平成5198日目

2003/04/02

この日のできごと(何の日)

【イラク戦争】米軍、首都まで30キロに

イラクの首都バクダット攻略を目指し、開戦後最大級の地上戦に乗り出した米軍は2日、首都南方の要衝カルバラ、南東の要衝クートを次々と確保、一部部隊が首都から約30キロの地点まで一気に進撃した。

戦況のこう着を破り二方向から大規模な攻勢に転じた米軍は、イラク精鋭の共和国防衛隊との本格的な地上戦で首都の南方防衛線の突破に成功、早期の首都包囲を目指し圧力を強めた。

米CNNテレビなどによると、米陸軍第三歩兵師団は2日、カルバラを守る共和国防衛隊のメディナ機甲師団への攻撃を続行、カルバラを包囲、確保した。カルバラの東方では陸軍第101空挺師団が北進。先頭部隊は首都の南約30キロに迫った。《共同通信》

小泉純一郎首相は2日付の米紙ワシントン・ポストのインタビューで、日本が米国などのイラク攻撃を支持したことに関連して「日本は戦闘に参加しない。戦後復興に参加すると言っており、国連での尊厳は傷つかない」と述べ、国連内の日本の地位に悪影響はないとの認識を明らかにした。戦後復興には自衛隊派遣も含め協力する姿勢を示した。《共同通信》

トルコ訪問中のパウエル米国務長官は2日、イラク戦争をめぐりエルドアン首相らと会談、キュル外相との共同記者会見で、イラク北部に展開する米軍にトルコ経由で後方支援することで合意したと明らかにした。

これまで空輸しか方法のなかった北部戦線への物資補給が一定程度、改普されそうだ。

また、トルコが計画するクルド人自治区への派兵問題も協議、長官は「当面、派兵の必要がないとの点で合意した」と言明した。

クルド武装勢力は米軍指揮下に入り、トルコが懸念する同勢力による独立への動きを抑えることは可能とする米国側の説明に、トルコが理解を示したとみられる。

トルコ国会は先月、米軍の国内駐留を否決、両国関係は悪化していた。しかし今回の対米協力進展で、長官は「10年以上にわたる関係は強化された」と述べ、関係修復を強調した。《共同通信》

バグダッドからの報道によると、イラクのフセイン大統領は2日、地元の衛星テレビ局を通じ声明を発表。米英軍は戦力のすべてを戦場に投入しているが、イラク軍はまだ3分の1程度しか投入していないと説明、「勝利はわが手にある」と国民に奮戦を促した。

声明はテレビ局のアナウンサーが読み上げ、大統領の映像などは放映されなかったという。

1日夜には、サハフ情報相が同じような大統領声明を読み上げたばかり。首都南方での米英軍の攻勢に、国民の戦意を高揚させる狙いがあるとみられる。《共同通信》

韓国国会は2日、本会議を開き、イラク戦争で工兵隊など700人を派兵することに対する同意案を賛成多数で可決した。同意案は2度にわたり採決が延期されるなど難航したが、採決では256議員が出席し、179議員が賛成、68議員が反対、9議員が棄権した。

韓国は米韓同盟強化の立場から、最大600人の工兵隊と最大100人の医療支援団を派遣、米国などの基地運営や診療活動、イラク戦争終了後の復旧支援などに従事する。

盧武鉉大統領は同日午前、国会の所信表明演説で「難しい時に米国を助け、米韓関係を強固にすることが北の核問題を平和的に解決することになる」と訴え、派兵を認めるよう訴えた。野党ハンナラ党は大統領演説を受けて採決に同意した。《共同通信》

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【天皇陛下】順調にご回復

宮内庁は2日、天皇、皇后両陛下が皇居内で、ほぼ満開の桜を鑑賞される写真を公開した。写真は3月31日午前、住まいの御所から、公務のため宮殿に向かう際に撮影した。

宮内庁によると、1月に前立腺がんの手術を受けた陛下は、ほぼ例年通りに公務をこなすまでに回復。3月29日には、約4カ月ぶりに両陛下でテニスを約30分間、ゲーム形式で楽しまれたという。《共同通信》

【第75回選抜高等学校野球大会】

第75回選抜高等学校野球大会第11日は2日、甲子園球場で準決勝を行い、3日の決勝はともに3度目の優勝をかけた横浜(神奈川)と広陵(広島)の顔合わせとなった。

横浜は徳島商(徳島)を5−3で下し、松坂(現西武)を擁して春夏連覇した1998年以来5年ぶりの決勝進出。広陵は東洋大姫路(兵庫)を5−1で退け、優勝した91年以来12年ぶりに決勝に進んだ。決勝での神奈川、広島県勢対決は73年の横浜−広島商以来で30年ぶり。

横浜は六回、相手守備の乱れをついて勝ち越し、七回にも加点。九回に成瀬から涌井につなぎ、56年ぶりの決勝進出を目指した徳島商の反撃をかわした。

一回に白浜の適時二塁打で1点を先制した広陵は、その後も東洋大姫路の好投手アンから小刻みに加点。エース西村が相手打線を4安打1点に抑えて快勝した。《共同通信》

【新型肺炎】WHO、広東・香港へ渡航延期勧告

アジアを中心に広がっている新型の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)について、世界保健機関(WHO)は2日、患者が多く報告されている中国・広東省と香港への渡航を延期するよう求めた世界規模の勧告を出した。ヘイマン感染症対策部長が同日、ジュネーブで緊急会見し明らかにした。

広東省で新規感染者が大量に発生、香港で飛まつ感染以外のルートで感染した可能性が出ているなど、感染の封じ込めが進んでおらず、両地域への自由な渡航は、感染拡大の原因になりかねないと判断した。

WHOがSARSに関して渡航延期を求めたのは初めてで、感染症対策としてこれだけ広い地域を対象に渡航延期を求めるのは極めて異例。広東省と香港は中国南部経済の中心地で、観光をはじめ日本の進出企業などに影響が出そうだ。

これを受けて、日本政府はホームページなどで、速報的にWHOの勧告内容を流す「スポット情報」を出して注意を呼び掛けた。

SARSは1日の時点で、アジアを中心に計1804人が感染、うち82人が死亡した。このうち香港は感染者が685人(うち16人死亡)、広東省は806人(同34人)に上る。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の野田佳彦国対委員長は2日の記者会見で、小泉純一郎首相の発言に関し「有事関連法案の国会答弁で『予測し得ないことが起こるということを予測しなければいけない』と言いながら、イラク問題では『仮定の話は答えられない』だった」と矛盾をチクリ。「昨日、エープリルフールで首相が政界再編の話をしたが、驚きはなかった。最近この種のウソが多い。もっといろいろなウソが出てくる」と皮肉ったが、かつて民主党も首相にエールを送ったことは忘れた?《共同通信》

【この日の民主党】

「有事関連法制の対案は着々と準備している」野田国対委員長

民主党の野田佳彦国会対策委員長は2日の国対役員・筆頭理事合同会議の冒頭、有事関連法制の今後の審議再開問題に触れ、「与党の幹事長会談で『14日まで民主党の対案提出を待つ』と確認したとのことだが、与党に期限を切られる筋合いはない。対案は着々と準備している」と表明した。

野田国対委員長はまた、前日の「北朝鮮が地対艦ミサイル発射」との誤情報に政府が振り回された問題について、「有事以前の体質を露呈したものではないか」と防衛庁などの対応を批判した。

[次の内閣]個人情報保護法の野党案提出など確認

民主党『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)が2日、閣議を開き、野党4党共同でとりまとめを進めている個人情報保護法案、健康保険法改正案についての報告などが行われた。

閣議の冒頭、菅直人ネクスト総理は、「イラク戦争が泥沼化している。テロをなくすためといって米国が無理に始めた戦争によって、テロが拡散するという結果になることを危惧する。本来あるべき外交の姿について、根源的な議論が必要だ」と挨拶の中で見解を述べた。

続いて、枝野幸男ネクスト官房長官は、個人情報保護法案、緊急事態法制、健康保険法改正について以下の通り現状を報告した。

1)個人情報保護法については、民主党ほか自由党、日本共産党、社民党の野党4党で対案をつくり、国会提出の運びとなった。政府案が早期に審議される見通しの中で、野党案の国会提出の時期については国会対策委員会に委ねる。野党案は、第三者機関を設置することによって、自己情報コントロール権(=個人情報の取得、利用、第三者に対する提供等に関し本人が関与すること、その他の個人の権利利益)を保護することなどが盛り込まれている。

2)緊急事態法制については、昨年来、民主党の基本的考え方と、政府案に対する10項目の指摘がすでに党議決定されている。それら政治文書を法文になじむ形で整理しつつあり、日程が整い次第、党内で協議を開始する。

3)政府の健康保険法改正の強行により、4月1日から被用者の窓口2割負担が3割負担となった。野党4党は、3割負担を当面2割のまま凍結すべきであると主張し法案を提出していたが、今後は3割負担を2割に引き下げる法案を国会提出する作業に入る。

引き続き行われた報告・協議での主な案件は、以下の通り。

1)「犯罪被害者基本法案」(民主党議員立法)の国会再提出が了承された。2)「保険業法の一部を改正する法律案」について中間報告があった。3)「国立大学法人法案」関係6法案の対応について中間報告があり、国立大学の独立法人化は一見改革のように見えるが、文部科学省の関与が続き大学の独立性がそこなわれる危険性がある等の意見が出された。

法案審査では、「雇用保険等の一部を改正する法律案」(反対の方向)など13案件が処理された。

豪労働党幹部が菅代表と会談

オーストラリア労働党副党首のジェニー・マックリン下院議員が2日、民主党本部を訪れ、菅直人代表、伊藤英成外務ネクスト大臣、ツルネンマルテイ国際局長と会談した。

会談では、まずイラク問題が取り上げられた。マックリン下院議員はオーストラリア政府の立場について、軍隊の増派を決めるなど、戦争に対してはかなりの決意で臨んでいると説明。ただし「オーストラリア労働党としてはイラクを攻撃する正当な理由がないということで、国連を通して平和的に解決すべきだとの立場をとっている」とした。これに対して菅代表は「われわれの立場と共通だ」とし、日米安保条約を支持するが、国連決議のないままイラク攻撃に踏み切った米国は支持できないとの民主党の立場を明らかにした。

また、マックリン下院議員が北朝鮮問題をめぐる民主党の立場について質問。菅代表はまず、盧武鉉大統領、金大中前大統領らと相次いで意見交換した2月の訪韓の折の印象を踏まえながら、「韓国政府は北朝鮮の核開発に反対しているが、それ以上に、米国の武力制裁によって、50年前の朝鮮戦争のような戦闘が勃発することは何としても避けたいと強く思っている」と説明。同時に韓国民の多くが、「北朝鮮は韓国に対しては核兵器を使用しない。あくまでも米国へのカードであり、日本への脅しとして保持している」との考えを持っている点を明らかにした。

その上で菅代表は「北朝鮮問題については、米国・韓国・日本が連携して共通した提案を示すべきだ」と提起。(1)核兵器開発の停止、(2)拉致事件に対して積極的な解明に努めること、(3)北朝鮮国内を改革・開放の方向に進めること、の3点を北朝鮮に要求するとともに、これを北朝鮮が受け入れた見返りとしては、(1)米国政府は軍事力で北朝鮮政府を倒さない、(2)日本政府は国交回復後に経済的支援を行う、(3)韓国政府は建設的な協力体制をとる、という案を提示した。



4月2日 その日のできごと(何の日)