平成4653日目

2001/10/04

この日のできごと(何の日)

【シベリア航空機撃墜事件】

ロシア非常事態省などによると、イスラエル・テルアビブのベングリオン国際空港からロシア・シベリア地方のノボシビルスクに向かっていたシベリア航空のツポレフ(TU)154型旅客機(乗客乗員77人)が4日午後、黒海沿岸ソチの南190キロの黒海に墜落した。

ロイター通信によると、複数の米政府当局者は、周辺でウクライナの軍事演習が行われており、ミサイルの誤射による「悲劇的な事故」との見方を示した。またCNNテレビも、米国防総省筋の話として、SAM12地対空ミサイルの誤射で撃墜されたと報じた。

しかし、ロシア、ウクライナ両国防当局は、ウクライナ軍が旅客機墜落の原因になったとの見方を否定。プーチン大統領は当初、テロの可能性も排除しないと述べるなど情報は混乱した。

プーチン大統領は小泉純一郎首相との電話会談で「生存は難しい」と述べ、乗客上院は全員絶望との見方を示した。現場海域で4遺体が発見された。

インタファクス通信などによると、事故当時のウクライナ軍の演習では、対空ミサイルが数発発射されたほか、迎撃戦闘機が飛行する模擬標的をミサイルで撃ち落とす訓練もしていた。ウクライナ国防省は、対空ミサイルの射程高度は5000メートルで同期の飛行高度1万メートルには届かないとの見方を示した。《共同通信》

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【ダイエー・王貞治監督】留任決定

ダイエーは4日、神戸市内のホテルで今季で契約が切れる王貞治監督(61)の留任を発表した。契約年数は2年。

3日に全日程が終了。王監督はこの日、中内正オーナーに3連覇を逃して2位に終わったシーズンを報告。この席で来季の続投を正式に要請され、快諾した。王監督は「情熱は十分。負けたことでかえって高まった。初心に帰ってやる。(投打の)両論で話ができるように投手陣を引き上げたい」と意気込みを語った。

王監督は1995年にダイエーの監督に就任し、99年にリーグ初優勝と日本一を達成。昨年は日本シリーズで長嶋巨人との「ON対決」を実現させた。

就任8年目となる来季に向けて、13日から秋季練習を開始する。《共同通信》

【衆院予算委員会】

衆院予算委員会は4日午前、小泉純一郎首相と全閣僚が出席して基本的質疑を行った。首相は「テロを契機に世界同時不況の様相を呈している」と指摘した上で「安易な国債増発に頼らない姿勢は堅持するが、万が一、安全保障でも経済でも不測の混乱が生じた場合、不要な混乱を起こさせない対策を大胆かつ柔軟にとらないといけない」と強調。本年度補正予算編成に当たり、国債発行を30兆円以下に抑える方針を変更する可能性を示唆した。

首相は米中枢同時テロをめぐり「米国からウサマ・ビンラディンの関与については、かなり説得力のある説明を受けていると認識している」と述べ、米側からの情報提供によりビンラディン氏関与の確証を得ていることを明らかにした。ただ「どういう証拠があるかは、外交上の配慮もあり、公表できないものもある」と述べた。

塩川正十郎財務相はテロ関連の資産凍結について「タリバン関係者の資産を凍結(するため)、165人分を措置した。アフガニスタン向け支払いは許可制にして、タリバン関係者があれば不許可にする」と説明した。《共同通信》

【小泉純一郎首相】韓国、中国訪問が決定

福田康夫官房長官は4日夜の記者会見で、小泉純一郎首相が8日に中国、15日に韓国をそれぞれ訪問すると発表した。首相の両国訪問は歴史教科書問題や首相の靖国神社参拝をきっかけに悪化した日中、日韓関係を改善するとともに、米中枢テロを受けた日本の支援策を説明し、自衛隊派遣に関して理解を得る狙いがある。

首相は北京で江沢民国家主席、ソウルで金大中大統領とそれぞれ首脳会談を行う。中国では首脳会談に先立ち、日中戦争の発端となった盧溝橋を訪問、朱鎔基首相とも会談する。《共同通信》

【英・ブレア首相】「行動を起こす時が近づいている」

ブレア英首相は4日、米同時テロで4機の旅客機を乗っ取った実行犯のうち小なくとも3人が、イスラム原理主義グループ指導者ウサマ・ビンラディン氏とつながりがあることを示す確かな証拠があると言明した。下院でダンカンスミス保守党党首との党首討論で答えた。

ブレア首相はまた、「行動を起こす時が近づいている」と述べ、アフガニスタンへの軍事攻撃が迫っていることを強く警告した。

同首相は「ビンラディンとその組織が9月11日の攻撃に加わったことは疑いの余地はない」と断言した上で、「19人のハイジャック犯のうち、少なくとも3人がテロ基地や組織の追跡記録から、ビンラディンのよく知られた部下であることを確認できる」と語った。また、うち1人は、アフリカでの米大使館連続爆破テロで主要な役割を果たした男だという。

さらに、ビンラディン氏関与の証拠として、同氏が米国でのテロを前に、「大規模な作戦」があると部下に通達していたと指摘。「(グループのメンバーらに)アフガンに戻るよう事件の前後に指令が出されている。何より、側近の一人はビンラディンが、テロの計画を助けたと明言している」と述べた。

一連の証拠についてブレア首相は、文書で下院に提出することを約束。さらに、情報機関はもっと多くの証拠を得ているが、機密扱いで公表できないと述べた。《時事通信》

【MLB】

米大リーグ、ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手(379は5日、サンフランシスコでのドジャース戦の一回、朴賛浩投手から今季71号本塁打を放ち、シーズン最多本塁打の大リーグ新記録をマーク。続く三回の第2打席にも同投手から72号を記録した。

ボンズは9月29日に69号をマークした後、四球攻めなど相手投手陣の厳しい警戒に苦しんだが、4日のヒューストン・アストロズ戦で、1998年にマーク・マグワイア内野手(カージナルス)がつくった大リーグ記録「70」に並んでいた。《共同通信》

【この日の民主党】

テロ問題への基本対応をまとめる

民主党ネクスト・キャビネットは4日、会議を開き、同時多発テロへの党の対応に関する2つの文書を了承した。文書は、「米国における同時多発テロへの対応について」と「今回の同時多発テロに関わる国際的協調行動をとるための特別措置への取り組み」。前者はいわば総論にあたり、後者は新規立法をめぐる諸問題について見解をまとめたものだ。

会議では、鹿野道彦NC外相が、文書のとりまとめの経過と外務部門・安全保障部門合同会議で行ってきた議論について報告。それを受けて、各大臣が意見を交換した。内容への異論も一部にあったが、議論の結果、両文書をNCとして了承した。

「米国における同時多発テロへの対応について」は、「1.民主党の基本的考え方」と「2.日本の対応のあり方」の2つの章からなっている。とりわけ2章では、テロ対応の3原則を打ち出し、それに沿って、外交上の取り組みと国内の取り組みを論じた。

外交上の取り組みとしては、テロ撲滅のための中東和平外交およびアジア外交の積極推進を第一に掲げ、さらにODAの戦略的な活用、多国間協議へのリーダーシップ、難民支援活動など、日本の中立的な立場を活かした独自の取り組みを提起した。

「特別措置への取り組み」は、「犯人の特定」「米国を含む国際協調行動の枠組み」 「国連安保理決議」「わが国の活動について」の4つの章からなる。

自衛隊派遣については国際協調行動として位置付け、武力行使を認める国連安保理決議をねばり強く求めるとしている。新法の内容については、1年の時限立法とし、支援行動の「基本計画」の国会承認を要件とするなど、予想される“海外派兵ありき”の政府案に歯止めをかける内容を盛り込んだ。また、自衛隊の輸送・補給活動には武器・弾薬を含めないこととし、武器使用基準の緩和も盛り込まなかった。

民主党は、この方針をベースに、5日にも提出される政府関連法案をめぐる国会論争などに臨む。

[日本のテロ対応に関する3原則]
一、正義と人道に反するテロには毅然として立ち向かう。
二、米国等のテロ撲滅行動への協力に必要な法整備には、憲法の枠内で周辺事態法の議論を踏まえて取り組む。
三、求められる後方地域支援には、犯人の特定と米国の作戦目的の明確化を求める。

湾岸シンドロームにとらわれた政府与党の対米追随に「釘」~菅幹事長

衆議院予算委員会は、4日、5日の両日、全大臣出席の下で総括質疑を行った。民主党・無所属クラブから菅直人幹事長、仙谷由人、横路孝弘、城島正光の4議員が質疑を行った。

トップバッターの菅幹事長は冒頭、1日に行われた衆議院本会議での代表質問への答弁で、原稿の棒読みに終始した小泉首相を批判。棒読みは避けてほしいと釘をさして議論に入った。

まず、小泉総理就任後の実績を分析したいとして「就任後162日を経過したが、何が進んだのか」と質した。小泉総理は、「私がやろうとすることを国民が支持してくれたからこそ、参議院選挙では民主党よりも多くの票を得た」と開きなおった。

菅幹事長は「国民の支持を得た内閣だからこそ、なおさら公約が守られているかどうかが重要だ」と強調し、議論を放置したまま不意打ちのような形で靖国神社を参拝したことで日中・日韓関係も深刻となった点を指摘。「米国同時多発テロ事件への日本の対応でも、本来ならば直接対話して意思疎通をはからなければならない中国・韓国首脳に対し、直接会談が行えない状況に陥っているのはマイナス」と問題提起。「新法で自衛隊を派遣する前に、中国・韓国両首脳と会って直接説明すべきだ」と要請した。

ブッシュ大統領と同じく米国同時テロを“新しい戦争”と位置づけている総理の認識を質した上で菅幹事長は、「従来の戦争と性格がちがうなら、対応も当然ちがってくるはず」として、国際的な警察機能のあり方などの検討も必要だとした。テログループに対する経済封鎖の国際網の確立なども提案した。

また、菅幹事長は、米国は個別的自衛権の行使、NATO諸国は集団的自衛権の行使に基づき行動しているのに対し、「どういう基本的考え方に基づき米国支援を行おうとしているのか」と質問。小泉首相は「アメリカ・NATO諸国は武力行使も辞さないとして行動している。しかし日本は武力行使をしない。国際協調の立場から、テロ根絶のために支援しようとしているだけ」と繰り返すだけだった。

菅幹事長は「湾岸戦争時に日本は巨額の資金援助だけで目に見える行動がなかったとの批判があり、そのため強迫観念、トラウマにとらわれている。「資金」ではなく「ヒト」での貢献を急ぐのは、そうした見方に捕われた対米追随ではないか」と指摘。「基地の提供など、米軍の作戦行動を日本ほど定常的に支援している国はない。何もやっていないというところからスタートする必要はない」と提起した。それに対して、首相は「日米安保条約は日本にとって必要不可欠。基地としての米軍支援では不十分。国として主体的にできることを考えるのが日本の役目だ」と答えた。

また菅幹事長は、田中外相が、米国同時多発テロ直後に米国務省の緊急避難先を記者団に漏らしたことに言及。「不用意だった。ただ実害はなく、米国から抗議もなかった」とする外相に、「実害があるということは、5機目、6機目が新しい場所に突入するということ」と指摘。「事務方から口止めがなかったから」と言い訳する外相の態度を、「自ら判断できないことを自らの口で明らかにした。外国からの信頼を失うだけでなく、国民の間にも不安が広がった」と厳しい口調で批判した。

菅幹事長は米国高官が語った“ショー・ザ・フラッグ”の認識にも言及。「態度を鮮明にする、支持していることを示す」ということではないかと質したが、小泉総理は「日本に協力を求めていると解釈している」とし、踏み込んだ協力体制を示した。

続いて、アフガニスタン難民支援について、菅幹事長は、現地で活動しているNGOスタッフからのレクチャーをもとに「活動にはノウハウの集積が必要であることを痛感した。机の上で考えていたものとはかなり隔たりがあった」と説明。 中谷長官は「状況によるが、自衛隊の能力と特性を活かした貢献が可能だ。ルワンダ・東ティモールなどで有効な活動を展開した」と答えたが、菅幹事長は、「本来、戦うためのものとしてつくられた軍を難民支援のために活用するのであれば、トレーニングを積まないと役立たないことになる」と問題提起した。

難民支援は短期的発想ではなく長期的視野が必要なこと、また、NGOやUNHCRや周辺政府への多額の資金援助や物資援助など、自衛隊派遣だけでない有効な支援体制も吟味する必要があると指摘。“日本の姿勢を見せること”を目的化しそうな点に危惧を呈した。

深刻化している狂牛病問題については、「イギリスから、日本へ肉骨粉が輸出されたとするEU報告が農水省に伝わったのは事実か」と尋ねた。「90年から96年にかけて333トンの輸入されていた」とする武部農水相に対し、菅幹事長は「そこでどういう対応をとったかが問題。これだけの大事件を水際で止めることこそ役所の仕事」と迫った。菅幹事長は「直接の原因かどうかは別として、EUの指摘は的確だったかもしれない。とにかく調べるべきだ」と述べ、危機感のない政府の対応の甘さを批判した。

次に、構造改革について、菅幹事長は「なぜ、すぐにでもできることをしないで、時間がかかることといっしょに議論しているのか」と指摘。特に諫早湾の水門の問題は農水省の調査委員会さえも開けて調査すべきとしているのになぜ実行に移さないのかを質した。小泉首相は「専門家が調査中だ」とし、その結論をまって実行するので十分だとした。 また、一部を中選挙区にするという衆院選挙制度変更が与党で議論されている点について、小泉首相に尋ねた。

「今後、どのような形でまとまるか見守る必要がある」とする小泉総理に、「民主党に有利かどうかの視点で指摘しているわけではない。政権交代を可能にするには小選挙区制がいいとの視点で与野党協議のもとで基本理念として確立したものであったはず」とし、新法成立にむけ、自民・公明両党が妥協した党利党略のバーター取引の産物であると指摘し、厳しく批判した。

不良債権処理で仙谷由人議員が質問

民主党・無所属クラブから2番手として質問に立った仙谷由人議員は、不良債権問題を中心に論戦を挑んだ。 まず、仙谷議員は、テロに対する対応をめぐってアメリカを訪れ、日米首脳会談に臨んだ小泉首相に対し、ブッシュ大統領が「不良債権処理を含む改革を日本に実行して欲しい」と述べたことを取り上げ、「軍事的な面やその他たいへんなことを考えなければならないのに、情けない。何でアメリカに(首脳会談のたびに)不良債権処理をしろと言われ続けなければならないのか」と質問。

これに対し、小泉首相は「信用されていないんですよ。要注意先債権が、大丈夫だといっていたのに破たんする」と答えたが、仙谷議員はさらに「誰が誰に信用されていないのか」と詰め寄った。首相は「市場が、いまのやり方で本当に不良債権処理が2、3年以内にできるのかという点に疑問を抱いている」と述べ、さらに「より正確に言えば、疑念をもたれている。疑念を解消するための具体的措置、経営者の態度、銀行の審査体制、これに甘さがあるんじゃないのか」と評論家のような口ぶり。

仙谷議員はこれに対し、「日本の構造、金融当局の構造の問題だ」と指摘。フリップを示し、「これまでのほぼ3年間で金融破たん処理につぎこんだお金が32兆4724億円。にもかかわらず、専門家の多くは、事態がより深刻化していると言っている」と述べ、巨額の資本注入にも関わらず市場の不信感が払拭されていない責任を追及した。

一方、柳沢金融担当相は顔を紅潮させ、「過去の公的資金投入は、法律に基づいて預金を全額保護するためにこうなったことは議員はご存じのはず」と興奮しながら反論。仙谷議員は「興奮してしゃべるような話じゃない。少なくとも国民の税金を使ったのはあなたの責任。そのことを肝に銘じてもらわねば、税金を払った国民はうかばれない」と釘を刺した。

また、政府が示した改革先行プログラムにある、株価や格付けが低下した債務者に着目して金融庁が行う「特別検査」について、柳沢金融相は「1月から3月に実施する」と述べたが、仙谷議員は「小泉内閣の柱というべき不良債権処理の対策が来年にならないと始まらないのか。それでマーケット(市場)は待ってくれるのか」と批判した。

さらに仙谷議員は、貸し倒れに備えた引当金を要注意先に厚く積むべきだとの持論を展開したが、柳沢金融相は「会計原則からそれはできない」と否定するなど、二人の議論は平行線をたどった。 民主党は、この方針をベースに、5日にも提出される政府関連法案をめぐる国会論争などに臨む。《民主党ニュース》



10月4日 その日のできごと(何の日)