平成4841日目
2002/04/10
この日のできごと(何の日)
【党首討論】
小泉純一郎首相は10日午後、今国会初の党首討論で、公共事業受注企業からの寄付制限について、与党の議論を待つ意向を示すのにとどまり、寄付の全面禁止を求めた民主党の鳩山由紀夫代表の提案には具体的に答えなかった。
首相は先月28日の与党3党首会談で、受注企業からの献金規制を検討する考えを表明するなど積極的に主導する姿勢を強調していたが、「非現実的」などとする自民党内の反発に配慮して発言を後退させたとみられる。
衆院解散については、「(政局が)混乱した時には考えるかもしれないが、改革に(与党が)協力している限りは、解散の必要はない」と否定し、構造改革の実現に全力を挙げる考えを表明。武部勤農相の続投決断の背景に関し、自民党橋本派幹部や公明党の辞職要求に屈した印象を国民に与えたくないとの意識があったことを示唆した。
首相は農相続投をめぐり「国民の強い声は分かっているが、農相の改革への意欲、批判を謙虚に受け止めて新しい体制をとるという意欲を買って、続投を決断した」と強調した上で「辞めさせれば自民、公明両党の辞職要求に従った、辞めさせて問題を糊塗しようとした、との批判が出る」と説明した。
企業の寄付制限では「不祥事をなくすにはどんな対策が必要か、与党で協議し、もう一歩現実より踏み込んだ対応が必要と議論している。論点を整理して、できるだけ早く、実効ある改善点を詰めていきたい」と述べた。
志位和夫共産党委員長が、北方領土問題をめぐり鈴木宗男衆院議員が対ロシア二重外交を行っていたと、指摘したのに対しては「(鈴木氏の発言は)日本政府の発言ではない。政府としては二島返還で平和条約締結とは一度も言っていない」と述べ、二重外交の事実はないとの認識を示した。《共同通信》
◇
10日の党首討論はスキャンダル続出の最近の永田町事情を反映し、ヤジ合戦も過熱、激しい言葉が飛び交った。最も騒然としたのは、鳩山由紀夫民主党代表が「自民党さんの席を見ると、ある意味で鈴木(宗男衆院議員)さんと同じことをしている人ばっかり」と発言した場面。一斉に反発する自民党席の中でも、大島理森国対委員長の大声がひときわ目立った。「車はどうしたんだよ」。
「車」は一部報道で、鳩山氏が地元業者から高級車の無償提供を受けていたと指摘された問題。大島氏はそれまで、鈴木氏の議員辞職や武部勤農相の辞任を迫る鳩山氏に「程度が低い。政策論争をやれ」とヤジっていたが、いつの間にかスキャーンダル合戦の先頭に。有事法制を取り上げた土井たか子社民党党首にも「まず(辻元清美前衆院議員の)参考人招致に応じろ」と野太い声を上げた。
野党側で最もハッスルしたのは、菅直人民主党幹事長。小泉純一郎首相が「野党の皆さんは自民党がけんかすることを期待しているようだが、自民党は変わった」と述べた場面では、「小泉純一郎との共闘を、ここに撤回する」と題する自民党の舛添要一参院議員の手記が月刊誌に掲載されたことを突き「舛添さんも言っているじゃないか」。傍聴席にいた舛添氏は「勝手に名前を出すな」と真っ赤になった。《共同通信》
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【日産・モコ】発売
【日産自動車】中国に全面進出
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は10日、共同通信とのインタビューで、自動車の巨大市場に育つのが確実視される中国に対し、軽自動車を除く小型から大型まで、ほぼ全分野にわたる乗用車を投入していく方針を明らかにした。日産は現在、中国の三大自動車メーカーの一つ「東風汽車」との提携交渉を進めており、近く現地での本格的な販売や生産体制を構築する見通しだ。
昨年12月に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟したこともあり、トヨタ自動車やホンダを含め、市場拡大をにらんだ世界の大手自動車メーカーの中国進出競争が一段と激しさを増すことになる。
ゴーン社長は、中国で生産、あるいは販売に乗り出す具体的な車種や時期に関して「交渉の最終段階」と述べるにとどめたが、「数多くの車種、新車を投入したい」と強調。日本で人気が高まっている新型乗用車「マーチ」などをベースにした小型車の現地生産も視野に入れていることを表明した。
中国事業では、1995年から東風グループの商用車メーカーと共同で、小型トラック「ダットサントラック」の生産を開始。また別のメーカーで乗用車「ブルーバード」をライセンス生産しているが、まだ小規模なのが現状だ。
日産は2002年3月期決算で過去最高益を見込んでおり、業績の急回復を背景に中国戦略を本格的に始動。4月には独立の中国事業部門を社内に設置したほか、提携先への出資も拡大しており、今後は収益の柱となる乗用車分野を強化していく計画だ。《共同通信》
【日本サッカー協会】コスタリカ戦代表選手発表
日本サッカー協会は10日、ワールドカップ(W杯)に向けた日本代表のことし3戦目の国際親善試合、キリンチャレンジカップ2002、日本−コスタリカ(17日・横浜国際総合競技場)に臨む代表選手の22人を発表した。
今回は国内組だけで、2月に急性腹膜炎の手術を受けた服部(磐田)、故障明けの田中(磐田)が復帰。今月9日に急性肺炎と診断された高原(磐田)は外れ、好調の山下(仙台)が選ばれた。
3月のポーランド遠征メンバーからはDF大岩、鈴木(ともに磐田)が落選。ベテラン中山(磐田)は今回も選出されず、右ひざ再手術から半年ぶりでJリーグに復帰した名波(磐田)の選出も見送られた。《共同通信》
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ワールドカップ(W杯)出場国のコスタリカだが、トルシエ監督は「ほかの選手を使ういい機会」と割り切って、MF中田英(パルマ)小野(フェイエノールト)ら欧州の4選手は招集しなかった。「ほかの選手」とは23人枠の境界線上にいる存在といえる。
監督はそうした存在に三都主をはじめとして明神、中村、中沢、福西、久保、小笠原の名前を次々に挙げた。中村、明神、中沢はトルシエ体制で相応のキャリアはあるものの、昨年後半から今年にかけては出場機会が少なかった選手。残る4人は、ことしのウクライナ戦、ポーランド戦で何らかの見せ場をつくっている。監督は「時間をかけて使い切っていない選手にチャンスを与えたい」とした。《共同通信》
【知的財産戦略会議】
10日、官邸で知的財産戦略会議(第2回)が開催された。この日の会議では、知的財産をめぐる課題や特許裁判の迅速化、充実化などについて意見が交わされた。会議の締めくくりに小泉首相は「この問題は難問も多く、日本が生き残るためには何が大切か戦略を考えて欲しい」と述べた。《首相官邸》
【政界談話室】
○・・・心臓の手術を受けた橋本龍太郎元首相は10日、2月末の緊急入院後初めて自民党橋本派の運営幹事会に出席。周囲に「二本足で歩いているよ」と冗談も飛ばす元気さで、「ご心配をかけたが、地獄の何丁目からか帰ってきた。自粛しながら、皆さんと頑張っていきたい」とあいさつし、出席者の歓迎を受けた。しかし、戻ってみれば「スキャンダル国会」の真っ最中。離党したとはいえ、焦点の鈴木宗男衆院議員の進退問題に、同派としても無関係ではいられない状況とあって「帰ってきても地獄」との声も。《共同通信》
【パレスチナ問題】
イスラエル放送によると、同国のシャロン首相は10日、定例の治安閣議を開き、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に先月29日侵攻させた軍部隊を、作戦完了まで撤退させないことを決めた。
同日早朝、北部ハイフア付近で路線バスにパレスチナ人の男が乗り込んで自爆し、犯人と乗客計9人が死亡したテロ事件などを理由とする決定とみられる。
国連や米国、欧州連合(EU)、ロシア、日本など国際社会からの「即時撤退」要求に、イスラエル政府が当面応じず、軍事作戦を続行する方針であることが明確になった。
同放送によると、イスラエル政府筋は10日、パウエル米国務長官とアラファト・パレスチナ自治政府議長の会談が13日午前、軍が議長を監禁中の西岸ラマラで設定されたと語った。シャロン首相は9日、長官と議長の会談は「悲劇的な誤り」と述べ難色を示していた。
軍が侵攻していない西岸エリコでの会談も検討されたが、アラファト議長は軍が「テロ容疑者」として逮捕を狙う側近の同行を求め、イスラエルがこれを拒否したため流れたという。
イスラエル放送によると、アラファト議長は10日、ラマラで、先月末のイスラエル軍による監禁後初めて、パレスチナ解放機構(PLO)のアッバス事務局長や自治政府幹部と会談した。《共同通信》
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イスラエル放送によると、同国北部の地中海岸にある港湾都市ハイファの南で10日早朝、エルサレム行きの路線バスにパレスチナ人とみられる男が乗り込んで自爆し、乗客8人と犯人の計9人が死亡した。また22人が負傷した。
イスラム原理主義組織ハマスの武装組織を名乗る男から、カタールの衛生テレビに電話で声明があった、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区へのイスラエル軍の侵攻の報復とみられる。大規模な自爆テロが起きたのは先月31日にハイファで16人が死亡して以来。
イスラエル放送によると、レバノンのイスラム原理主義組織ヒズボラは10日、イスラエルが併合したゴラン高原北部のイスラエル軍陣地などを砲撃。軍はレバノン南部やベカー平原のヒズボラ拠点を報復空爆した。軍が2000年5月にレバノン南部から撤退後、最大規模の戦闘となった。
軍の激しい侵攻作戦が続くヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプでは10日、イスラム原理主義組織「イスラム聖戦」指導者が射殺されたのに伴い、パレスチナ人約250人が投降。未確認ながら戦闘は終結したとの情報もあり、ジェニンでの作戦は最終局面を迎えているもようだ。
AP通信によると、西岸ナブルスでは同日、戦闘で死亡したパレスチナ人14人の遺体を救急隊員が収容。軍によると、作戦開始からナブルスで74人のパレスチナ人を殺害した。軍はナブルス近郊の村への侵攻を継続、アルアイン難民キャンプに砲撃を加えた。
西岸ベツレヘムでは同日、聖誕教会付近で軍と教会内部のパレスチナ人との銃撃戦に巻き込まれ、アルメニア正教の司祭が重傷を負った。《共同通信》
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パウエル米国務長官は10日、マドリードの首相府でイワノフ・ロシア外相、欧州連合(EU)議長国スペインのピケ外相、アナン国連事務総長と会談し、イスラエルの占領地からの即時撤退、パレスチナ側のテロ停止努力などを求めた共同声明を発表した。11日にイスラエル入りするパウエル長官は、国際社会の幅広い支持を取り付けた上で、イスラエルに撤退を迫るとみられる。
声明はイスラエルに対し民間施設などへの軍事攻撃停止、停戦、占領地からの即時撤退とともに国際人道法の順守を要求。アラファト・パレスチナ自治政府議長には、すべてのテロ取り締まりに最大限努力するよう強く求めた。
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フランス・ストラスブールの欧州議会は11日、イスラエル軍のヨルダン川西岸パレスチナ自治区への侵攻に抗議し、イスラエルに経済制裁を科すよう求める決議案を賛成多数で採択した。
決議は、欧州連合(EU)がイスラエルとの間で締結している貿易など包括的な協力協定を停止するよう求めている。イスラエルは同協定によってEUの特恵関税措置などを受けている。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ジャイアンツの新庄外野手は10日、サンフランシスコでのドジャース戦に「1番・中堅」で出場し、今季初本塁打を放った。4打数1安打で打率を1割台に乗せた。
新庄は四回の第2打席で、左へ先制のソロ本塁打。試合はジャイアンツがボンズの二塁打で2−1とサヨナラ勝ちした。
マリナーズのイチロー外野手はエンゼルス戦に「1番・右翼」で出場し、2打数1安打1打点、打率を2割8分9厘に上げた。第2打席に右越え二塁打、第3打席で中犠飛を放った。試合はマリナーズが8−1で快勝。
ブルワーズの野村投手はカージナルス戦で1点リードの八回途中に3番手で登板し、打者1人を打ち取った。試合はカージナルスが延長十一回、6−5でサヨナラ勝ちした。《共同通信》
【この日の民主党】
鳩山代表、改革に背を向ける首相を厳しく批判
10日、参議院国家基本政策委員会の合同審査会において、今通常国会初の党首討論が行われ、民主党の鳩山由紀夫代表が国民に背を向ける小泉首相の変節を痛烈に批判した。
主なやりとりは以下の通り。
■「初心に戻りなさい」
鳩山代表「小泉総理、初心に戻りなさい。内閣が発足してほぼ1年で、国民の支持率は半分以下になった。これは国民が変わったんじゃない。あなたが国民の方ではなく、永田町の方ばかり向くようになったからだ」
小泉首相「支持率が変わろうが、改革への意志は変わっていない。自民党も、一部に異論があったが、私の改革方針を支持してくれている。私でなく、自民党が変わってきている」
■BSE問題
鳩山「BSE問題で農水省の「重大な失政」を指摘する報告書が出た。武部農水相に対して、国民の7割が「辞めなさい」と意思表示し、与党の中からも責任を取らせるべきだという声が出ていたにもかかわらず、それを抑え込んだのはあなたではないか」
首相「総理をやれば、何をやっても批判が起こる。辞めれば済む問題ではない。(農水省)改革への強い意欲を買って続投を決断した」
鳩山「派閥の論理の中で判断しただけ。武部大臣の失政でどれだけ国民が傷つけられたかを考えれば、まずけじめをつけてからスタートすべきだ」
■鈴木議員問題
鳩山「自分でいったんは“(鈴木議員は)けじめをつけるべき”と発言しながら、与党に言われてすぐにひっくり返った。本当は辞めた方がいいと思っているのではないか。それなら、野党の辞職要求に応えるべきだ」
小泉「(国会議員の)出処進退は、本人が決めることだ」
鳩山「いつから評論家になったのか。自民党で大事な役職を担っていた人なのに、すべて他人事のようだ。自民党総裁としてのリーダーシップが求められている。厳しく辞職を求めるべきだ」
小泉「(鈴木議員は)すでに離党している」
鳩山「そうやって鈴木議員をかばうから抵抗勢力に負けた姿が明らかになり、支持率を下げたことに気付くべきだ」
■機密費上納問題
鳩山「田中真紀子氏が機密費問題で韓国TV局の取材に対して“外務省と官邸は本当は一緒”と言っている。官邸への機密費上納問題を究明せよ」
小泉「田中氏は機密費については問題ないと外相時代に言っている」
鳩山「田中氏は、官邸の裏金と外務省の機密費について外相時代に公開するつもりだったが、小泉首相と福田官房長官に抑えられたとも語っている。田中氏を参考人として呼んで機密費上納問題について聞きたい。委員会に要求する」
■公共事業をめぐる汚職問題
鳩山「公共事業受注企業から寄付を受けることを禁止しようと提案したと聞いた。ぜひリーダーシップを発揮してやってほしい」
小泉「不祥事をなくすためにどのような対策が必要か、与党で議論をつめている」
鳩山「難しい話ではない。選挙期間中は禁止されているものを、全期間に広げるだけのことだ。福田官房長官が「こんなことをやったら自民党が潰れてしまう」と言ったそうだが、あなたは『自民党をぶっこわす』と言ったのだから、ぜひあなたの手で法案を出して実現してほしい」
■中東問題をめぐる外交姿勢
鳩山「イスラエルとパレスチナの問題は深刻だ。米国の認識は甘すぎた。日本は同盟国として米国に一言あってしかるべきだったと思うが、何か言ったか」
小泉「どこの国に対しても、常に日本の立場ははっきり表明している。パレスチナ、イスラエルに対しては、できるだけ自制心を発揮し話し合いで和平実現に努力してほしい。米国には、テロ問題や世界平和のために協力していこう、ということだ」
鳩山「イスラエル・シャロン首相の戦闘行為に対してもっと厳しい姿勢を明確にすべきだ。小泉内閣は対米コンプレックスが強すぎる。真の構造改革とは、対米コンプレックスからの解放ではないか」
■解散・総選挙について
鳩山「解散をほのめかしたそうだが、大いに結構、受けて立ちたい。“伝家の宝刀”を抜き、国民に正しい判断を仰ぐべきだ。決断を」
小泉「解散は混乱したら考える。今は考えていない」
榛葉議員、政府の手薄なシックハウス対策を追及
10日、参議院本会議で民主党・新緑風会の榛葉賀津也議員が質問に立ち、「建築基準法等の一部を改正する法律案」「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)の一部を改正する法律案」に対する質疑を行った。
榛葉議員はまず、建築基準法改正案をめぐって「初めてシックハウス対策がなされたことは評価したい」としつつも、これで問題が本当に解決するか疑問だと提起。シックハウス症候群に悩む患者さんたちの実情を述べるとともに、坂口厚労相にその患者数とシックハウス症候群が病気と認定されていない理由を質した。
坂口厚労相は「人によって症状が違うために医学的に確立するまでに至っていない」とし、そのため患者数の把握できていないことを明らかにした。榛葉議員は「シックハウスの問題はBSEや薬害エイズの問題と同じ構図だ」と指弾。危険性が指摘されているにもかかわらず、因果関係が立証されないとの理由で処置を先延ばし、被害の拡大を招くことになると提起し、国による手厚い対策の必要性を主張した。
その上で榛葉議員は、改正案がシックハウスに対して、建材の使用制限や換気施設の設置などの「入口規制」で対応しようとしていることについて3つの問題点を指摘。2種類の化学物質しか規制対象にしていないこと、建築物完成後の検査を義務づけていないこと、患者発生時の責任所在が明らかでないことを、それぞれ具体的に追及した。
また、榛葉議員は民主党提出の「特定化学物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案」が先の国会で審議すらされずに廃案となった件を挙げ、「政府のシックハウス問題に対する無関心さには閉口する」と指弾。同案ではすべての建築物に、工事終了後の室内濃度測定、基準値を上回った場合の改善措置を義務付けていた点を明らかにし、この「出口規制」こそが必要不可欠だと問題提起した。
ハートビル法案に関しては「今回の改正案は一歩前進だと認識しているが、まだまだ不十分だ」と言及。対象者を拡大し、妊婦や子ども、けが人や病人、知的障害者や精神障害者なども加えて、できるだけ多くの人が利用可能であるとのコンセプト、いわゆるユニバーサルデザインの発想にシフトしていくことが重要だと指摘した。
「軍事行動に賛成できない」イスラエル大使に菅幹事長が表明
パレスチナ紛争が激化する中、イツハク・リオール駐日イスラエル大使が10日、民主党本部を訪れ、菅直人幹事長、伊藤英成NC外務・安全保障大臣、池田国際局長らと会談した。
リオール大使は、アラファト・パレスチナ自治政府議長について「平和を実現する政治家であるより、戦士であり続けている。和平のタイミングをあえて逃すテロリストの主導者だ」と批判。「パレスチナ人の54年の悲劇は自分たちによって引き起こされたものだ」と語った。そして「日本はパレスチナ自治政府に多額の援助をしており、和平へ向けた影響力を行使して欲しい」と要望した。
これに対し菅幹事長は、「民主党の基本的立場は、パレスチナとイスラエルが平和的に共存すること望む、ということだ」とした上で、「率直にシャロン首相の行動には疑問を持っている」「軍事行動によってパレスチナの人々をあの地域から排除しようとしているのではないか」「軍事行動に賛成できない。国連による調査委員会をイスラエルは受け入れ、調停のテーブルに着くことが必要」との考えを明らかにした。
また、菅幹事長は「シャロン首相はアラファト氏を国外へ出そうとしているが、誰とどういう状態で交渉することが望ましいと考えるか」と尋ねたが、リオール大使は「リーダーはパレスチナ人が決めること。現状で話すようなことではない」と応じた。《民主党ニュース》