平成832日目

平成3年4月19日(金)

1991/04/19

【天皇、皇后両陛下】ゴルバチョフ大統領夫妻にお別れのあいさつ

天皇、皇后両陛下は19日午前10時すぎ、ゴルバチョフ・ソ連大統領夫妻を東京・元赤坂の迎賓館に訪ね、お別れのあいさつをされた。両陛下のお別れ訪問は当初18日午後の予定だったが、日ソ首脳会談が延びた影響で延期された。

玄関ホールで天皇陛下がゴルバチョフ大統領に「きのうは大変でいらっしゃいましたね」と語りかけると、大統領は笑顔を見せながら「いや、けさまでやっていました」と答え「抜本的な話をしました」などと首脳会談などの成果に自信を見せたという。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領夫妻】長崎の平和公園で献花

ゴルバチョフ・ソ連大統領夫妻には19日、京都市内で関西の各界代表との昼食会に出席後、大阪空港から専用機で長崎空港に到着、長崎市内で日露戦争の戦死者ら約700人が埋葬されたロシア人墓地と平和公園で、献花した。

墓地では異国の地に眠る同胞のめい福を祈り、大統領は目をうるませ、平和公園では核廃絶を求める初対面の被爆者の訴えに数回うなずき握手。夫妻は、四日間の日本滞在をすべて終え、予定より約1時間半遅れ午後8時46分、韓国首脳との会談のため韓国・済州島に向け長崎空港を出発した。

大統領夫妻は同日午後、新幹線ひかりで京都に着き、市内のホテルで約400人の京阪神地区各界代表との昼食会に出席した後、長崎へ。午後七時半、長崎市松山町の平和公園に到着。古井一喜助役の先導で平和祈念像前に進み、原爆犠牲者8万8426人の名簿が納められた奉安箱に白い。カーネーションの花かごをささげた。核超大国の大統領が被爆地を訪れたのは初めて。日本側は警備上の理由などで難色を示したがノーベル平和賞受賞者の大統領の強い要請で実現した。

平和公園内では長崎県が招待した約110人に交じって被爆者団体代表2人が大統領を迎えた。長崎原爆被災者協議会の山口仙二会長が「核兵器の廃絶と核戦争阻止に向けて一層努力してください」と訴えると、大統領はライサ夫人とともに握手した。参列に入れなかった被爆者らは公園正面の同協議会事務所前にロシア語で「核兵器廃絶」と書かれたプラカードを掲げ歓迎した。

これに先立ち、ゴ夫妻は同市曙町・悟真寺のロシア人墓地を訪れ、墓石やチャペルなどを見て回り、「日ソ友好の碑」の近くに赤いバラの花輪を献花。木津義彰同寺住職や急きょ合流したロシア正教会のピチーリン主教とともに死者をしのび、木津住職と両ほおを合わせるロシア式あいさつをした後、目をうるませた。

長崎県警によると、市民計2万300人が沿道などで歓迎した。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】韓国訪問

日本訪問を終えたゴルバチョフ・ソ連大統領は19日夜、盧泰愚韓国大統領との韓ソ首脳会談のため長崎から特別機で韓国最南端の済州島に到着した。ソ連元首が朝鮮半島を訪れたのは初めて。

ゴルバチョフ大統領夫妻は済州空港で李相玉外相らに出迎えられ、専用車で同島南部の西帰浦市に向かい、午後10時半、首脳会談場兼宿舎のホテルに到着、盧泰愚大統領夫妻の歓迎を受けた。

ゴルバチョフ大統領夫妻は続いて同ホテルで行われた大統領主催の夕食会に出席。席上、韓ソ両首脳は両国関係が急速に進展したことを高く評価した。

ゴルバチョフ大統領は済州島で一泊した後、20日午前、大統領と会談する。韓日首脳会談は昨年6月、12月に続き3回目で①韓国の国連加盟②朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国際原子力機関(IAEA)による核査察受け入れ③朝鮮半島の安全保障と南北対話④韓ソ経済協力―などの問題を協議する。

韓国側は、ゴルバチョフ大統領の初訪韓が北東アジア新秩序へのソ連の積極姿勢を示していると評価するとともに、欧州に続き朝鮮半島での冷戦構造を崩壊させ、北朝鮮の開放化を促すことを期待している。ゴルバチョフ大統領は韓ソ首脳会談後の20日午後、帰国の途に就く。《共同通信》

【海部俊樹首相】日ソ共同宣言の有効性を確認

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

海部首相は19日午後、日ソ共同声明と、歯舞、色丹両島の返還を盛り込んだ1956年の日ソ共同宣言の関係について「(共同声明に書かれた)56年以来の肯定的事実の中には、共同宣言以来のものが全部入っている。大統領は私との会談では、それも(肯定的要素に)含むと明確にしていた」と述べ、二島返還を含む共同宣言の有効性が確認された、との認識をあらためて強調した。《共同通信》

【海部俊樹首相】早期訪中の意向表明

日中両国の有識者が両国関係の在り方を協議する「日中友好21世紀委員会」(座長=日本側・石川忠雄慶應義塾塾長、中国側・張香山国際交流協会副会長)第7回会合の開会式が19日、都内のホテルで開かれた。

海部首相はあいさつで「双方にとって都合の良い時期に中国を訪れ、日中友好協力関係をさらに強固なものとするために少しでも貢献できればと考えている」と、早期訪中の意向を表明した。

李鵬中国首相も「両国が長期安定の関係をつくり上げることは、アジア・太平洋地域の平和・安定に役立つ」とするメッセージを寄せた。《共同通信》

【政界談話室】「格好付け」報道に怒り

○…日ソ共同声明の発表から一夜明けた19日、海部首相は公邸を出る際「未明のゴルバチョフ大統領の記者会見も見たし、眠いわ」と「眠い」を連発していたものの、閣議のため国会内の大臣室に入るなり、閣僚から拍手で迎えられると、満足そうな笑顔を浮かべた。終了後も記者団に対し「みんな喜んでくれた」と上機嫌。

しかし一転、真顔になり「あれだけぎりぎりやっていたのに、格好付けるために時間を延ばしたという報道があった。僕はその報道を一生忘れません」と厳しいロ調に。首脳会談の成果に自信を見せていただけに、余程こたえた様子。

○…昼、官邸に自民党の小渕幹事長ら四役が集まり、首相の慰労を兼ねた政府、自民党の「首脳会議」。ほっと一息というムードだったが、加藤政調会長が「連休中に11人の閣僚が外遊するそうだが、国会の大幅延長とか、国会終了後に政変が起きることを予想して、連休中に行っておこうということか」と切り出すと、梶山国対委員長も「そうだ、そうだ。国対も困っている」と続いた。

小渕氏は「そういう時はクーデターが起きやすい」と“不気味”な発言。すかさず、加藤氏も「首相もタイなどに行くんだっけ」。終始、黙っていた首相だが、クーデターという言葉に内心ヒヤリ?《共同通信》

【ボクシング】イベンダー・ホリフィールド選手が初防衛

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ボクシングの統一世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦は19日、米ニュージャージー州アトランティックシティーのコンベンションセンターで行われ、チャンピオンのイベンダー・ホリフィールド(米国)が挑戦者で元同級王者のジョージ・フォアマン(米国)を3ー0の判定で下し、初防衛に成功した。

ホリフィールドは1984年のプロ転向以来、26戦全勝(21KO)。一方、42歳のフォアマンは史上最年長王者への挑戦に失敗、17年ぶりの王座返り咲きは成らなかった。

試合はスピードで上回るホリフィールドが序盤から手数で圧倒したが、フォアマンも重量パンチで応戦し、中盤まではほぼ互角の展開。しかし後半に入り、やや動きの鈍くなったフォアマンをホリフィールドが捕らえ、9回終了間際には左右の激しい連打でロープに追い詰める場面もあった。

結局、ダウンこそ奪えなかったが、スピード、スタミナで勝った王者が後半にポイントを稼いでタイトルを守った。

ファイトマネーはホリフィールドが2000万ドル(約27億8000万円)フォアマンが1250万ドル(約17億4000万円)だった。《共同通信》



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