平成5205日目
2003/04/09
この日のできごと(何の日)
【イラク戦争】バグダッド陥落、フセイン政権崩壊
イラク戦争で米軍部隊は9日、首都バグダッドを陥落、フセイン政権は崩壊した。米英軍は開戦21日目、短期間で勝利を収め、1979年以来約24年間続いた独裁政治は幕を下ろした。チェイニー米副大統領は「フセイン政権崩壊の証拠を目撃している」と述べ、政権崩壊を確認した。
ブッシュ米大統領は、フセイン大統領らの行方を追うとともに、暫定政権樹立など、戦後復興の動きを加速させる。大量破壊兵器の発見も急ぐ。
バグダッド中心部のパレスチナホテル前広場では同日午後、多数の市民が政権の象徴である巨大なフセイン大統領の像をハンマーなどで壊し、米軍とともに倒した。歓喜する市民を、イラク当局は阻止せず、首都で完全に支配権を失ったことが明確になった。
倒壊前には米軍が一時、像の頭部に星条旗を巻き付けた。市内の一部では散発的にイラク軍と米軍の戦闘が続いた。
チェイニー副大統領は9日、米軍は「アフガニスタンに続いて成功した」と宣言。ブッシュ大統領は「進展を喜んでいる」という。フライシャー米大統領報道官は首都陥落を「歴史的」と評価した。
米軍はバグダッドの秘密警察本部を9日新たに占拠。ロイター通信によると、首都攻略部隊主力の陸軍第三歩兵師団のブラント司令官は、「政府庁舎はすべて制圧した。もはや政府は残っていない」とした上で「北部では戦闘がさらに続くかもしれないが、バグダッドや南部の戦闘は数日中に終わる」と述べた。
市内北東部のイスラム教シーア派住民が多く住むサダムシティーでは9日、略奪が始まる一方で、市民が進攻してきた米軍を歓迎した。《共同通信》
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ブレア英首相は9日の下院議会で、イラク戦争に関し「戦闘はまだ終わっていない。サダム(フセイン)体制の権力にしがみつこうとする勢力の抵抗が続いている」と述べ、勝利宣言をするのは時期尚早との見方を示した。
またブレア首相は、今後イラク国内で大量破壊兵器が見つかることに自信を示した上で、イラクに査察官を入れるかどうかをめぐり国連と交渉していることを明らかにした。《共同通信》
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日本政府は9日、イラクの首都バグダッドの陥落、フセイン政権崩壊について「戦争終結が間違いない段階に入った」と歓迎、詳しい戦況の把握やフセイン大統領の消息確認などのため米国と連絡を取り、情報収集を進めている。
川口順子外相は同日夜、訪欧出発に先立ち成田空港で記者団に「イラク全土が落ちたわけではないので、状況を注視しないといけない」と述べ、慎重に情勢判断する考えを強調。同時に「イラクがあきらめれば戦争は早く終わる。戦後復興も急いで考えないといけない」と復興貢献策の検討を急ぐ考えを示した。
政府は焦点となるフセイン政権崩壊後の統治形態の問題や復興支援について本格的な検討に入っているが、さらに加速させる。戦争開始をめぐって米英両国とフランス、ドイツとの対立が激化したことから、復興支援では国際協調体制の再構築に力を入れる方針。今回の訪欧で川口外相は英国、ドイツ、フランスとの意見交換を精力的に進める考えだ。《共同通信》
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米国のブッシュ政権は9日、イラクの首都バグダッドが陥落し、フセイン政権が市民に見放されて崩壊したことを歓迎する一方で、極度の治安悪化で首都が混乱すれば、戦後の暫定統治の妨げになりかねないことを懸念している。
米中央軍のブルックス准将は同日の記者会見で「まだ仕事は残っている」と述べた。米軍はフセイン大統領と2人の息子らフセイン政権幹部を逮捕、拘束してフセイン政権の幹部を完全に壊滅させ、イラク戦争の大義名分だった大量破壊兵器の武装解除を実現する考えを強調した。
首都陥落後、市内が極度に混乱すれば、米軍地上部隊の任務を治安維持に振り向ける必要に迫られ、残るイラク北部のティクリットなどの制圧に向けた今後の軍事作戦に支障が生じることも予想される。
米軍は「解放者」としてイラクに進攻したが、開戦当初「侵略者」と受け止めたイラク国民から期待していたような歓迎を受けなかった。だが、首都中心部に電撃進攻し、市民にフセイン政権一崩壊が間近だと印象付けることで風向きを一気に変えることに成功した。
ブッシュ政権は、戦争終結が視野に入ってきたことで、暫定政権樹立と平和維持軍創設など、軍事、民政両面での戦後復興計画を早急に確定する必要もある。戦後復興をめぐっては、米英両国主導で進めたいブッシュ政権と、国連主導を主張する欧州主要国が対立しており、復興作業の開始が遅れれば、イラクの政治空白が長期化する恐れがある。《共同通信》
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イラクの首都バグダッドを9日陥落させ、開戦から21日目でフセイン政権を崩壊に追い込んだ米英軍は同日夜、首都の完全制圧に向け、散発的に抗戦を続けるイラク軍残党の本格的な掃討作戦に乗り出すとともに、フセイン大統領ら消息が不明の政権指導者の捜索を始めた。
AP通信によると、米中央軍報道官は9日、大統領の出身地の北部ティクリットで、特殊部隊が軍事作戦を開始したことを明らかにした。ティクリット周辺は大統領らの逃亡先ともいわれ、米英軍は軍事作戦の重点を移すことなどで、早期の全土制圧を目指している。
フライシャー米大統領報道官は9日、イラク戦争が「まだ終わっていない」と強調した。
ロイター通信によると、将来のイラク暫定政権の中核を担うことになるイラク人43人が12日、米政府当局者とイラク中部ナシリヤ郊外の空軍基地で、戦争終結後のイラク統治の進め方などについて協議する。《共同通信》
【マツダ・RX-8】発表
【Jリーグ】
ヤマザキナビスコ・カップ1次リーグ第3日(9日・国立競技場ほか=6試合)A組では、浦和が2−1で神戸を下し、公式戦では昨年10月のリーグ戦以来の白星を挙げた。磐田は前田ら若手が活躍し4−0で東京Vに圧勝、勝ち点6で神戸と並んだ。B組の横浜Mは3−0で柏に快勝し、勝ち点7で首位。C組のC大阪−市原、D組の名古屋−京都はともに0−0で引き分けた。《共同通信》
【ソフトバンク・和田毅投手】プロ初勝利
西武0−8ダイエー◇9日◇北九州
ダイエーの新人和田は毎回走者を許したものの、粘り強く要所を締めプロ初勝利。中盤から右打者への外角直球を軸にテンポよく投げ、6回無失点と好投した。城島が二、四回に2打席連続本塁打を放って和田を援護。六回には大道、辻の適時打などで4点を加えた。
西武はけん制死、盗塁死を重ね、攻撃のリズムを欠いた。《共同通信》
【民主党・菅直人代表】自由との選挙協力最優先
民主党の菅直人代表は9日、党本部で共同通信のインタビューに答え、次期衆院選への対応に関連して「300小選挙区で自由党との候補者のバックティングが限りなくゼロに近づくよう努力しなければならない。合流するにしろ、しないにしろ(候補者調整は)やらないといけない」と述べ、政権交代に向け自由党との選挙協力を最優先する考えを強調した。
合流協議にも前向きに取り組む意向を示したが、小選挙区で統一候補が擁立できれば「(合流に)近い効果が得られて、党の独自性も残すことができる」と指摘した。
民主党としての有事関連法案の対案の取りまとめについては「いろんな議論があって構わないが、党の方針が決まったら従ってもらえると思っている」と述べ、党分裂などの事態には発展しないとの見方を示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の亀井静香政調会長は9日の名古屋市内での講演で、2年前の総裁選で小泉純一郎首相誕生を後押ししたことに「一生の不覚だった。直後の参院選で惨憺たる負け方をしても政権を委ねるべきでなかった。まさに後の祭りだ」と反省することしきり。その上で「(私を抵抗勢力ではなく)革命勢力、せめてパルチザンと呼んでほしい。間もなく政権を掌握する」と亀井政権樹立に向けて蜂起を宣言。“亀井反乱軍”の進軍ラッパはとどまるところを知らず。《共同通信》
【小泉純一郎首相】在任714日、故福田元首相と並ぶ
小泉純一郎首相は9日、首相在任期間が714日となり、政治の師と仰ぐ故福田赳夫元首相と並んだ。首相は同日夜、記者団に「任期長きをもって貴しとなさずだ。毎日全力投球だから」と今後も全力で職務をこなしていく考えを示した。
福田康夫官房長官は同日の記者会見で「あっという間ですね。今のようにいい政治をしている限りずっとやっていきたい」と長期政権に意欲をにじませた。
首相はかつて福田首相の秘書を務め、折に触れて元首相の座右の銘を引用したり、年に1回は仏前に焼香してしのんでいる。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手は9日、ニューヨークで行われたツインズ戦に「5番・左翼」で出場したが、中飛、一ゴロ、二ゴロと快音は聞かれず、開幕からの連続試合安打は「7」でストップ。好調ヤンキースは2−1で3連勝を飾った。
マリナーズのイチロー外野手はエンゼルス戦(シアトル)に「1番・右翼」で出場。一回に右前打を放ったが、その後は凡退し5打数1安打、チームは1−5で敗れた。
前日3安打と活躍したメッツの新庄外野手はマーリンズ戦(マイアミ)で出番がなく、2−3でサヨナラ負けした。
カージナルス傘下の3Aメンフィスの田口外野手は9日、アイオワ戦に「1番・中堅」で先発し、5打数2安打1打点だっ。た。九回一死満塁で同点タイムリーを放ち、失策も絡んで3−2でサヨナラ勝ちした。《共同通信》