平成4647日目

2001/09/28

この日のできごと(何の日)

【巨人・長嶋茂雄監督】勇退発表

「ミスタープロ野球」巨人の長嶋茂雄監督(65)が今季限りで辞任することが28日、決まった。新監督には原辰徳ヘッドコーチ(43)が就任する。長嶋監督は午後4時半から、東京都内のホテルで渡辺恒雄オーナー(読売新聞社長)、原ヘッドコーチとともに会見し、「この数年間は、後継者にだれが一番適任かを計りながらチームの指揮を執ってきた。これからは野球界の発展のために協力させてもらいたい」と辞任の理由を述べた。球団は「終身名誉監督」のポストを用意し、本拠地最終戦となる30日の横浜戦(東京ドーム)の試合後にセレモニーを予定している。

2年連続日本一を目指した巨人は今季、好スタートを切りながら、投手陣の不調で失速。終盤にヤクルトを追い上げた。が、優勝は絶望的になっている。

現役時代から絶大な人気を誇った長嶋監督は巨人が10連覇を逸した1974年に引退し、75年から指揮を執った。76、77年とリーグ連覇を果たしたが、3年連続で優勝を逃した80年に解任された。

「充電期間」を経て、サッカーJリーグの誕生などで野球人気に陰りがみえた93年に復帰し、94年に監督として初の日本一。背番号を現役時代の「3」に戻した昨年は5度目のリーグ優勝を飾り、日本シリーズではダイエーの王貞治監督との「ON対決」を制し2度目の日本一に輝いた。監督通算15年で、ことし6月には史上10人目の1000勝監督になった。《共同通信》

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【オリックス・仰木彬監督】勇退発表

オリックスは28日、仰木彬監督(66)の今季限りでの勇退を発表した。後任には西武、ダイエーでプレーした石毛宏典氏(45)=野球解説者=の就任が確実となっている。

仰木監督は1994年にオリックスの監督に就任。米大リーグ、マリナーズでプレーしている当時3年目の鈴木一朗の素質を見抜き、登録名を「イチロー」として1番打者に抜てき。イチローはこの年、シーズン210安打のプロ野球新記録を達成する活躍だった。

阪神大震災が起こった95年にはチームを初のリーグ優勝に導き、96年にはリーグを連覇。巨人との日本シリーズも4勝1敗で制した。しかし、昨年は球団創設以来、初のBクラス(4位)。今季も4位となっている。《共同通信》

【巨人・槙原寛己投手】引退表明

プロ野球、巨人の槙原寛己投手(38)が28日、今季限りでの現役引退を明らかにした。川崎市のジャイアンツ球場で練習したこの日、「(1軍で)投げても辞めるつもりだった。30日に監督にあいさつします」と話した。

槙原は1982年ドラフト1位指名で愛知・大府高から入団した。83年に12勝して新人王を獲得すると、以後1軍に定着。94年5月18日の広島戦(福岡ドーム)で完全試合を達成し、同年の日本シリーズで最高殊勲選手に選ばれるなどリーグを代表する投手として活躍した。150キロ前後の直球とスライダー、フォークボールに定評があった。プロ20年間の通算成績は159勝128敗56セーブ、防御率3.19。

今季は右肩痛で開幕から2軍。1軍での登板がないままでの引退表明に「本当に投げたかった」と話した。現在、右肩に加えて右足首を痛めており「(ファンへの)あいさつはファン感謝デーになると思います。こんな状態だから」と語った。《共同通信》

【薬害エイズ事件】元厚生省課長に有罪判決

薬害エイズ事件で、2人の患者にエイズウイルス(HIV)に汚染された輸入非加熱血液製剤を投与させて死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元厚生省生物製剤課長M被告(60)に、東京地裁は28日、1986年4月の投与について「加熱製剤承認後に非加熱製剤を回収しなかった過失がある」と述べ、禁固1年、執行猶予2年(求刑禁固3年)の判決を言い渡した。承認前の85年5−6月の投与は無罪とした。

判決理由で永井敏雄裁判長は「被告の過失は結果発生の危険を全国に及ぼすもので看過できない。自らのイニシアチブで行動を起こすことが求められていたのに、何の措置も取らなかった」と厳しく批判した。

一方で「加熱製剤承認に積極的な対応をしていたのは事実で、施策の方向性という点では職責を果たしていた」と述べた。薬害をめぐる行政の不作為で刑事責任が認められたのは初めてという。M被告側は控訴する方針。《共同通信》

【小泉純一郎首相】英仏伊首脳とテロ対策連携を確認

小泉純一郎首相は28日夜、英国のブレア首相、フランスのシラク大統領、イタリアのベルルスコーニ首相と相次いで電話会談し、米中枢同時テロをめぐる対応策で連携を強める方針を確認した。同時に小泉首相は国際テロ組織と対決する決意と、アフガニスタンの難民支援などに取り組む意向を表明した。《共同通信》

【パキスタン】タリバンの説得失敗

パキスタンのイスラム聖職者や軍情報部長らで構成する代表団は28日、アフガニスタン・タリバン政権の本拠地カンダハルを空路訪問した。同政権の最高指導者オマル師と会談し、米中枢同時テロの最重要容疑者とされるウサマ・ビンラディン氏の引き渡しをあらためて促したとみられる。

米国の報復攻撃回避に向けたぎりぎりの説得工作だが、米CNNテレビはタリバン政権筋の話として、同政権がビンラディン氏の引き渡し要求を拒否、交渉は失敗したと報じた。同テレビはまた、米政府当局者が米英軍の特殊部隊が既にアフガニスタン国内で作戦行動を開始したことを確認したと伝えた。28日付の米紙USAトゥデイー(電子版)も、米軍特殊部隊が2週間にわたりビンラディン氏の捜索活動を展開していると伝えた。

パキスタン代表団の聖職者は、タリバン幹部らが学んだパキスタンの神学校の導師らとみられている。

代表団はキリスト教布教を行ったとしてタリバンが拘束している米国人らの非政府組織(NGO)活動家8人の解放も求めたとみられるが、CNNによると、タリバンはこの要求も拒否した。代表団は28日夕、帰国の途に就いた。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は28日、シアトルのアスレチックス戦で3打数2安打し、今季233安打で1911年に“シューレス”ジョー・ジャクソンがマークした新人最多記録に並んだ。試合はマリナーズが5−3で勝ち、九回を抑えた佐々木投手が43セーブ目。

メッツの新庄外野手はブレーブス戦で4打数1安打。試合は首位ブレーブスが5−3で勝ち、メッツとの差は4ゲームと開いた。

レッドソックスの野茂投手はタイガース戦に先発。6回1/3を4失点で敗戦投手(12勝10敗)になった。通算奪三振は214でア・リーグのトップ。《共同通信》

【この日の民主党】

菅幹事長が会見で自衛隊の突出した行動を批判

民主党の菅直人幹事長は28日の定例記者会見で、米国で起きた同時多発テロ事件への政府・与党の対応について「ぶれている状況は目に余るものがある」と強い口調で批判した。

特に海上自衛隊のイージス艦を米海軍の空母キティホークとともに行動させ、場合によってはインド洋まで派遣しようとした点について、「福田康夫官房長官も山崎拓幹事長も事実を把握しておらずに急遽取りやめになった。こうした形で、極めて重要なことが政府・与党内での方針が定まらないまま、突出した一部の行動で実行に移される事態は極めて問題」と指摘した。

菅幹事長は「制服組出身の中谷長官が制服組の主張に押されて行動したとすれば、大変な事態だ」とし、「中谷防衛庁長官が就任した折、敢えて文民統制を総理に投げかけたが、今まさに自衛隊を活用しようとするとき、そうしたシビリアンコントロールの上で成り立たせなければならない」と強調した。また、「自衛隊が動いたからには、少なくとも中谷元防衛庁長官は知っていたはず」とし、総理・官房長官への報告なしに行動したとすれは、中谷防衛庁長官の責任問題であると言及した。

また、最近の米軍の動きへの印象として「当初の動きとは、やや変化しつつある」との見方を示した。その根拠として、硫黄島での訓練後はインド洋に向かうと見られていた米海軍空母キティホークが、30日正午ごろに横須賀基地同基地に帰港するとされている点について、「犯人を特定して捕らえようと考えたとき、大規模攻撃に出ただけではそれを実現し得ないことは十分ありえる」として、米軍の行動の変化は犯人逮捕に重点をおいたことによるものではないかと分析した。

そうした中で日本がとるべき行動について菅幹事長は「米軍の軍事行動そのものへの支援という意味では、基地提供という形で定常的な後方支援を日本は行っている。そう考えると、加えての後方支援としては、例えば難民等への支援など、全くちがう性格の支援も重要性は高いのではないか」と問題提起した。

続けて、HIVに汚染した非加熱製剤の回収措置などを怠り、血友病患者を感染・死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた元厚生省生物製剤課長の松村明仁被告に対し、28日に東京地裁が有罪判決を言い渡した件について、菅幹事長は「元課長ひとりの責任に止まらない。まさに組織的な、長く継続した厚生省薬務行政の構造的な責任だ」ときびしく批判。総理大臣・薬務局長もどこまで事実を把握していたかは不明だが、責任は大いにあると指摘した。

同時に非加熱製剤の回収の遅れについて、“怠慢であったから”との観点には止まらないとの見方を示した。「回収すべきことは常識的に認識していたにもかかわらず、“問題があること”を認めるのを避けるため、意図的に回収しなかったと判断できる」と分析した。非加熱製剤に関わった歴代担当者の責任追及を避けるために行われた、厚生省の隠蔽体質の産物であるときびしく批判した。

さらに、狂牛病対策として肉骨粉の輸入を農水省が中止しようとしている点について、「輸入禁止だけでなく、国内の肉骨粉についても使用を全面禁止すべきだ」とした。また、過去に輸入された肉骨粉の扱いについても徹底した調査・指導が必要だとの考えを示した上で、「薬害エイズ問題同様、過去の行政責任を隠蔽するためにうやむやにするようなことはあってはならない」と強く主張した。

民主党としては、農水省・厚生労働省それぞれの責任をきびしく追及すると同時に、これ以上被害を拡大させないための体制を早急に整えるよう求めていく。《民主党ニュース》



9月28日 その日のできごと(何の日)