平成4651日目
2001/10/02
この日のできごと(何の日)
【NATO】集団的自衛権を発動
北大西洋条約機構(NATO)は2日、米中枢同時テロにアフガニスタン潜伏中のウサマ・ビンラディン氏が関与していることが立証されたとして、米軍支援のために集団的自衛権を定めた北大西洋条約第5条を正式発動した。発動は1949年のNATO設立以来初めて。
米国を除くNATO加盟18カ国は、今後、米国からの要請を受けて、軍事行動を含めた支援内容の具体化を協議する。軍事行動は英国など加盟国のうち数カ国が参加するのにとどまる見通し。この日は米国側から具体的要請はなかった。
記者会見したロバートソンNATO事務総長は、米国からビンラディン氏とその組織がテロに関与した決定的な証拠が示された、とした上で「テロ実行犯は、ビンラディン氏が指導する世界的なテロネットワークのアルカイダの一部であり、タリバンにより保護されている」と断言した。《共同通信》
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ブッシュ米大統領は2日、ホワイトハウスで記者団に大使、アフガニスタンのタリバン政権がウサマ・ビンラディン氏を引き渡さなければ「その結末」に苦しむことになると述べ、あらためてタリバンに軍事攻撃を警告した。
大統領はタリバンへの期限通告や攻撃の時期に関しては「(タリバンに示す)予定表やカレンダーはない。米国は自ら選ぶ時間に行動する」とだけ語った。《共同通信》
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【旧石器ねつ造事件】「秩父の遺跡もねつ造」
東北旧石器文化研究所の藤村新一・前副理事長による旧石器発掘ねつ造問題で、日本考古学協会の前・中期旧石器問題調査委員会の戸沢充則委員長(明治大教授)が2日までに、埼玉県庁を訪れ、藤村前副理事長が同県秩父市の遺跡についてもねつ造を認めていると正式に伝えた。
同県教育委員会が藤村氏の協力で発掘した秩父市の小鹿沢、長尾根両遺跡は約50万年前と約35万年前とされ、「秩父原人」の存在を示す遺跡として大きな注目を集めたが、幻となる可能性が強まった。
埼玉県教育委員会は戸沢委員長に、藤村前副理事長の発言内容を含めて考古学協会の調査結果を文書にまとめて提出するように要請、同委員長は了承したという。
同県教委がねつ造疑惑の検証のために昨年12月に発足させた検討委員会は11日に、5回目の会合を開き、これまでの検証結果を発表するが、林宏一・同県文化財保護課長は「藤村前副理事長の発言内容も、遺跡指定を見直すかどうかの判断材料の一つにする」としている。
検討委員会は、両遺跡から出土したとされる石器162点の検証を続けているが、これまでのところ「風化の度合いが小さい」など不自然さが指摘されていた。《共同通信》
【東京株式市場】
2日の東京株式市場は内需関連など幅広い銘柄が買われ、東証平均株価(225種)は4営業日続伸。終値は前日比164円28銭高の1万136円56銭と終値ベースで9月14日以来約半月ぶりに1万円の大台を回復した。
東証株価指数(TOPIX)も20.60ポイント高の1067.63と4営業日続伸。出来高は約7億5600万株だった。
株価上昇の背景には米株式が比較的落ち着いているうえ、持ち合い解消売りが一段落したことを指摘する向きもある。ただ、日銀の企業短期経済観測調査(短観)で景気の先行き悪化懸念が強まっており、米中枢同時テロへの軍事報復の行方も不透明なため「このまま株価が一本調子で上昇するかは疑問」(大手証券アナリスト)との見方も多い。《共同通信》
【参院本会議】代表質問
参院は2日午前の本会議で、小泉純一郎首相の所信表明演説に対する代表質問を行った。民主党の角田義一参院議員会長が「米中枢同時テロをめぐり中国、韓国両国との対話など、国際的な協調、枠組みを軽視している」と指摘したのに対し、首相は「米軍等支援策は中韓両国内の反応にも留意しつつ、適切に説明している」と述べ、自衛隊派遣を含めた支援策について中国、韓国の理解は得られるとの認識を示した。
自衛隊派遣については「憲法の範囲内でできる限りの支援策は何かという観点から内容を早急に検討し、法案作成に取り組む」とあらためて述べ、テロ対策特別措置法案や自衛隊法改正案を早期に提出する考えを示した。
国内のテロ防止策について首相は「必要な法制の見直しを含め、あらゆる角度からテロ対策の充実強化に取り組む」と強調した。《共同通信》
【衆院本会議】代表質問
小泉純一郎首相は2日、衆院本会議で行われた代表質問で、米国などのテロ報復攻撃を支援するテロ対策特別措置法案(仮称)について「一日も早い成立を目指している」と述べ、与党の了承を受けて早期成立に強い意欲を表明した。さらに「世界がテロと対決しようとする時に、日本だけが『あれはしない』『これはしない』で世界で名誉ある地位を占めることができるか。やるべきことをやらないで国際社会から孤立したら日本の平和と繁栄はあり得ない」と指摘し、自衛隊派遣の必要性を訴えた。
テロ対策では「世界の国と一致団結して、武力行使だけではなく、外交努力、資産凍結、難民支援、医療活動などあらゆることから、テロに対して殺然として立ち向かわなければならない」と述べ、資金源を断つための資産凍結を含め全力を尽くす姿勢を強調。
特殊法人改革にも触れ、「いかなる特殊法人も検討の例外にならないが、経済的、社会的な緊急事態に特殊法人などが臨時的、暫定的役割を果たすことはあり得る」と指摘。「住宅金融公庫については他の法人に先駆けて結論を出すことにしているが、国民生活に対する影響にも配慮しつつ改革を進める」と述べ、そのほかの政府系金融機関の見直しは慎重に進める考えを示した。《共同通信》
【牛肉を大いに食べる会】牛肉の安全性をPR
「牛肉や牛乳は安全。どんどん召し上がって」。狂牛病問題で牛肉の消費を控える動きが広がる中、有志の国会議員による「牛肉を大いに食べる会」が2日夕、東京・永田町で開かれ、武部勤農林水産相が和牛ステーキをほおばりながら「大丈夫だ」と安全宣言した。
一方、坂口力厚生労働相は「(新たな検査体制が整う)15日前後には皆さんに安心してくださいと宣言できるでしょう」と慎重な言い回しだった。《共同通信》
【小泉純一郎首相】モルディブ・ガユーム大統領と会談
小泉純一郎首相は2日夜、首相官邸でインド洋の島国モルディブのガユーム大統領と会談、同国がイスラム教国であることを踏まえ、米中枢テロでの報復行動について「テロとの戦いであり、イスラムとの戦いではないとの認識だ。そのことはブッシュ米大統領にも申し上げた」と述べ、理解を求めた。
ガユーム大統領も「日本の立場は理解している。われわれも米政府に対しテロへの非難と協力を惜しまないことを伝えた」と米国に協力する姿勢を伝えた。《共同通信》
【大阪】成績不良の社員に「裸の罰」
大阪府警天満署は2日、月1000万円のノルマを課し、営業成績の悪い男性社員(27)を裸で大阪・キタのオフィス街を歩かせたり、ほかの社員に命じて集団リンチさせるなどしたとして、大阪府箕面市、広告出版会社「グローイング日広」社長A被告(54)を暴力行為の疑いで再逮捕した。A被告は、この社員が退職する際に「給料を返せ」と約1100万円を脅し取ったとして同署に恐喝容疑で逮捕され、先月12日、大阪地検から起訴されている。
調べによると、A被告は昨年10月23日午後11時ごろ、大阪市北区堂島の雑居ビルにある同社事務所で、営業担当だった男性社員の成績が悪いとして、「教育や」と、ほかの社員8人に命令して顔や尻をけるなどの暴行をさせたうえ、裸にして、「JR大阪駅まで行け」と命令し、約150メートル歩かせた疑い。
この社員は97年に入社。99年ごろから何度もリンチを受けるようになり、今年5月に退職。退職を申し出た際、A被告は「給料を返せ」と自宅に押し掛けるなどし、社員が家族から借りた約1100万円を脅し取っていた。
A被告は暴力行為、恐喝とも事実を認めているという。こうしたリンチは日常的に行われ、同社では2年間で約50人が辞めていたといい、同署はリンチに加わった社員からも事情を聞いている。《読売新聞》
【MLB】
米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は2日、アナハイムのエンゼルス戦を欠場した。今季4試合目の欠場。打率は3割4分8厘で首位のままだが、2位に上がったJA・ジアンビー(アスレチックス)に5厘差と詰め寄られた。
試合はマリナーズが14−5で大勝し、今季112勝目。残り5試合に4勝すれば、大リーグのシーズン最多勝記録に並ぶ。
メッツの新庄外野手もパイレーツ戦を欠場。メッツは1−10で敗れ、逆転優勝の可能性が消えた。
シーズン最多本塁打の大リーグ記録にあと「1」と迫っているボンズ外野手(ジャイアンツ)はアストロズ戦で本塁打なしに終わった。《共同通信》
【この日の民主党】
角田義一議員が参院本会議で代表質問
参議院本会議で2日、小泉首相の所信表明演説に対する各会派の代表質問が行われ、民主党・新緑風会から、角田義一参議院議員会長が質問を行った。
角田議員はまず、テロへの対応について、「テロリズムは人道と正義に反する卑劣きわまりないもので、どんな理由を持っても正当化できない」として、世界が一致して毅然として立ち向かうべきだと述べ、小泉首相が、早期成立をめざしている米軍などの軍事行動への自衛隊の後方支援を可能にする新規法案については、「わが国の将来にとって重大な意味を負うものとして、深刻に受けとめている」との姿勢を示した。
「報復は報復を招くだけだ」と角田議員は指摘し、世界各国で米国が軍事行動をとるのは当然だとの風潮が横溢している点についても、「結果の責任をとらされるのは米国一国だけでなく世界のすべての国、米国支援を決定した日本政府と国民だ」と訴えた。
小泉首相に対しては「平和国家日本の役割、対米同盟国日本の役割を考えるなら、日本の認識をブッシュ大統領に直言すべきだったのではないか」と指摘。単に軍事行動の支援表明に終わった訪米での小泉首相の姿勢に危惧の念を表明した。
角田議員はさらに続けて、「国連に働きかけて安保理決議1368をさらに具体化する決議を行うよう、外交努力を展開すべきだ」と主張。また、首相が「7項目の当面措置」を記者発表した日に参議院予算委員会が開催されていたにもかかわらず、一切触れなかった点について「国会軽視も甚だしい、民主主義の踏みにじるものだ」と批判した。
同時に角田議員は、後手後手にまわっている国内のテロ対策への政府の取り組みを質し、「イスラエル、パレスチナ両交渉当事者に対し、和平実現のための冷静な話合いを進める環境をつくるべきだ」と提言した。。
これに対し、小泉首相は「テロリズム・テロリストとの対応であり、アラブともイスラムとの対決ではないとブッシュ大統領との会談でも話した」として、単に米国への軍事行動の支援表明をしたわけではないとした。また、7項目の当面措置を予算委員会で公表しなかった点についても、「予算委員会終了後に決まったこと」とし国会軽視にあたらないとした。
次に不良債権問題と中小企業対策に関して角田議員は、「第一に不良債権問題の処理、第二にデフレ対策に取り組まなくてはならない」とした。
角田議員は、「一番に問題なのは、不良債権の実態が正しく公表されていないどころか、それを金融機関が隠蔽していることだ」と批判。「破綻懸念先」あるいは「実質破綻先」に分類されるべき企業が意図的に「要注意債権」に混入されている実態を認識しているかと首相に質した。また、金融機関が中小企業に対して行っている「貸し渋り、貸しはがし」に対する首相の認識と、具体的な対策を質問した。
雇用対策については角田議員は第一に、「失業が長期に及ぶ方々に対して、きちんとしたセーフティネット策を提示し、マンツーマンで再就職に結びつける施策を集中的に行う必要がある」と指摘。第二に、公的部門での雇用創出について質した上で、「雇用不安のない社会をつくることこそが構造改革の大前提」と迫った。小泉首相も総合的な施策パッケージをまとめ、前向きに取り組むと答えた。
高祖前参議院議員の辞職について、角田議員は「高祖氏が辞めれば済む話ではなく、政官業の癒着の根は深い」と批判。首相に対して、真相解明と監督責任を求めた。また民主党が提出している「天下り禁止法案」への賛同を求めた。
狂牛病対策については、角田議員は「政治的決断が遅きに失した」と分析した上で、風評被害対策や、消費者の不安を取り除くための取り組み、畜産農家支援策の提示を首相と武部農水相に求めた。
小泉首相は肉骨粉の輸入禁止と国内流通の規制の実施を報告したが、畜産農家などへの支援は前向きな姿勢を提示するに留めた。
外務省不祥事について角田議員は、「先の通常国会において、機密費削減のため、民主党が提出した予算修正案や機密費流用防止法案をことごとく葬り去った」と指摘。「政府・与党に本気で外務省を刷新する気はあるか」と語気を強めた。
医療制度改革について角田議員は「医療改革が進まないのは、医師会と自民党の癒着による改革つぶしが原因」と指摘。
また、厚生労働省案で患者本人の3割自己負担や、老人医療を75歳以上にし、70歳から74歳までの老人自己負担を2割にするとなっている点について「構造的な問題解決を先送りし、国民に痛みばかりを押し付ける改革だ」とし、首相の見解を求めた。また、老人医療制度を75歳以上とする点については、エイジフリーを目指す現代に逆行すると批判した。
小泉首相は「医療保険財政がきわめてきびしい状況にあるなかで、持続可能で安定的効率的な形を求めた結果だ」とかわした。《民主党ニュース》