平成5518日目

2004/02/16

この日のできごと(何の日)

【公安調査庁】オウム施設を一斉検査

オウム真理教(アーレフに改称)元代表松本智津夫被告(48)=教祖名麻原彰晃=の判決を27日に控え、公安調査庁は16日、公安調査官約200人を動員し、団体規制法に基づき全国の関係先11カ所を一斉に立ち入り検査した。

今回の立ち入り検査は2000年2月に初めて実施されて以降、最大規模。極刑が予想される松本被告を絶対視する教団の一部幹部や信者の動きをけん制するのが狙いとみられる。

11カ所は烏山施設(東京都世田谷区)をはじめ、札幌、仙台、八潮大瀬(埼玉県)、横浜、名古屋、大阪、甲西(滋賀県)、徳島、福岡の各教団施設と、東京都練馬区の石神井台にある分派の一拠点。石神井台の拠点への立ち入りは初めて。

公安庁などによると、分派は脱会した元信者が中心となって独自の活動を展開するグループで、全国に五つあるとみられている。ほとんどのグループは松本被告に帰依する傾向が強く、石神井台を拠点とするグループもその一つという。

教団本体も昨年“麻原色”を払しょくしようと改革路線を進めていた上祐史浩代表と、改革路線に反発するほかの有力幹部の対立が表面化。10月には上祐代表が指導部から離れ、集団指導体制に移行している。

立ち入り検査はこれまで71回にわたり、19都道府県、計76カ所の教団施設で実施している。《共同通信》

公安調査庁の立ち入り検査を受けたオウム真理教(アーレフに改称)の関係先11カ所のほとんどで、元代表松本智津夫被告(48)=教祖名麻原彰晃=の教義を収めた本やビデオテープなどが現在も使用されていることが16日、確認された。

うち東京都練馬区石神井台にある分派の拠点では、松本被告の写真を多数掲げ、教団と連絡を取り合っているという。

記者会見した公安調査庁の柳俊夫次長は「組織的に松本被告に対する崇拝が強化されている。今後も信者の動向には警戒が必要だ」と述べた。《共同通信》

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【サラリーマン川柳コンクール】

第一生命保険は16日、毎年恒例の「サラリーマン川柳コンクール」の入選作100編を発表した。17回目の今年は中高年層の応募が例年より増えたほか、不況が長引く世相をテーマにした作品が相変わらず多かった。

「ごみ出しを 忘れて会議 上の空」「家事分担 それパパこれパパ ママはどれ?」など、家庭での立場が弱くなりつつある中高年男性の現状を嘆く作品が目立った。

「無駄省け 言ってた上司 省かれる」「『課長いる?』返いったこたえは『いりません!』」と、リストラ絡みの人間模様を詠んだものも。電話で息子を装い金を振り込ませるおれおれ詐欺がテーマの「『オレオレ』と 帰るコールに どちら様?」など、最近話題のキーワードを詠み込んだ作品もみられた。《共同通信》

【サッカー】

日本サッカー協会は16日、アテネ五輪アジア最終予選1回戦(3月1、3、5日・アラブ首長国連邦=UAE)に臨むU−23(23歳以下)日本代表20人を発表、注目の大型FW平山相太(長崎・国見高)が選出され、フル代表の合宿に参加していた大久保嘉人(C大阪)は落選した。

昨年日本国籍を取得した田中マルクス闘莉王(浦和)や、フル代表組の茂庭照幸(F東京)石川直宏(F東京)もメンバー入り。世界ユース選手権8強のU−20代表組からは今野泰幸(F東京)ら6人が選ばれた。

20人は19日から大阪で合宿し、壮行試合として、U−23韓国代表(21日・長居)と対戦。23日にUAEに出発する。《共同通信》

【朝日新聞】「アエラ」でやらせ写真

朝日新聞社発行の週刊誌「アエラ」1月26日号が、記事の趣旨を教えないまま中学生にポーズをとらせて撮影した写真を載せて抗議を受け、今月16日発売の同23日号におわびを掲載した。同誌は「未成年者への配慮に欠け、中学生や保護者の名誉を著しく傷つけた」と全面謝罪している。

「コンビニ前できょうも『友食』」と題した記事は、最近の中高生がコンビニ前の地べたに座っておにぎりなどを食べる夕方の光景を紹介。内容に符合する、若い男女計4人の写真3枚を載せた。

同社によると、4人は記事を書いた記者の知人の中学生とその友人。記者がお金を渡して食べ物を買わせ「座って食べて」などとカメラマンとともに頼んだ。中学生4人にとっては、普段していないポーズだった。

同社広報部は「『やらせ』と受け取られてもやむを得ない。深く反省している」としている。《共同通信》

【ホンダ】航空機産業に参入

ホンダと米複合企業、ゼネラル・エレクトリック(GE)は16日、小型航空機エンジンの共同事業化で基本合意した、と発表した。年内に最終契約する見通し。

小型ジェット機は、米中枢同時テロの影響で、安全面を重視する米企業経営者を中心に利用が増えており、両社は今後有力市場に成長すると判断したもようだ。ホンダは、自動車エンジンのノウハウを活用して新規事業への参入を目指し、GEは航空機事業を強化するのが狙い。

今後ホンダが開発した小型エンジンを共同で機体メーカーに販売し、2−3年後の実用化を目指す。エンジンは現在市場で使われている同様の製品に比べ、燃費が約1割程度良いことなどが特徴、としている。

ホンダにとって航空機産業への進出は創業者の故本田宗一郎氏からの夢だった。1986年にエンジンなどの本格的な研究を開始。昨年12月には米国で、自社開発したエンジンと機体による小型ジェット機のテスト飛行に成功するなど、商業化への道を探っていた。

外資との本格的な提携に乗り出す理由について、ホンダの福井威夫社長は「世界最大のジェットエンジンメーカーであるGEには、航空機産業での長い歴史と経験がある」と指摘した。《共同通信》

【カネボウ】再生機構に支援要請

経営再建中のカネボウは16日、花王への化粧品事業の完全売却を断念、産業再生機構に支援を要請したと発表した。主力事業を完全に手放すことへの労組などの強い反対を受け、計画を変更した。新たな計画では、化粧品事業を分割してつくる新会社に再生機構が50%超を出資し、機構は金融機関のカネボウ向け債権の買い取りも行い、カネボウは債務超過解消や有利子負債圧縮を急ぐ。

再生機構は支援を前向きに検討する。決定すれば、三井鉱山、金門製作所に続く東証一部上場企業の支援となる。再生機構の支援案件は中堅以下の企業が多かったが、名門カネボウの再建で力量が問われることになる。

カネボウはこの日、取引金融機関に対し、私的整理ガイドラインに基づく債権回収の一時停止を要請した。主力取引行の三井住友銀行は、引き続き支援するとのコメントを発表した。

計画によるとカネボウは、化粧品事業を5月初旬にいったん傘下の化粧品販売会社に分割譲渡。機構が新会社の株式の過半数を取得する。新会社はカネボウ本体の債務の過半も引き受け、再生機構がこれを金融機関から買い取る。新会社への出資には、民間の投資ファンドが加わる可能性がある。金融機関への債権放棄要請はしない。

花王への事業売却には、従業員の雇用などを不安視して労組が強く反対。取引先にも同様の懸念が広がった。

カネボウの有利子負債は2003年9月中間期末で約5200億円。事業再編コストなどがかさみ、同中間期末で629億円の債務超過に陥り、花王への化粧品事業売却で得た利益で、3月末には債務超過を解消する予定だった。今回の計画変更で、再生機構による資産査定に時間が必要となることから、債務超過解消は1カ月−1カ月半程度遅れる見通し。《共同通信》

【アイレディース宮殿黒川温泉ホテル】廃業へ

熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(同県合志町)の入所者の宿泊を拒否した問題で、ホテルを経営するアイスター(東京)の江口忠雄社長は16日、同ホテルを廃業することを明らかにした。同日午前、ホテルの従業員38人に説明したという。

江口社長は廃業する理由を「ハンセン病元患者の宿泊を断ったことに対する最大の謝罪」と説明。しかし、恵楓園の太田明入所者自治会長は「巧妙な当て付けだ」と反発している。

廃業時期については、旅館業法違反容疑での告発を受理している熊本地検による取り調べの関係や、従業員の生活、既に入っている予約客の扱いなどを考慮する必要があり、現時点では未定としている。江口社長は従業員への説明で、営業停止処分の方針を固めた県に対し「対応に不満はあるが、争うつもりはない」と語ったという。《共同通信》

【北朝鮮による日本人拉致事件】外務省、協議内容を家族会に報告

外務省の藪中三十二アジア大洋州局長は16日午後、内閣府で北朝鮮による拉致被害者家族会の横田滋代表らメンバーに対して、拉致問題をめぐる日朝協議の内容を報告し「家族会の意見を尊重しながら結果が出せるよう努力する」と強調した。

薮中氏は拉致被害者家族の帰国問題などで平行線に終わったことについて「具体的な成果がなく申し訳ない」と陳謝。「今後の交渉の見通しについては厳しいとの認識を持っている」と述べた。

北朝鮮による拉致被害者の家族帰国問題などをめぐり平壌で行われた日朝協議で、家族がいったん日本に帰国した後、本人が希望する場合には北朝鮮に戻す考えを日本側が伝えていたことが16日、分かった。

拉致被害者家族会の横田滋代表らが同日午後、協議に出席した外務省の藪中三十二アジア大洋州局長から報告を受けたとして明らかにした。

また残る拉致被害者の安否を確認するため、日本側が提案した真相解明のための「日朝合同委員会」について、藪中氏は「北朝鮮に日本が乗り込んで調査するための手段」と説明、日本自ら調査する考えを表明した。

横田氏ら家族会メンバーによると、薮中氏は北朝鮮側に「(家族が日本に帰国するかどうかの)意思確認は日本に来て住んでみて、その後にされるべきだ」と主張した上で、「どうしても北朝鮮に帰りたいと言った場合は、戻すことは可能だ」と伝えたと説明した。

ただ同時に「実際は(北朝鮮に帰るという意思表示は)あり得ないだろう」とも指摘した。北朝鮮側が家族帰国の前提として「本人の意思確認」を求めていることから、藪中氏としては日本もいったん帰国させれば家族の意思を尊重する方針であることを強調する狙いがあったとみられる。

家族会への報告で薮中氏は今後の交渉について「家族会の意見を尊重しながら結果が出せるよう努力する」とする一方で「(見通しは)厳しいとの認識を持っている」と表明。今回の日朝協議に関して「具体的な成果がなく申し訳ない」と陳謝した。

藪中氏は外為法改正を「効果的だと感じた」と北朝鮮への「圧力」になったとの認識を示したが、家族会側が一層圧力を強めるよう求めたのに対しては「北朝鮮の対応をみたい」と答えるにとどめた。

「田中均外務審議官を交渉から外してほしい」「経済制裁の発動を」。拉致被害者家族会と支援の「救う会」のメンバーは16日夕、外務省の鼓中三十二アジア大洋州局長から今回の日朝協議について説明を受けた後、都内で記者会見。田中外務審議官を批判し、今後の日朝協議について厳しい注文をぶつけた。

会見の冒頭、家族会の横田滋代表(71)は「北朝鮮の主張は従来と変わらず大きく失望させられた」「私たちが強く不信感を持っている田中審議官を日朝交渉の担当から外していただきたい」とする見解を読み上げた。

横田代表はさらに「政府間交渉を続けていくことを確認できたのはよかったが、日朝間の隔たりは大きい。一日も早く制裁を発動して解決を図るしかない」と述べ、経済制裁の実施を強く求めた。

地村保志さん(48)の父、保さん(77)は「日本から仕掛けて強い態度で出てほしい」と薮中局長に求めたことを明らかにした。

藪中局長の説明について蓮池透事務局長(49)は、「当事者不在の外交が続いているとただしたところ、局長は『至らぬ点があった。今後は被害者家族と相談して方針を決めたい』と言った。藪中局長に期待したい」と語った。

増元照明事務局次長(48)は「だらだら交渉をやっても駄目。期日を設けて制裁を実施し圧力をかけてほしい」「特定船舶の入港禁止法案も早く成立させてほしい」と強調した。《共同通信》

【衆院予算委員会】

川口順子外相は16日の衆院予算委員会で、平壌で行われた日朝高官協議に関し「日朝平壌宣言に基づき諸懸案を解決していくことを確認しあった。政府間協議を継続することを申し合わせた。政府間協議がずっとなかったので、政府間のハイレベルで詳細にじっくり話し合ったという意味があった」と意義を強調した。

交渉を担当した田中均外務審議官、薮中三十二アジア大洋州局長については「政府レベルの協議ということを考えると、実務専門家のラインの責任者と、この問題に長くかかわってきた人間というのは最高の布陣。変えなければならないとは考えていない」と、今後も二人の担当者を変更しない考えを示した。《共同通信》

小泉純一郎首相は16日昼、拉致問題などをめぐる日朝協議について「基本通り粘り強くやっていく。成果を出せるよう努力する」と首相官邸で記者団に述べ、早期の拉致問題解決に務める考えを強調した。《共同通信》

【民主党】首相と会食の議員を注意

民主党の野田佳彦国対委員長は16日、先に小泉純一郎首相と会食した同党の中山義活国対副委員長ら衆院議員5人に対し「厳しい国会論戦が続いている中、誤解を招くような行動は慎んでほしい」と口頭で注意した。5人は陳謝した。

一方、岡田克也幹事長は首相とのパイプ役になった木下厚氏を党本部に呼び、事情を聴いた。木下氏は国会質疑で自身が「与党議員と会食するなら野党議員も呼んでほしい」と発言したのがきっかけで、他意はないなどと説明し「ご迷惑をかけた」とわびたという。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・共産党の市田忠義書紀局長は16日の記者会見で、民主党の木下厚衆院議員ら5人が小泉純一郎首相と会食していたことについて「こういう時期に政治的に対決する相手と仲良く食事できるというのは理解できない」と、野党共闘の足並みを乱しかねない行為に不快感。ただ「不思議ではない気がする。憲法や消費税の問題でも基本的に同じ土俵に乗り、悪政を競っているわけだから、お互い食事をすることは自然なことかもしれない」と、夏の参院選もにらんでか皮肉の矛先は民主に。《共同通信》

【イラク自衛隊派遣】護衛艦むらさめ出港

イラクで活動する陸上自衛隊の装備品を運ぶ輸送艦を護衛するため、海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」(4550トン、乗組員約180人)が16日、神奈川県横須賀市の海自横須賀基地を出港した。

海自呉港を14日に出港した輸送艦「おおすみ」(8900トン、乗組員約150人)とともに北海道・室蘭港に18日に寄港。おおすみに水タンク車などを積み込んだ後、両艦はクウェートに向け20日に出航する予定。

イラク復興支援特別措置法に基づき、陸・海・空の自衛隊がそろって海外展開することになる。海自にとっては、テロ対策特別措置法によるインド洋上への派遣と並行した活動となった。《共同通信》

【この日の民主党】

[衆院予算委]日歯連疑惑、新生銀上場問題などを追及

衆議院予算委員会の16日の質疑で、民主党から中津川博郷、鮫島宗明、井上和雄、小林憲司の各議員が質問に立った。

中津川議員は自民党の吉田幸弘前衆院議員の不正経理事件をめぐって、「国民が払った医療費が日本歯科医師連盟(日歯連)を経て自動的、組織的に自民党への多額の献金となっている」という背景を指摘。さらに吉田前議員と日本歯科医師会(日歯)が関った補助金事業疑惑にも言及し、吉田前議員、臼田日歯・日歯連会長らの参考人招致を求めた。

また中津川議員は、足利銀行の一時国有化問題について「自己資本比率が国内行の基準を上回ったという理由で破綻リスク情報が開示されていなかった足銀が、1年以内に倒産するなんて考えられない。地元意識に基づいて協力した栃木県民、国民への裏切りだ。新生銀行のように外資に売り渡すな」と迫った。

鮫島議員は、一般会計の4.5倍にも膨れ上がった特別会計の不透明な実態について質問。まず外国為替特別会計について、今年1月だけで7兆円、累積で78兆円にも上るドル買い介入を問題にし、「内需に向かうべき金が外需に向かっているのではないか」と質した。しかし政府は「為替の急激な変動を避けるため」(竹中経済財政・金融担当相)などとし、リスク意識もほとんど希薄だった。

特別会計の歳入については、地方交付税特別会計借入金や政府保証債の実態の公開を要求。また歳出については、財政投融資の資金供給先のうち雇用・能力開発機構などを取り上げ、破綻懸念先ではないか、と追及した。しかし坂口厚労相は「貸し倒れ引当金も用意している」などと答えるにとどまった。

井上議員は、年金改革について質問。第一号被保険者2200万人のうち非加入者、未納者、免除者の総計が700万人を越えることを指摘し、「制度は崩壊している。税方式に替えるしかない」と提起した。坂口厚労相は「深刻に考えている」としながらも、基礎年金を全額税で賄うのは難しい、とした。

また井上議員は、自身が制定に尽力し、今年から全面施行されたヤミ金融対策法を活かす観点から、警察庁に貸金業者の取り締まりを、金融庁に不正口座への対策を、それぞれ徹底するよう要請した。

小林議員は、新生銀行(旧日本長期信用銀行)が今月19日に再上場を予定していることをめぐって質問。同銀行がイ・アイ・イーインターナショナルから巨額の賠償請求訴訟を起こされていながら、それを公表せず、瑕疵担保条項に基づいて預金保険機構が旧長銀の債権を買い戻すことを前提に上場しようとしていることに疑問を呈した。竹中金融担当相および金融庁担当者は、「一般企業でも抱えている訴訟を全部開示したりしない」「上場の審査は東証(東京証券取引所)が行う」などと言い逃れに汲々としたが、小林議員は「投資者保護の観点から、今のまま上場すべきでない」とし、同銀行の再上場の延期および再審査を強く求めた。《民主党ニュース》



2月16日 その日のできごと(何の日)