどこに持っていくのか」と質問。河野外相は「地位協定で米軍の貨物の輸出入は国内法の規定を受けない」としながら、「米側との協議では1カ月以内に搬出するが、行き先は聞いていない」と答弁した。
さらに上原議員は、「日本の米軍基地にどんな有害廃棄物がどの程度あるのか、情報を公開すべきだ」とせまったが、外相は「米側と協議するため準備中」としか述べなかった。
前首相入院以降の経過ただす質問書への答弁書届く
川端達夫国対委員長が提出していた質問主意書に対する森首相の答弁書が18日、国対委員長のもとに届いた。答弁書の主な内容骨子は以下のとおり。
▽入院発表が遅れたのは、病状を正式に見極めるべきと判断した▽2日午後7時の前首相の「何かあれば万事よろしく頼む」という指示で、官房長官はいつでも臨時代理としての職務を開始できる態勢だった。政治空白があったとは考えていない▽医師団の発表は家族の意向を踏まえて判断する問題–など。
「核の恐怖のない世界を目指して」民主党核政策を発表
民主党は、ニューヨークで24日から開かれる核不拡散条約(NPT)の再検討会議を前に、核についての考え方をまとめた「民主党核政策~核の恐怖のない世界を目指して」を発表した。18日のネクストキャビネット(NC)で提案・了承され、伊藤英成NC外交・安保大臣と岡田克也核管理問題プロジェクトチーム(PT)座長が会見で発表した。 この政策は、現状認識を示す「はじめに」、核廃絶への具体的なプロセスなどを描く「核廃絶への道」、そのうえで「日本のなすべき事」の3章から成り、骨子は次の通り。
○冷戦終結で米ソ両国はSTART・(第一次戦略兵器削減交渉条約)に署名、ソ連崩壊後にSTART・の枠組みが合意された。しかし、米上院は包括的核実験禁止条約の批准を拒否。インド・パキスタンが核実験をするなど、核軍縮・核不拡散の動きに「逆流」する現象が見られる。
○民主党は、核兵器について(1)無差別大量破壊兵器の非人道性(2)人間のエラーで人類絶滅の危機を招く可能性がある(3)唯一の被爆国としての核兵器使用の悲惨な体験――から、核廃絶を究極の目標とする。
○核廃絶は次の具体的な3段階のプロセスを通じて着実に進めるべき。(1)米露両国のSTART・・・の速やかな批准と中国の核削減(2)すべての核保有国の戦略核保有数を1000発に削減(3)核の国際管理を含む具体的な議論と実行。
○核の先制不使用条約締結や非核地帯の拡大、臨界前核実験の制限などの提案を検討し、実施状況を恒常的に監視するためのNPT条約加盟国の常設機関の創設が必要であり、日本への招致を期待する。
○非核3原則は引き続き国の方針としていく。米国に対しても、日本防衛のための核の先制不使用を求める。北東アジア非核地帯構想の具現化、内外のNGOなどとの連携の場として「核の恐怖のない世界を実現するための国民会議」設置をめざす。《民主党ニュース》