平成4654日目

2001/10/05

この日のできごと(何の日)

【衆院予算委員会】

小泉純一郎首相は5日、衆院予算委員会で、テロ対策特別措置法案に基づく自衛隊の派遣地域について「無限定といえば無限定だ。どこで戦闘行為が行われるか分からないのだから」と述べ、今後の展開次第でアフガニスタン周辺地域以外への派遣もあり得るとの認識を表明した。同時に「戦闘行為が行われている所には行かない、武力行使はしない(という意味では)限定されている」と強調した。

テロ対策の「当面の措置」として、情報収集のための自衛隊派遣を打ち出したことについては「イージス艦を出すとか、大艦隊を出すなんて言っていない。どういう事態が起こるか分からないので、準備しておかなければならないということだ。新法ができてからだ」と述べ、テロ対策特別措置法成立を受けて派遣する考えを示した。《共同通信》

「難民救援に、なぜわざわざ自衛隊が行くのか。『民間にできることは民間で無駄をなくす』が総理の持論じゃありませんか」自衛隊による米軍などへの後方支援が焦点だった5日の衆院予算委員会。社民党の辻元清美氏が小泉純一郎首相の特殊一法人改革論を逆手に取っ一て突っ込むと、どよめきと笑いが広がった。

首相は戸惑ったような表情で答弁に立ったが、「日本は日本の国力に応じて、できるだけの機能を活用したい。民間機も必要なら行ってもらうが、自衛隊ができることやっちゃいけないということはない」と言うのが精いっぱい。すっかりお株を奪われた。

政府は6日にテントや毛布などを積んだ航空自衛隊のC130輸送機6機をパキスタンに出発させることを決めている。しかし、同機でパキスタンへ行くには数度の給油が必要で片道2泊3日かかるなど、民間機に比べ効率の悪さを指摘されている。

中谷元・防衛庁長官は「アフガニスタン情勢は悪化しており、何が起きるか分からない」と危険性を強調したが、非政府組織で活動経験がある辻元議員は「民間機なら11時間で着くし、輸送機6機分の荷物も一度に運べる。本当の国際貢献は(日本の)旗を見せに行くことではない」。

「ショー・ザ・フラッグ」に走る政府への痛烈な皮肉に、首相も長官もたじたじだった。《共同通信》

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【パ・リーグ】全日程終了

猛打近鉄が12年ぶりの優勝を果たしたパ・リーグは5日、近鉄のローズがシーズン56本塁打に挑戦したオリックス−近鉄で全日程を終了した。

3連覇を逃したダイエーが2位で、以下西武、オリックス、ロッテの順で、日本ハムは7年ぶりの最下位。

個人タイトルでは、ローズは王(巨人、ダイエー監督)のプロ野球記録に並ぶ55本塁打をマークし、2年ぶり2度目の本塁打王に。中村(近鉄)は2年連続打点王に加え、初の最高出塁率を獲得。首位打者は福浦(ロッテ)が3割4分6厘で、プロ野球史上2位の195安打を放った小笠原(日本ハム)らを抑えた。井口(ダイエー)は44個で初の盗塁王となった。

15勝を挙げた松坂(西武)は3年連続最多勝。高校出1年目からの3年連続は初の快挙で、2年連続最多三振奪取も獲得した。

ペドラザ(ダイエー)は2年連続最優秀救援投手とあんり、ミンチー(ロッテ)が防御率、田之上(ダイエー)が勝率で初のタイトルを獲得した。《共同通信》

【社民党党首選】土井たか子氏が無投票再選

社民党党首選は5日午後、現職の土井たか子党首が立候補を届け出、他の立候補者がないため無投票での再選が決定した。土井氏は1996年12月、村山富市・前党首から禅譲を受けて党首に就任した後、これで3回連続無投票当選。旧社会党時代を合わせれば7選目となる。任期は2年。

当選後の記者会見で、土井氏は「若い人の力を存分に発揮していただけるような環境整備をするのが任務だ」と述べ、党再生のため若手登用を中心に党内人事の一新に着手する考えを示した。《共同通信》

【この日の民主党】

米軍のどんな行動でも支援するのか?~横路孝弘副代表が首相の危うさを追及

衆議院予算委員会で5日、民主党の横路孝弘副代表が菅直人幹事長の関連質疑を行い、米国同時多発テロに対する日本の支援に的をしぼって議論した。

横路議員は冒頭で、国際社会としては犯人と組織の特定・逮捕・裁判・処罰して解体していくことが必要だとの見方を示し、中長期的にはテロが生まれる構造をなくすことを優先すべきだと指摘。同時に、国連を中心とした国際協力のあり方を議論することこそが重要であると問題提起した。

「米軍のどんな行動でも支援するのか、市民への攻撃は避けるべきだとの見方もある点をどう考えるか」と質したのに対し、小泉首相は「ブッシュ大統領は非常に冷静である」との見方を示し、「憲法の範囲内で支援・協力体制をとる。それが国際社会の一員として責任を果たす。主体的に取り組んでいく」と、お決まりのフレーズを繰り返した。

横路議員が「インド洋まで派遣する自衛隊の役割は何か」と質したのに対して、小泉首相は「民間にはない能力を自衛隊は持っている。国際社会が一丸となってテロ根絶のために戦うとき、自衛隊の能力が発揮できるのであれば、出すのが当然」と述べ、「武力行使はしないという前提のもとに、かなりやれることはある」と、相変わらずの答弁で終始した。

横路議員は「憲法や国連憲章にもとづいて行われるべきだ」とし、さらに今回のテロ対応は軍事力を結集した湾岸戦争型ではなく、それぞれに役割分担がある点を分析。「現行法の範囲内でも行える難民支援こそを日本が担うべきだ」と提案した。

小泉総理は「現行法でできることは精一杯やり、現行法でできなくても自衛隊が活躍できるところがあれば、新法を制定する。自衛隊が働く場は現行法以上にある」して新法制定の必要性を重ねて述べた。横路議員は「PKOの人道支援という形で対応すべき」と応戦した。

新法制定のベースとなっている7項目のなかのひとつである「情報収集のための自衛官艦艇の派遣」の目的についても、横路議員は「艦艇を派遣しての情報収集とは何か」と質問。また、「本来は米軍の作戦行動があって、それに対して協力するか否かを決めるべきもの。米軍が何をするかもわからない時点で、大部隊を送るような構想が出来上がっているのが問題」とし、イージス艦もAWACS(エイワックス)の配備も不要だと強く否定した。

また、新法の問題点として、横路議員は(1)地理的制約がなくなり、地球規模で米軍と行動をともにする構図ができあがった。(2)外国の領土内での活動を可能にした。(3)米国以外の外国軍隊と一体となって行動することを可能にした。(4)自国が攻撃されていないにもかかわらず、他国を攻撃することを可能にした、とした4項目を提示。「憲法論議をあいまいにしたまま、事実上の集団的自衛権に道を開いた」と分析した。

また、横路議員は、新法では武器や弾薬の輸送を可能にするとしている点について、「武器・弾薬の補給は武力行使とは別だとの論理は、戦争の実態からすれば成立しないことを指摘。「ごまかしの理論だ」とした。

中谷防衛庁長官は「武力行使と一体化しないというのが大前提だ」とし、実施地域がわが国の領域および戦闘行為が行われていない地域に限定しているため、武器・弾薬を輸送しても、米国との武力行使の一体化とはいえず、憲法上の問題は生じないと繰り返した。

横路議員は武力行使が認められるのは、国連憲章第51条で認めた条件と国連憲章第7条で認めたものであると説明した上で、「今回の行動も国連決議1368を根拠だとするのは無理がある。日本政府も米軍も、行動するにあたっても、新しい国連決議がどうしても必要だ」と重ねて指摘した。

さらに横路議員は、テロ特別措置法案の成立にも非常に危うさを感じるとして「シビリアンコントロールの原則は国の基本であって、急を要するから、事後報告でいいということになると、軍事優勢になってしまう」と批判した。

中谷防衛庁長官が「今回の法案はテロ事案に対応してとり得る特別措置法。必要がなくなれば廃止するのが前提。そうした点を見ると、今後の派遣部隊等についての国会の同意は、法律が成立されるとそれについてもお認めいただいたと見なせる」とした。

これに対して横路議員は言葉を強め、「新法が通ればそれが国会承認だとする議論は暴論だ」とその答弁をきびしく批判した。

横路議員は「十分な国会論議が必要だ」と釘をさし、アメリカ研究者の日本政府の見方を紹介。「ブッシュ政権が何を日本に求めているのか。どうやったら自衛隊は米軍を満足させられるかといった問題ではないと指摘している。全くその通りだと思う」として、政府の方向性に疑問を呈した。

きめ細かい雇用対策を要求~城島正光議員が政府の方針ただす

衆議院予算委員会で5日、民主党・無所属クラブから城島正光議員が質問に立ち、得意分野の雇用政策にテーマを絞り、深刻な雇用情勢をめぐる対策について、政府の方針を質した。

城島議員はまず、小泉首相の所信表明演説について「“雇用対策国会”と銘打ったわりには、大まかな方向が示されただけで、肩すかしをくわされたような感じだ」と述べ、政府の雇用対策の具体的内容や財源措置について質した。しかし、塩川財務大臣、坂口厚生労働大臣ら関係閣僚はそろって「これから検討する」としか答えられず、取り組む姿勢に疑問を抱かせた。

また城島議員は、雇用保険にも入っていない自営業者の倒産・廃業が多いことを指摘し、これに対応した失業対策を求めた。平沼経済産業相は「必要性は指摘の通り」と述べ、自営業者を対象に売掛債権で保証枠をつくって融資を行うほか、新規起業支援として事業内容に着目した無担保融資などを実施する意向を明らかにした。これに加えて城島議員は、親の失業による高校退学者の増加への対応、開業・創業のためのノウハウを学ぶ大学講座の増設などの具体策を要求した。

さらに、構造的な雇用のミスマッチの解消策をめぐっては、政府が年齢制限廃止の例外規定を設けていることについて批判し、見直しを要求。職業紹介についても、英国の職業カウンセリングや米国の「ハローワーク」の取り組みを紹介しつつ、実際に利用価値のあるサービスの構築を求めた。坂口厚労相は、キャリア・カウンセラーの人材養成などを含めて努力するとし、小泉首相も「重要な指摘だ」と検討を約束した。

機能不全を起こしている雇用保険制度をめぐっては、職業訓練受講を条件とした給付延長(2年)や財政安定化基金(2兆円)の創設といった民主党の当面の充実策を説明し、制度改革および財政面の展望について質した。坂口厚労相は、給付期間の延長は無理だとしながらも、技能・技術を勉強したい人への支援については範囲を広げると述べた。また、財政展望については今後の経済動向次第だと述べるにとどまった。

訪中・訪韓日程を予算委直後に発表したのは国会軽視~菅幹事長が記者会見で首相非難

民主党の菅直人幹事長は5日の定例記者会見で、4日に行われた予算委員会での質疑にで、新法で自衛隊を派遣する前に中国・韓国両首脳と会って直接説明すべきだと要請したのに対し、小泉首相が「機会があれば検討したい」とした答弁に言及。実は、同日午前中に首相の訪中・訪韓日程が固まっていたことが質問の直後に判明したことについて、「当然総理も承知していたはず。(質疑でも)訪中・訪韓日程は当然明らかにすべき内容だったはず」と述べ、「単に不誠実な対応だというだけでなく、国民をごまかそうとする行為だ」と厳しく批判した。

また、「小泉総理の靖国神社参拝問題が日中・日韓関係を悪化させたそもそもの原因だ」とした上で、来年の参拝をどうするか、国立墓苑構想がどうなっているかなどをあいまいに答弁した小泉首相の姿勢についても指摘。「訪中・訪韓前に基本的姿勢を決めるべき」と述べた。

5日に閣議決定され、国会に提出された「テロ対策特別措置法案」について、菅幹事長は「これまでの経験上、名前が長いものはインチキが多い。今回の法律も言い訳につぐ言い訳を重ねた結果ではないか」との見方を示した。どういう位置づけで自衛隊を派遣しようとしているかという基本的な考え方を明らかにしないまま、政治的な思惑のなかで生まれた、「骨太の法律」とはいいがたい「状況対応型法律」だと分析した。《民主党ニュース》



10月5日 その日のできごと(何の日)