平成831日目
1991/04/18
この日のできごと(何の日)
【海部俊樹首相】ソ連・ゴルバチョフ大統領と会談
海部首相とゴルバチョフ・ソ連大統領は18日夜、東京・元赤坂の迎賓館で6回目の首脳会談を行い、日ソ関係改善の障害となっていた北方領土問題について大詰めの協議を終了。午後11時47分、両首脳が共同声明に調印した。
声明は領土交渉に関し「両首脳が歯舞諸島、色丹、国後、択捉の帰属について、領土画定の問題を含む平和条約の作成、締結について詳細、かつ徹底的な話し合いをした」との表現で明確に四島を領土協議の対象とするとともに、領土画定を含む平和条約締結作業の加速が「第一義的に重要」との認識で一致した。
さらに首脳会談の最大の対立点となっていた二島返還の1956年の日ソ共同宣言の扱いについては日ソ間の「1956年以来長年にわたって蓄積されたすべての肯定的要素の活用」と、関節的ながら今後の領土交渉の基礎とすることを確認した。
さらに声明はソ連側が(1)日本国民の四島へのビザなし渡航(自由渡航)の枠組みの設定(2)四島での日ソ互恵的経済活動の開始(3)近い将来、四島配備のソ連軍事力削減――の提案を行ったことを明らかにし、日本側も3点について今後の協議に入ることを受け入れた。《共同通信》
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【渡辺美里さん】シングル「卒業」発売
【政界談話室】「賛成とも、反対とも…」
○…海部首相は18日朝、第4回日ソ首脳会談を前に、首相公邸に外務省首脳を急きょ集め、難航する日ソ首脳会談への作戦を1時間20分間にわたって協議。首相は、16、17両日も首脳会談後、深夜の「検討会」を開いており、この朝が3回目という熱の入れよう。
しかし、懸案の北方領土問題に際立った進展が見られないことから表情は険しく、目の下にはくまも。記者団には「腹は固まっている。原則に沿ってちゃんとやっているよ」と強がりをみせたものの、苦渋の色ありあり。
○…社会党の田並広報宣伝局長はこの日、自衛隊掃海艇派遣問題をめぐる在京幹部会の模様を記者団に説明。「単に反対するということだけで済むのか。それは今までのやり方だ」「政府が拡大解釈していく恐れはないか」など、派遣論議の賛否両論を披露した。
記者団が「要するに賛否どちらなのか」と突っ込むと、田並氏は「賛成とも反対とも言えませんね。真剣かつ率直な論議をします」とひたすら逃げの一手。このところ党内論議が盛んな社会党を称して「悩まず、すっきりはっきり」と胸を張っていたわりには歯切れが悪く、「長居をするといろいろあるので…」と早々に退散した。《共同通信》
【自民党・安倍晋太郎元幹事長】4カ月ぶり公の場
病気療養中の自民党の安倍元幹事長は18日昼、衆院議長公邸で開かれたゴルバチョフ・ソ連大統領歓迎の昼食会に出席、昨年末の内閣改造の時以来4カ月ぶりに公の場に姿を見せた。
紺色のスーツを来た安倍氏は顔色がややさえないものの、ほおはふっくらして「体重も昨年末から6キロ増えた」(側近)。ゴルバチョフ氏と2人だけで短時間歓談したほか、同席の竹下元首相、渡辺元政調会長とも大きな声で言葉を交わし健在ぶりをアピールした。
安倍氏は正午過ぎ、一番乗りで公邸に到着。通用口から中に入り、別室で竹下氏らと懇談しながら大統領到着を待ち構えた。
大統領が到着すると玄関近くまで出迎え、大統領の手を握りながら「お会いできてうれしい。桜が立派に咲きましたね」と、昨年1月の安倍氏訪ソの際に大統領が口にした「桜の咲くころ、日本に行きたい」との言葉を引用しながら再会を喜び合った。昼食会場に入ったあとも大統領と二人だけで数分間歓談し、安倍氏は満足した様子。
食事の席では隣り合わせた渡辺氏や宮澤元蔵相に向かって「一時はもう駄目かと思ったけどね。出てこれてよかった」と軽口をたたく余裕もみせた。《共同通信》
【北陸新幹線】開通までの代替にスーパー特急
運輸省の大塚秀夫国有鉄道改革推進総括審議官は18日開かれた参院運輸委員会で、平成7年度完成予定の北越北線にスーパー特急を走らせることによって、北陸新幹線開通までの代替輸送手段とする考えのあることを示唆した。連合参議院の栗森喬委員の質問に答えた。
北越北線は信越本線の直江津に近い犀潟と、越後湯沢に近い六日町を結ぶ新線で、これが完成し、越後湯沢から上越新幹線を利用すれば直江津―上野間は1時間53分と、北陸新幹線の1時間40分に比べわずかに遅い時間で結ぶことができると試算されている。
大塚審議官が北越北線にスーパー特急を走らせる考えを示したのは、北陸新幹線の開通までには10年が必要とされていることから、それまでの間はこのルートを念頭に置いて鉄道の高速化を図る方針を示唆したものと受けとめられている。
ただ、このルートが定着した場合、北陸新幹線の建設に影響が出るのではない。かとの懸念もある。この点について同審議官は、粟森氏の質問に対し「北陸新幹線は軽井沢、長野を経由するもの」と答え、北陸新幹線に代わるものではないとの見方を示した。また同時に、北陸新幹線では一部にミニ新幹線の導入が予定されているものの、将来的にはフル規格に転用できるとの見通しも併せて示した。《北國新聞》
【中国・李鵬首相】近く訪朝
中国外務省の呉健民報道局長は18日の定例記者会見で「李鵬首相が近く朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を公式訪問する」と正式発表した。訪問時期は明らかにされなかったが、北京の北朝鮮筋は5月上旬になると言明した。
報道局長はさらに「北朝鮮は中国の隣国であり、訪問は両国間の友好協力関係の発展が目的である」と説明した。
北京の西側外交筋は、今秋にも予定される韓国の国連単独加盟申請をめぐる対応が首脳会談の主な議題になると見ている。
訪問時期は当初、金日成主席の誕生日の15日からゴルバチョフ・ソ連大統領の韓国公式訪問の19日にかけて行われると見られていた。時期がずれ込んだことについて北京の西側外交筋の間では中朝間で事前調整に手間取ったのではないかとの見方も出ている。《共同通信》
【イラク】兵器リスト提出
イラクのアルアンバリ国連大使は18日、安保理決議687(恒久停戦)の下で廃棄される化学・生物兵器、長距離弾道ミサイルなどイラク保有の大量破壊兵器に関する報告書を、デクエヤル国連事務総長あてに提出した。
イラクの報告を受けて安保理は、兵器廃棄を査察、実行する特別委員会を近く設置、具体的な廃棄計画を45日以内に策定する。安保理が同計画を承認後、さらに45日以内に廃棄作業を実行する。国連管理の下で一国の兵器を破壊するのは今回が史上初のケースとなる。
安保理決議687は大量破壊兵器の所在、数量などを決議採択後15日以内に国連に報告することをイラクに求めており、18日がその期限だった。アルアンバリ大使は記者団に「詳細なリストだ」と述べたが、具体的な内容は明らかにしなかった。《共同通信》