平成828日目
1991/04/15
この日のできごと(何の日)
【ソ連・ゴルバチョフ大統領】日本人墓地で献花
訪日の途上、ソ連極東地方の中心都市ハバロフスクに立ち寄って一泊したゴルバチョフ・ソ連大統領は15日午後1時(日本時間同正午)前、ライサ夫人とともに同市のシベリア抑留日本人捕虜らの基地を訪れて献花、ソ連の最高指導者として初めて死亡した日本人抑留者に対し、正式に哀悼の意を表明した。
第二次大戦後約60万人の旧日本兵らがシベリアに抑留され、ソ連の戦後復興のため長期にわたって過酷な労働に従事、約6万人が死亡したと推定されているが、埋葬地も分からない死者が大半を占める。この日の墓地訪問は、ソ連側がこの問題で誠意を示すことによって日本人の対ソ感情を改善し、初の訪日を成功に導く雰囲気をつくりたいとの大統領の強い意欲の現れと言える。
大統領夫妻は15日昼、市内アムール川沿いの広場に建つ第二次大戦で戦死したソ連軍兵士の記念塔を訪れた後、ポプラ並木の道を車で約10分の郊外にある広大なロシア人墓地に向かい、その一角の日本人墓地で真新しく整備された石造りの墓碑に花輪をささげた。ソ連外務省によると、ここには160人以上の日本人が埋葬されている。
大統領は北方領土問題とともに、このシベリア抑留者問題を日ソ間の戦後処理、関係正常化を阻んできた最大の懸案ととらえているとみられ、東京で抑留死亡者の総合的な名簿を日本側に引き渡す。《共同通信》
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【ソ連・ゴルバチョフ大統領】「領土で取引しない」
ゴルバチョフ・ソ連大統領は極東地方ハバロフスクの日本人墓地訪問後の15日夕、市民対話をし、領土は取引に使わないと言明、日本からの経済協力の見返りとする形では領土問題で譲歩しない決意を表明した。大統領は極東軍管区司令部前にいた市民と約15分間懇談した。
この際市民から「クリール諸島(北方領土)を返すのか」との質問が出された。これに対して大統領は「われわれは領土や政策を取引材料にするわけではない」と答え、日本からの巨額の経済援助と引き換えに北方領土を日本に売り渡すのではないかという市民の間で広がっている懸念を打ち消した。《共同通信》
【海部俊樹首相】北方四島返還に全力
海部首相は15日午前、首相官邸に首相経験者や党最高顧問7人を招き、ゴルバチョフ・ソ連大統領来日を前に日ソ関係の対応について意見を聴いた。その結果①北方領土問題は「四島一括返還」の原則を堅持する②首相と大統領との首脳会談でも安易な妥協を避けるーとの方針を確認した。
会談には福田、鈴木、中曽根、竹下の各元首相と原、田村両前元衆院議長、二階堂元党副総裁が出席した。
北方領土問題について、鈴木氏が「戦後45年間、積み重ねてきた経緯があるので原則を守ってやってほしい」などと要望、首相も「原則を踏まえ、きちっとやりたい」と述べた。
出席者から先の小沢前幹事長の訪ソをめぐり大型の経済協力案が報道されたことをただす意見も出された。首相は「政府はまだ決めていない」と述べ、領土問題が解決しない限り具体的な対ソ経済協力の規模を決めることはないとの考えを強調した。
さらに首相の八月訪ソ説に関して、首相は「(具体的に)決めていない」と説明した。《共同通信》
◇
日ソ首脳会談を控え、海部首相は15日夕、小渕幹事長ら自民党四役と意見交換した。この中で小渕氏は党側を代表して「いよいよゴルバチョフ・ソ連大統領との首脳会談を迎える。今まで党もお手伝いしてきたが、政経不可分などもろもろの原則を踏まえ、堂々と話し合いをしてもらいたい」と述べ、北方領土四島の返還に向けて全力を挙げるよう求めた。
海部首相は「党のバックアップを受け、全力を尽くして努力したい」との決意を表明した。《共同通信》
【プロ野球】1軍平均年俸は2729万円
労働組合・日本プロ野球選手会(原辰徳会長=巨人)は15日、1991年度選手年俸の調査結果を発表した。
選手会事務局が自己申告をもとにまとめたもので、12球団の支配下選手676人(4月6日現在)の平均年俸は、昨年より10.6%(162万円)増えて1688万円となった。一軍選手だけの平均年俸は15.1%(359万円)増の2729万円で、初の3000万円に近付いた。
リーグ別平均年俸では、セは1731万円(昨一年比10.8%増)、パは1644万円(同10.3%増)で、セがパを87万円上回っている。
この調査結果には、外人選手と任意引退選手は含まれていない。
球団別平均のトップは4年連続して西武で2338万円(同17.2%増)。2位は巨人の2233万円(同12.1%増)で、3位に中日が2158万円(同11.9%増)で続き、上位3球団が初めて2000万円を超え一た。西武と巨人の昨年の差はわずか5万円だったが、今年は105万円に広がった。
最下位は3年連続のロッテで、0.8%減の1143万円。昨年比では日本ハムもダウンした。
目立つのはダイエー。南海時代の88年は最下位だったが、ダイエーに生まれ変わった89年から10位、7位と上昇し、今年は1684万円(同17.1%増)で5位に入った。
年齢階層別で、巨人は23歳以下がトップの1098万円。2位のヤクルトを278万円も引き離している。大リーガーの平均年俸はAP通信の調査結果によると、約90万ドル(約1億2000万円)となっている。《共同通信》
【チェルノブイリ原発事故】被災児が広島カープの練習を見学
日本赤十字社などの招きで来日しているソ連チェルノブイリ原発事故の被災児6人が15日午後、広島市中区の広島市民球場を訪れ、診察の合間のひとときを広島カープの練習見学で過ごした。
6人の故郷キエフでは、少年野球のサークルが生まれつつあるが、プロ野球を実際に見るのはもちろん初めて。スタンドで山本監督からサインボール、帽子、ショルダーバッグなどが贈られると、ボールをポンと投げ上げて体いっぱいに喜びを表した。
この後、グラウンドで打撃練習に挑戦。水谷打撃コーチを相手に見事な打撃を披露したレオニード・パブレンコ君(13)は「将来は野球サークルに入り、本格的に練習したい」と胸を張った。《共同通信》